みなさんこんにちは!武田塾巣鴨校です。
共通テストを受験する学生であれば一度は購入するであろう予想問題パック。
例年のセンター試験対策であれば、各社の違いと言えば難易度くらいのものでしたが、
今年のパックは各社大きく違う様相を呈しています。
共通テスト初年度でまだまだ各塾も作問に苦戦しているようです。
今回は、河合塾・駿台予備校・Z会から出版されている共通テスト予想問題パックを徹底比較します!
相当長い記事になりましたが、ぜひご覧ください!
科目の違い
まず注意しなければならないのは、各パックで理科の収録数が異なります。
・河合塾のパックは基本的に国公立大学で使用するすべての科目が収録されています。
・駿台予備校のパックは地学(発展)の問題・解説が収録されていません。
・Z会のパックは地学(発展)と物理基礎の問題・解説が収録されていません。
地学(発展)や物理基礎を使う生徒は注意が必要です。
これらを踏まえて、各塾の問題の特徴を、主に英数国で比較してみましょう!
攻めた作問!?河合塾の予想問題に賛否両論
模試文化の元祖である河合塾ですが、今回の予想問題パックはなかなかに攻めています。
各カテゴリごとに見ていきましょう。
共通テスト再現度:★★☆☆☆
ここが一番の驚きポイントでした。
なんと、共通テストの試行調査に準拠していない問題が多いのです。
もちろん一部問題は試行調査などを意識して作問されていますが、
・数学の7割型の問題がセンター試験方式
・英語(リスニング)の第3問が2回聞き (通常第3~6問は1回聞きに変更)
・現代文の問題に図表が無い
など、これまでの共通テストの常識からかけ離れた作問が目立ちます。
これは共通テスト予想問題パックですから、相当攻めた作問です。
「共通テストで問われるスキルの根本はセンター試験と変わらない」
という意思表示なのかもしれません。
難易度:★★☆☆☆
問題の難しさは、センター試験で言うところの
やや易~平年並
あたりの難易度感だと思われます。
今までのセンター試験の過去問をちゃんとカバーして、これから共通テストの対策に移ろう!
というタイミングの生徒には良い難易度です。
リスニング音声がとても聞き取りやすい発音、ゆっくりめのスピードで、
リーディングもそこまで難しい単語は使用してくていません。
意図して少し難易度を下げているように思います。
共通テストとセンター試験のちょうど中間を行くような作問ですから、
過去問演習の力を直接的に発揮し、あまり共通テストへの違和感なく取り組むことができる問題です。
オススメ度:★★★☆☆
共通テストが実際にどのような仕上がりになっているかが分からない以上、
初年度の今年は作問に関してどれが正解かなんてわかりません。
その上で、この予想問題パックの使い方をアドバイスするとしたら
本番直前ではなく今やるべきパック!過去問終わったら今すぐやろう!
ということです。
先述の通り、センター試験と共通テストの中間を行く形式の作問ですから、
実力試しにはもってこいの内容となっています。
またこれは毎年のことですが、自分の点数を打ち込むと平均点などと比較的できるサービスがあります。
有用に活用できるはずです。
形式が変わってもオーソドックスな作問 駿台の安定した予想問題
共通テスト再現度:★★★☆☆
河合塾ほどではないものの、特に数学ではセンター試験用作問の名残が残っている印象です。
一方で国語に関しては相当再現されており、今年のセンター試験で突如現れた漢詩への対応もばっちりです。
全体的にはやはりセンター試験時代の作問をベースにした上で、
形式を共通テスト用に焼き直したような作問でした。
共通テストのテーマの1つとして、思考力・判断力・表現力を問うというものがあります。
これまでのセンター試験では、ただ知識を基に問題を解くことができれば良かったのですが、
共通テストでは知識をどのように問題に当てはめるかを問うてきます。
今年の駿台のパックは、見た目が共通テスト、問われている技能はセンター試験のものですから、
これもまた過去問との橋渡しには良い題材かもしれません。
難易度:★★★☆☆
問題自体はセンター試験と同レベル程度の難易度を言って良いと思います。
先述の通り、問題の見た目が変わっても問われる技能はこのパックでは変わっていません。
「センターは点数とれるのにこのパックは悲惨だった」
という場合には単純に形式慣れで解決できる範囲だと分析できます。
印象的だったことは、思考力・判断力・表現力を問うというよりは
どれだけ手を動かしたか
を問われるような作問が見られることです。
特に数学で、時間をかけて手を動かせばだれでも解ける問題、
しかし時間は絶対かかる、というような問題が多々あるように思います。
オススメ度:★★★★☆
河合塾のパックがセンター過去問総集編という位置づけならば、駿台のパックは
共通テスト入門編
というのにふさわしい内容だと感じました。
センター試験の過去問で培われた知識の処理力を問うと同時に、
共通テストで求められる思考力・判断力・表現力を若干交えてくる内容は、
今時期の受験生にとっては良いレベルの壁となってくれるはずです。
12月中の実施をオススメします!
今年のダークホース!?Z会の作問が神ってる!
例年センター試験対策のZ会のパックのレビューといえば
・とがってる作問
・難易度が高すぎる
などと、どちらかといえばマイナスなイメージが多かったです。
しかし今年は違いました。共通テスト初年度のダークホース、Z会のパックをレビューしていきます!
共通テスト再現度:★★★★★
どの問題を見ても共通テストの予想問題として作問され、
センター試験時代の問題の焼き直しをした形跡が全くないのです。
文句なしの★5をつけたいと思います。
正直他のパックは、センター時代のストック問題を焼き直した感がどうしても出ています。
対してZ会のパックは、筆者の私も問題を解いていて「いやーこれはちょっと考えさせて」という場面が
英数国どの科目でもありました。これは他のパックでは得られなかった感想です。
思考力・判断力・表現力を問われるというのはこういうことなのだろうなと感じます。
難易度:★★★★☆
共通テストの再現が良くできているからなのか、Z会の特性が出てきているからなのか。
問題の難易度としては、「やや難」です。
少し立ち止まって、これまでの状況を整理しながら考えさせられる問題が、特に数学で多いです。
これまでセンター時代のとがった作問が、共通テストで開花した良い例だと思います。
ただ難しすぎるということもないですから、どの学力層でもアタックできる内容になっています。
オススメ度:★★★★★
共通テストの最後の仕上げに使うべきパックだと思います。
今年の大晦日の勉強はZ会で決まりです。
ちなみに12月中旬までに所定の申し込みを行うと、年内に無料で英数国の問題がさらに提供されます。
(先着順のようです)
先に買うだけ買ってみることをオススメします。
まとめ
いかがでしたか?
最後はもはやZ会の回し者のようにべた褒めしてしまいましたが、
今年のパックはZ会一強という結果でした。
共通テスト初年度ということもあり実際にはどの問題が本物に似ているのか
分からないということも確かに事実ではあります。
つまり今年は、試行調査や、大学入試センターが発表している方針に
より近い内容を演習するということが大事です。
今年は対策用の教材選びがものをいう、情報戦が展開されています。
このレビューが皆さんのためになれば幸いです。
武田塾では、書店の参考書などすべてを分析したうえで提起されている
ルートというものがあります。
HPで確認してもらって、こちらも役立ててみてください。
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ここから先、共通テストや一般入試をどのように乗り越えていくのか、
一緒に考えてみませんか?
ぜひ一度、最後の詰めの作戦会議として、受験相談にお越しください!