【現役情報系阪大生が教える】情報系大学を選ぶ時の注意点
こんにちは!!大学受験専門の武田塾豊中校です。
武田塾は授業をせず、一人ひとりに合ったカリキュラムで自学自習をサポートする予備校です。
その結果、数々の逆転合格者を輩出してきました!!
さて、今回のブログのテーマは「情報系大学を選ぶ時の注意点」です。
武田塾豊中校は近隣の高校からの生徒さまが一番多く、豊中高校、池田高校、刀根山高校、履正社高校、桜塚高校、梅花高校、千里青雲高校、金蘭千里高校、豊島高校、東淀川高校、大商学園高校、雲雀丘学園高校、箕面高校、箕面自由学園高校、早稲田摂陵高校、園田学園高校、追手門学院高校、清風高校、大阪学院高校、関西学園、千里国際高校、生駒高校、四天王寺高校などから来てくれています。
また、地域でも様々で豊中市以外の地域からも、大阪市、池田市、箕面市、吹田市、豊能町、能勢町などからも通塾いただいております。
そんな武田塾豊中校は開校して4年目になり、毎年数々の合格者を輩出し続けています。
【校舎案内】武田塾豊中校ってどんな校舎?合格実績、校舎の雰囲気、講師紹介|武田塾豊中校
情報系学部の入試難易度が急激に高まっている!
近年、人工知能(AI)やデータ分析といったいわゆる情報分野に分類される技術に注目が集まっています。
Google社、Yahoo社、Twitter社といった、情報系技術をメイン事業とする会社はもちろん、
機械系、電気系、バイオ系メーカといった、一見情報系技術とは関係のない会社でも、
製品に搭載するソフトウェアや、社内DX化(※)で情報系社員が必須になっています。
(※)DX化:デジタルトランスフォーメーション化の略で、デジタル技術を用いることで開発プロセスや文書管理などを自動化・効率化すること。
そんな中、受験業界でも情報系学部の入試難易度が急激に高まっています。
例えば、私の所属していた大阪大学工学部の各学科合格最低点の推移を見てみましょう。
応用自然科学 | 応用理工 | 電子情報工 | 環境・エネルギー工 | 地球総合工 | |
2011 | 575.42 | 562.35 | 557.32(4位) | 575.52 | 555.27 |
2017 | 594.45 | 609.1 | 605.15(2位) | 594.35 | 603.25 |
2021 | 555.49 | 554.37 | 579.74(大差の1位) | 555.87 | 559.49 |
(代々木ゼミナール(予備校), 「各種データ推移(大阪大学)」, 最終確認日2022.5.8 より抜粋。)
現在データが手に入る最新年度の2021年、その十年前の2011年、そして私が受験した2017年のデータを比較しました。
情報系学部である「電子情報工学科」に着目すると、十年前は五学科中4位という結果だったにも拘わらず、2017年には2位に、
そして2021年には2位におよそ20点もの大差をつけて1位になっています。
ここには掲載しなかったものの、他の国公立大学、有名私立大学でも、情報系学部の入試難易度は高まりをみせています。
ここまでの内容から一つ言えるのは、「受験的な面で見ると情報系学部を志望することにはリスクがある」ということです。
そのうえで、本記事で現役情報系大学院生である私が皆さんに問いかけたいのは、
「あなたの志望する学科は本当に情報系学部ですか?」
という問いです。
この問いについて皆さんにもう一度しっかりと考えてもらえるように、
本記事では危険な情報系学部の志望理由について、その例となぜ危険なのか? の二点をお伝えします。
本題に入る前に……
筆者の簡単なプロフィール
記事の内容に入る前に、どのような立場の者がこの記事を書いているか、簡単な自己紹介をしておきます。
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所属:
武田塾豊中校講師 (2018年~)
来歴:
大阪大学工学部電子情報工学科 → 大阪大学大学院 工学研究科 電気電子情報通信工学専攻
(大学~大学院までずっと情報系の研究をしています)
現在の学年:
修士2年生
就職:
某医療機器メーカーに「情報系」で就職
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この記事のスタンス
