こんにちは。
JR山口駅から徒歩7分、武田塾山口校です。
大学の上には「大学院」という所があるらしい……
これは中学生や高校生の皆さんも、なんとなく聞いたことがあるという方が多いと思います。
自分や友達のお兄さんお姉さんや、塾の先生が大学院に通っている、という方もいるかもしれませんね。
でも大学院って、
何をする所なの?
ていうか、
どこにあるの?
どうやって入るの?
理系は大学院に行けって言われるけど、本当にそうなの?どうやって決めたらいいの…?
今日は、皆さんにとってそんな未知の世界である大学院について、実際に通っていた経験を基にご紹介し、イメージや興味を持ってもらえたらいいなと思います。
大学院て、どんなところ?
「大学院」の前に、そもそも「大学」がよくわかんない、という方も多いと思いますので、
まず「大学」について簡単にお話しますね。
1.大学について - 大学と高校までの違いは?
※大学にも色々と種類がありますが、ここでは国公立大学等の「4年制の総合大学」についてお話します。
大学と高校までとの違いをざっくり言うと
(1) 大学では、数多くの授業から受けたい授業を各自が好きに選んで登録する
…いくつかの授業は「必修科目」といって必ず選ばないといけませんが、あとは自由です。
(2) 授業には「一般教養科目」と「専門科目」がある
…これは読んで字のごとくです、一般教養科目では文理関係なく様々なことを学べます。
(3)「研究室配属」というイベントがある
…この「研究室」が後でお話しする大学院の本体です。
(4)「単位」を一定数以上集めると卒業できる
…出席日数、試験の点数、レポート等から先生が「合格」と判断すれば「単位」がもらえます。
まぁゲームに例えるなら、
・ステージ(授業)を選んでクリアすることでポイント(単位)を集める
・ある程度のポイントが貯まったらボス戦(研究室配属)が解法される
・ポイントを集め切り、ラスボス(卒論)を倒したら、ゲームクリア(卒業!)
という感じですね。
どれぐらいの割合が必修科目なのか、各授業の合格基準は何なのか、
何年目までにいくつの単位を集める必要があるのか、留年(次の学年に進めない)があるのか等々…
これらは大学によって千差万別ですが、概ね上の(1)~(4)のイメージで大丈夫です。
ちなみに私(武田塾山口校の講師)の通っていた京都大学農学部は、
・1年目と2年目は一般教養科目しか選べない(ちょっっっとだけ専門科目あり)
・3年目は主に専門科目、秋頃から研究室見学と配属希望アンケートがある
・4年目は生活の中心は研究室、卒業論文の提出が必須
・留年システムが無い
「留年システムが無い」というのは「何年目までに単位をいくつ集めるべし」という縛りが無いという意味です。
自由の学風の京都大学ですから「自己管理して何とかしなはれ」という感じでした。
なので、着々と3年目までに単位を集めきって残すは卒論だけ!という人もいれば、ずーっと遊んでいたので研究室配属の段階で殆ど単位が取れてない!死ぬほど忙しい!という人もいましたね。
後者のパターンは研究と両立できないので大概は卒業できません笑
2.研究室って何?
何度か「研究室」という言葉が登場しましたが、大学の先生(いわゆる教授など)のメインのお仕事は、この「研究室」で各自の研究に取り組み発表することで学術を発展させるとともに、未来の研究者の卵である学生を育てることです。
皆さんは、興味のある分野の研究室を選んで所属し、担当の先生から指導を受けながら自ら研究テーマを持って取り組むことで、専門知識を深め、研究の心得や手法を学びます。
「将来研究者になりたいわけじゃなくても研究室に所属しないといけないの?」
と思うかもしれませんが、研究は「論理的に物事を捉え、筋道を立てて課題を解決する力」を養うもので、どんな仕事に就いてもこの力は必要ですので、基本的に全員が研究室に所属することになります。
この「研究室」が集まっているのが、いよいよ本題の「大学院」です。
3.大学院について - 授業と研究の違いは?
(1) どこにあるの?
まずは意外とよく聞かれるこの質問。
確かに、大学生になるまで知らなかったかも…
大学院は場所というより「組織の中の部署」で、通常は大学と同じ構内にあります。
大学で授業を受けていた建物の違う階にあったり、専用の建物があったり…
理系だと、研究調査をしやすいように大学本部から離れた山や海の近くに設置される場合もあるので、研究室配属のタイミングで引っ越す人も多いですね。
(2) どうやって入るの?
大学と同様に願書を提出し、入学試験を受けます。
一般的に、大学院入試は大学入試より相当やさしく、基礎的な知識と論理力と志があれば比較的かんたんに入ることができます。偏差値の概念もありません。
ですので、大学受験では歯が立たなかった○○大学でも大学院受験なら合格できる!ということも多々あります。
通っていた大学とは別の大学の大学院を受験することも可能ですので、憧れの大学に再チャレンジ!というのも良さそうですね。
受験科目は大学院によって様々で、一例として京都大学大学院農学研究科の場合は
・筆記試験(英語、所属したい研究室の専門科目、自然科学に関する課題作文)
・面接
でした。
英語は殆どの大学院で必須科目になっており、TOEICやTOEFLといった民間試験の成績が必要な場合も。
え、英語……?理系だし要らないと思ってた……
という方、いませんか?
