こんにちは、武田塾巣鴨校です!
今回は、共通テストの地理で高得点を取りたい人向けに、是非覚えておいてほしい国のリストを紹介したいと思います。
共通テスト地理で8割以上安定して取るために覚えておきたい国
そもそも国の場所は覚えた方がいいのか?
地理を勉強している皆さんの中には、「国名と場所をどこまで覚えた方がいいのかわからない」という人は多いのではないでしょうか。
センター試験の過去問などを見てみると、国の場所を直接聞くような問題は少ないです。
しかし、直接国名を問う問題でなくても、国名がわかっていないと正解できない問題は、実際かなり存在します。
また、国の産業は気候や地形の影響によるところが多いので、たとえば「〇〇の国は××の栽培が盛ん」という情報を覚える際に、地図と合わせて「こういう場所にあり、こういう気候条件だから」ということをセットで理解していかないと、知識が体系的なものになっていきません。
よって、少々大変かもしれませんが、主要な国々の名前と場所は、地理を学ぶ上での基礎知識としてまとめて覚えてしまった方が良いです。
センター試験の時代から、「地理は点数が安定しない科目である」というイメージが持たれがちでしたが、センター試験レベルで地理の点数が安定しない人の多くは、「覚えるべきことを必ず覚える」という意識が足りていないように思います。
固有名詞の暗記を怠らないことが高得点の鍵
受験生がしばしば悩む、「都市名を覚えた方がいいのか」という問題についても考えてみます。確かにセンター試験では、都市名を知っているかどうかを直接問うような問題はあまり出題されていません。
しかし、たとえば2016年の第2問では、地図上でアメリカのシアトルとフランスのトゥールーズの場所に記号が書いてあって、そこで盛んな産業は何かを知っておかなければ解けない問題が出題されました。
選択肢にはシアトルやトゥールーズという都市名は出てこないので、一見都市名自体を知っておく必要はないようにも思えます。
しかし、この問題に根拠を持って正解できた受験生は、おそらく両都市の名前・地図上の位置と、航空機製造が盛んであるという情報がちゃんとセットで頭に入っていたと思います。
そもそも、知識を整理するにあたって、固有名はあったほうが絶対に覚えやすいです。ピッツバーグやバーミンガムという名前を全く使わずに「アメリカ/イギリスのこの辺には炭田がある」というような覚え方をしても、なかなか記憶として定着していかないでしょう。よって、得点が安定する人は、これぐらいの都市名は自然と覚えているのです。
日本史・世界史・倫理政経などと比べて暗記することが少ないから地理を選んだという人も多いとは思いますが、こういったひとつひとつの積み重ねが得点差につながっていくので、本当に高得点を取りたければ暗記も意識的に行いましょう。それでも、要領さえわかればこれらの科目と比べて覚えるべきことは格段に少ないです。
ということで、この記事では、共通テストの地理で8割、9割をとるために覚えてほしい国名を一覧にしてまとめました。
また、国名のリストだけでは味気ないので、受験生にとってイメージがつきづらそうな地域については、横にひとことポイントを書いています。是非参考にしてみてください。
ヨーロッパ
以下の国の場所は最低限覚えておく。民族・言語の系統と宗教の分布も地図を見ながら確認しておこう。
イギリス
イタリア
フランス
ドイツ
アイルランド
オランダ
ギリシャ
スイス
スウェーデン
ノルウェー
デンマーク
ポーランド
フィンランド ※ウラル語族
ハンガリー ※ウラル語族
ベルギー
オーストリア
アルバニア ※イスラーム教徒が多い。宗教の分布で出ることがあるので把握しておく。
ウクライナ
ロシア
南北アメリカ
中南米の民族構成はしばしば問われる。国の場所とともに覚えておこう。
ラテンアメリカの先住民のインディオはモンゴロイド。アンデス山脈周辺の国は先住民の割合が高い。
コーカソイドとモンゴロイドの混血をメスチーソ、コーカソイドとネグロイドの混血をムラートという。
アメリカ合衆国
カナダ
メキシコ
キューバ
ブラジル 公用語はポルトガル語。約半分が白人。ムラート、メスチーソ、アフリカ系黒人も多い。世界で一番日系人が多い国でもある。
アルゼンチン ほとんどがコーカソイド。乾燥パンパと湿潤パンパにおける農業は頻出。
ウルグアイ ほとんどがコーカソイド。民主主義が根付いており、南米の中ではかなり政治や経済が安定している。
チリ メスチーソが7割。銅の生産・輸出が世界一であることは頻出。
エクアドル バナナ輸出量世界一。メスチーソが過半数。国名は、Equator(赤道)から。赤道は地図がどこで切り取られても引けるようにしておこう。
コロンビア コーヒーが有名。メスチーソが約5割。
ベネズエラ メスチーソが6割。南米一の原油輸出国。OPEC加盟国。
