こんにちは。武田塾佐賀校の出口です。
今回の記事は、中学3年生・高校1年生・高校2年生、またその保護者に知ってほしい入試関連の話です。
2年ほど前にテレビなどで盛んに叫ばれた「入試改革(正式名称:高大接続改革)」。
センター試験が共通テストに変わったり、英検やTOEICの導入が噂されたりと、色々な変化がありました。
そんな入試改革が、実は令和7年度にもう1度実施されることを知っていましたか?
令和7年度といえば、新高校1年生が大学を受験する年です。
大学入試がどのように変わるのか。
それが前後の世代にどのような影響を与えるのか。
早目に受験情報をキャッチして、適切に行動していきましょう。
ここに書かれてない受験情報などについても、武田塾では無料受験相談で具体的に説明しています。
入塾希望でなくても参加可能ですので、気軽にお問い合わせください。
もくじ
令和7年度の入試の変化について
令和7年から、入試科目がガラリと変わります。
端的に言えば、以下の3点です。
1.5教科から6教科に増える 2.一部の科目が消滅し、受験できなくなる 3.同じ科目でも、出題内容が変わる |
5教科から6教科に増える
6つ目の教科「情報」
今までは、大学受験で使うのは5教科でした(国語・数学・理科・社会・外国語)。
令和7年度から、使う科目が6教科に増えます(国語・数学・理科・社会・外国語・情報)。
新設された「情報」は、国立大学を目指す人は受験必須です。
2025年1月の大学入学共通テストから出題が始まる「情報」について、国立大学協会は28日、すべての国立大で原則、受験生に課す方針を決めた。国立大が大学入試センター試験から受験生に課してきた「5教科7科目」は、情報が加わり「6教科8科目」となる。
(読売新聞(2021)「国立大受験、共通テストにプログラミング…25年から「情報」追加で6教科8科目に」https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/daigakunyushi/20220128-OYT1T50158/ [2022年2月13日アクセス])
他教科の応用はできない、対策必須の科目
「情報」では、統計処理からプログラミングまで幅広い知識が問われます。
統計処理の部分は数学の知識でどうにかなるとしても、
プログラミング等その他の部分は、他科目の応用が利きません。
対策が必要な教科が単純に1教科増えた、と言えるでしょう。
新試験のサンプル問題から抜粋
「情報」は過去問での対策が不可能
しかし、恐ろしいことに共通テスト「情報」には過去問がありません。
令和7年度に初めて試験が実施される科目だからです。
一応、数学の選択科目「情報関係基礎」の過去問が参考になりそうですが、
「情報関係基礎」には統計処理の問題がありません。
当面は、サンプル問題や情報関係基礎の過去問を使って勉強し、
試験本番は、見たことがある問題を祈ることしかできません。
一部の科目が消滅し、受験できなくなる
2024年度以降「消える」科目
2024年度から共通テストで使用できなくなる科目があります。
地歴 | 日本史A 世界史A 地理A |
公民 | 現代社会 倫理、政治・経済 |
数学 | 数学Ⅱ 情報関係基礎 簿記・会計 |
歴史
共通テストの変化
範囲が狭く、比較的点数が取りやすかった「世界史A」「日本史A」「地理A」は受験科目から外されます。
加えて、日本史・世界史どちらを選択しても、日本史・世界史両方の知識が必要になります。
残念ながら、今までの様に「日本史なら日本史だけの勉強」とはいかなくなります。
これからは、「日本史・世界史の両方を勉強する + 日本史/世界史のどちらかを徹底的に学ぶ」時代となりました。
公民
共通テストの変化
少ない勉強量でも点が取れた「現代社会」は受験科目から外されます。
2つの分野をまんべんなく学習する「倫理、政治・経済」は受験科目から外されます。
加えて、倫理・政治経済どちらを選択しても、倫理・政治経済両方の知識が必要になります。
日本史/世界史の関係と同様に、今までの様に「倫理/政治経済だけの勉強」とはいかなくなります。
しかも、「現代社会」「倫理、政治・経済」が消滅したことで、「まんべんなく勉強すればいい」という考え方も通用しなくなりました。
これからは「倫理、政治・経済の両方をまんべんなく勉強した上で、どちらかを選んで徹底的に勉強する」時代です。
数学
これまで数ⅡBの代替として使用できた「情報関係基礎」「簿記・会計」の2科目は受験科目から外されます。
数ⅡBと比べて少ない勉強量で済む「数学Ⅱ」は受験科目から外されます。
※数学ⅠAより少ない勉強量で済む「数学Ⅰ」は今まで通り使用できます
大学受験は普通科のためのもの?
