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【生物】性格と遺伝の関係 どんな遺伝子が関連してる?

こんにちは!武田塾高槻校です!

さて、突然ですが皆さん、武田塾や予備校、高校で仲間と過ごしているときに、

こんなことを一度は思ったことがあるでしょう。

 

「本当にいろいろな性格の人がいるなあ

 

そんなん思ったことないわ!って人は今思ってください。

 

さらに、こんなことも思ったことがあるのではないでしょうか?

 

「性格って遺伝で決まるの?

 

そんなん思ったことないわ!って人は今思ってください。

今回は誰しもが抱いたことがあるであろう疑問について、高校生物の知識を交えながら解説していきます!!

 

(研究の場では性格のことを「パーソナリティ」と呼ぶことが多いのですが、ここでは分かりやすさや見やすさのために、「性格」と書きます。)

 

性格は遺伝で決まるのか?

現在、性格は遺伝が与える影響が約40%育った環境による影響が約60%であると考えられています。

これらの数値は一卵性の双子と二卵性の双子を対象とした研究で導き出された数値です。

研究の具体的な内容や計算方法などについては、ここで解説はしませんが、

多くのWebサイトで紹介されていますのでそちらを参考にしてみてください。

また、下記のサイトでは慶應義塾大学の安藤寿康名誉教授が、

性格だけでなく知能学業成績における遺伝の影響について紹介しているので、興味のある方はこちらも読んで見てください。

https://president.jp/articles/-/73154?page=1

 

性格の五因子モデル(ビッグファイブ)

本題に入る前に、性格の五因子モデル(ビッグファイブとも言われます)について少し解説します。

心理学の世界では、人間の性格を構成する因子を測定し、記述しようとする試みが昔から行われてきました。

多くの研究が行われ、様々な理論が提唱されてきましたが、

その中でも現在最も有力な理論とされているのが五因子モデルです。

このモデルでは、性格は開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向の五つの因子から構成されるとしています。

それぞれがどのような特性を説明しているのかは、ここでは紹介しませんが、

多くのWebサイトで、分かりやすくまとめられていますので、気になる方はそちらを参考にしてみてください。

とりあえず、ヒトの性格は開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向の五つの因子で表せるということだけ頭に入れて、

続きを読んでいただけますと幸いです。

どんな遺伝子が関わっているの?

さて、高校で生物を選択している方は、

遺伝子とは、DNA塩基配列のうち、転写される領域であることを勉強したと思います。

DNAは、遺伝子の領域と、遺伝子ではない領域で構成されているんでしたね。

そして、それぞれの遺伝子はそれぞれの遺伝情報を持っているわけです

例えば、1番染色体上にあるAMY1A遺伝子は、デンプンを加水分解する消化酵素、アミラーゼの遺伝情報を持ちますし、

15番染色体上にあるOCA2遺伝子目の色に関する遺伝情報を持ちます。

 

ヒトは2万を超える遺伝子を持っていると推定されており、

その中には性格に関わる遺伝子もあると考えられています。

これまでに、その遺伝子を突き詰めようと多くの研究が行われてきました。

 

初期の研究では、精神薬理学的研究から得られた知見に基づいて、

「この遺伝子が性格に関与している」という仮説を立てて研究を行っていました。

これを候補遺伝子アプローチと言います。

例えば、精神疾患の治療薬である向精神薬は、セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の伝達を制御することで、

精神機能に影響を与えることが分かっていました。

そこで、研究者たちはセロトニンやドーパミンの受容体やトランスポーター(輸送体)の遺伝子に目星をつけて、

これらの遺伝子が性格と関連しているか研究を始めました。

その結果、いくつかの遺伝子が性格に関わっているということが示唆されました。

しかし、性格と関連していると論文で発表された遺伝子について、多くの研究者が研究を重ねたところ、

関連が見られた研究もあれば、見られなかった研究もあり、一貫した結果が得られませんでした

また、ここでは紹介しきれない様々な根拠から、

現在では初期の研究結果は誤っていたと考えられています。

 

ではどんな遺伝子が性格と関わっているのでしょうか?

