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武田塾佐賀校 2022年度共通テスト 情報関係基礎 第1問 解き方と解説

2022共通テスト情報関係基礎第1問

みなさんこんにちは。武田塾佐賀校の出口です。

こちらのブログ記事では、2022年度共通テスト情報関係基礎第1問の解き方を紹介します。

 

問1a(計算問題)

600×600ピクセルのRGBカラー画像を記録したものと、1800×1200ピクセルの256階調グレースケール画像を記録したものが、同じデータサイズであった。この場合、RGBカラーで記録した画像データは1ピクセルあたり(  )ビットで記録されていたことになる。

シンプルな解き方

基本的な計算問題です。

256=2^8ですので、
600×600×A=1800×1200×8を計算すると
A=48が導かれるため、

答えは48ビットです。

 

問題解説

この問題を解くためには、次の2点を理解する必要があります。

1.ピクセルとは何か?

2.コンピュータはどのように情報を記録しているか?

1.ピクセルとは何か?

まずは、コンピューターが画像を表示する仕組みを学習しましょう。

ピクセルとは?

コンピューターの画面(モニター)には、大量の四角があります。
この四角のことを「ピクセル」または「画素」と呼びます。

コンピューターは、
「左から5番目、上から10番目の四角は、パレットの14番目の色で表示してください」のように指示を出します

その点がたくさん集まることで、1つの画像として認識できるようになるのです。

パレットの画像

パレットに何色用意するかは、保存形式によって異なります。

例えば、問題の「256段階グレースケール」は、文字通り256色パレットに用意されています。

 

言い換えれば、1つ1つのピクセル全てに「256色分の情報」を準備して

「○番目の色で表示してください」と言われた瞬間に表示できるようにします。

色とピクセル

↑1つ1つのピクセルに、256色分の情報量が詰め込まれている

 

2.コンピューターはどのように記憶しているか?

しかし、コンピュータは人間のように数字を理解できません。

コンピューターが理解できるのは2つだけ。
「スイッチON(電流が流れている)」か「スイッチOFF(電流が流れていない)」かです。

そこで、スイッチを大量に準備して、むりやり数字と対応させることにしました。
2進数の仕組み

このスイッチ1つ1つのことを「ビット(記号: b)」と呼びます
(ちなみに、スイッチ8つをまとめて「バイト(記号:B)」と呼びます)

 

ビットが1個増えると、表せる情報量は2倍になります。

よって、256種類の色を用意したいなら、

256=2×2×2×2×2×2×2×2なので、8ビットで用意できる計算です。

 

解き方

問題に戻りましょう。

600×600ピクセルのRGBカラー画像を記録したものと、1800×1200ピクセルの256階調グレースケール画像を記録したものが、同じデータサイズであった。この場合、RGBカラーで記録した画像データは1ピクセルあたり(  )ビットで記録されていたことになる。

 

1800×1200ピクセルの256階調グレースケール画像には、

(1800×1200=)2160000個のピクセルがあり、
それぞれに8ビットの色があるわけですから、

1800×1200ピクセルの256階調グレースケール画像のデータサイズは、
「12780000ビット」ということになります

 

しかし、600×600ピクセルのRGBカラー画像を記録したものは、
(600×600=)360000個しかピクセルが無いのに、
データサイズが同じ「17800000ビット」なのだそうです。

このとき、ピクセル1個1個に何ビット情報量がありますか?という問題です。

 

ということで、正解は以下の通り。

12780000÷360000=48

A. 48ビット

 

問1b~d (暗記問題)

残りは暗記問題です。サクッと行きましょう。

問1b

「動画を配信する方式」で覚えるべきものは3つ。

・全てダウンロードが終わった後で再生する「ダウンロード」。

・ダウンロードしながら再生する「ストリーミング」。

・ある程度ダウンロードした後で再生する「プログレッシブ・ダウンロード」。

今回は「ダウンロードしてから」と書かれているので、答えは「ストリーミング」。

 

その他の選択肢を見ていきましょう。

【セキュリティ関係の用語】
0「スキミング」…クレジットカード等の情報を不正に抜き出して、コピーを作ること。
3「フィッシング」…有名企業に似せたホームページを作って、情報をだまし取ること。phishing。
5「ミラーリング」…1つのデータを複数の場所に保存すること。

【映像等に関係する用語】
2「トリミング」…画像などの一部を切り取ること。
4「レンダリング」…データを表示する際、形を整えること。

問1c

「ピクトグラム」と「ピクチャー(絵)」が似ていることから分かる通り、
ピクトグラムは「絵で情報を伝える」もの。

日本の産業製品生産に関する規格はJIS(Japan Industrial Standard)。
略語の問題は、とりあえず英語に訳してみるとヒントが得られます

その他の単語は、
0「ASCII(アスキー)」…文字コードの1つ。ラテン文字が中心。
3「Unicode(ユニコード)」…文字コードの1つ。世界のほぼすべての文字を表せる。
1「IEEE(アイトリプルイー)」…アメリカの研究団体。無線LAN等の規格を作っている。

