こんにちは!武田塾新百合ヶ丘校です。新百合ヶ丘駅から徒歩3分です。
今回は神奈川県の高校受験を控えている中学生に知っておいて欲しい、「神奈川県高校入試のシステム」について解説していきます。
意外と理解しきれていない高校入試、内申点がどう使われるのか、併願校はどうするのかなど分からないことがある人も多いのではないでしょうか。
神奈川県の中学3年生はもちろん、中学1・2年生、保護者様も必見です。
神奈川県公立入試のシステム
神奈川県の公立入試は、選抜機会は1回のみで、受験者全員が学力検査と面接を実施します。ただし、2024年度(現中学2年生が受験する)入試から制度が変わって面接がなくなります。
選考は「内申点」、「学力検査」、「面接」を資料として行われ、学校によってはこれに「特色検査」が加わります。これらの3(または4)要素は、配点が学校によって異なります。
「内申点」
内申点は合計135点満点で評価します。
中学2年の9教科の内申(45点満点)
+ 中学3年の9教科の内申(45点満点)×2
=合計135点満点
「学力検査」
実施教科:英語・国語・数学・理科・社会
全校同じ内容の共通問題を使用しており、マークシートと記述の混合した形式で出題されます。原則5教科各100点ですが、学校によっては3~4教科であったり、配点に傾斜があったりすることもあります。
例
横浜市立金沢→英(×1.5)、数(×1.2)
神奈川総合(個性化コース)→点数の高い1教科(×2)
「面接」(2024年度入試から廃止)
受験生1人につき、面接官2名以上の10分程度の個人面接が行われます。出願時に提出する「面接シート」と「内申書(調査書)」の内容を参考に進められます。
<評価の観点>
○共通の観点
・中学校での教科等に対する学習意欲
・中学3年間での教科等以外の活動に対する意欲
・入学希望の理由
○学校ごとの観点
例)
・高校での教科、科目等に対する学習意欲
・高校での教科、科目等以外の活動に対する意欲
・学校、学科等の特色の理解
・将来の展望
・面接の態度
など
2024年度入試以降
面接は特色検査という形で、課したい高校のみが評価に使うという形に変わります。
そして代わりに全員に課されるのが調査書の第3学年の観点別評価の「主体的に取り組む態度」です。
これは、後に出てくる第二次選考にのみ使われます。
「特色検査」
すべての高校で行われるわけではなく、難関校を中心に「学力検査」と「面接」に加えて実施される。2022年度入試からは、すべての学力向上進学重点校と学力向上進学重点校エントリー校(計18校)において、共通問題と共通選択問題を用いて実施しています。また、それとは別に独自の問題を用いて実施する高校もあります。
○共通・共通選択問題で実施する高校(*が付くのは学力向上進学重点校)
*横浜翠嵐/*湘南/*柏陽/*厚木/*川和/横浜平沼/横浜緑ケ丘/光陵/希望ヶ丘/多摩/横須賀/平塚江南/鎌倉/小田原/茅ケ崎北稜/相模原/大和/横浜国際(単位制国際科・国際バカロレアコース)
○独自問題で実施する高校
田奈/釜利谷/横須賀南/大井/大和東/神奈川総合(単位制舞台芸術科)/横浜サイエンスフロンティア(単位制理数科)
合否判定の方法
これらの4項目を組み合わせて出した点数によって、合否を判定します。4項目を使う一次選考と、内申点を評価しない二次選考の2種類の選考方法がありますが、90%は一次選考によって選考されます。
一次で選ばれなかった人から、二次選考によって残りの10%を埋めるという仕組みです。
あくまでも一次選考がメインなので、志望校に相応の内申点をとれるようにしましょう。
また、合否に使う点数の計算法も異なります。
下記にその方法と例をまとめたので見ていきましょう。
一次選考
・募集定員の90%までを選考
・「内申点」+「学力検査」+「面接」(+「特色検査」)で選考。
4項目の点数をそれぞれ100点満点換算した値をa(内申点)、b(学力検査)、c(面接)、d(特色検査)とします。
これらに高校ごとに定められた比率をもとに、a、b、cの値を何倍かして1000点になるようにし、それにdの値を加えた合計点(S1とする)によって合否を判定します。
例
横浜翠嵐(内申点2、学力検査6、面接2、特色検査2)
a(100)×2 + b(100)×6 + c(100)×2 + d(100)×2 = S1(1200点満点)
川和(内申点4、学力検査4、面接2、特色検査1)
a(100)×4 + b(100)×4 + c(100)×2 + d(100)×1 = S1(1100点満点)
七里ガ浜(内申点3、学力検査5、面接2)
a(100)×3 + b(100)×5 + c(100)×2 = S1(1000点満点)