近年、遺伝子に関わる技術が飛躍的に向上し、

ゲノムワイド関連解析(GWAS)というものが行われるようになってきています。

細かい説明はここでは省きますが、GWASでは様々な形質に関連する遺伝子を、

ある特定の遺伝子のみではなく、ゲノム全体に存在する多くの遺伝子を対象として、網羅的に探索することができます

この手法を用いることで、候補遺伝子アプローチでは得られなかったデータを取得できるようになりました。

以下に、GWASでパーソナリティとの関連が見いだされた遺伝子を2つ紹介します。

 

性格と関連していると報告された遺伝子

一つ目はRASA1です。

RASA1は正式名称RAS p21 protein activator 1という遺伝子で、骨髄と骨で高く発現し、脳ではわずかに発現します。

RASA1は細胞内シグナル伝達と細胞増殖・分化に関与するGTPアーゼ活性化タンパク質をコードしています。

GTPアーゼとは、GTP(グアノシン三リン酸)に結合して、

GDP(グアノシン二リン酸)とリン酸への加水分解を触媒する酵素のことです。

少し話は逸れますが、多くの酵素は、基質の名前の最後に-アーゼ(-ase)をつけて命名されているので、

これは覚えておくと良いでしょう(例:マルトースの消化酵素はマルターゼ)。

このRASA1は五因子モデルの開放性に関連していると報告されました。

開放性は、知的好奇心や創造性に関連する因子です。

 

二つ目はKATNAL2です。

KATNAL2は正式名称 katanin catalytic subunit A1 like 2という遺伝子で、中枢神経系で広く発現しています。

KATNAL2は、カタニンタンパク質のp60サブユニットに類似したタンパク質をコードしています。

もう少し嚙み砕いて説明すると、タンパク質の中には、いくつかのタンパク質が集まって複合体を形成することで、

機能を果たしているものが数多く存在します。

そして、集まっている個々のタンパク質のことをサブユニットと呼びます。

今回の例で言うと、カタニンタンパク質は2つのサブユニットから成り立っており、

そのうちの1つがp60サブユニットというわけです。

p60サブユニットは、神経細胞の軸索にある微小管を切断するように作用し、

神経細胞の移動、軸索の成長、樹状突起の剪定といった役割を果たしていると考えられています。

このKATNAL2は五因子モデルの誠実性に関連していると報告されました。

誠実性は、良心や責任感の強さに関連する因子です。

 

さて、ここまで二つの遺伝子を紹介してきましたが、これらの遺伝子が確実に性格に関連しているかと言われると、

「はい、そうです。」と言い切ることはできません

なぜなら、一つの研究で関連が見いだされただけでは、この研究の結果が誤っている可能性を否定できないからです。

実際には、性格と関連していないのに、「関連アリ」となってしまったということも十分に考えられるのです。

この研究の結果が、現実を正しく反映しているかを確かめるためには、同じ研究を、

ほかの研究者が異なるデータを用いて行っても、同様の結果が繰り返し見られる必要があります。

何度も何度も慎重に確かめなければいけないというわけです。

 

この研究以外にも、多くの研究が行われてきましたし、多くの研究が現在進行形で進められています。

ですが、性格に関わる遺伝子というのは大変複雑で、まだ分かっていないことの方が圧倒的に多いです。

この記事を読んでくださっている皆様にも、性格に関わる遺伝子を新たに発見する可能性が存分に残されています。

この分野を研究するためには、心理学と遺伝学の知識が、どちらもある程度あった方が好ましいでしょう。

また、便利な翻訳サイトがあるとは言え、論文を読むための最低限の英語力は必須です。

受験勉強を通して、これらの力(特に英語力)はつけることができますね!

 

まとめ: 性格に関わる遺伝子

ここまで、性格と遺伝子の関係について述べてきました!

性格は遺伝の影響を受けていて、関わっている遺伝子の研究も進められているんでしたね。

この記事では、RASA1と開放性、KATNAL2と誠実性の関連について紹介しました!

まだまだ分かっていないことばかりのこの分野、この記事を読んでくださった皆様の中の誰かから、

新たな発見が生まれることを願っています!!!

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