あれ?英語や社会の勉強法は分かるのに、数学ってどう勉強したらいいの・・・?
こんにちは、武田塾新宮中央校講師の石山です!
武田塾新宮中央校が本日お届けする話は、「数学の勉強法」についてです。
以前、内藤校舎長や立山講師より、現代文の解き方や古文の勉強法について紹介がありました。現役の頃に知ることができたらな~...なんて思いながら読んでいました。そこで、私も何か勉強法を伝えたいと思い、高校生の頃、数学が大好きで得意科目でもあったので、数学に特化したお話しができればと思います。
内藤校舎長や立山講師の現代文・古文の勉強法については以下のURLから記事を見に行こう!
https://www.takeda.tv/shinguchuo/blog/post-191902/
https://www.takeda.tv/shinguchuo/blog/post-190120/
https://www.takeda.tv/shinguchuo/blog/post-190103/
https://www.takeda.tv/shinguchuo/blog/post-192345/
https://www.takeda.tv/shinguchuo/blog/post-192811/
さて、みなさんは、
・数学の勉強法がイマイチよく分からない・・・
・数学の勉強をするときだけはやる気が出ない・・・
・結局、数学って暗記?
こんなこと1度は思ったことありませんか?
たくさん問題解いても、答え見ても分からない・・・
このような悩みを持った高校生はとても多いのではないかと思います。
この記事を読むことで、数学の勉強法が分かり、共通テストや入試でも得点源にすることができます。つまり、現代文や古文と同じように、数学も正しい勉強法で確実に成績を上げることができるのです!!
武田塾では、正しい勉強法、志望校合格までのルートについてお話をさせて頂きますので、勉強の仕方でお困りの方は、是非一度無料受験相談にお越しください。
さて、今回は講師の石山から、3回にわたって数学の勉強法について、私が高校生の時の体験談を入れながら紹介させていただきます。第1回は、高校1・2年生向けにお話ししたいと思います。
「『予習』は何が何でも大切です!」
聞いたことはあるが、大事なことって?
『黄金のサイクル「予習→授業→復習」』
この言葉、学校の先生から1度は耳にしたことがあるはずです。「自宅で次の授業の予習をし、学校で先生の解説を聞き、再び自宅で授業で学習したことについて演習をしながら復習をする」という一連の流れですが、さて、予習・授業・復習の中で最も大事なこととは何でしょうか。
個人的な見解ではありますが、私は「予習」がいちばん大事であると考えています。この予習という過程はは黄金のサイクルすべてを支配すると言っても過言ではありません。
授業は学校に行けば、全員が「必然的」に受けられるものです(マンツーマンや少人数等、指導方法は様々ですが)。復習についても、いろんな方法があるかとは思いますが、学校からの課題がありますよね。これも「必然的」にしますよね(課題は提出しないと平常点が減点されてしまいますからね・・・)。部活動等、課外活動が忙しい人は、最低限課題だけはやることになるでしょうし、答えを丸写ししてしまう、なんてことも起こりうると思います。
ただ、答えを丸写しするとはいえ、問題文や解法を一応一通り見ているわけで、100%復習ができていないわけではないのです(つまり、この問題みたことがあるなぁという印象操作ができるわけです。だからといって、ずっと答えを丸写ししていいわけではないですからね笑)。
私が通っていた高校では、数学が毎日あったということもあり、毎日の課題として「日々の演習(A4サイズのプリント1枚)」というものがありました。これはその日の授業でやった内容について、レベルA(基本問題:教科書例題より易しい問題)、レベルB(標準問題:教科書例題の数値変更問題)、レベルC(発展問題:入試問題)に分かれており、自分の理解度に合わせた復習を行うことができていました(毎日はつらかったですが・・・笑)。
しかし、予習って「必然的」にできるものでしょうか。これ意外と気づいていない人が多いんです。予習は「自主的・意図的」に行うものです。どういうことかというと、先生からの指示がない限り、次の授業で扱うところ(教科書の部分)を先に見ておくということはなかなかしないのではないでしょうか。大部分の人はその日に授業で学習したことの復習に徹すると思います。先ほども言いましたが、黄金のサイクルを習慣化させるためには、この予習という過程なしでは成立しません。つまり、自ら次の授業でやる範囲(教科書の部分)を見ておく必要があります。
予習の進め方
予習の進め方について、私の体験談を交えながら説明していきます。
最初にこのようなことを言うのもなんですが、様々な勉強法の中で、予習という過程が最も大変です。理由はシンプルで、聞いたことや見たこともない日本語や記号、計算式等を自分だけで解釈し、大量のページを読み進めていくためにはかなりの時間を必要とするからです。
こんなこと聞いたら、やりたくないと思ってしまいますよね。
そう思ったそこのあなた!
