理系国公立完全攻略 合格するために戦略について
受験生の多くが地方国公立大学を第一志望にしているのではないでしょうか?
しかし国公立大学合格への道のりはなかなか険しいのが現状です、、
この記事では九州大学工学部に進学し、受験生を一年間指導した私が
●なぜ理系国公立大学は難しいのか
●理系国公立大学に絶対受かるための夏からの戦略
●絶対にやるべき参考書
の3点を中心に解説します!
なぜ国公立大学は難しいのか
世間のイメージで国公立大学は難しいとされているのには主に次のような理由があります。
●社会と国語の対策に時間がかかるから
●数Ⅲと理科の比重がおもいから
●受験のチャンスが一度きりしかないから
●受験する生徒のレベルが高い
社会と国語の対策に時間がかかるから
共通テストの配点の内、国語と社会が占める割合は3割以上となっています。共通テストの点数は出願する大学を選ぶ時の大きな指標になるので、国語と社会の点数は受験に直結します。
理系国公立志望の受験生の多くは、数学や理科を得意としているため、国語と社会で大きな差が生まれるのです。
そのため国公立の受験生は理系科目を対策しながら、早期から文系科目の対策をする時間を捻出する必要があります。
しかし実際は多くの受験生が文系科目を軽視しすぎています。
数学や理科の対策に追われて、共通テスト数か月前から慌てて対策をし始めるのが現状です。
実際に筆者は共通テストで文系科目が足を引っ張り、志望校を下げることになってしまいました。
絶対に文系科目を軽視しないようにしましょう!!
数Ⅲと理科の比重がおもいから
国立理系は数Ⅲと理科科目の完成度が合否を大きく左右します。
~数Ⅲについて~
多くの大学の二次試験では数Ⅲが配点の3分の2以上を占めます。また、どの大学も難易度の高い問題を出題してくるため、発展的な参考書で応用問題を解く練習をしていなければ、対処することは困難です。そのため、数学は数2bまでを早急におわらせ、余裕をもって数Ⅲの対策に取り組まなければなりません。
しかし、夏になっても数1A、数2Bが完成できず、数3に手を出すのが秋以降になってしまうという生徒がよく見られます。
夏までに数3の対策を始めなければ、国公立理系への合格は非常に厳しくなると思われます。
~理科科目について~
理科科目も数3と同じように完成するまでに大量の時間を要します。なぜなら網羅性の高い参考書で典型問題を大量に演習しなければならないからです。
そのため数学と英語がある程度完成してから理科科目に手を出すのはお勧めしません。少しずつでもいいのでできるだけ早い段階から参考書に取り組むようにしましょう。
受験のチャンスが一度きりしかない
国立大学では受験の機会が前期入試と後期入試の2回しかなく、その上後期試験は倍率がかなり高くなり非常に難しくなります。そうなると第一志望を目指すことができるのは前期試験の一回のみとなります。
その日コンディションに左右されないように、ある程度余裕をもって合格する前提で受験に臨む必要があります。
実際に志望校選びの際にはセンターリサーチでB判定をとれたかどうかが重要になります。
受験する生徒のレベルが高い
国公立大学は各県のトップの高校に通う生徒が受験します。
ここでは例として熊本大学について調べてみました。
実際に熊本大学の高校別合格者数では、
上位10校の平均偏差値は70弱、上位30校の平均偏差値は約65程度となっています。
このよう学校に通う生徒は中学生時代から継続して勉強してきた人が多いので、受験期の1〜2年で追い上げることは困難です。
偏差値50代の高校の生徒が熊本大学を目指すにはできるだけ早期からの対策が必要になってくるのです。
どうすれば国立理系に合格できるのか?
理系科目の基礎を早期に固めて演習に入る
理系科目はがむしゃらに勉強してもなかなか伸びません。これらの科目を効率的に伸ばすためには
大量の典型問題を暗記→実践を意識した複合問題で応用力を身につける というプロセスが必要です。
武田塾ではこのプロセスを意識した参考書ルートによって指導を行なっています。ここでは実際に数学と物理と化学のルートを紹介します!
早期から文系科目に取り組む
冬になってから慌てて文系科目を始めても、急激な伸びはほぼ見込めないと言っていいと思います。
合格するためには11月までに基礎を完璧に固めたうえで、そこから2か月で大量に演習を行う必要があります。
具体的には6月ごろから文系科目に毎日40~60分程度の時間
ボーダーや合格最低点を意識しない
国立大学は受験のチャンスが実質一回きりです。本番で自分の力が出し切れないことはよくあることなので、合格最低点を意識した勉強では心もとないでしょう。
本番で失敗したとしても受かる実力を身に着けるために最低でもB判定を目指すようにしましょう!
