こんにちは!
先日、今年度の第二回武田塾模試を行いました!
先日は「共通テストの英語の解き方」について書きました。
今回は、「共通テストの数学の解き方」について書こうと思います!
※あくまで、今回の武田塾で実施した模試をベースに話します。
河合模試など他の模試とは内容が異なる可能性があります。
似た形式の大問がある場合は参考にしてみてください。
大学入学共通テストの解き方 数学編
さて、英語編では、全ての大問が長文だったので、最初に各大問の共通の見方を決めました。
今回も同様にしようと思います。
ただし、数学の場合は、単元によって問題形式が異なります。
よって今回は、各大問の取り組み方の全体的な手順を、先に設定しておきます。
以下のように書いていきます。
1.まず全体像を把握する
必ずしもこれが必要ではないですが、共通テスト型の問題は、最初に概要を掴むことが有効な場合が多いです。
全体を見て、どんなことが分かるのかを書きます。
【状況】
問で最初に与えられている式や条件等を書きます。
【問われていること】
空欄になっている部分は、どういうことを答えればよいと思われるかを書きます。
複数ある場合は、①②③・・・と番号を適当に割り振っています。
次の手順2以降では、①の中に、さらに複数ある場合は、それぞれ●を付けて分けています。
2.何をすればいいか大まかに考える
問われていることを求めるために、今分かっている状況から何をすればいいかについて、考えられることを書きます。
3.何をすればいいか詳細に考える
各問題を解く過程で、もう少し詳しい思考の手順を書きます。
4.解く
大体の場合、手順3までで説明は終わっていますが、他に解く上での注意点や補足等あれば、ここに書きます。
見ての通り、英語の時と違って、各大問へ取り組む上での流れは、上記のように統一しています。
よって、今回は、どちらかと言えば、「流れ」より「考え方や解説」に近いと思います。
ではいきましょう。
※問題は、数値まで詳細には書いていません。
状況が分かる程度に記載しています。
ご了承ください。
※選択問題は大問3と4についてのみで、大問5は割愛しています。
第1問[1]
1.まず全体像を把握する
【状況】
a,b,c,dが与えられている。(それぞれ√を含む値。例えばa=√2+3など)
【問われていること】
①a²,b²,c²,d²の値
②m<cを満たす最大の整数m
③m<a,m<b,m<c,m<dを満たす最大の整数m
④a<M,b<Mを満たす最小の整数m
⑤a<M,b<M,c<M,d<Mを満たす最小の整数m
2.何をすればいいか大まかに考える
①:計算するだけでいける
②~⑤:a,b,c,dの整数部分が必要
3.何をすればいいか詳細に考える
①は不要なので割愛します。
②~⑤:
→√が式内に多く含まれていること、各文字の2乗を計算させられていることを踏まえると、いったんa²,b²,c²,d²で考えるべき
→a²,b²,c²,d²にも、まだ√が式内に含まれている
→a²,b²,c²,d²の√の部分(以降、a',b',c',d'とする)に注目して、その中の整数部分を考えればよい
→a',b',c',d'を2乗し、それと近い平方数(36,49,64など)と比較して、a',b',c',d'の整数部分を調べる
→a²,b²,c²,d²の整数部分が分かる
→a²,b²,c²,d²を、それと近い平方数(9,16,25など)と比較してa,b,c,dの整数部分が分かる
→mが分かる
4.解く
ここは計算するだけです。
ただし、実際には、いきなり③の手順の詳細まで考えるのは厳しいかもしれません。
大まかな方針が立ったら、やりながら②~⑤をその都度考えていくことになると思います。
第一問[2]
1.まず全体像を把握する
【状況】
正方形の各辺上に、頂点から一定間隔で点をとる。
各頂点とそれらの点をあわせたすべての点から、3つ以上のn個の点を選び、n角形をつくる。
ただし、同一直線上に3点は存在してはいけない。
【問われていること】
(1)
①:nの最大値
②:そのときのn角形の外接円の半径の大きさ、面積、内角のsinの値
