豊中市・池田市で塾をお探しの皆さんこんにちは!
阪急豊中駅から徒歩5分の場所にある武田塾豊中校です。
少しずつ暑い日が多くなってきましたね!
今回は共通テストにおける世界史B、特に中国史の解法と普段の勉強法を紹介したいと思います!
似たような名前や都市名、めまぐるしく変遷する王朝などから苦手意識を持っている人も多いのではないでしょうか。
私自身も受験時代、中国史が苦手だったので、受験を終えてから「あのときこれをやっておけばよかったな」と思うことも交えながら紹介させていただきます!
少しでも皆様の勉強の手助けになれば嬉しいです!
それではさっそく行きましょう!
共通テストにおいての解き方
まずは共通テストを解くうえでの基本的なポイントと、問われやすい範囲・覚え方を解説します!
キーワードを探そう!
中国史に限った話ではありませんが、共通テストの世界史では、従来のセンター試験のリード文のかわりに同時代の資料や先生・生徒の会話が用いられることが非常に多いです。
そのため、問題を解くうえで直接関係のないような内容も含まれるため、その中から問題を解くために必要なキーワードを読み取る力が求められます。
史料や会話の中に時期、時代名そして都市・地域名などなど、問題を解くヒントが隠れているので、まずはそれらを探してみましょう!
具体例として、2023年の共通テスト本試験で出題された問題を見てみましょう。
会話の部分 「顔之推が6世紀後半に著した『顔氏家訓』という書物の一節で、彼が見た分裂時代の女性 の…(以下略)」
資料 「南方」「北方」「平城に都が置かれていた時代」
これらの記述を合わせて考えると、「6世紀後半以前に王朝が南北に分裂し、平城が都だった時代」となり、ここで話題になっているのは南北朝時代と判断することが出来ます。
このように、各所にちりばめられているキーワードを捉えることが正解への第一歩です!
中国史でよく問われやすい範囲
①書物に関する問題が頻出!
共通テストでは、中国の各時代に編纂された歴史書や経典などの書物についての問題がしばしば見受けられます。
主な書物については、
たとえば…
前漢(前202年-後8年):司馬遷(しばせん)『史記』
唐(618年-907年):孔穎達(くようだつ)『五経正義(ごきょうせいぎ)』
明(1368年-1644年):『四書大全(ししょたいぜん)』『永楽大典(えいらくたいてん)』
清(1616年-1912年):『四庫全書(しこぜんしょ)』 など…
これらの他にもまだまだたくさんありますが、中国史はとにかく書物が多いですよね。
そのため、ごちゃまぜにならないように、いつ・誰の・何についての書物なのかといった情報を1枚の紙にまとめておくと、あとから見返すのに非常に便利です♪
また、たくさんあって覚えにくいと思うので、それぞれの重要性を調べてみると意外と記憶に残りやすいのではないでしょうか。
たとえば…
太古から前漢の武帝の時代までの歴史を記した司馬遷の『史記』は、皇帝の事績「本紀」とその他の重要人物の伝記「列伝」で構成された歴史記述の形式で記されており、客観性・文章・歴史観が高く評価され、その後の中国の歴史書の模範となった。
このように、その書物がどのような意義を持っており、どのような点で重要なのかが分かると、印象に残りやすいですよね!
さらに書物に関連付けて、焚書・坑儒などの思想統制や大編纂事業などについても出題されるので要チェックです!
②官吏登用制度をマスターしておこう!
中国史において、官吏登用制度は切っても切り離せないほど重要なものです。
漢:郷挙里選(きょうきょりせん)…………地方長官が有徳者を推薦→豪族の台頭
魏晋南北朝時代:九品中正(きゅうひんちゅうせい)…地方に中正官を置き、人材を9等級に分ける
→貴族の台頭
隋~宋、明~清:科挙(かきょ)………………学科試験によって、能力で選抜
宋で最終試験「殿試(でんし)」の導入
明代は官学化された朱子学の出題
※科挙は、元の時代は中止されている
これも書物と同じように、一か所にまとめておくと分かりやすいですよ!
③学問・思想の変遷を理解しよう!
