こんにちは。武田塾佐賀校の出口です。
年が明けたら、大学入試の出願スタート。
1月中旬には多くの大学が「共通テスト利用型」の出願を締め切ります。
受験生の皆さんは、12月のうちに、受験校を決めておかなければなりません。
併願校選びの基本「ダイヤモンド型受験」とは?
そもそも、なぜ複数校に出願するべきなのか
よく、大学入試では「国公立大学が第一志望でも、私立大を併願した方が良い」と言われます。
その一番の理由は、「入試での事故を防ぐため」です。
大学入試は一発勝負。入試までどれだけ努力しても、次のような事故があれば、受験に失敗するかもしれません。
・共通テスト当日に体調を崩し、期待した点数が取れなかった ・共通テストの自己採点を間違え、得点の目算を誤った ・高いレベルの人が安全志向で受けに来て、その年だけ合格ラインが上がった ・インフルエンザにかかり、個別試験を受験できなかった |
大学入試は、自分の努力では防ぎきれない理由で失敗することがあります。
どうしようもない理由で、1年の浪人期間に入る。
もしかすると、それが2年も3年も続くかもしれない。
それは、嫌ですよね?
事故に備えて保険をかけておく、それが「国公立志望なのに併願を出す」理由です。
ダイヤモンド型受験とは何?
では、どのような大学・学部に出願すれば、事故を防げるのでしょうか。
その一つの指針となるのが「ダイヤモンド型受験」です。
ダイヤモンド型受験とは、「挑戦校:実力相応校:安全校の比率を1:2:1にする」方法です。
このスケジュールで全て受験した場合、計算上は96%以上の確率で合格できます。
これなら、1~2校で事故が起こっても、問題なく大学に行けそうです。
判定(合格率) | 偏差値 | 受験校数 | |
合格したい大学 (挑戦校) |
D~E(20%) | +2.5以上 | 1~2校 |
実力相応の大学 (実力相応校) |
B~C(50%) | 0~-2.5 | 2~4校 |
合格する大学 (安全校) |
A~B(80%) | ー5.0以下 | 1~2校 |
ダイヤモンド型受験の組み方
では、具体的なダイヤモンド受験のスケジュールの組み方を紹介します。
1.自分の第一志望校を入れる
まずは、自分の志望校を配置しましょう。
志望校の判定によって、今後の組み方が変わります。
現時点の判定がD~Eなら左側、C以上なら右側を見てください。
2.「合格したら行きたい」大学を入れる
次に、判定D程度で「第1志望と同じくらい行きたい大学」を1校以上入れましょう。
第1志望校の判定が良かったとしても、当日得点できず、失敗する可能性があります。
「第1志望校」+「滑り止め」の2校しか受験しない場合には、
志望校で失敗したら、大幅にレベルを下げた滑り止めに行くしかありません。
しかし、「第1志望校」+「第2志望校」+「滑り止め」の組み合わせなら、
第1志望校で失敗した場合でも、望んだ大学に入れる可能性があるのです。
可能ならば、志望校は複数受験しましょう。
3.同レベルの大学(一般受験)を2つ選ぶ
次に、滑り止めとして合格可能性が50%(C判定)の大学を2つ選びます。
「滑り止めって、A~B判定の大学を受けるのでは?」と思うかもしれません。
しかし、C判定2校はA判定1校と同じくらいの合格可能性があります。
しかも、2回受験チャンスがあるので「当日急に体調を崩した……」というケースにも強いです。
4.安全圏の大学を1校入れる
そして、必ず安全圏の大学を1校受けてください。
D~E判定を2校、C判定を2校受けても、失敗する確率が16%残っています。
これは、6面体のサイコロを振って1が出る確率と同程度です。
サイコロを振って、1が出たらもう1年。
そんな状態で受験に臨みますか?臨みたくありませんよね。
本当に滑り止めとしたいなら、少なくともC判定2校とA判定1校を受験してください。
5.C判定2校+A判定1校を「共通テスト利用」で追加する
最後に、C判定2校とA判定1校を「共通テスト利用形式」で追加します。
これは「インフルエンザ対策」です。
一般だけしか申し込まなかった場合、インフルエンザ一つで入試が全滅します。
万が一の場合でも来年が保証されるよう、共通テスト利用は確実に申し込んでください。
【実践編】佐賀大学経済学部の併願校を考える
実際にダイヤモンド型受験を使って、以下の設定で出願校を組んでいきましょう。
・第一志望校は佐賀大学経済学部(偏差値58)。 ・第一志望校の判定はC。 ・佐賀からできるだけ近い大学が良い。 ・得意科目は英語・国語。苦手科目は理科。 |
ステップ1:志望学部のデータを確認する
まずは、第1志望に向けて何を勉強すれば良いか確認します。
配点データ
国語 | 地公 | 数学 | 理科 | 外国語 | 計 | |
共通 | 200 | 100 | 200 | 0 | 200* | 700 |
個別 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 | 100 |
計 | 200 | 100 | 200 | 0 | 300 | 800 |
*共通テスト英語の配点は、筆記150:リスニング50
国立大学には珍しい、「理科を一切使用しない」学部です。