今日からあなたも予習名人になれます。絶対になれます。
私が通っていた高校の数学の授業では予習を行っていることを前提に行われていました。授業では、最初から丁寧に説明する部分(公式の証明や例題の別解など)もありましたが、基本は教科書に書いてあることについて補足をしていくというような形で、授業時間の半分は演習(教科書の問題や入試問題など)や班活動として班員同士で教えあいというのがメインでした。つまり、予習をしておかないと授業にはついていけないというシステムになっているわけです。
では、どうやって予習をしていたのかというと、
①教科書に載っている語句の確認
②教科書に載っている公式の確認
③教科書の例題を見て疑問に思ったことを書き込む
この3つのことを行っていました。順に説明します。
①教科書に載っている語句の確認
「背理法(数学Ⅰ:集合と命題)」「互いに素(数学A:整数の性質)」「剰余の定理(数学Ⅱ:複素数と方程式)」「一次独立(数学B:ベクトル)」
今、上に挙げた4つの語句の意味について、それぞれどのようなことかすべて説明できますか。分からない語句があったら、もう一度教科書を見てみましょう。
教科書の導入部分には、必ずどの単元で出てくる語句の説明から書かれてあります。それぞれの語句がどのような意味なのかを自分なりに解釈します。もちろん、すべてを理解する必要はありません。むしろ、疑問を持っていいのです(その疑問を解消してくれるのが授業なのですから)。教科書は数学的に間違ったことを書くわけにはいかないので、説明が難しくなっている部分が多数存在します。私は、語句の説明を見ながら、分からないところにはどんどんチェックをつけていきました。そして、授業で理解することができればチェックを外し、理解できていない部分に関してはチェックをそのままにしておき、定期考査までにはチェックがすべて外せる状態をつくっていました。
ここから何が言えるのかというと、もちろん授業において先生が話すことはどれも大切ですが、すべてのことを聞いて理解することはかなり難しいものです。だから、予習の段階である程度、自分で理解しておくことで、理解した部分は授業では確認する程度でよくて、分からなかったところの説明にフォーカスをおいて聞くことができるのです。
②教科書に載っている公式の確認
教科書を進めていくと、次から次へと公式が出てきて、こんなに覚えられないよ・・・と挫折してしまったこと、ありませんか?
(nー1)!
上の公式は円順列(数学A:組合せ)で使う式ですね。「n」「!」という記号、「ー1」をしている意味、それぞれ説明できますか?