記事の内容に入る前に、この記事のスタンスをお伝えします。
本記事は「正しい」志望理由の決め方をお伝えするものではありません
本記事は主に「志望理由」を決める上での一つの指針を与えるものではあり、決して「正しい」志望理由を与えるものではありません。
あくまで志望理由は人それぞれの考えや取り巻く環境によって十人十色であり「絶対にこれが正しい!」といった志望理由はありません。
本記事が提示するのは「正しい志望理由」というゴールではなく、「後悔しない進路選択をするために、考えてみてほしいこと」というゴールに向かうためのルートの一例をお伝えするものであることをご承知おきください。
本記事に情報系学部を選択することを否定する目的はありません
本記事は、頑張って入学したにも関わらず、「やりたいことと少し違った!!」というギャップを抱えてしまうことがないように、情報系学部の実際や期待通りにいかないかもしれない点など、少し現実的な話をすることになります。
しかし、本記事がお伝えしたいのは決して「情報系学部はやめておけ!」といった過激な意見ではなく、「情報系学部のことをより深く知り、あなた自身との適正を知りましょう」といった内容であることは、念頭に置いてお読みください。
あなたが情報系学部を志望する理由は『危険な志望理由』になってしまっていませんか?
情報系を志望する上でありがちな『危険な志望理由』
あなたは何故情報系学部を志望していますか? この質問に、
「(ある程度の知識を持った上で)○○というソフトウェア/アプリケーションを作りたいからです!」
「情報学部の○○研究室の研究に興味を持っているからです!」
と答えられたあなたは、この記事を読む必要はありません。今すぐ志望校合格に向けて勉強を再開しましょう。
(しかし経験上、上記のような志望理由を持っている人はごく少数です……)
少し危険な志望理由は
・「情報系の勉強が好きだからです!」
・「(漠然と)○○というアプリを作りたいから!」
そして、特に危険な志望理由は
・「PCとか、ゲームとかが好きだから」
・「就活に有利そうだから」
とりわけ「就活に有利そうだから」という志望理由です。
次の項から、それぞれの志望理由について「なぜこれらの志望理由は『危険』なのか」についてお話します。
少し危険な志望理由:「情報系の勉強が好きだから」「(漠然と)作りたいものがあるから」
危険ポイント
「好きだから」「作りたいものがあるから」という理由が少し危険な志望理由として列挙されて、驚いている人もいるかもしれません。もちろん、好きなことで学科を選ぶこと自体はとても良い理由だと思います。しかしそのうえで「少し危険」としたのは、情報系学部での研究/勉強は、皆さんのイメージと若干異なることをやっている場合が間々あるからです。
また、「作りたいものがある」という志望理由についても、本当にそれが大学で作ることが出来るものなのかを調べてみることが必要です。
良い選択のために、もう少し考えるべき点
情報系の勉強や内容自体に興味を持っているあなたは、情報系学部を選ぶこと自体に問題はありません。
しかし、志望校選びの段階で、大学紹介や学部紹介などの表面的なところだけではなく、研究室ごとの紹介なども見て、その大学で何を学べるのかを確かめておきましょう。大学・学部・研究室の紹介はインターネット上に公開されていることが多いです。また、内容についても大学外の人でもわかるように、簡単な説明になっているところが多く、情報収集のハードルも低いです。
また、Web上で公開されていない大学が多いですが、その学部に入学後受講できる授業なども調べておくとなおよいでしょう。
こういった情報が手に入るのはオープンキャンパス/オンライン説明会です。インターネットの情報で数校まで志望校を絞れたら、可能な範囲でオープンキャンパスやオンライン説明会に参加して、情報収集するようにしましょう。
そうすれば、入学後に「こんなはずじゃなかった!」「やりたいことはこんな事じゃない!」という後悔をすることがない選択ができるでしょう。
危険な志望理由:「PCとか、ゲームとかが好きだから」
危険ポイント
