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武田塾佐賀校 2022年度共通テスト生物 第1問の解き方と解説

2022年度共通テスト生物第1問解き方と解説

みなさんこんにちは!武田塾佐賀校の本多です!

今回は2022年1月16日に行われた共通テスト生物の解説を行いたいと思います。

 

かなり丁寧に解説を行い、その周辺知識も確認しているので、

「なんとなく勘で書いたら当たっていた」という人にもぜひ読んでいただきたいと思います!

 

もくじ

第1問 問1

この問題は知識問題になります。

分野「生物の起源と進化」の中でも、ヒトの進化は軽く流してしまうことも多いため、少し悩んだ人もいるのではないでしょうか。

 

この問題を考えるとき、必要な知識はヒトの進化と、その前の霊長類の進化です。

 

霊長類の進化

まずは、霊長類の進化についておさらいしましょう。

 

霊長類の4つ特徴は、樹上生活に適応したものばかりです。

①拇指対向性

→親指が他4本と向き合っていることで枝をつかみやすい。

②立体(両眼)視できる

→両目が顔の正面についており、両目を使うことで枝間の距離を正確に測れる。

③腕歩行

前肢を使って枝から枝へ渡り歩く。

④視覚の発達

嗅覚よりも視覚が発達し、脳への情報量が増え、大脳が発達した。

 

以上が霊長類の特徴になります。

特に大事なのは①②と大脳が発達したということです。

 

ヒトの進化

次に、ヒトの進化につておさらいしましょう。

ヒトの特徴は3つあります。

①直立二足歩行

→樹上生活から地上生活になった

②後ろ足の変化

→後ろ足の指が短くなり、土ふまずやかかとを持つ足に変化

③大後頭孔が真下を向いている

→大後頭孔が頭骨の後ろから真下に移り、重い頭を支えられるようになった。

 

 

これらがヒトの進化の特徴です。

押さえておいてほしいのは、

直立二足歩行

→両手が空いて道具が使える、重い頭部を支えられる

→大脳が発達

という一連の流れです。

 

まとめ

ここまで見て分かったと思いますが、直立二足歩行と同時に獲得されたのは

大後頭孔の真下への移動

眼が正面についている(立体視)

の2つです。

他の選択肢は、その前の霊長類の特徴になります。

 

よって、この問題の答えはになります。

 

hito_jinrui_shinka

 

第1問 問2

この系統樹を選ぶ問題は頻出です。

必ず押さえておきたい問題になります。

一度コツをつかめば易しい問題なので、ぜひここでマスターしておいていただきたいです。

 

考え方

そもそもの考え方として、表は互いに異なっているアミノ酸の割合を示しているため、割合が小さいほど近縁ということになります。

また、系統樹は分岐してからの線分の長さが短いほど近縁(分岐してからの時間が短い)になります。

 

そのうえで、このような問題は

Ⅰ最も近縁の2生物を探す

Ⅱ最も遠縁の2生物を探す

Ⅲ近縁なものから順に並べていく

といった順番で解いていきます。

 

Ⅲに関しては、別のアプローチも紹介しています。

 

解説

上のⅠ~Ⅲに沿って解き進めて行こうと思います。

 

Ⅰまず、最も近縁なのは0.09%のチンパンジーとゴリラになります。

つまりこの2生物間の線分の長さが最も短いということです。

この時点で選択肢の②④⑤がなくなって、①③が残ります。

 

Ⅱ次に、最も遠縁なものは4.90%のチンパンジーとニホンザルになります。

つまりこの2生物間の線分の長さが最も長いということです。

しかしこの問題においては、選択肢の①③はどちらも消すことはできません。

 

Ⅲ次に、ゴリラとチンパンジーとの値が1.77%、1.93%であるオランウータンが近縁になります。

 

またⅢのように考えてもいいですが、

選択肢①において

チンパンジーとゴリラ

オランウータンとニホンザル

の分岐してからの線分の長さが同じになっています。

 

しかし、この二つの異なるアミノ酸の割合は

0.9%

4.8%

と全く異なっているため、線分の長さが同じになるはずがありません

 

このように、Ⅲのように近縁なものから並べてもいいですし、2.3択ならば上ピックアップして考えてもいいです。

 

まとめ

以上より、答えはになります。

 

何度も繰り返すようですが、系統樹の問題は頻出です。

 

Ⅰ最も近縁の2生物を探す

Ⅱ最も遠縁の2生物を探す

Ⅲ近縁なものから順に並べていく

といった順番で解き進めていきましょう。

 

animal_kamonohashi

余談ですが、カモノハシは単孔類ということも覚えておきましょう。

 

第1問 問3

この問題は二つの問題を解いて、その正しい組み合わせを選ぶようになっています。

それぞれ見ていこうと思います。

 

異なるアミノ酸配列の割合を求める

分子時計の考え方として、「アミノ酸の変化速度が一定」ということが基本になっています。

 

この考え方に従うと、

チンパンジーとオランウータンは1300万年かけて1.93%のアミノ酸の違いが生まれた

ということになります。

 

よって、ヒトとチンパンジーのアミノ酸配列の違いの予測値(Xとおく)は

1300万:1.93=600万:X

となり、

X=約0.891 と求められます。

 

アミノ酸配列の変化速度が変わる理由

上で求めた予測値よりも小さくなったということは

アミノ酸の変化速度が小さくなったということです。

 

では、なぜこのようなことが起こるのか

それは、そのアミノ酸が生体の重要なタンパク質を構成する

ということです。

このタンパク質が変化すると生存や繁殖に不利になるために、あまり子孫に受け継がれていないということです。

 

イメージとして、重要な遺跡ができるだけ壊れないように保管されながら残っているのと同じです。

 

逆にアミノ酸が変化しても生存や繁殖に影響がない場合は、そのまま子孫に変化が受け継がれるため、アミノ酸配列の違いは蓄積していきます。

 

まとめ

以上より、

予測値はfの0.89%

実際の値が予測値よりも小さくなった理由はⅡ

となり、が正解になります。

 

「アミノ酸の変化速度が変わる理由」は考察問題のように感じるかもしれませんが、知識問題です。

知らなかった人はこれを機に覚えておきましょう。

 

 

さいごに

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

この記事がこれからの受験生の役に立てば嬉しいです。

 

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