みなさんこんにちは!武田塾佐賀校の本多です!
今回は2022年1月16日に行われた共通テスト生物の解説を行いたいと思います。
これは大問4の解説になります。
他の大問の解説はこちら
武田塾佐賀校 2022年度共通テスト生物 第1問の解き方と解説
武田塾佐賀校 2022年度共通テスト生物 第2問の解き方と解説
武田塾佐賀校 2022年度共通テスト生物 第3問の解き方と解説
かなり丁寧に解説を行い、その周辺知識も確認しているので、
「なんとなく勘で書いたら当たっていた」という人にもぜひ読んでいただきたいと思います!
もくじ
問1 実験結果の読み取り
この問題は、適当な実験結果を選択する問題になります。
よくありがちな形式ではありますが、受験生の注意力と想像力が試される難易度だったと思います。
選択肢ひとつひとつを確認していこうと思います。
この問題のポイント
この問題を解くにあたって大事なのは図をイメージすることです。
折れ線グラフでも棒グラフでもいいので、表1の結果を図にしてみましょう。
選択肢を一つ一つ検証
選択肢①
「条件Ⅰでは、各試行における、通路A及び通路Bの通行率は、それぞれ約50%になった。」
条件1の結果を見ると、各試行での通行率にはばらつきが生じており、50%でないことが分かります。
もし仮にこれが正解の時は、各試行のグラフが一定になるはずです。
よってこの選択肢は間違いです。
選択肢②
「条件Ⅰでは、各試行における行列は、通路Aと通路Bとに交互にできた。」
これが正しい場合、表の結果は0-20%と80-100%の回数が同じになるはずです。
加えて、その二つ以外の試行は0になるはずです。
よってこの選択肢は間違いです。
選択肢③
「条件Ⅰでは、20試行中の14試行で、80%を超えるアリが、通路Aまたは通路Bのどちらかに集中した。」
この選択肢が正しい場合、0-20%と80-100%の試行の回数の和が14であればいいということです。
0-20%では通路Bを80%以上のアリが通行し、
80-100%では通路Aを80%以上のアリが通行している
ことになるからです。
結果から、この選択肢は正しいです。
選択肢④
「条件Ⅰ・条件Ⅱともに、通路Aと通路Bの両方にほぼ同数のアリが行列を作った観察結果は、全体の中で最も少なかった。」
両方の通路にほぼ同数のアリがいるということは、40-60%の回数が最も少なかったということです。
条件Ⅰでは1回、条件Ⅱでは0回と、両方の試行において40-60%が最も少ない観察結果でした。
これより、この選択肢正しいです。
選択肢⑤
「条件Ⅱでは、20試行中の16試行で、80%を超えるアリが通路Bを進行した。」
この選択肢が正しい場合、条件Ⅱにおいて0-20%の回数が16回を超えることになります。
しかし、表を見ると80-100%が16回になっています。
これは通路Bではなく通路Aで80%を超えるアリが通路Aを通行したことになります。
これよりこの選択肢は間違いです。
選択肢⑥
「条件Ⅱでは、通路の長短はアリの通路の選択に影響しなかった。」
条件Ⅱにおいて通路Aの通行率80-100%が16回と大きく偏っています。
もしこの選択肢が正しい場合は、全ての通行率の偏りがほとんどないはずです。
よってこの選択肢は間違いです。
問2 考察当てはめ
状況を整理
与えられた文に目を通すと、
実験1の条件Ⅱ
実験2の通路Cと通路Dの通行量
この二つについて考察していることが分かります。
実験1の条件Ⅱ
ここにおいて通路Aと通路Bの通行量を比べたところ、圧倒的に通路Aが多いことが分かります。
実験2の通路Cと通路Dの通行量
通路Cに行列を作らせる(通路にフェロモンをつける)
→通路Cよりも距離の短い通路Dを作る
→少数のアリのみが通路Dを通り、ほとんどが通路Cを通行
当てはめ
まず(ア)について、通路Aの方で圧倒的に通行量が多いことが分かります。
また、その後の文から、アリはフェロモン濃度の高い通路を通り続ける傾向があることが分かります。
次に(イ)(ウ)についてです。
実験2において、通路Dは通路Cより30分後にできたことに加え、通路Dは少数のアリしか通行していません。
これより、通路Dは通路Cより相対的にフェロモン濃度が(イ 低い)ことが分かります。
加えて、通路Cは多くのアリが通行しているため、フェロモン濃度が相対的に(ウ 高い)ことが分かります。
最後に(エ)についてです。
実験1の条件Ⅱも実験2も、
アリが一方の通路を通行 →一方の通路のフェロモン濃度が高くなる →フェロモン濃度が高い方の通路を通行する |
という正のサイクルになっています。
よってここは(エ 正)のフィードバックであることが分かります。
もしも負のフィードバックである場合は、フェロモン濃度が高くなった通路の通行量が減少します。
フェロモン濃度の上昇が、抑制する方に作用するということです。
問3 フェロモン
この問題は、実験からの考察ではなく知識問題になります。
フェロモンとは
まず、フェロモンとは何かというと
同種異個体の情報伝達にはたらく化学物質のことです。
この問題ではアリがフェロモンを使って仲間に餌場を知らせる行動を例にとっています。
同種のアリには作用していますが、私たちヒト(異種)にアリのフェロモンは作用しませんよね。
似た言葉でホルモンがありますが、これは体内の情報伝達にはたらく化学物質になります。
生物基礎でこれは詳しく学習したと思います。
血糖値を下げるインスリンなどです。
これは体内ではたらくだけなので、他者に影響を及ぼすことはありません。
選択肢の正誤
この問題で選択肢を取捨選択するポイントは、
フェロモンは同種異個体の情報伝達にはたらく化学物質
ということです。
選択肢①~⑥を見ると、⑥だけがアブラムシとアリの間のフェロモンの作用について述べています。
上にも書いたように、フェロモンは同種にしか作用しません。
しかし、アブラムシとアリは異種になります。
このことから、誤っている選択肢は⑥になります。
さいごに
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
この第4問は読解力と情報整理力が試される大問でした。
しかし、焦らず取り組めば得点源にすることが出来る問題だったと思います。
ぜひ、マスターしてほしいと思います!
この記事がこれからの受験生の役に立てば嬉しいです。
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