 

問1d

非接触型ICカードというとイメージはわきにくいものの、
JRの「Suica」「SUGOCA」や、西鉄の「Nimoca」
セブンイレブンホールディングスの「ナナコ」などを連想すると分かりやすいです。

ICカード

改札などの読み取り部分にかざすことで支払いが行われるので、答えは3。

スキミングについては、問1bを参照。

 

問2a

著作権は、「作ったモノ」に対して発生します。

1は「作ったイラスト」をSNSで勝手に公開しているため、公表権の侵害に当たります。

0・3は作った「モノ」ではありません。

2は、顔しか映っていないので、作った「モノ」をアップロードしたわけではありません。
(著作権ではなく、肖像権の侵害になります)

 

問2b

回線交換方式・パケット交換方式の特徴を押さえておきましょう。

回線交換方式は「糸電話」のようなものです。
送り手と受け手を1対1でつないで、使い終わるまで回線を独占します。

回線交換方式のイメージ

一方、パケット交換方式はその名の通り、
情報をパケット(小包)に分割して、みんなで共用する方式です

パケット交換方式のイメージ

 

よって、回線交換方式のメリットは、①「回線を占有できるため、時間あたりに通信できるデータ量が安定すること」。

パケット交換方式のメリットは、③「回線を効率的に利用して、回線数より多くのユーザが同時に利用できること」。

 

その他の選択肢を確認しておきましょう。

⓪「安全な通信ができる仕組みであるため、暗号化が不要であること
→暗号化は必要です。入力した個人情報や送ったメールなどが誰でも見られる状態になるのは困ります。

②「距離にかかわらず、遅延の少ない通信ができること」
④「必ず接続が確立できること」
→基地局から離れるほど、回線速度は遅くなり、ついには繋がらなくなります。
山奥でスマホを使おうとしても繋がらないのは、これが原因です。

 

問3

基礎知識

私たちの生活は「なめらかな変化」にあふれています。
例えば、「声が徐々に大きくなる」とか、「潮位が上がったり下がったりする」とか、「ドキドキしてきた」とか。
このような連続的なデータのことを「アナログデータ」と言います。

しかし、コンピューターは「スイッチのON/OFF」しか理解ができません
つまり、音楽や映像などの連続的なデータを表現したい場合は、
下の図のように「スイッチのON/OFFで表現する形」に変換する必要があります

アナログデータをディジタル化する流れ

このスイッチのON/OFFで表されたデータを「ディジタルデータ」と言い、
ディジタルデータに変換することを「ディジタル化」と言います。

 

厳密には違うのですが、次のように考えると分かりやすいでしょう。

①音の波を一定間隔で取り出す(標本化)
②取り出したデータを棒グラフで表す(量子化)
③棒グラフの数字を、0/1で表す(符号化)

 

①標本化

アナログデータの標本化

まず、アナログデータを縦に区切る標本化(サンプリング)です。

細かく取り出すほど元の形に近づきますが、
取り出す数が増えてしまうため、データが大きくなってしまいます。

取り出す細かさを表す単位としてHz(ヘルツ)を使います

Hzは「1秒間に何回データを取り出すか」という意味で、
例えば10Hzなら1秒間に10回(=0.1秒に1回)、
5Hzなら1秒間に5回(0.2秒に5回)取り出すことになります

標本化

②量子化

量子化ビット数

続いて、棒グラフの細かさ(段階値)を決める「量子化」です。

標本化の時と同様、
段階値を増やせば増やすほど元のデータに近づきますが、
取り出すために必要なビット数が増えるため、データが大きくなります

今回は8段階(3ビット)なので、図3の波形を取り出して見ましょう。

量子化

③符号化

符号化

最後に、符号化です。

それぞれの段階値を、以下のスイッチのON/OFFで表しましょう。
●=1、○=0です。
(図には0~5までしか記載していませんが、15までの表し方は確実に覚えておきましょう!)
2進数の仕組み

 

符号化の結果が一番下の文字列です。

符号化済み

 

解き方

シ・ス

「標本化→量子化→符号化」の順でディジタル化することを知っていれば、

シ:標本化 ス:量子化 であると分かります。

標本化は「サンプリング」と呼ぶことも多いので、覚えておきましょう。

 

3ビットで表せる段階の数を答える問題。

スイッチ3つで表せる段階は0~7の8段階です。図3も良いヒントになりますね。

選択肢中で答えが8になるのは①だけです

2進数表記 10進数表記 2進数表記 10進数表記
000 0 100 4
001 1 101 5
010 2 110 6
011 3 111 7

 

ソ・タ

上の「基礎知識」のパートに詳しい解き方を載せています。

ソ→②、タ→③しかあり得ません。

 

チ・テ・ト

標本化・量子化ともに、
「細かくするほど元の音に近づくが、データ量が大きくなる」欠点があります

データ量の求め方は②(周波数とビット数をそれぞれ3倍すると、データ量は9倍になる)。
誤差を小さくするには、「①Qを増やす」のが有効ですが、その分「⓪データ量が増加する」ことになります

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