みなさんこんにちは!武田塾取手校です。
今回は大学選びの方法としてあまり浸透していないけれど、実際には大学の偏差値以上に重要な
「大学の研究者が公的機関から一体いくらもらっているのか」
について掘り下げようと思います。
研究予算を知ることで偏差値だけでは見えてこない、偏差値の割には研究予算が多い"コスパの高い学部学科"が見つけられます。
また比較のために良く進路選択の悩みの種となる、東京理科大学の化学系5学科と、東大、東工大、阪大、東北大、早稲田、慶應、筑波大、上智、明治の化学系学科の科研費に注目して取り上げたいと思います。
現状の大学選び
大学の選び方と言えば偏差値だろう、と多くの方が思われていると思います。
受験生は、各予備校や時には信憑性が確かでないネットブログやyutubeの偏差値ランキングを、調べ漁った経験があるのではないでしょうか。
そして、ネットにあふれる大学情報のほとんどが偏差値についてなのが今の受験業界の現状だと思います。
しかし、偏差値が高くてもその研究室の予算が少なければ、研究するのが厳しくなり、就職で強みになる成果報告が出来ないことになってしまいます。
確かに、文系に関しては就職予備校の側面が強いため、偏差値が重要になってきますが、院進学が60%以上もある理系に関しては、配属された研究室の研究予算が自身の将来に直結します。
大学の偏差値と研究室の予算は無関係
大学の研究者の研究資金の9割以上が、自分で公的機関に応募して審査を通って獲得したものです。
大学から支給される資金は1割にも満たず、大学による額の差はほとんどりません。
そしてこの審査に大学の偏差値は全く関係なく、純粋な研究内容の良し悪しで判断されます。
ですから、大学の偏差値の高さと研究室の予算には直接の関係はありません。
ちなみに研究者が応募する公的機関のほとんどが、科研費で有名な日本学術振興会(JSPS)と、さきがけなどで有名な科学技術振興機構(JST)です。
また、割合で言えば
日本学術振興会(JSPS):科学技術振興機構(JST)=5:1なので、ここでは科研費のみ注目します。
科研費
科研費は3年間でもらえる額によって区分が分かれています。
低い順に基盤研究C(500万前後)、基盤研究B(1800万前後)、基盤研究A(4000万前後)、基盤研究S(1億以上)です。
Sに選ばれるのは分野毎にトップ数人で、全分野合わせて毎年5人いるかいないかです。
Aも分野のトップ層で、ほとんどの研究者がCとBに応募します。
どちらも審査は1年に1回、当選率は30%前後で、これに外れてしまうと研究室の予算は大学から支給されるわずかな資金のみとなります。
各大学化学系学科の科研費
こちらのサイトhttps://research-er.jp/を使って各大学化学系学科の研究者計343人の科研費を調べました。
ここには日本の全研究者の公的資金をはじめ、その資金で行う、行った研究の詳細が全て載っています。
また毎日更新で、最新の研究を逐一確認することが出来ますのでぜひ活用してみると良いと思います。
以下で
各大学における2010年以降に
①基盤研究B(1800万前後)を貰ったことがある研究者数と割合
②基盤研究A以上を貰ったことがある研究者数と割合
を示します。
東大 応用化学科 ①28人/28人 100% ②17人/28人 61%
東工大 物質理工学類 ①53人/69人 77% ②12人/69人 17%
東北大 化学バイオ学科 ①31人/41人 76% ②10人/41人 24%
早稲田大 応用化学科 ①12人/17人 71% ②7人/17人 41%
慶應義塾大 応用化学科 ①12人/17人 71% ②2人/17人 12%
筑波大 応用理工学類 ①11人/16人 69% ②2人/16人 13%
化学類 ①11人/21人 52% ②4人/21人 19%
東京農工大 応用化学科 ①12人/23人 52% ②2人/23人 9%
千葉大 共生応用化学 ①12人/27人 44% ②3人/27人 11%
東京理科大 理学部応用化学科 ①11人/12人 92% ②1人/12人 8%
先進工学部マテリアル工学科 ①12人/16人 75% ②3人/16人 19%
理学部化学科 ①4人/11人 36% ②0人/11人 0%
工学部工業化学科 ①4人/12人 33% ②0人/12人 0%
理工学部先端化学科 ①4人/18人 22% ②0人/18人 0%
上智大 物質理工学部 ①5人/19人 26% ②0人/19人 0%
明治大 応用化学科 ①6人/17人 35% ②0人/17人 0%
ここから分かることは、
科研費のもらっている額の多さはほぼ偏差値順ですが、一部そうではないところもある。
ライバル関係だけあって、早稲田と慶應の応用化学科は教員数も基盤Bの人数も同じですが、早稲田の方が基盤Aの人数が多いので、その点では早稲田に軍配が上がる。
東京理科大の理学部応用化学科と先進工学部マテリアル工学科は、科研費で見ると東工大、旧帝大、早慶に匹敵しているため、とてもコスパが高い。
以上で見てきたことはあくまで学科同士での比較ですが、将来大雑把に化学系に進みたいという人には参考になるデータとなったのではないでしょうか。
このようにして、受けたい大学学部学科の研究者について調べてみるのはとても有効な手段だと思いますので、ぜひ受験校選びに役立てましょう。
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