武田塾蕨校の橋本です。
近年、AI教育の高まりから「データサイエンス」という言葉を耳にする機会が多くなってきました。それと同時に、大学でもデータサイエンスを学ぶことができる学部・学科が増えてきています。
そこで今回はデータサイエンス系の学部や学科を設置している大学について紹介していきます。
昨今注目の"データサイエンス"学部とは
データサイエンス系の学部は比較的新しく、具体的に何を学ぶ学部なのかよく知られていないのではないでしょうか。
そもそも、「データサイエンス」とはどのような意味なのかを理解するために、以下の記事を引用します。
データサイエンスとは、定義ははっきりとは決まっていないが、「ビッグデータを使って課題を解決すること」や「ビッグデータから価値を生み出すこと」と説明されることがある。例えば、農業、小売業、運輸業に活用したりすることが考えられる。あるいは、医療の分野では病気の早期発見や治療に役立てられる。身近な例では、野球で投球、打球などに関するビッグデータを作戦に活用するなどもある。データを活かすためには数学、統計の知識は必須と言える。プログラムの知識や、その分野についての専門知識も重要である。
https://eic.obunsha.co.jp/pdf/educational_info/2022/0426_1.pdfより引用
データサイエンス系の学部の多くは文系理系関わらず受験できるのが大きな特徴です。
「ビッグデータを使う」という点は理系要素ですが、「社会問題を解決したり価値を創造する」という点は文系の要素でもあり、データサイエンスはまさに文理融合の分野であると個人的に考えています。
また、昨今の情報技術の進展に伴い、従来の社会科学のアプローチで社会における様々な課題を解決することが困難になってきている一方で、情報技術の進展は我々に膨大なデータの利用可能性をもたらし、大規模なデータを統計学、機械学習、人工知能の技術などを駆使して分析することで新たな経営課題や社会課題の解決法を提案できる人材が求められているといわれています。
このような事例からから文理関係なくデータサイエンスを学べる学部が増え、ますます人気も高まってきているのではないかと考えます。
そんなデータサイエンス系の学部で学べる学問についてですが、データサイエンスを学べる学部の多くは文理融合型のため、学べる内容は多岐にわたります。その中でもデータサイエンス教育を通して学べる主な3つの内容を紹介します。
①数学・統計学
データサイエンスを学ぶにあたって数学や統計学の知識は欠かせません。
具体的な学習領域に関しては、線形代数・確率・統計などを始めとする基礎数学、ビジネスにおける問題解決のための経営数学、ばらつきのあるデータから規則性を見出す数理統計学、データマイニング等で用いられる多変量解析などが挙げられます。
②情報学
情報セキュリティーに関する諸知識や、膨大な量のデータ(ビックデータ)を扱うための解析手法の基礎、RやPython等のプログラミング言語を用いて行う機械学習(マシーンラーニング)・深層学習(ディープラーニング)、時系列解析やネットワーク分析といった高度な分析手法まで体系的に学べます。
③専門分野
ここに文系の要素が入ってきます。データサイエンスを学ぶ際には自らの専門分野を持つことが重視されるため、社会学、経営学、経済学、環境学、国際関係学など、個人個人が興味のあるテーマの知見を深め、それらの知識とデータサイエンスを組み合わせることで、価値創造・問題解決を図っていくことが必要とされます。
引用 https://data-viz-lab.com/datascienceuniversity
ビッグデータを扱うということで数学や統計学、プログラミングの知識はある程度必要になりますが、文系でも学べるカリキュラムやプログラムが充実している学部であるといえそうです!
