こんにちは、武田塾豊洲校講師の岡本です。
今回は、大学入試対策に向けた、日本史の参考書を利用した勉強法についてお話ししたいと思います。
日本史では膨大な知識量を要求される上、それぞれを細かく区別、整理して覚える必要があります。一から勉強するには大変な科目ですが、紹介する手順に従って取り組めば、得点源へと繋げられる科目にもなります。
社会科目で何を選択するか決めかねている方々も、以下に示している手順を見て、日本史を選択するか検討していただければと思います。
日本史で取り組むべき参考書は、大きく分けて以下の三種類に区別できます。
1:講義系参考書
2:用語集
3:問題集
それぞれの参考書で、用途、目的が異なるので、正しい形で進めることが重要となります。それについて、それぞれ、具体的な参考書を挙げて説明したいと思います。
1:講義系参考書、『石川晶康の日本史B講義の実況中継』(語学春秋社)
講義系参考書では、歴史の流れを把握すること、特定の人物や事件、制度などについて、どのような文脈があり、またそれによってどのような影響を及ぼすかを理解することが目指されます。
これが日本史における基本となり、単語を覚える前段階として必要なことです。講義系参考書では、これについて整理して解説されています。
『石川晶康の日本史B講義の実況中継』は、全4巻で構成された、文化史も含め、日本史の通史を学習できる教材です。講義とあるように、実際の予備校の講義を文章化したものとなっています。従って、入試対策を前提に作成されていると同時に、共通テスト対策から、難関大学まで、幅広いレベルに対応しています。全巻併せて400ページに及ぶ膨大なボリュームは、重要な知識に関しては繰り返し確認が行われるなど、判りやすさ、覚えやすさを重視した内容となっているためです。
実際に読んで歴史の流れを理解し、その後は流れを実際に説明できる状態を目指して、繰り返し読み込みましょう。
2:用語集、『時代と流れで覚える! 日本史B用語』(シグマベスト)
流れを理解した第二の段階として、用語を覚えていることを確認する必要があります。
そのための教材が、用語集です。用語暗記の際、前提としてその用語が歴史の中でどの位置にあるかを明確にする必要があるのは、講義系参考書の項目で述べた通りです。日本史は情報量の多い科目なので、一度目で全ての範囲でこれを実践するのは難しいです。従って、時代ごとなどに分け、特定の時代の流れを把握した後、用語の定着を確認することで、講義系参考書と併行して取り組むのが良いでしょう。
『時代と流れで覚える! 日本史B用語』では、赤シートを使って、用語を覚えているかを確認することができます。講義系参考書とは違い、判りやすさを重視してはいないものの、「時代と流れで覚える」とあるように、時代の流れに関する説明についての空所補充問題となっているので、流れについても、把握するためのものではないですが、確認できるものとなっています。英単語と同様、解答できないものにチェックを付ける等しながら、何周もして根気強く覚えましょう。
3:問題集、『実力をつける日本史100題』(Z会)
これら講義系参考書、用語集によって、インプットは完了しますが、それだけでは実際に入試問題に対応することは難しいです。
実際の入試問題は、空所補充、並べ替え、正文誤文選択、論述など、様々な形式で問われます。
これに正確な解答をする技術を身に着けるために、訓練としてアウトプットをする必要があります。
そのための教材が、『実力をつける日本史100題』のような、問題集です。
全範囲から出題される、実際の入試問題に対応することを前提としているので、講義系参考書と用語集によって、通史の学習を全て終えた後に、過去問演習の前段階として取り組むのを勧めます。
『実力をつける日本史100題』では、時代別やテーマ史、文化史など、入試問題同様に、多様な形式で出題されます。他の科目の演習用教材と同様に、分からなかったものについてはチェックを付けた上で解説を熟読、必要に応じて重要部分に印をつける等し、「何故解けなかったのか」を明確にし、改善することを目指してください。
如何だったでしょうか。挙げた参考書は一例ですが、三種類の参考書について、それぞれ適切に取り組むと共に使い分けることで、日本史の入試対策を順調に進めていきましょう。