こんばんは。武田塾佐賀校の出口です。
いよいよ共通テストまであと1ヶ月。
多くの受験生が「共通テストのリハーサル」と称して、
本番を模した問題を、実際の時間制限を意識しながら解いている時期です。
受験生の皆さん、模試を解いているとき、解答時間には間に合っていますか?
「もう少し時間があれば、もっと得点できたのに」なんてことはありませんか?
今回は、あと1ヶ月で取り組める「解答時間を縮めるための勉強法」を紹介します。
ぜひこの記事の内容を、今日からの勉強法に活かしてください。
全科目で使える 解答時間の縮め方
1.捨てる問題に手を出さない
共通テストで「時間が足りない」場合、すべての問題を全力で取り組んでいることが原因かもしれません。
問題を下のようにグループ分けして、かける労力を決めましょう。
その後、問題がどのグループに入ったかを見て、解き方を変更します。
埋める問題は埋める、捨てる問題は捨てる。
そう思い切ることで、実力で解ける問題に時間をかけられるようになります。
得意な問題 | 文句なしの得点源。ここに分類した問題は、他の問題を優先してでも解答する。 |
解ける問題 | 有力な得点源。時間はかかるかもしれないが、高得点を取るためには絶対に解いておきたい。 捨てる問題との見極めが大事。 |
埋める問題 | 勘で当てる問題群。「得意な問題」と「解ける問題」が済んだら解き始める。 「当たればラッキー」くらいのつもりで挑むと吉。 |
捨てる問題 | 解かない。この問題群を解くくらいなら、他の問題の解答や見直しに充てたい。 上3つの問題群の解答・見直しが済んで、それでも時間が余っていたら解く。 |
入試本番は120%の力を発揮することが大事です。
実力を100%発揮して、実力で解けない問題は直感で20%を引き当ててください。
全ての問題を実力で解こうとすると、捨てる問題にまで手を出す羽目になります。
得意な問題でも、2択で迷ったら後回しにする
また、試験中に、解く順番を変更する必要に迫られることがあります。
例えば「選択肢を絞り切れず、2択・3択」になってしまったときです。
選択肢を絞り切れなかった時点で、それはもはや「得意な問題」ではありません。
正答可能性は高いが、時間がかかってしまう「解ける問題」です。
他に「得意な問題」を残しているのなら、迷わずそちらを解答すべきです。
たった1問の「解ける問題」に時間をかけて、「得意な問題」を何問か解けなかったというのが最悪です。
すぐに正答できる問題から優先して取り組み、捨てる問題は捨てる!
これを実践できるよう、12月の今のうちに捨てる問題を決めておきましょう。
英語の時間短縮
全部の問題文を読む必要はありません。まして、何度も読む必要はありません。
読解スピードの前に見直すものはないか?
よく「英語の問題文を速く読む方法はないですか?」と聞かれます。
確かに英文を速く読むテクニックは存在します。
しかし、速読のテクニックは自由に使いこなせるまでに時間がかかります。
共通テスト1か月を切った今から取り組むのは、あまりおススメできません。
そして、英語の読解スピードを上げるよりも、もっと即効性のある方法があります。
何よりも先に、読み返しを減らす
英語長文で困っている人の多くは、必要以上に読み返しています。
例えば、
先に選択肢を読んで、キーワードを文章の頭から探しています
とか、
問題文を読んだのですが、文章のどこに答えがあるか分からず、初めから読み直しました
とか。
結果、一つの文章を3回以上読んでいることすらあります。
もし先のセリフに心当たりがあるのなら、まずは読み返す回数を減らしましょう。
読み返す回数を減らす方法として、一番良いのが「メモ」です。
まずは問題の文章を読んで、簡単な日本語のメモを取る癖をつけましょう。
日本語のメモを見て答えられるようになれば、大幅な時間短縮につなげます。
英文を読むのに慣れてきたら、スキミング/スキャニングが使える
メモをとるのにある程度慣れてきたら、英語の時短テクニック「スキミング」や「スキャニング」に取り組み始めましょう。
詳しくはこちらの記事へ→【共通テスト】英語で時間が足りない理由は○○!【あと9週】
数学・理科の時間短縮
時間をかける分野を決める
数学・理科の特徴は、大問が分野ごとに分かれている点です。