情報科向けの「情報関係基礎」が「情報」に格上げされた一方で、
商業科の生徒にとっては強力な武器であった「簿記・会計」が廃止されます。
商業科の生徒にとって、大学受験は一層難しいものとなりました。
経費を減らすため科目のスリム化が必要。大学側から(簿記・会計を)継続してほしいという強い要望もなかった
簿記・会計が共通テストにあることが商業高校のアピールポイントの一つだった。共通テストがますます普通科の生徒向けの試験になっていく
朝日新聞(2021)「共通テスト、簿記・会計を廃止へ 透ける政治的理由」(https://www.asahi.com/articles/ASP5B25SVP57UTIL02N.html)[2022年2月13日アクセス]
受験は「元からできる人が有利」になっている
そして、「数学Ⅱ」の廃止。
これまでは数学Bが苦手な場合は、「数学ⅡBではなく数学Ⅱを受験する」選択肢がありました。
しかし、これからは「数学ⅡBC」一択となります。
「地理歴史のA廃止」「現代社会廃止」「数学Ⅱ廃止」の3つで、
元から勉強できる人が、受験においては一層有利になったと言えます。
共通テストの内容が変わる
そして、同じ教科/科目であっても、出題内容が変わることがあります。
特に大きな変更があるのは「国語」「社会(地歴公民)」の2教科です。
出題がめちゃくちゃになる「国語」
国語に関しては、今まで出題例がほとんどない「契約書などの実用文」が共通テストに登場する可能性が高いほか、
私立入試を中心に、学校でほとんど教わらない「小説」が根強く出題されることが予想されます。
文科省の方針と現場の意識のずれ
大学試験センター(共通テストを制作する団体)はこのように述べています。
多様な文章を提示し,より思考力・判断力・表現力等を発揮して解くことが求められる問題を重視した出題を一層工夫していく観点から,問題量を増やす方向で問題作成の方向性や構成等を検討します。
大学入試センター(2021)「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストに関する検討状況について(令和3年12月更新)」(https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?f=abm00040874.pdf&n=%E4%BB%A4%E5%92%8C7%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%85%A5%E5%AD%A6%E8%80%85%E9%81%B8%E6%8A%9C%E3%81%AB%E4%BF%82%E3%82%8B%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%85%A5%E5%AD%A6%E5%85%B1%E9%80%9A%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%A4%9C%E8%A8%8E%E7%8A%B6%E6%B3%81%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%EF%BC%88%E4%BB%A4%E5%92%8C3%E5%B9%B412%E6%9C%88%E6%9B%B4%E6%96%B0%EF%BC%89.pdf)[2022年2月13日アクセス]
以上の表現を見ると「問題量を増やす」に目が行きがちですが、注目すべきは「多様な文章」の方。
文部科学省の文書や以下のニュースを見る限り、
多様な文章とは「評論、実用文、古文、漢文」の4つを指していると考えることが出来ます。
その中に小説は含まれません。
4月から始まる高校の新学習指導要領で、国語の必修科目として新設される「現代の国語」。実用的文章を学ぶ科目で、文部科学省は題材に評論や法令、契約書などを想定していたが、唯一小説を掲載した第一学習社(広島市)の教科書が2022年度の採択数トップに躍進した。採用した現場の教員からは「新課程では小説を教える時間が1年の『現代の国語』しかない」などとの本音も漏れる。