(2)
③:n=3のとき、とりうる二等辺三角形のパターンの数
④:二等辺三角形(合同なものは1種類とみなす)の等辺の間にある内角のsinの値の最小値と、そのときの外接円の半径の大きさ
2.何をすればいいか大まかに考える
(1)nの最大値を考え、そのときの図形についてだけ計算すればよい
(何角形になるかはやってみなければ分からない)
(2)図形が二等辺三角形の場合のパターン数と、その中の一つについてだけ計算すればよい
(つまり、パターン数が分からなくても、指定のものが分かれば、その後の問題は解くことが可能)
3.何をすればいいか詳細に考える
(1)
①
各辺上にできるだけ多くの点を取れればよい
→正方形の頂点を選ぶと、2辺にまたがって存在してしまう
→そうすると、とれる点の数が減ってしまうため、頂点は避ける
→頂点以外の各辺上の2点を取るしかない
※「同一直線上に3点は存在してはいけない」も満たすことを確認
②
●外接円の中心は、明らかに正方形の中心
→外接円の半径は、中心から各頂点への距離で、その大きさは容易に求められる
●n角形の面積は、容易に長方形と直角三角形に分けられるので、問題なく求められる
●内角の大きさは、明らかによくある大きさなのでsinの値は自明
③
「二等辺三角形」
「合同なものは1種類とみなす」
という条件があるので、どうすればその条件を満たす三角形のパターンを網羅できるか考える
→「二等辺三角形」なので、まずは等辺の間の頂点(以下、これをてっぺんとする)をどこにとるかから考える。
理由としては、もし最初にてっぺん以外の点を決めたとしたら、次にとる点が「てっぺん」「てっぺん以外の点」の2択になるので、決めにくいから。最初にてっぺんの位置を決めておけば、どちらも「てっぺん以外の点」になるので、決めやすい。
→「合同なものは1種類とみなす」ので、上下と左右と斜めに対称な正方形上で考えるなら、てっぺんの位置はどこかの頂点とその隣の点の2点だけ考えれば良い
→あとはパターンを数えるだけ
※やみくもに3点をとって、一つずつ二等辺三角形かどうか確かめるのはよくないです。
時間もかかるし、見落としの元になります。
あくまで二等辺三角形を成立させるにはどうすればいいかを考えましょう。
④
●0~90℃においてsinの値が最小になるのは、その角が最も小さいとき
→今は辺の長さがすぐに求められる状態なので、三角形の角の大きさと辺の長さには関連性があることを思い出す
→てっぺんの対辺の長さが、残りの2辺の長さに対して相対的に最も小さくなったときの二等辺三角形を選べばよい
→あとは余弦定理と三角関数の公式から求められるし、三平方の定理でも可能
●外接円ときたら正弦定理を使うと考える。計算は容易
4.解く
パターンを数えるのと、計算するだけです。
ただし、計算時に、余弦定理を使うのか、三平方の定理を使うのか、有名な三角形の角度の値を覚えておいて答えるのかは考えて選びましょう。
時間短縮のために重要です。
第二問[1]
1.まず全体像を把握する
【状況】
xとyの値の範囲(0 =< x =< 8とか)、xとyの一次式(例えば5x+y=3みたいなもの)が与えられている。
z(xとyの2次式で表される関数。例えばz = x² + 4y²みたいなもの)の最大値と最小値を求める。
【問われていること】
①zをxの式で表す
②xの範囲
③zの最大値と最小値
2.何をすればいいか大まかに考える
①zの式中のyに、xとyの一次式を「y=〇〇」の形にして代入するだけ
②xとyの一次式において、「y=〇〇」の形にして、右辺がyの値の範囲内になるよう計算するだけ
③zを平方完成して、xの範囲内で最大最小を求めるだけ
3.何をすればいいか詳細に考える
手順2でほぼ終わっています。
この大問の中で一番計算の多い、2次関数の最大最小ですら、基本的事項なので、詳細も何もありません。
参考書を見ましょう。
4.解く
やるだけです。
たぶん今回のIAで最も簡単な問題だったと思います。
しかし、本当に意味を理解してやれているか確認しましょう。
