こんにちは、武田塾巣鴨校です!
突然ですがみなさんは現代文、得意ですか?
受験相談時にこの質問をしてみると、どれだけ勉強しても現代文ができるようにならないという生徒さんは非常に多いです。
やってもやっても伸びないと、本当にいつまで経ってもできるようにならないのかなと思ってしまいますよね。
しかし、結論から言っておくとそんなことはありません。しっかり勉強しているのに現代文が伸びない人は根本的な部分で間違っている可能性が高いです。
入試現代文には「正しい読み方」がある
入試現代文は、試験の性質上、「その文章から読み取れること」を正解の根拠にしなければならないという制約があります。これはつまり、「筆者の意見はこうだけど、こういう考え方もできるよね」というような読み方をしても、点数として評価されないということを意味しています。
現代文を勉強する際は、いきなり問題集を解くのではなく、「そもそも入試現代文とは」というところから、文章の読み方・解き方まで丁寧に解説されている参考書を読むのがおすすめです。
武田塾の日大ルートでは、初めに
『ゼロから覚醒 はじめよう現代文』(かんき出版)
『現代文文章の流れがわかる読解トレーニング』(旺文社)
『柳生好之の現代文プラチナルール』(KADOKAWA)
といった参考書を使用しています。
また、かつてルートで長らく使われていた、
『《改訂版》田村のやさしく語る現代文』(日本入試センター)
も色褪せない名著でおすすめです。
語彙力も非常に重要
では、読み方・解き方さえわかればどんな文章でも読めるかというと、そうではありません。英単語がわからないと英語がわからないのと同じように、文章で使われる言葉を知らないと、当然正しく文章を読むことはできないからです。「現代文が苦手」と言う人は、多くの場合、文章読解に必要な語彙力が足りていないように思います。
日本語だからなんとなくわかるだろうと思ってしまいがちですが、ひとつひとつの言葉の意味が曖昧なまま読み進めていっても、なかなか本文の論旨は理解できないものです。
文章を読んだ生徒に論旨を聞いてみると、わからない部分を読み飛ばし、自分がわかる部分だけを拾い読みして、「まあこんな感じだろう」と、勝手にストーリーを作り変えてしまうというようなことがよく起こっています。
このような読み方をしてしまうと、選択肢を選ぶときにも、本文で全く言われていないことを「なんか似たようなことを言っていた気がする」と思って選んでしまいます。
また言葉の意味がわかっていないと、正解の選択肢が本文と表現の仕方を微妙に変えている場合、「こんなことは書かれていない」と切ってしまいます。
現代文ができる人からすると、正解の選択肢と本文を見比べて「同じことがここに書いてあるじゃん」と言いたくなるのですが、そもそもそれらが「同じ」かどうかを判断するためにはある程度の読解力が必要になるわけです。
テーマに対する理解を深めよう
武田塾では、現代文のカリキュラムの中に、現代文の文章を読むために必要な語彙や背景知識を身に付けるための参考書を組み込んでいます。
具体的には、『ことばはちからダ! 現代文キーワード』(河合塾)、『現代文キーワード読解』(Z会)などです。現代文の点数が安定しない生徒の特徴として、文章のジャンルによって、本文が読めるときと読めないときに差が出てしまうということがあります。
たとえば、「科学技術系の文章は読みやすいけど、哲学系の文章が出ると全然読めない」など、特定のジャンルに対する得意・不得意の意識は、皆さん持っているのではないでしょうか。
『ことばはちからダ!』や『現代文キーワード読解』は、入試現代文に出題されるテーマの背景や前提知識を知ることで、どんなジャンルの文章が出てきても、ある程度「たぶんこういう感じの文章なんだろうな」ということがわかるようになるための参考書です。
特に現代文は、本文を読むスピードが点数に反映される科目なので、本文を読み始めてすぐに、どういう文章の展開になりそうなのかを予想できると、圧倒的に有利になります。
テーマや論理展開の種類は限られている
「現代文」というと、世の中に存在するあらゆる文章が出題されそうで、「そんなの対策なんてできないよ」と諦めてしまう人も多いですが、実は入試現代文で出題される文章のテーマ・形式というのは、ほとんど限定されています。
なぜならば、出題者の側からすると、「問題が作りやすい」文章でなければならないからです。
では、問題が作りやすい文章とはいったいどのようなものでしょうか。その特徴をいくつか挙げるとするならば、
・論理の展開がわかりやすいこと
・メインの主張に対して適度に具体例が挙げられていること
・適度に読みづらい文章であること(誰もが一読して意味がわかるような文章は読解の問題に向かないため)
・何らかの現代的な課題に対して筆者なりにアプローチした文章であること(評論)
などが挙げられます。また、入試現代文の文章はある意味大学の顔でもあるため、受験生が読んで、多少なりとも「なるほど、面白いな」と思うようなキャッチーな文章が好まれているようにも思います(たとえば入試で出題されることが多い鷲田清一の文章は、このあたりのバランスが絶妙です)。
このように考えていくと、入試現代文では似たような文章が出題されやすいというのが納得できると思います。
そして、似たような文章が出題されがちだからこそ、問題集などで読んだ文章は、読み捨てにするのではなく、しっかりと内容を理解し、あとから「これはあの問題集のあの文章に近いテーマだな」というようなことが思い出せるようにしていって欲しいのです。
この積み重ねで現代文の成績は絶対に伸びます。
参照軸を持とう―二項対立に注目!
最後に、テクニック的なことをもうひとつ。『ことばはちからダ!』や『現代文キーワード読解』など、現代文キーワード系の参考書を開くと、多くの場合最初の方のページは、「普遍と特殊」や「抽象と具体」といった、二項対立系の言葉が並んでいると思います。
これはなぜかというと、評論で何かを主張する際に最もわかりやすい議論の仕方が、二項対立を用いた方法であるからです。
単に「〇〇は××である」と主張するよりは、「一般にかくかくはしかじかであると言われている。しかし~」と主張した方が、説得力が出ますよね。
しかしこの二項対立は、常に本文中で明示的に述べられるわけではありません。ときには読み手が自ら、対立する概念を想定し、その中で筆者の主張がどこに位置しているのかを考えながら読む必要があります。
たとえば「都市」という言葉が重要そうなワードとして出てきたら、対となる「自然」や「田舎」といった概念をすぐに思い浮かべる……といったように。
もちろん、現代文の問題を解く上では、読み手が文章を批評する必要はありません。「うーん、それはちょっと違うんじゃない?」といった読み方をすることは、受験生には求められていないのです。
むしろ、その文章に書かれていることが100%正しいと仮定して設問に取り組まなければなりません(難関大学になると、選択肢の作り方が巧妙になるので、このあたりをついてきます)。
しかしそれは、何も知らないかのように文章を読めということではありません。そうではなく、自分なりに参照する軸を持った上で、筆者の立ち位置を確認することが大事なのです。
たとえば、少々難しい話になってしまいますが、哲学の認識論がテーマの文章が出てきたときに、実在論と観念論の対立を思い出し、「なるほど、これはどちらかというと素朴実在論を擁護するタイプの文章だな」ということがわかった方が、はるかに見通しが立ちやすいわけです。
まとめ
今回は、「現代文の成績がなかなか伸びない!」という人のために、現代文を得意にするコツをいくつか紹介してきました。
勉強しても伸びない科目だと思ってあきらめる人の多い現代文ですが、正しいやり方で勉強していけば、確実に実力をつけていくことができます。
あきらめずに頑張っていきましょう!
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