ペルー 先住民が多い。アンチョビー(カタクチイワシ)漁が有名で、漁業生産量は世界有数。
ボリビア 先住民が多い。高山気候に属するラパスのハイサーグラフは頻出。
東アジア
中国 東北、華北、華中、華南、内陸、台湾と、おおまかに分けて農業・工業の特徴を把握しておこう。
韓国 輸出品目は機械や自動車、半導体などが中心。合計特殊出生率が世界最低水準で、近年1.0を切った。
北朝鮮
モンゴル ゲルの写真がよく出る。
東南アジア
日本との関係も深く、極めて重要。
近年の動向も含めて細かいところまで聞かれる可能性があるので注意。
産業の特色、おおよその人口・経済の規模などを把握して、図表問題で区別できるようにしておく。
タイ 米の輸出国。東洋のデトロイトと称されるほど自動車産業が集積している。
インドネシア 人口世界第4位。油やしや天然ゴムのプランテーション。
マレーシア マレー人優遇のブミプトラ政策。英語が公用語ではない点に注意。
シンガポール 中国語・英語・マレー語・タミル語が公用語。
フィリピン 旧スペイン領でカトリックが多数派。
ベトナム 世界有数の米・コーヒー輸出国。ドイモイで外国資本を受け入れた。
カンボジア 衣類の輸出が多い。アンコールワットがある。
ミャンマー 軍事政権で開発が遅れた国。首都ネーピードーは、オーストラリアのキャンベラなどと同様に、近年首都機能を移転した都市(経済の中心はヤンゴン)。首都と経済の中心が分かれているかどうかはたまに問われるので注意。
中央アジア・西アジア
インド 綿花、茶、小麦、米がどのあたりで栽培されているかは気候条件も含めて把握しておく。近年急成長しているICT産業の中心は南部。
パキスタン カシミール問題でインドと長きにわたる対立。
バングラデシュ かつてはジュートの繊維工業、今では衣料品の縫製業が盛ん。
スリランカ 茶の生産。多数派・仏教徒のシンハラ人と少数派・ヒンドゥー教のタミル人の内戦があった。
ネパール ヒンドゥー教が多数派だが、チベット側には仏教徒も多い。
トルコ 外国資本による自動車産業が盛ん。
カザフスタン 北部はチェルノーゼムが分布する肥沃な穀倉地帯(小麦など)。ウクライナ~カザフステップの場所を確認しておきたい。ウランの生産量世界一。
ウズベキスタン アムダリア川・シルダリア川を利用した灌漑で綿花が盛んに→アラル海の縮小。
イラン ペルシャ人が中心(イラクとの違いに注意)。宗教はイスラームのシーア派。
イラク アラブ人中心。シーア派。
サウジアラビア 石油産出国。アメリカとの結びつきが強い。
イスラエル エルサレムはユダヤ教・キリスト教・イスラームの聖地。パレスチナ問題。
アラブ首長国連邦 石油輸出国。ドバイは西アジアの中心的な都市に。観光も多い。
アフリカ
北アフリカは、コーカソイドが多く、イスラーム・アラビア語圏が広がっている。
アフリカはモノカルチャー的な傾向が残っている国が多いが、ナイジェリア→石油、エチオピア→コーヒーのように結び付けられても、地図上での位置がわかっていないと問題に正解できないことがある。
受験生が手薄になりやすい地域だが、資源の分布や農産物の生産なども含めて、ある程度整理できていれば簡単に解ける問題が多いので、国名もしっかり覚えておこう。
エジプト ナイル川河口部の円弧上三角州は頻出。ナイル川周辺で灌漑農業。
アルジェリア 旧フランス領。ヨーロッパ風の街並み。フランスへの移民も多い。
エチオピア アフリカで唯一植民地化されなかった国。コーヒーの原産国(コーヒーは「カッファ」地方に由来)。
ケニア 旧イギリス領で、茶のプランテーションが盛ん。
ナイジェリア 石油のモノカルチャー。
南アフリカ かつてアパルトヘイトが実施されていた。プラチナ、マンガン、クロムなどのレアメタルやダイヤモンドなど、資源大国。BRICSの一角。
モロッコ 旧フランス保護国でフランスとの関係が深い。観光国。
コートジボワール カカオ豆の生産量1位。
ガーナ カカオ豆の生産量2位。輸出品目では金が約4割と一番多い。
コンゴ民主共和国 コバルト鉱、ダイヤモンドなど資源は豊富。
スーダン 金の輸出量が多い。ダルフール紛争。
ソマリア 海賊の被害が多い。
ザンビア 銅のモノカルチャー。カッパーベルト。
マダガスカル 島国だが、中央の高地が風を遮るため、様々な気候帯が存在している。稲作が盛ん。サイクロンの被害を受けることも。2017年度の東大の論述で問われた。
オセアニア
ポリネシア・ミクロネシア・メラネシアの区別はつくようにしておきたい。
オーストラリア 気候区分がよく出るので自力で地図に書き込めるようにしておこう。羊はメリノ種。
ニュージーランド 気候的にはCfb。南にはフィヨルドがある。羊はコリデール種。
パプアニューギニア 金・石油・銅の輸出が多い。油やしから作られたパーム油も。
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