例えば、与えられた式から
「xとyは、座標平面上のどこを動きうるか」を考えてみましょう。
さらに最大値と最小値を、図上でどう考えると求めることができるか、これも考えてみるといいと思います。
これはよく数学IIBの領域の最大最小で出てくる内容と似ていますが、分からない人は調べてみましょう。
第二問[2]
1.まず全体像を把握する
【状況】
6つのデータからなる集合Aがある(A = {1,3,5,7,9,12}みたいなもの)
【問われていること】
①データAの平均値と分散
②データAの各要素にある処理を加えたデータA'との関係式
③データA’の平均値と分散
2.何をすればいいか大まかに考える
①定義に基づいて計算するだけ
②問題文に則って関係式を作るだけ
③あるデータに掛け算や足し算をしたデータでは、平均値や分散がどう変化するかを知っていれば(通常の授業で習っているはず)、計算するだけ
3.何をすればいいか詳細に考える
手順2でほぼ終わっています。
4.解く
計算するだけです。
これもやっていることは標準レベルです。
しかし、問題文の理解に苦戦した人はいるかもしれません。
僕は③の知識が曖昧だったので、1から考えました。
このデータの変換後の平均や分散の値の導出は、できるようにしておいた方がいいかもしれません。
第三問
1.まず全体像を把握する
【状況】
サイコロを最大3回投げる。
1回目がある値(例えば3)以上ならその目の数をpとする。そこで終了。ある値未満ならもう一回投げる。
2回目投げたら、1,2回目の合計値がある値(例えば7)以上なら1回目と2回目の平均をpとして終了。ある値未満ならもう一回投げる。
3回目投げたら、3回分の平均をpとする。
【問われていること】
(1)
①pの最大値と、そうなる確率
②pの最小値と、そうなる確率
(2)
③1,2,3回目で終了する確率
④3回目で終了する場合のpの最大値
(3)
⑤p<=2の確率、4<p<5の確率
2.何をすればいいか大まかに考える
①pの最大値と、そうなる確率
1,2,3回の各パターンを考えて見つけるべきかもしれないが、結局出た目の平均をとっている以上、6以上にはならなそう
あと確率はそうなるパターンそれぞれについて計算するだけ
②pの最小値と、そうなる確率
1,2,3回の各パターンを考えて見つけるべきかもしれないが、結局平均をとっている以上、1以下にはならなそう
あと確率はそうなるパターンそれぞれについて計算するだけ
③1,2,3回目で終了する確率
ここで各パターンを考えなければならなそう。
それなら①②よりも先にこっちやってもいいかも?
④3回目で終了する場合のpの最大値
これは最大になるようにたどるだけなので、他の問とは別に解くことが出来そう
(3)
⑤p<=2の確率、4<p<5の確率
前の③で各パターンを求めた上でなら、該当パターンを数えればできそう
3.何をすればいいか詳細に考える
①,②
手順2で考えたことを確認する。
やはりpの計算式からして、投げる回数に関わらず、そのときのサイコロの目の平均値にしかならない。
最初に6が出て終わる場合と、3回とも1が出る場合で求められる。
確率は、該当のパターンについて計算するだけ。
③④
パターンを整理できていれば容易に分かる。
ただ、図は描かないと間違えそうなので、簡易的な樹形図を書く。
最大値も、暗算でできるレベル。
⑤
ここでpの値による場合分けになるが、さらにその中でサイコロを投げる回数別で分けたほうが整理はしやすい。
あとは数えるだけ。
この問のように、○○以下、○○以上といった場合について聞かれるときは、一応余事象の計算も疑うが、今回はそのまま考えても楽そうなので不要。
4.解く
計算する、数えるだけです。
注意点
この確率の問題を解く上で気を付けたことを記載しておきます。
●すべての問で、「全パターン216通りに対する該当パターンの割合」で計算すると間違えます。
それが使えるのは、3回投げる場合のみです。
●該当パターンを数えるときに、2,3回目を投げるための分岐条件を忘れたり間違えたりしないよう注意しましょう。例えば7未満のときの処理なのに、7のときもカウントしてしまうとかです。