予習をしていない人は、授業で先生が説明しているときに、いちいち「この記号はこういう意味か」などと確認しながら聞く人が多いのではないでしょうか。確認しているうちに説明がどんどん進んでいき、結局どういうことか分からなったという経験がある人も多いことでしょう。
私は、予習をする際に、公式を暗記するのではなく、公式に使われている記号や文字などが何を意味しているのか(正弦定理のRは外接円の半径など)を理解することに努めて、授業中にこの記号や文字はなんだということが起きないようにしていました。こうすることで、説明に集中することができ、聞き逃すということがなくなります。また、教科書は公式として扱われている部分もありますが、実は暗記する必要がないものもあります(ちなみに上で取り上げた円順列の式も暗記する必要はありません)。このことについては、次回以降で触れていきます。
ここまでのこと(①・②)は、忙しい人でも最低限やってほしいことです。これをやるかやらないかで数学の成績は大きく変わります。私は中学生まで数学は本当に嫌いで苦手科目でした。高校数学はさらに難易度が上がって、「もう無理だ」なんて思っていましたが、予習をすることで、勉強法が分かり、一気に数学が得意分野へとなりました。
もう一度言っておきますが、予習の段階ですべてのことを理解する必要はありません。予習という過程は黄金のサイクルの序章にすぎません。完璧に理解するのは復習の段階でいいのです。一見、予習には時間がかかり難しそうに見えますが、教科書を読むということは難しくないことでしょう。些細な疑問でも教科書に書き込んでおくことで、その説明にフォーカスをあてて聞くことができ、1つでも多くのことを学びにすることができます。チャレンジしてみましょう!!
③教科書の例題を見て疑問に思ったことを書き込む
ここからは、さらに時間に余裕がある人向けになります。
教科書の導入部分で語句の説明等が一通り終わったら、例題や問題が出てきますね。授業では基本的に例題の説明を行われることが多いと思います。教科書の解答を見ると、答えに至るまでの途中式が省力されていて「どんな変形がされているの?」なんて思ったことありませんか?
この疑問を予習の段階で教科書に書き込んでおくとよいのです。予習なしで授業での説明を聞くと、どの部分についての説明がされているのか、教科書に書かれてある解答と板書されたものを比較して、途中式が省略されていることやポイントとなる部分に気づかない可能性が高いです。予習をしていると、疑問を解決するだけでなく、なんとなく解法を理解した状態で説明を聞くことになるので、正確に理解するまでのスピードがとても早くなります。
私は、比較的時間に余裕があったので、例題を解くというところまでやっていました。授業中も理解している部分は正しい理解かどうかを確認する程度で、分からなかったところの説明を重点的に聞くことで、理解スピードがグンと上がり、自宅での復習もやりやすくなりました。
最後に、この勉強法だけはやめるべき・・・
今回は、高校1・2年生向けに数学の勉強法をお話してきましたが、最後にこの勉強法だけはやめるべきというものを紹介します。
それは、問題を見ただけで解法が思いつくからといって、どんどん飛ばしていく(問題を解かない)というものです。
数学に限らず、どの科目にも言えることですが、この勉強法、本当に意味がないです。どの視点から言っているかというと、もちろん入試の視点からです。この勉強法は、特に定期考査前によく見られる姿です。確かに一時的な効果をもたらすことはあるでしょう。しかし、人間はすぐに忘れてしまいます。インプットとアウトプットを繰り返し行うことで、継続的な暗記につながるわけです。暗記をするために、上のような勉強法でやっていると、いざ問題を解くとなったときに、「あれ?ここからどうするんだっけ?」「この計算どうやるんだっけ?」状態に陥り、よいパフォーマンスなんてできません。私も高校の定期考査で1度やったことがあります。考査前は「余裕~♪」と思っていながら、いざ考査時間になると、「・・・。」状態になりました(ちなみに最低点を取りました...)。
もちろん、定期考査は時間が短いわりに問題が多いので、問題を見た瞬間に解けるようにならないといけないというのは事実です。だからといって、演習の際も同じようにやるのは大きな間違いです。1問1問を丁寧に解いて、完璧に理解してから定期考査や入試に備えましょう。
さて、「予習」にフォーカスをあててお話してきましたが、次回は、高校3年生向け(さらに文系・理系に分けて)に数学の勉強法を紹介していきたいと思います。数学はつらいと感じている人、多いはずです。一緒に苦手を克服しましょう。