皆さんこんにちは!
武田塾高岡校講師の宮崎です。
2月も半ばを迎え、
高校1年生の皆さんは高校に入学してから1年が経とうとしていますね。
この一年間、いかがでしたでしょうか?
勉強に部活、恋愛...と忙しくも充実した日々を送ることができましたか?
さて、今回は文理選択で、理系を選んだ高1生向けに、
「理学部」と「工学部」の違い、あるいは共通点について徹底解説していきたいと思います!
私は理学部の化学系研究科に所属しているので、
理学部視点で両者を見ていきます!
また、まだ文理選択をしていなくて、
どちらにしようか悩んでいる...という方も理系学部について知るきっかけになるかと思うので、
必見です!!
理学部と工学部 -何を学ぶのか-
まず、理学部と工学部を「何を学ぶのか」という観点から見ていきます。
最初は理学部。
理学部は、
自然界で起きている現象を定義づけている原理や法則の探求を主に行っている学部です。
高1生の皆さんはまだ気づいていないかもしれませんが、
「どうしてこうなるのか分からない」現象というのは、
世の中にまだたくさんあります。
その、「どうして」、に新しい原理・原則を見つけて、理由付けを行っていくのが理学部なのです!
それに対して、工学部。
工学部は、
既存の原理・原則を応用して、世の中の生活をより便利にしていこうとする学部です。
今分かっていることを「どのように」組み合わせて、
社会的な問題を解決するためにモノづくりをしていくか。
これを考えるのが、工学部なのです。
理学部と工学部 -どんな知識が必要か-
次に、理学部と工学部を「必要な知識」という観点から見ていきます。
必要な知識に関しては理学部と工学部で大きな差はないと思われます。
ここで重要なのは、
理学部、工学部、いずれも、理科科目、数学の知識は必須だということです。
これは私の実体験からも強く言いたい。
私は前述のとおり、理学部化学科に所属しておりましたが、
化学科だから化学だけわかっていればよいというものではありませんでした。
ミクロな世界(原子や分子)のことを詳しく知ろうと思ったら、
量子力学や相対性理論、固体物理学など、物理の知識が必要ですし、
物理の法則を理解するためには、数学の微分・積分が分かっていないといけませんでした。
さらに、核酸(DNAやRNA)などの生体高分子に着目すれば、
生物に関する知識も必要になってきます。
受験生時代に物理が苦手だった私は、
大学に入ってから物理をガッツリ使う、量子化学という分野にだいぶ苦戦しました...。
以上から、理学部・工学部に入りたいと思っている高1生の皆さんは、
大学でも大いに使う、理科、数学の中で苦手を作らないように
今のうちから勉強しておきましょう!!
~番外編~理系科目、最初にやるならコレ!
理学部・工学部では、
どちらにせよ理系科目全般の基礎知識が必要であるという話をしました。
そこで、現在、理系科目の勉強をあまり行えていないよ、という方に向けて、
理系科目、特に化学と物理について、初心者にオススメの講義系参考書を紹介したいと思います!
物理:宇宙一わかりやすい高校物理
物理の授業、聞いてもあんまりピント来ない...。
問題を解くときに、どの公式を使えばよいか分からない...。
というそこのあなたにピッタリな講義本が、
この「宇宙一わかりやすい高校物理」です!
多彩なイラストによって、
物理現象を「図」としてとらえることができます!
また、例え話などを多用した、より理解しやすく、
やさしい説明があるのが特徴的です。
化学:二見太郎の早わかり化学
化学を始める方々にオススメの講義本は、
「二見太郎の早わかり化学」です!
網羅性が高く、より化学を基礎から学びたい人に向けた参考書です。
学校の授業の進行順に、
化学基礎→理論化学→無機化学→有機化学→高分子化合物
という流れで構成されています。
簡潔で、ポイントを押さえた解説が特徴的です。
問題を解く前に、その単元をこの参考書で大まかに理解しておくと、
演習効率爆上がり⤴が期待できるでしょう!!
理学部と工学部 -どんな就職先に就くのか-
最後に、理学部と工学部を「卒業後の進路」という観点から見ていきます。
まず、理学部と工学部共通で言えることは、
専門性を生かした就職先(理系研究職など)につきたい場合は大学院に進学した方が良いということです。
ほとんどの大学の場合、1~3年生までは座学や基礎的な実習を行い、
4年生から実際に研究室に入って研究を行います。
専門性を培う期間が大学4年生からであることを考えると、
それを生かして就職活動を行いたい方は大学院進学をした方が良いと言えます。
学部で卒業する場合は、理学部、工学部に関わらず、
教員免許を取得して教員になる方と、
「理系」という武器を生かした生産・技術系職に就職される方が主にいらっしゃいます。
ここからは大学院を卒業した場合の理学部と工学部の就職先について見ていきます。
理学部では、専門性がそのまま職業になるということはあまりありません。
(強いて言うならば、大学に残って研究者となる道でしょうか。)
しかし、研究を3年間やってきたという経験値を生かして、
学科に関連した製造業の研究職に就く方が多いです。
(物理学科では機械系メーカー、化学科では化学・薬メーカー、生物学科では食品メーカーといった感じ。)
それに対して、
工学部では、モノづくりの学問であるという特性から、
学生時代に行ってきた研究がそのまま職業につながることが多いです。
半導体の研究をしてきた人は半導体メーカーに、
情報系の学科で研究を行ってきた人はプログラマーとなる割合が多いです。
まとめ
ここまで理学部と工学部について、違いや共通点を見ていきました。
簡単にまとめてみますと...
・理学部は物事の原理・原則を探求する学問で、
工学部は世の中により便利なモノを作っていく学問。
・理学部・工学部で必要な知識は違うが、
理系科目全般の基礎知識は必須!
・理学部・工学部ともに、専門性を活かした就職先に就きたいのであれば、
大学院に進学した方がよい。
・理学部よりも工学部の方が、研究をそのまま仕事に活かせる割合が高い。
ざっとこのような感じになるでしょうか。
しかしながら、これは全国の大学の理学部・工学部を平均化し、
概説的に述べるとこのような感じになる、というものですので、
大学によっても理学部・工学部の特色は変化すると思います。
これを機に、
志望校や気になっている大学の理学部・工学部について調べてみてはいかがでしょうか。
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