おすすめの参考書
ここでは筆者が実際に取り組んだ参考書を厳選して紹介します!
参考書を選ぶ時に絶対に気をつけなければならないのは、参考書のレベルと完成までにかかる時間です。
この二つを考慮しなければ、オーバーワークになったり、過去問などの演習に入る時間がなくなっていまいます。
自分のレベルと受験までの残り時間と相談して慎重に決めるようにしましょう!
数学のお勧め参考書
●基礎問題精講(数1A〜数3)典型問題の暗記用
この参考書は短期間で典型問題の解き方を身につけることができる参考書です。
後述の青チャートには網羅性で負けますが、短期間で基礎力を身につけることができるので非常にお勧めです。
中堅国公立を目指す生徒で、受験までの時間がない人は迷わずこの参考書に取り組みましょう!
●青チャート(数1A〜数3) 典型問題の暗記用
言わずと知れた王道の参考書です!
熊本大学のような上位国公立を目指す生徒は必ずやらなければならない参考書のうちの一つです。
網羅性が非常に高く、これ一冊でほとんどの問題に対処できる基礎力を身につけることができます。
しかしデメリットとして、完成に非常に時間がかかるため、高3の受験生が夏以降から手を出すのは非常に危険です。
実際に無理して青チャートに取り組んで、応用問題や過去問に取り組む時間がなかった
そのような生徒は 基礎問題精講→CamPass という流れで対策することをお勧めします。
●国公立標準問題集CamPass(数学1A.2B〜数学3)
この問題集は地方国公立大学の過去問が収録されています。
実際の過去問で演習することによって、典型問題集で身につけた解法を、体系的に捉え直すことができます。
そうすることで、初見の難問の解法がひらめくようになります!
この参考書を完璧にできれば難関国公立を除くほどんどの大学に対処できます。
必ず上記のチャートや基礎門精講などの典型問題集を完成させてから取り組んでください。
●数学重要問題集
CamPassで物足りない生徒にお勧めなのがこの数学重要問題集です。
CamPassよりも若干難しく、問題数が多いので、演習問題をたくさん解きたい人にお勧めです。
物理のお勧め参考書
●物理のエッセンス
物理を勉強し始めるのにお勧めなのが物理のエッセンスです。
物理現象の本質を理解できたり、裏技的な公式が学べるので、多くの受験生に人気な定番参考書です。
解説は若干不親切なところもあり、やや堅苦しい雰囲気なので、難しいと感じた生徒は「秘伝の物理」という
参考書を使うことをお勧めします!
●良問の風
物理のエッセンスで基礎を固められた人にお勧めなのが良問の風です。
同じ出版社がエッセンスの次に取り組むべきとしているものなので、スムーズに移行できると思います。
内容は中堅大学の過去問が中心で、入試に向けた実践力が身につきます。
多くの受験生はここまでできれば安心できると思います。
●名門の森or物理重要問題集
九州大学以上の難関大学を目指す生徒はどちらか二つの選んで取り組みましょう。
どちらもやる必要はないので、自分に合った方に取り組むことをお勧めします。
名門の森の方がボリュームが若干多いので、残り時間を考慮して決めるようにしましょう。
化学のお勧め参考書
●セミナー化学
多くの学校で配られる問題集で基本問題から発展問題までを掲載しており、基礎から応用まで幅広く対応することができます!
学校で配布されたけれども解答は配られていない場合は解答を購入して使用することをお勧めします。
また、知識のインプットはできないので、高校で使っている教科書と併用して使いましょう。
●鎌田の化学シリーズ
このシリーズでは化学の暗記事項をまとめていて、できるだけ効率良く覚えられる工夫がされています。
特に無機と有機の分野は暗記事項が非常に多いので、おすすめです。
難関大を受験するような生徒にも支持されています。
●化学重要問題集
難関校を目指す生徒はセミナーが終わったとにこの問題集に取り組むことをお勧めします!
九州大学までのレベルであれば、これ一冊で十分対処することが可能です!
この記事のまとめ
国立大学理系に合格するには、、、
●社会と国語を早期からしっかり対策する
●理系科目の基礎を早期に固めて演習に入る
●B判定以上を目指して勉強する