危険性のベクトルとしては、先ほど【少し危険な志望理由】で挙げた「好きだから」「作りたいものがあるから」と同じで、イメージしている情報系学科の勉強内容と、実際の勉強内容にギャップがあるかもしれません。
そのうえで、「PCとかゲームが好きだから」という理由をあえてピックアップしたのは、比較的よくある志望理由であるうえ、入学後にギャップを感じている人が多い志望理由だからです。
情報系学部 = PC・プログラミング
という、一般の人や受験生が抱きがちなイメージは、まったく間違っているわけではありませんが、結構大きなギャップがあります。
意外に思われるかもしれませんが、実際に情報系の研究をしていて持ったイメージは、
情報系学部 = 数学
です。
良い選択のために、もう少し考えるべき点
基本的には、前項の【少し危険な志望理由:「情報系の勉強が好きだから」「(漠然と)作りたいものがあるから」】と同様、大学・学部・研究室についてよく調べることが必要になってきます。
そのうえで、ゲームやPCといった製品への興味から情報系を目指し始めたあなたは、ユーザーとしてゲームやPCを使うことと、実際に研究を行うことの違いについて少し調べてみるとよいかもしれません。
特に危険な志望理由:「就活に有利そうだから」
危険ポイント
まず前置きとして、大学と就職活動の関係についてよく言われる、
「大学は就職予備校ではありません! 研究/学問をするところです!」ということが言いたいわけではありません。
より良い就職を求めて大学に入ることも、人生設計としてはアリというのが個人的な見解です。
ですがそのうえで、「就活に有利そう」というイメージが正しいかどうかに関しては疑問符が付きます。
もちろん、情報系が就活に不利というわけではありません。しかし、「情報系学部でないから就職先に苦労した」ということはあまりありません。
企業は情報系人材を求めながらも、これまで通り情報系でない人材も求めています。
また、情報系人材の需要は高まるのと同時に、冒頭で述べたように情報系学部を志望する人も増えています。
さらに、「情報系の勉強は特にしたくないけど、就活に有利そうだから情報系に行っておこう」という考えを持っている場合は、むしろ不利になってしまうこともあります。なぜかというと
①好きじゃないことを4年間(大学院に進学すれば6年間)続けるのは想像以上にしんどい
大学が嫌になって、途中で退学してしまっては本末転倒です。
②就活で有利な人は、「情報系学部に所属していた人」ではなく「進学した先で成果を上げた人/学びを得た人」
興味がない分野で学びを得ること、ましてや成果を上げることは至難の業です。
「自分の能力を伸ばせる環境はどこか」「やりたいことは何か」を志望校/志望分野選びの軸に据えることをお勧めします。
良い選択のために、もう少し考えるべき点
これまで「就職に強い→理系→情報系!」と決め込んでしまっていた人は、もう少し視野を広げていろいろな学部を見てみましょう。
就職活動の上で重視されるのは「大学で何を学んだか」ではなく「どう学んだか? 学ぶ意欲はあったか」という点です。
就職にこだわるからこそ、大学生活を充実させるための学部選択といったところに少し目を向けてもよいかもしれません。
おわりに
本記事では、情報系学部を選ぶうえで気を付けなければならない点についてまとめました。
本記事の内容を簡単におさらいしておくと、
① 情報系の入試難易度(倍率)は高まっている
② 苦労して入った大学で後悔しないためには……
ー 大学のこと、学部のこと、そして一歩踏み込んで研究室のことをしっかり調べましょう。
ー ユーザーとして情報系商品を利用することと、研究することの違いを意識しましょう。
ー 情報系=就職最強! というわけではないことを理解しましょう。
でした。
具体的な事例などを含めて説明しましたが、本記事で最も伝えたいことは、
「志望学科を決める前によく調べ、自分に合った学部かを『イメージじゃなく実態に基づき』しっかりと考えよう」
の一言に尽きます。
しかし、ただ一人でウェブサイトとにらめっこしていても、客観的に自分と大学を見つめることは、なかなか難しいことだと思います。そんな時はぜひ、お近くの武田塾で無料受験相談を!
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