(中日新聞(2022)「変わる高校国語㊤科目再編 小説教える時間に「苦慮」」https://www.chunichi.co.jp/article/411041[2022年2月13日アクセス], 太字による協調は筆者によるもの)
しかし、学校現場では、小説を教えたがっている先生が山ほどいることが分かります。
多くの学校では「小説の入った教科書」が採用され、
今まで通り(共通テストに出題されない)小説が指導されます。
こうした状況を受けて、私立大学を中心に「小説を入試問題に残す」大学も多いでしょう。
最終的には、今からの受験生は「評論・小説・実用文・古文・漢文の5つを全て勉強しないと受験に臨めない」という状況に追い込まれることになります。
全てを勉強しなければならない「社会」
「一部の科目が消滅し、受験できなくなる」のパートでも少し触れましたが、
日本史・世界史どちらを選んでも、最終的には日本史世界史の両方を勉強しなければなりません。
(倫理と政治・経済にも同じことが言えます)
共通テストに追加される「歴史総合」
今までは、日本史選択者は日本史だけ、世界史選択者は世界史だけを勉強すれば十分でした。
しかも、「使える大学が少ないが、勉強量も少ないA」と「使える大学も勉強量も多いB」から選択できたのです。
しかし、今の高校1年生の世代から「歴史総合(日本史+世界史)」の問題が確定で出題されます。
加えて、日本史A/世界史Aがなくなったため、
受験生は「自分が選択した方は全て学び、選択しなかった方も学ぶ」という事態に。
共通テストの科目が増えたことで、これからの受験生は膨大な量を勉強しなければなりません。
今の高2生・高1生・中3生に与える影響
この入試の変化は、今の高2~中3に大きな打撃を与えています。
新高校2年生が受ける影響(2021年4月入学)
「浪人して受験」という選択が難しい
新高校2年生は、共通テストのはざまにいる世代です。
現役で合格できなければ、科目内容が全く異なる共通テストが翌年に待っています。
(申し訳程度の移行措置はありますが、いずれにせよ国立大を受験する場合は「情報」が必須です)
そして、2浪目以降が絶望的な世代でもあります。
自分が高校3年間で勉強した内容と、入試で出題される内容が大きく異なるのですから、
もう1年勉強して力をつける、という考え方が通用しません。
難関大志望者が上から「おりてくる」
当然、「難関大を狙っていた人が、浪人を嫌って非難関大を受ける」ケースが大量発生します。
そうなると、元からその大学を狙っていた人は非常に厳しい結果になるでしょう。
つまり、高校2年生は受験失敗のループにはまる可能性があるのです。
①地方大学/堅実な大学を志望校にして勉強する ②おりてきた難関大志望者と勝負する羽目になって、負ける ③浪人したら、新教科「情報」が追加されて、その対策に追われる ④高1から情報を勉強してきた現役生と勝負して、負ける ⑤翌年からは高校3年間で勉強した内容が大学入試に出ない(3年間の内容を一から学びなおし) |
新高校1年生が受ける影響(2022年4月高校入学)
過去問がありません。
共通テストはサンプル問題があるのでまだマシですが、
問題は国公立大学の2次試験や私立大学の個別入試です。
国語を筆頭に勉強する内容が全く違うため、何が出題されるか、何を勉強すれば良いかが全く分かりません。
自分が学校で勉強してきたことが出題される保証すらありません。
何が出題されても良いくらい勉強していなければ、本番は非常に辛いものとなるでしょう。
そして、新教科「情報」が追加されるため、
「大学ごとの配点も直前まで分からない」点も厳しいところです。
新中学3年生が受ける影響(2023年4月高校入学)
入試が荒れます。
入試に限らず、テストというものは、初めの2回は出来が安定しません。
1回目のテストは、よく分からないまま作ります。
結果、難易度が想定より簡単だったり、逆に難しかったりします。
2回目のテストは、1回目の反省を受けて難易度を極端に切り替えます。