◎2024年度入試以降
cの値がなくなり、aの値とbの値を何倍かして1000点になるようにし、特色検査がある場合それにdの値を加点して合計点(S1)を出します。
まだ実施されていませんが、例えば下記のようになります。
例 (比率が内申点3、学力検査7,特色検査2の場合)
a(100)×3 + b(100)×7 + d(100)×2 = S1(1200点満点)
二次選考
・募集定員の10%を選考
・「内申点」を除いた、得点の上位から選抜
高校ごとに定められた比率をもとに内申点を除いたb、cの値を何倍かして1000点になるようにし、それにdの値を加えた合計点(S2とする)によって合否を判定します。
例
横浜翠嵐(学力検査8、面接2、特色検査2)
b(100)×8 + c(100)×2 + d(100)×2 = S2(1200点満点)
川和(学力検査7、面接3、特色検査1)
b(100)×7 + c(100)×3 + d(100)×1 = S2(1100点満点)
七里ガ浜(学力検査7、面接3)
b(100)×7 + c(100)×3 = S2(1000点満点)
◎2024年度入試以降
cの値がなくなり、代わりに調査書の第3学年の観点別評価の「主体的に取り組む態度」が追加されます。これを100点満点換算した値をeとすると、bの値とeの値を何倍かして1000点になるようにし、特色検査がある場合それにdの値を加点して合計点(S2)を出します。
まだ実施されていませんが、例えば下記のようになります。
例 (比率が、学力検査8,主体的に取り組む態度2、特色検査1の場合)
b(100)×8 + e(100)×2 +d(100)×1 = S1(1100点満点)
神奈川県私立入試のシステム
私立高校の入試方式は、推薦入試、書類選考、一般入試(単願、併願、オープン)に分かれます。
推薦入試
この制度はその高校を第一志望にしている生徒が対象です。出願時に中学校校長からの推薦書を提出する入試方法で、内申点などの出願資格があった上で入試は面接のみ(作文を課す学校もある)です。ほとんどの場合中学と高校の間で事前に相談があり、出願資格を満たしていれば不合格になる可能性はまずありません。
書類選考
調査書などの出願書類のみで選考し、筆記試験や面接を課さない入試方法です。
書類選考の中には、第一志望のみを対象とする場合と、他校と併願することが可能な場合があります。
一般入試
一般入試はさらに単願、併願、オープンにわかれ、単願、併願の場合は1校、オープンは何校でも受けることが出来ます。
単願入試
その高校を第一志望にしている生徒が対象です。
面接やクラス分けのための筆記試験が行われることもありますが、推薦入試と同様で、出願資格を満たしていれば、ほとんどの場合不合格になることはありません。
併願入試
別の高校を第一志望にしている生徒が、滑り止めとして受験する入試方法です。公立高校との併願のみ可能な場合と、私立高校との併願も可能な場合があります。単願と同様で、面接やクラス分けのための筆記試験が行われることもありますが、出願資格を満たしていれば、ほとんどの場合不合格になることはありません。併願は第一志望ではない分、内申点の出願資格の基準が同じ学校の単願に比べて高いことがほとんどです。
オープン
試験当日の学力検査のみで選考し、内申点などの出願資格を課さない入試方法です。日程が被らない限り何校でも受けることができます。主に難関校に多い、オープン受験のみ行っている学校と、単願や併願に加えてオープン受験を行っている学校の2種類があります。多くの場合、英国数の3教科受験なのも特徴です。
内申点等の出願資格の基準
ここまで述べた通りオープン受験以外は、内申点の出願資格を課していて、各私立高校が定める内申点等の基準を満たしているかが、合否を決めます。
出願資格の基準
<内申点>
9教科合計での基準が多いですが、他にも5教科合計、評定に1や2があるとダメなど学校によってさまざまな基準設定がなされています。
<内申点以外>
内申点の合計点に加点するなどの優遇制度がある高校も多く、例えば次のような内容があります。
・英語検定や漢字検定などの資格
・生徒会、部活動での大会やコンクールでの入賞などの実績
・副詞、芸術活動などへの取り組み
まとめ
・公立入試は「内申点」、「学力検査」、「面接」、「特色検査」で選考。
・一次選考と二次選考があり、配点は学校により異なる。
・2024年度(現中学2年生が受験する)入試から制度が変わって面接が廃止。
・私立入試は推薦入試、書類選考、一般入試(単願、併願、オープン)がある。
・私立入試は内申点が重要。
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