学問や思想の部分は、共通テストで紛らわしい選択肢として出題されることがあるので、それぞれの特徴を明確にしておくことが重要です。
春秋・戦国時代:諸子百家
漢:董仲舒による儒学の官学化・古典解釈の訓詁学
宋:朱子学
明・清:朱子学への批判→陽明学、考証学
また、「〇〇時代に○○学」というところだけでなく、それぞれの学問や思想が生まれた背景もセットで覚えることで、思想の変遷を上手くつかむことが出来ます。
ここでは大まかな流れを説明しますね。
紀元前11世紀頃成立した周王朝では、共通の祖先をもつ同族集団「宗族」が形成され、宗族内で守るべき規範を定めた宗法で団結を維持していましたが、周王権が弱体化すると有力諸侯たちが強勢を誇るようになり、実力重視・下剋上の時代に突入しました。
いわゆる春秋・戦国時代(前770-前221年)です。このような時代の中で、儒家をはじめとする諸子百家が登場しました。
秦の始皇帝は法による社会秩序の形成を主張する法家を採用しましたが、急激な集権化政策に反感が高まり、陳勝・呉広の乱(農民反乱)(前209年)を引き起こす結果となりました。
漢代には、前漢(前202-後8年)の武帝の時代に董仲舒(とうちゅうじょ)によって儒学(儒家の思想)が官学化され、後漢(25年-220年)では儒家の経典「五経」などの経典の解釈を行う訓詁学(くんこがく)が盛んになりました。しかし漢が滅亡し、魏晋南北朝時代に入ると、動乱に伴って多様な思想・文化が誕生し、それまでの儒教にかわって道教と仏教が主流になりました。
南北朝を統一し、中国統一を果たした隋(581-618年)の楊堅は、家柄ではなく能力によって人材を選抜するために儒学の学科試験である科挙を導入し、さらに唐(618-907年)の時代には訓詁学が復興し、太宗の命によって孔穎達(くようだつ)が五経の正式な注釈である『五経正義』を編纂しました。しかし、経典の内容が固定化されてしまったことで思想や学問の発展は停滞期に入ってしまいます。
宋代(960-1279年)に入ると周敦頤(しゅうとんい)と朱熹(しゅき)によってによって宋学[朱子学]が始まり、大成しました。朱子学で宇宙の原理から人間の本質などを明らかにしようとしました。朱熹は、それまで経典とされていた五経よりも「四書」を重視していました。しかし、モンゴルによる大帝国の時代(1206-1368年)には、科挙は中止され、儒教も停滞してしまいます。
モンゴルによる支配から脱し、明(1368-1644年)を建国した洪武帝は朱子学を官学化し、科挙にも出題されるようになりました。しかし、1つの解釈に定まってしまったことで固定化された思想に反発した王陽明を中心として陽明学が成立し、知識のみならず、それらを実践することの必要性を説きました。
明末期から清にかけては、実際からかけ離れた理論(空理空論)ではなく、古典を対象に、実際に調査・研究を行うこと(実証的研究)を重視した考証学が成立し、顧炎武(こえんぶ)や黄宗義(こうそうぎ)、銭大昕(せんたいきん)らによって研究法などが確立されていきました。
少し長くなってしまいましたが、このように思想史におけるタテの流れを捉えておくことで、思想・学問がどのような過程を経たのかが分かりやすくなると思います!
共通テストに向けた勉強法
ではここからは、共通テストに向けた中国史の勉強法をご紹介します!
①項目別にまとめてみよう!
解法のところでも少し触れましたが、書物や人材の登用制度、都市など、混乱しやすいものは各項目ごとに時代別でまとめることをオススメします!
そうすることでテスト前の振り返りにも便利なうえに、毎回教科書やノートをあちこち探さなくて済むので非常に効率的です。
②中国の通史を概観しよう!
共通テストの中国史では、近現代の内容のつながりで古代や中世の内容が出題されることがしばしばあります。
たとえば、清での学術奨励に伴って行われた大編纂事業から過去の書物に関する問題が出たり、長い歴史を持つ科挙について、時代をさかのぼって出題されたりします。
しかし、学校の授業では、まずすべての地域の古代・中世を学び終えてから近現代に入りますよね。その結果、間が分断されたことで前時代とのつながりが見えにくくなることがあります。
そのため、通史を概観できるように主な出来事をまとめておくのが良いでしょう。
③資料集をフル活用しよう!
中国史ではめまぐるしく王朝が変遷し、それに伴って都も様々な場所に移動します。
また、周辺地域の諸民族との攻防も試験で問われることがあります。
さらに、共通テストでは、白紙の地図上にある選択肢の中から解答を選ばなければいけないときもありますよね。
これらの問題に対応するために、資料集を使って地図を活用しながら視覚的に学ぶことがとても重要です!
資料集には他にも、統治体制や社会・文化の変化を図式化していることが多いので、それらを活用することもおすすめします!
資料集は情報の宝庫かつ情報整理の達人なので、大いに活用してください!
おすすめの参考書
序盤で述べたように、共通テストでは資料や会話文が提示されるようになりました。
長い文章や過去の資料の中から、問題を解くためのキーワードを見つけ出さなければなりません。
このような共通テスト特有の試験形式の対策には、『共通テスト 世界史B 資料・図版の読解問題64』がおすすめです!!
(旺文社 今西英貴 著)
この問題集では、資料や写真、グラフなどについて、着目すべきポイントが丁寧に解説されています。
また、問題が地域・時代別にまとめられているのもおすすめポイントです♪
おわりに
今回は共通テストの世界史における中国史の解き方・勉強法を紹介しました。
今回紹介した内容は、中国史だけでなく世界史全般に当てはまることも多いので、良ければ参考にしてみてください!
難しい範囲ではありますが、少しずつ着実に進めていきましょう!
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