●樹形図から数えるとき
先に全体の大枠を考えてから数えたほうがいいです。
はじめから細部だけ見ていくと、後半を数え忘れたりします。
特に途中でけっこう重たい物があった場合は、そこで満足してしまうので(笑)この大問も、共通テスト型の確率の問題では、かなり易しいレベルだったと思います。
第四問
この大問だけ、他の大問とは少し異なる書き方になっています。
1.まず全体像を把握する
【状況】
最初に与えられている状況はありません。
その都度読み進めながら解くことになります。
【問われていること】
①3を3進法と2進法で表す
②5進法での和と差
③5進法での積
④5進法での積と商
2.何をすればいいか大まかに考える
多くの人は、2進法の和と差と積は学んでいると思います。
これを2進法だけでなく、n進法の概念として理解していれば、④の途中までは問題文をほぼ全て読む必要なく解けるはずです。
n進法として理解していない人は、問題文もすべて読んで理解することが必要です。
商はやっていない可能性があるので、該当部分から読むことにしましょう。
3.何をすればいいか詳細に考える
該当部分を読むときの話を書きます。
これはこの分野に限りませんが、「概念を完璧に理解しようとする」ことは避けた方がいいです。
時間が足りなくなります。
とりあえず問題が解ければいいので、いまいち理解しきれていなくても、「こんな風にやればいいんだな」だけつかめるようにしましょう。
今回の問題で言えば、商のところの問題文を最初から順に読んでいくと理解しにくいです。
割り算の筆算をしている記述を見て、割り算でやることをイメージしてから読むといいと思います。
つまり、最終的にやりたいことを理解してから説明を読むということです。
目的が分かっている状態で読んだ方が効率よく読み進めることができます。
ぶっちゃけ問題が解ければいいので、無駄な作業をしないようにしましょう。
4.計算する
これはもうやるだけです。
大学入学共通テストの数学を解く上で、実際これらのことを考えながらやっているのか?
いろいろ書きましたが、実際これを本番でしっかりやれているかと言われれば怪しいです(笑)
少し補足しておきます。
解き進め方について
まず大まかに何をすればいいか考える、という風にしていますが、実際にはそうしないこともあります。
見た瞬間に解ける問題が最初の方にあれば、先に解いてしまってもいいと思います。
そうすれば情報が増えるので、その先の問題も理解しやすくなるからです。
ただし数学は、具体的な数値や計算ばかりでなく、「概念」として理解できることが重要です。
つまり、具体的な数値が出ていない状態でも(ここまで説明してきたような言葉で)、どういう状況か解釈できる状態であることが理想です。
この記事を読んで、状況が全く理解できない人は、注意しましょう。
大問ごとの取り組み方は英語以上に異なるかも?
最後の大問4は少し違う書き方をしましたが、英語よりも数学は大問ごとの形式が異なる場合があります。
とにかく優先すべきは、「問題を解くために何が必要か」を最低限とらえることです。
時間がなければ正攻法でなくてもよい
大問4のn進数の問題ですが、正しい計算方法を知らなくても解けます。
面倒ですが、一度10進数に変換して計算してから、また該当の進数に戻せばいいだけです。
正しい解き方で解けるのが理想ではあります。
しかし、多少泥臭くても答えが出せるなら、最後まであきらめずにやりましょう。
大学入学共通テストの解き方 数学編 まとめ
いかがでしたでしょうか?
共通テストの数学の難しさは、
「問題文を読んで状況を整理できるか」
「誘導に乗れるか」
だと思います。
使う知識自体は大したことありません。
今回なんて、もはや高校の初歩レベルです。
「自分で読んで状況を理解して最良の手を考える」ことが大事です。
何度も練習を重ねましょう。
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