1年目が簡単なら、2年目は異常なほど難しく。
1年目が難しければ、2年目は異常なほど簡単に。
その結果、実力差が得点/入試の合否に反映されにくくなります。
この典型が2022年1月に実施された「第2回共通テスト」でした。
第1回が簡単だったので、第2回で難しく作りすぎたのです。
(5教科合計で、平均が50点近く下がっている)
最終的に、この年は、数学に力を入れた人ほど不利に、物理に力を入れた人ほど有利になりました。
試験本番まで、平均点がどうなるか、どの教科を勉強すれば有利になるかが全く分からない。
入試の大事な部分が「運任せ」になってしまうのです。
今の中3, 高1, 高2が取るべき行動
実際の勉強内容は人によって異なるので、最低限これだけという内容を説明します。
「○○大学に今の実力から合格するためには何を勉強すればいい?」など、
個別のケースの説明は、「受験相談」として直接対面でお話しします。
入会希望でなくても大丈夫なので、気軽にお申し込みください。
第一の手段は英検です。
英検を持っていれば、点数の優遇が受けられたり、特別な方式で受験に臨んだりできます。
(例:英検でCSE2150点あれば本番どれだけ英語のテストが悪くても80点扱いとする[佐賀大2022])
MARCH以上の難関大なら準1級、それ以外なら2級が最低限の目安。
事前に可能な限りの備えをして、浪人のリスクを下げましょう!
英検について、詳しくはこちら↓
【大学受験】英検®準1級・2級に短期間で合格するための勉強法【武田塾佐賀校】
2.最低でも毎日2時間(高3生は5時間)勉強する
こちらのサイトにある通り、高1~2生の目標勉強時間は「2時間(休日6時間)」です。
宿題で2時間ではありません。
志望大学への受験勉強を含めて、2時間です。
集中した勉強ができるように、図書館や塾の自習スペースなど、集中して勉強に取り組める場所をできるだけ早く見つけておきましょう。
究極的にはこれに尽きます。
今の高2~中3の世代は、他の世代の受験とは違います。
例え知り合いが「高3から受験勉強を始めて合格した」と言ったとしても、
新高2~新中3の世代でそのルールが当てはまるとは限らないのです。
受験情報を知らない層を出し抜く
ここまで読んでいただいたみなさんに朗報です。
こんな受験情報、普通の高2、高1、中3生は知りません。
だから、多くの生徒は高校3年生から、下手すると3年生の部活引退後から受験勉強をスタートさせます。
自分たちが非常に危険な学年にいるにも関わらず、です。
だから、受験学年に入る前に勉強すれば、勝てます。
受験について調べの甘い、よその高校生を出し抜いて、あなたが大学に合格できます。
武田塾が非受験学年におススメな理由
大学受験は、塾や予備校でしっかり準備することをおススメします。
大学受験を独学で行こうとする人も多いのですが、
その行為がどれだけ危険な行為であるかは、ここまで読んでいただいたあなたなら分かるはず。
新高2~中3は、間違っても受験に失敗できない学年なのです。
できる備えは確実に行っておくべきです。
そこで武田塾
数ある塾のなかでも、
「基礎基本から身につけたい」「確実に力をつけたい」「自習習慣を身につけたい」
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本人の理解度に合わせ、勉強方法・勉強範囲を1日単位で指定する「宿題」。
1週間の勉強が上手くいったかを確認する「確認テスト」。
本当に理解できたのか、暗記に頼ったのかを調べる「個別指導」。
この3つの組合せで、分からないところ、勉強で失敗しているところをすぐに発見。
本人に合った勉強法/勉強内容を指示します。
これを何周も繰り返すことで、
「勉強中に疑問が生まれても、すぐに調べて自力で解決できる」学習者に変わっていきます。
参考書の内容を人に説明できるほどに、勉強ができるようになります。
武田塾で早目に始めた人は今……
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