次に、どのような職業を目指せるかについてです。これに関しても特定の職業に関わらず様々な職業を目指すことが出来ますが、データサイエンスを専門とした主な職業をいくつか紹介します。
・データサイエンティスト
さまざまな意思決定の局面において、データにもとづいて合理的な判断を行えるように意思決定者をサポートする職務またはそれを行う人のことを指します。具体的な業務は、主に分析環境の構築・運用、分析・レポート作成です。分析環境の構築・運用とは、業務システムのログ、SNSやWebサイトのデータなどを収集し、蓄積や運用できるようにする仕組みを作ることです。特にデータを大量に保有しているWeb系企業や顧客向けの解析ソフト開発などを行う企業などでの活躍が期待されます。
・マーケティングリサーチャー
企業や団体の依頼を受けて、商品の需要や消費者のニーズ、販売実績や購入者層の分布などを調べる仕事です。ヒット商品を生み出すことを目標に、データやマーケットの動きなどを収集して、調査分析します。リサーチ専門会社や広告会社などに就職して、実務経験を積むのが一般的だといわれています。
引用https://www.toshin.com/mirai/joblab/job/457/#:~:text=%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%82%84%E5%9B%A3%E4%BD%93%E3%81%AE%E4%BE%9D%E9%A0%BC,%E3%81%A6%E3%80%81%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%88%86%E6%9E%90%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
上記のデータサイエンスを専門とする職業以外でも、経営コンサルタント、商品開発・企画、広報、WEBデザイナー・クリエイター、ゲームクリエイター、プログラマー、システムエンジニアなど、様々な職業でデータサイエンスについての知識を実務に活かすことができます。
新たにデータサイエンス系学部が開設される大学
次に、来年度から新たにデータサイエンス系学部を設置する主な大学を紹介していきます。
一橋大学 ソーシャル・データサイエンス学部(仮称)
引用 https://portraits.niad.ac.jp/faculty/campus-facilities/0220/0220-1C01-01-01.html
一橋大学では、伝統的に強みがある社会科学と、数理・統計教育に基づくデータサイエンスを融合させることにより、社会における情報技術の進展や、いわゆるデジタル・トランスフォーメーションに貢献できる人材を輩出すべく、新たにソーシャル・データサイエンス学部/ソーシャル・データサイエンス研究科(仮称)の設置を構想しています。
この学部のカリキュラムはビジネス・イノベーションにかかわる経営学・経済学、及び、社会課題解決にかかわりの強い法学・政治学・その他の社会科学から、それぞれ最低1分野を系統的に学ばなければならないカリキュラムとなっています。そのため、全ての学生が、社会科学の複数分野における体系的な知識と、データサイエンスの体系的な知識を修得することができます。
中でも最も特徴的な科目が「PBL(Project Based Learning)演習」です。これは企業や政策機関などから実際の経営課題や政策遂行における社会経済課題と、それらを解決するためのデータの提供を受け、少人数での演習を通して実際に手を動かしながら解決法を検討していく実践的な科目です。この科目では社会で蓄積されるデータを用いて、ビジネスの革新や社会課題の解決に対する方策を提案・実行する経験を積むことができます。
社会科学の視点からデータサイエンス領域の新たな教育研究分野を確立するのが狙いで、日本で初めての試みだと言われています。
亜細亜大学 データサイエンス学科 (経営学部)
引用 https://www.asia-u.ac.jp/asu_news/2022/02/7579/
亜細亜大学経営学部データサイエンス学科では、分析力を磨く「サイエンティスト指向科目群」や、想像力を磨く「クリエイター指向科目群」を通して、データサイエンス・AIを入門から応用発展まで学修します。さらに「ビジネス指向科目群」では経営力を磨くことができます。また、ITパスポートからDXまで学べるカリキュラムなど学生一人ひとりに合わせた学びを実現します。
また、数学が苦手な学生向けのサポート体制も充実しています。受験科目が数学Ⅰ・A、または推薦試験や受験科目が英語と国語科目である学生を対象に、数学の基礎力を身につけられるオリエンテーションゼミナールと呼ばれる初年次ゼミナールが用意されています。数字に慣れ親みながら専門科目を学び、数的思考力と数的論理力を養うことを目指します。
逆に、受験科目に数Ⅱ・Bを利用した数学が得意な学生を対象に、アルゴリズムやプログラミング言語の学習に取り組むオリエンテーションゼミナールが用意されています。
数学が苦手な学生・得意な学生のどちらにとっても充実したカリキュラムになっています。
既存のデータサイエンス系学部がある大学
他にも、文系が受けられるデータサイエンス系の学部を設置している大学を一部紹介します。
順天堂大学 健康データサイエンス学部
明星大学 データサイエンス学環
武蔵野大 データサイエンス学科
横浜市立大学 データサイエンス学部データサイエンス学科
立正大学 データサイエンス学部データサイエンス学科
上記には学部の名称にデータサイエンスの言葉が入っている大学のみ記載しましたが、学部の名称にデータサイエンスの言葉が入っていなくてもデータサイエンスを学べるカリキュラムを用意している大学はたくさんありますので、興味を持った方はぜひ調べてみて下さい!
最後に
いかがだったでしょうか?文系でも統計学を学んでビッグデータを解析し、新たな価値創造や社会問題を解決する力を身に付けることができれば、将来の活躍の場がより広がると思います。
私も文系学生ですが、現在ゼミでマーケティング・サイエンスと呼ばれる、統計学や広告論を用いたマーケティングについて学んでいます。
私自身高校時代は数学が苦手でしたが無理なく学ぶことができているので、このような分野に興味のある文系の受験生にはオススメです。ぜひチャレンジしてみて下さい!
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