2次試験の科目が英語のみである点も外せません。
入試の配点を見る限り、
第1志望の大学に合格するためには「英>国数>地公」の優先順位で勉強する必要があります。
ステップ2.自分の偏差値+2.5の大学を探す
①大学をリストアップする
では、偏差値が少し高めの大学を探しましょう。
その際に便利なのが、学校や塾・予備校で貼られているこちらのポスター。
偏差値がちょうど2.5刻みになっているので「ワンランク上」の大学を探しやすくなっています。
佐賀大学経済学部が58くらいですから、1ランク上は61前後。
ワンランク上の大学を見て、めぼしいものをリストアップしましょう。
調べた結果、このようなメモが出来上がりました。
挑戦校のリスト <国公立前期> <国公立中期> <国公立後期> ・北九州市立大学[経済]経営情報③④ <私立> |
※末尾の○は共通テストで使う科目数を、●は個別試験で使う科目数を示しています。
②科目で選択肢を減らす
ここから「実際に受験する第2志望校」を決めましょう。
第2志望校は「勉強する科目の優先順位が第1志望校に近いもの」を選ぶと、
第1志望校の勉強に専念出来て良い感じです。
科目を調べる際に便利なのが、進路指導室などに置かれているこちらの冊子。
入試ガイドで国公立大学を調べる場合は「左ページに共通テスト、右ページに個別試験」の点数配分が載っています。
点数を調べて、書き写しましょう。
その後、第1志望校で勉強した科目をそのまま使える大学がないか調べます。
挑戦校のリスト <国公立前期> <国公立中期> <国公立後期> ・北九州市立大学[経済]経営情報③④ <私立>・該当なし |
今回は「英国数を勉強すれば、理科を勉強しなくても良い」大学を探します。
長崎大学後期は使用するので、候補から外します。
それ以外の大学は、第一志望のために勉強した科目で行けそうです。
③受験日で確定させる
最後に、受験日が重なっていないか確認しましょう。
写真のような「受験カレンダー」があると便利です。
(写真は蛍雪時代11月臨時増刊の付録)
調べてみると、佐賀大学経済学部の受験日が2/25。
九州大学の受験日が同じく2/25で重なっていることが分かりました。
重なっている九州大学は除外。
残る「下関市立大学(中期)」「北九州市立大学(後期)」を挑戦校に決定します。
ステップ3:同レベル校(偏差値-2.5~0)、安全校(偏差値-5)を決める
後は、志望校を決めたのと同じ手順で「同レベル校」と「安全校」を決めていきます。
この時、以下の点に注意してください。
1.第一志望の受験前は3日間空ける
第一志望の大学入試の前日に、別の大学の入試を入れてはいけません。
第一志望の大学入試前日には、やるべきことが山ほどあります。
・大学入試会場の下見/経路確認 ・ホテルのチェックイン ・入試本番に向けての最後の復習 ・当日パフォーマンスを発揮するための睡眠 |
「滑り止めを受験したせいで第一志望に行けなかった」なんてことになれば本末転倒。
第一志望の大学を受けるために頑張ってきたわけですから、
最低でも1日、可能ならば3日以上空けて準備を整えてから入試本番に臨みましょう。
2.大学の間は1日以上空ける
同様の理由で「異なる大学の入試を連続させてはいけません」。
入試本番で避けたいのが「寝坊」と「体調不良」です。
遅刻を防ぐために、前日に会場を下見しておきましょう。
体調不良を防ぐために、前日は十分休息を取っておきましょう。
連続で入試スケジュールを組んでしまうと、
下見無し・休息不十分で入試に臨んでしまうことになります。
それでは、十分なパフォーマンスは発揮できません。
3.第一志望の前に、第一志望より下の偏差値の大学を受ける
大学入試は「初めは易しく、後になるほど難しく」の順に受験できれば理想的です。
実際の入試を受けると、どの分野の復習が足りなかったか気づけます。
易しめの入試で答えられなかったら、難しめの入試でも解答が厳しくなるということ。
入試と入試の間で、見つけた弱点個所を急いで復習した方が良いです。
そういう意味で、第一志望校の1週間以上前に「安全圏」または「同レベル」の大学を受験しておくとよいでしょう。
入試本番までに何を復習すれば良いかわかります。
実際に完成した受験プラン
そして、これらの条件を満たすように、実際に8校全て埋めたのがこちらの図です。
「福岡大学(2/5)→立命館アジア太平洋大学(2/7)」の間隔が詰まっているのが怖いですが、
・挑戦校:実力相応校:安全校の比率を1:2:1にする ・併願する大学の受験科目・優先順位が、全て第1志望校に近い ・すべての入試日程が重なっていない ・第一志望の前は3日以上空いている ・すべての受験が連続していない ・入試の難易度が「易→難」の順で並んでいる |
という6つの条件をすべて満たすことが出来ています。
もちろん、同じ佐賀大学経済学部志望でも、
得意教科や併願校の条件が違えば、
「併願する7校」の組み合わせは大きく変わります。
「ダイヤモンド型受験」を利用して、理想の併願校を組み上げましょう。
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