受験生の国語のイメージとは?
【英語や数学と比べると?】
大学入試で課される教科のうち、主要な三教科は英語・数学・国語ですが、なかでも、受験生たちが重点的に勉強するのは英語と数学ですよね?
予備校や塾、家庭教師における需要を見ても、その傾向は顕著です。
英語と数学は受験を意識した時点から年間単位で学ぶ一方、国語は受験日が近づいてきてから「一応やっておこうかな?」という受験生が非常に多いと言えます。
英語と数学は配点が高かったり苦戦する受験生が多かったりする教科ですから、これらに力を入れて勉強することはもちろん正しい判断です。
ですが、主要三教科のうちで国語だけ、おろそかにされ、後まわしにされることが多い現状については、いささか疑問を感じます。
【国語を勉強しない理由でよくあるパターン】
「国語は日本語だから何とかなる」とお考えの方も多いのではないかと思いますが、蓋を開けてみたら「どうにもならなかった」ということになりかねません。
「国語はセンスだから勉強してもしょうがない」というのも間違いです。
学ぶべきことをきちんと学び、根拠のある答えを導き出す訓練をする必要があります。
共通テスト国語の平均点は?
【みんなの点数は?】
軽視されがちな国語ですが、それでは、皆さんがどのくらい点数を取れているのかを、共通テストの例で見てみましょう。
共通テスト国語の平均点(河合塾Kei-Net参照)
2021年度 117.51点
2022年度 110.26点
2023年度 105.74点
2024年度 116.50点
このように、国語の平均点は60%に届いていません。
平均点を取ることができた受験生も、日本語で書かれた文章について日本語で問われた問題に対して、40%以上は間違って答えているわけです。
【日本語だけど実は・・・】
国語の得点率は、英語の得点率とほぼ変わりません。
年度によっては英語のライティングの得点率が60%を超えたこともあるので、そうすると、英語よりも平均得点率が悪かった年度さえあるということです。
「日本語だから・・・」と油断していると、英語より得点できなかったということにもなりかねません。
ですが逆に、多くの受験生が勉強してきたはずの英語と、あまり勉強してこなかった国語でほぼ同じと考えてみるとどうでしょう?
それなら、「勉強したら国語の点数はもっと伸ばせるかも!」と思いませんか?
国語の勉強を捨てるという選択肢は、とてももったいないことなのです!
国語の勉強についての考え方
【現代文】
現代文の点数は、きちんと勉強したとしても、すぐには伸びないことが多いです。漢字や語彙・専門性の高い文章を読むための知識、読み方・解き方を定着させるためには、それなりの時間がかかります。
共通テストでは評論と小説が出題されますので、これらのどちらにも対応できるようにしておく必要がありますが、まずは評論で文章の読み方・解き方の基礎力を養うことをお薦めします。論理的に書かれた文章を、論理的に読解することができるようにすることが、読解問題を解く際の基礎だからです。問題文の中から見つけ出してきた根拠に則って、どうしてその答えになるのかを客観的に説明できるようになりましょう。また、国公立二次試験や私大文系では、小説より評論の方が出題されやすいので、勉強の優先度は高くなります。
評論で学んだことは、小説の読解にも活かすことができます。小説では登場人物の「心情」を問う問題が出題されますので、つい主観的な判断をしてしまうミスを犯しやすいのですが、小説でもやはり論理的に読むことが大切です。正解には正解の理由が必ずあります。自分がどう感じたかではなく、問題文にどう書かれているかを根拠にして解答する必要があります。
また、国公立二次試験や一部の私大文系などを受験する場合には、記述問題対策をする必要もあります。解答を文章として書くことに苦手意識を持っている方達も大勢いると思いますが、記述問題の第一の作業は、問題文のどこに基づいて解答を作成していくか探すことです。すると、記述問題でも、最初のステップは選択問題と変わらないことになります。まずはそれができるようにしていきましょう。
【古典】
古文では、古文単語・古典文法・古文常識などを覚えたうえで、読解問題を解く訓練が必要になります。古文の音読や品詞分解もできるだけやってみましょう。古文のリズムをつかむと、文章も読みやすくなります。
漢文は最も短い期間で対策可能ですが、それでも、語順や句形(句法)・漢文常識などを覚え、読解問題を解く訓練は必要ですから、少しずつ勉強しておいた方が無難です。共通テストなら高得点~満点がねらえる漢文でしっかり点数を稼げないと、大きな損失になります。
【国語だって英語と同じ】
現代文・古文・漢文のどれであっても、基本的な知識を押さえたうえで、読解問題を解く訓練をするという手順に変わりはありません。
これは、皆さんが英語の勉強でしていることと大差ありません。英単語や英文法を覚えずに、いきなり長文読解ができる受験生はいないはずです。
ですが国語となると、基本的な知識を覚えたり、読解の方法を学んだりすることを軽視して、なんとなく文章を読み、なんとなく解こうとする受験生が多いのです。
「漢字や熟語の読みや意味、指示語や接続語がわからないままで、現代文を読みこなせるでしょうか?」
「古文単語や古典文法を知らないままで、古文を訳すことができるでしょうか?」
「漢字の読み方や意味、句形について学ばずに、漢文を理解することができるでしょうか?」
これらの問いは、「英単語と英文法を勉強しないでも、英語の長文読解の問題が解けるでしょうか?」という問いと同じです。
「そんなことできるわけないでしょ!」と思った人たちでも、漢字や文法の勉強をおろそかにしていることがあるので注意してください。
何を勉強したらよいのかわかりづらい、あるいは何を勉強しているのか意識しづらいのが国語の難点ですが、どんなことをどのような順番で学べばよいのか、しっかり把握したうえで勉強していくと、「なんとなく」から抜け出して、国語の点数を伸ばしていくことが可能です!
さて、ここまで読んできて、皆さんはどのように感じましたか?
国語の勉強にもそれなりの時間がかかることを、ご理解いただけたのではないかと思います。
実は、早めの対策が受験を有利にするのです。
国語は受験後も役に立つ教科です!
ちなみに、多少難しいと感じる文章でも読めるようにしておくと、大学に入ってからの苦労が軽減されます。
大学では卒業論文を書く力を求められることになりますが、その前提として、専門書や学術論文を読んで正確に理解できなければなりません。また、専門分野以外の授業でもレポートを課されることがありますので、様々な分野の文献を読む機会があります。
受験で国語力を高めておくと、大学で学ぶうえでの基礎力が養われますので、国語はとてもお得な教科なのです。
こうした点も含めて、国語の勉強はおろそかにしてほしくないのです。
英語や数学の勉強は言うまでもなく大切ですし、その他の教科の勉強も大変だとは思いますが、ぜひ、国語の勉強についても見直してみてください!
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