研究は世界中で同時に進んでいます。
日本国内のことに関する研究は日本語ベースですが、世界の研究の公用語は英語なのです。
大学院では英語の論文を読むのは日常茶飯事。
海外からの留学生と一緒に研究したり、英語で論文を書くことも!
理系の皆さん、英語は自分のやりたいことを実現する今や必須の武器ですので、ながーいお付き合いだと思って頑張ってくださいね。
(3) 何年通うの?
大学院には、2年間の「修士課程」と、その後に3~5年の「博士課程」というのがあります。
大学4年+修士2年=計6年というのが理系の典型パターンですね。
大学院進学者の9割以上は修士課程を出たら就職しますが、一部の人は博士課程に進学します。
博士課程の話は…………ちょっと、ディープなので、また機会があればお話しします笑
------ この辺りから、大学院に興味のある人は必読です! ------
(4) 大学と何が違うの?
一言で言うと、大学は「授業を受ける所」で、大学院は「研究をする所」です。
大学と大学院、授業と研究…… 似ているようで、実は全く異質のもの。
大学の授業は
・興味の幅を広げるためにあり、どの授業を受けるかは自分で選択しますが、内容もゴールも先生によって設定されます(単位を認められるに足りる知識理解を身につければOKです)
対して研究というのは
・専門的で、ゴールをどこに設定するか、そこまでどう進むか、すべて自分で決めます
と言っても、研究テーマの設定には膨大な背景知識が必要ですので、普通は、その道のプロである先生が用意してくれたテーマ群から取り組みたいものを選びます。
そこから先は、失敗、失敗、失敗、試行錯誤の日々。
受験勉強との決定的な違いは、研究には「答えが無い」ということです。
なので、暗記が得意で受験成績が良かった人(一般的に「優秀」と言われる人)が、必ずしも研究において優秀とは限りません。
覚えるだけの受験勉強なんて退屈だ……
と思うなら、ひょっとしたら研究に向いているかもしれませんよ。
(5) 大学院とか研究室ってどう決めたらいいの?
皆さんが「大学」を考える時って、勉強できる内容とか立地とかも勿論ですが、ぶっちゃけ「○○大学卒」の肩書って、気にしますよね。
大学までは「どの学校を出たか」が専ら注目されますが、大学院は違います。
ずばり「どの先生に教わったか」です。
プロのスポーツ選手や音楽家のプロフィールに「○○氏に師事」と書いてあるのを見たことはありませんか?
プロを目指すという観点からも誰に教わるかは非常に重要ではあるのですが、そうでなくても、研究の世界では先生によって価値観も専門分野も研究環境(指導の手厚さ、使える実験機器、人の繋がり、研究室の雰囲気など…)も全く違います。
素晴らしい先生との出会いは、あなたをどんどん成長させ、学問をもっと輝かしいものに見せてくれるはずですが、相性があまり良くない先生の下では、卒業まで非常に苦労するかもしれません。
進みたい研究分野が定まってきたら、より具体的に、自分はどんな研究をしたいのか、どんな研究スタイルが好みなのか(複数人で研究したいか個人で突き詰めたいか、野外調査をしたいか室内実験をしたいか…等)をイメージして、その理想を叶えられそうな先生を探してみましょう。
自分が今いる大学の院だとピッタリの先生がいないかも…
と思ったら、他の大学院を探すのも全然あり。
近い分野の先生に相談すれば「○○大学院には△△の先生がいるよ」と教えてくれます。
そして、行きたい研究室の先生が自分の理想を叶えてくれそうか、実際に会って話を聞いてみてください。
中高生の皆さんというより大学生向けの話になってしまいましたが、良い先生との出会いは一生モノですので、いつか研究室選びに悩む時が来たら、この話を思い出してくれると良いなと思います。
理系は大学院へ行け?
「理系の仕事に就きたいなら大学院まで行かないと無理」
「理系はとりあえず大学院に行っとけ」…
そんな風に言われた経験はありませんか?