全体を通して練習するよりも、特定の分野を集中して練習した方が時間を効率よく圧縮できます。
(特に計算が主体となる分野は、時間を短縮しやすいです)
まずは模試を解いて、どの分野に何分かかっているか測ってみてください。
その後、解答時間を縮めたい分野を1つ選びましょう。
あとは選んだ分野だけ、参考書を縦に解くのみです。
参考書を縦に解く
「参考書を縦に解く」とは、「参考書を複数冊(簡単なものから難しいものまで)準備して、特定の分野だけを選んで解く」やり方です。
一般に参考書に取り組む場合は、その1冊を終わらせるまで、次の参考書に手を出しません。
例えば「やさしい高校数学」「基礎問題精講」「文系の数学」の3つを使う場合は、
「やさしい高校数学を一通り終わらせてから、基礎問題精講へ」「基礎問題精講が一通り終わったら、文系の数学へ」と解き進めるのが普通です。
しかし、共通テストまで1ヶ月を切った直前期。
特定の分野でかかる時間を減らしたい、得点率を高めたい場合は、複数の参考書を順に解きます。
国語の時間短縮
国語は最悪の場合を考えて、解く順番を変更する
国語は、時間の計算が狂いやすいです。
その原因は「問題の文章をじっくり読もうと思えば、いくらでも時間をかけられる」ところ。
経験上、試験本番に以下のループに陥ると、確実に時間が足りなくなります。
①いつも通り問題の文章を読もうとする ②「試験本番の緊張」・「思ったよりも難しいという焦り」から、問題文をうまく読み取れない ③うまく読み取れないので、選択肢を絞り切れない/自信をもって選べない ④「得点しなければ」という焦りから、問題文をもう一度読み直そうとする (以下②~④を繰り返す) |
このループを完全に防ぐのは不可能です。
誰でも試験本番というのは緊張するものですし、拾えそうな点数があれば拾いたくなるものです。
特定の大問1つに時間をかけすぎるというのは、よく発生すること。
だから、「不安になって読み返すと、膨大な時間がかかる大問」は後回しにしてください。
古文・漢文は文章が短いため、読み直してもさほど時間がかからずに済みます。
しかし、現代文は文章が長く、読み直すと試験時間の大半を費やしかねません。
現代文の鉄則は「古典→現代文」です。
国語に必要なのは、残り時間で読むという発想
国語で恐ろしいのは「読解に時間を掛けすぎていることに、なかなか気づかない」点。
読めば読むほど、時間を掛ければかけるほど文章をよく理解できるので、
「無駄な時間を費やしている」実感が持てないのです。
しかし、共通テストの目的は、文章を理解することではなく、問題に正解すること。
「文章の完全な理解を諦めて、問題に必要な部分だけを読み取れれば良いと考える」ことが大事です。
「古典を先に解いて、残る時間で現代文を解く」のは、「完全な理解を諦める」訓練になります。
30~40分で、難解なテーマを扱った評論・意匠の凝らされた小説を完全に理解することは概ね不可能です。
古典→現代文の順で解くことが、そのまま解答時間の削減(の練習)になるので、
模試などを使って練習してみてください。
社会(地歴公民)の時間短縮
社会科の科目(地歴公民)で時間短縮する一番の方法は「問題演習」です。
共通テストの模擬試験や、自分が使っている問題集を繰り返し解いてください。
社会科以外の科目の共通テストは「文章を読んで、考えて答えを導き出す」要素が非常に大きいですが、
社会科の科目のテストは「知っているか知らないか」「同じパターンの問題を解いたことがあるか」という要素が大きいです。
言い換えれば、社会科は「過去に同じ問題を見たことがあれば、考える時間なしに解くことが出来る」ことが多い教科です。
だから、問題演習をこなすことが、そのまま本番での時間短縮につながります。
試験本番まで1ヶ月を切っていても、成績は変えられる
この記事を執筆している時点で、共通テストまで1ヶ月を切っています。
皆さんがこれを読んでいる頃には、3週間前、あるいはもっと差し迫った状況に置かれているかもしれません。
でも、皆さんには時間があります。1週間、1日、1時間かもしれませんが、何かしらの対策はできます。
やらずに本番に挑むよりは、ずっとマシです。
共通テスト直前。後悔は後にして、とにかく前を向いて勉強しましょう。
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