高校あたりから理系の皆さんは上記のようなことを言われる機会が増え、漠然と刷り込まれていくわけですが、実際どうなんだろう………よく知らない人が殆どだと思います。言い回しだけが独り歩きしている感じもしますよね。
あくまで私の考えですが、
「理系の仕事に就きたいなら大学院まで行かないと無理」→ NO(大学卒でも可能です)
「理系は大学院に行っとけ」→ YES(行けるなら行くのが良いと思う)
です。
1.大学卒でも理系の仕事に就くことは可能
民間企業の研究職の採用基準は大抵「大学以上を卒業していること」です。
つまり、大学院まで行っていなくても就職は可能ということ。
確かに大学院卒の方が採用されやすいですが、正直言って能力と努力次第です。
実は会社に勤めながら並行して大学院に通っている人というのは割といます。会社から「大学院で勉強してスキルアップしてきなさい」と言われるんですね。就職した後に「大学院卒」の称号を得ることも可能というわけです。
※このパターンで多いのは修士卒で研究職就職→勤めながら大学院の博士課程に通う→博士号を取るという流れです。
また、「理系の仕事」は純粋な研究職の他にもいろいろあります。例えば、問題解決能力を活かしてコンサルタントやシステムエンジニアの仕事に就く人も多くいます。
逆に「大学院を卒業したら絶対に理系の仕事に就ける」なんて保証はありません。
じゃあ、あまり大学院に行くメリット無いんじゃ………
と思うかもしれませんが、
私は、研究に少しでも興味があって楽しいと思うのであれば、経済状況など諸々の事情が許す限り、ぜひ大学院に行ってほしいと思います。
2.行けるなら行ってほしい大学院!そう思う理由は…
もし大学卒で就職する場合、就活をするのは大学3年目の後半~4年目の前半、つまり、研究室に配属される前~されて間もない頃です。
そんな早い段階で、自分が研究を好きなのか、研究に向いているのか…なんて正直、全然わからないんです。
「研究を始めて1年経つ頃(=大学を卒業する頃)になって、ようやく自分の研究が何なのか微妙にわかってきた」…これは私の友達が口を揃えて言っていたことです。私も全く同じ感覚でした。
手元の実験しか見えていない状態から、ようやく自分の研究の全体像が見え始めるのに、1年は掛かりました。
そうして2年3年と研究を続けるうちに、自分の研究の学術的価値を意識できるようになったり、成果を上げて学会に参加し論文を発表する喜びを経験したり…
教科書に載っている事がいかにして発見されてきたか、その片鱗の片鱗を自身の経験によって目の当たりにする……
せっかく小学校から長々と勉強を続けてきたのに、その楽しみを知らずに大学を去るなんて、もったいないと私は思います。
だから、少しでも興味があるなら、大学院の修士課程には行くことをお勧めします。
ただ、行くのであれば、常に自発的、主体的、自律的であることが必要です。
なんとなくの受け身の感覚でいると、研究生活は苦痛でしかありません。
これは次の項目を読んでいただければわかると思います。
3.研究に向いている人、研究で培われる力とは
私が実体験を通して感じた「修士課程の研究に必要な素養」は次の通りです。
・素直であること
・楽観的であること
・答えの無い問題について考えるのを楽しいと思えること
・研究に没頭し、問題に集中し続けられる、圧倒的な好奇心
・承認欲求ではなく、純粋な好奇心から行動できること
・何度失敗しても諦めずに次の一手を打てること
・結果が出るまで続け、形になるまで持っていく体力、根気、信念
・勉強と研究の違いを理解できていること
結構あてはまるな、と感じた人はおそらく研究に向いています。
逆に言うと、研究をすることで、これらの思考法、価値観、能力は培われます。
私の場合、悲観的な性格であることに加えて憧れや承認欲求が進学動機であったことが、研究するうえでの大きな弱点でした。モチベーションを維持するのが非常に大変だったんです。三度の飯より研究が楽しくて仕方無い!という人の方がどう考えても研究に向いていました。
ですが、研究を続けるうちに、考え方や行動が少しずつ変化し、新しい価値観を手に入れられたと思います。自分の弱点をカバーできるようになったこと、実験でとにかく失敗し続けた経験、自分で考えて行動して誰も知らない発見をした経験は、ふとした瞬間の自信に繋がっています。
長く学校教育を受けていると、すべての問題に答えがあるかのように錯覚してしまいます。
ですが、実際は答えの無い問題の方がずっと多く、そこに課題を発見する力、課題を解決する力があってこそ、自立して生きていくことができます。
それらの力を磨けることこそが、専門的な知識を身につけること以上に、大学院に行く価値だと思います。
まとめ
★大学院とは…
・大学までの「授業」とは違う、答えの無い問題に取り組む「研究」をする所
・行くには受験が必要だが難易度は低め、英語は必須!
・自分がどんな研究をしたいか具体的に考えて、信頼できる先生を探して進学すべし!
★大学院に行くべきか悩んだら…
・理系就職は大学卒でも可能、就職しやすさを大学院進学の決め手にしない方が良い
・研究の楽しさが分かるのは大学院に行ってから!
・研究には自発性、主体性、自律性、そして根気が必要、これらの能力は研究を通じて磨かれる!
大学院や研究の世界には、そこでしか得られない素敵な経験が沢山あります。
ですが、それは何についても言えることで、常に唯一最も大切なことは自分が望んでその場所にいるか否かだと思います。
大学院に行ったか行かなかったかで人生が決定するわけではありませんが、人生は一度きりですので、行ってみたいな、と思うなら、行ってみたら良いと思います。
大学院選びも、大学選びも、後悔しない選択と時間の過ごし方を、どうか皆さん頑張ってくださいね。
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