こんにちは、武田塾佐賀校の髙見です。
今回は化学の単位変換(mol⇔gなど)について考え方のコツをお話ししていきたいと思います。
化学系の学部を目指している方には、大学生になってからもずっと付きまとうことになる単位変換。
苦手な方は今のうちに克服して、化学ともう少しだけ仲良くなっておきましょう!
目次
ずばり!mol⇔gの変換はこう計算する!
mol⇔gは以下の要領で変換します。
mol→g 分子量・原子量・式量をかける
g→mol 分子量・原子量・式量でわる
はい、これでokです。
「いやいや、これがすっと出来たら苦労しないよ!」
と化学と犬猿の仲にある方は思いますよね。私もそうでした。
化学の得意な人はこの計算を特に悩むこともなく終わらせ、本題に進むことが出来ます。
対して、化学が苦手な人はまずここで立ち止まってしまいますよね。
また、プレッシャーに弱い人は、普段はできても試験になると
「あれ?かけるんだっけ、わるんだっけ?」
となる可能性も大いにあります。
ここからは化学が苦手な人、プレッシャーに弱い人にむけて、単位変換について丁寧に、詳しく解説していきます。
単位変換を理解する
そもそも、mol(物質量)とは何か
物質量、原子量、分子量、式量……
化学に登場する○量。こんがらかりますよね。
mol(物質量)は辞書的には以下のように説明されます。
アボガドロ数個の単位粒子の集団を1単位として表した量。単位はmol。
1 mol当たりの粒子の数6.0×10²³/molをアボガドロ定数という。
要は、「6.0×10²³ 個をひとまとめにして、1 molと数えることにしました。その量のことを物質量といいます。」ということです。
物質量を説明するときによく、ダースの例が示されますが、確かに考え方的にはよく似ていますね。
以下にmolとダースのイメージ図を載せておくので、困ったら思い出してください。
アボガドロ定数は初め、12gの¹²C炭素に含まれる粒子の数(=6.0×10²³)をもとに定義されました。
じゃあ、原子量・分子量・式量とは何か
原子量・分子量・式量を理解するにはまず、相対質量を押さえておかないといけません。
「鎌田の理論化学の講義」には相対質量は以下のように説明されています。
質量数12の炭素原子¹²C原子1個の質量を12としたときの質量の値
これをふまえて、原子量・分子量・式量について考えてみましょう。
・原子量…元素ごとの同位体の相対質量の平均値
・分子量…分子1個分の相対質量
・式量 …組成式1単位分の相対質量
ここで化学が苦手な人は「分子?組成式?」となるかもしれません。
これについてはまた次の機会に詳しくお話しするとして、今回はとりあえず下のように考えておいてください。
(A、B、C…の元素からなりその比がa:b:c…の場合)
分子量・式量=Aの原子量×a+Bの原子量×b+Cの原子量×c…
H₂Oを例にとって考えてみましょう。
H₂Oは原子量1のHと原子量16のOからなり、その比が2:1であるので、
H₂Oの分子量・式量=1×2+16×1=18
となります。
つぎに、モル質量について考える
化学の○量。つぎはモル質量(g/mol)について考えましょう。
単位を見ても分かるように、モル質量は端的にいうと「1 molあたり何gか」を表しています。
定義
さて、このモル質量の値ですが、原子量・分子量・式量と同じ値になります。
どうしてかわかりますか?
ポイントはどちらも¹²Cを基準にしている点です。
原子量・分子量・式量の定義は「質量数12の炭素原子¹²C原子1個の質量を12としたときの質量の値」
物質量(mol)の定義は「¹²Cが12 gあるときの粒子の数を1 molとする」
基準とする値が同じなので、モル質量、原子量・分子量・式量は同じ値をとります。
さて、単位変換について考えよう
いよいよ本題のgとmolの単位変換について考えていきましょう。
この単位変換について考えるときポイントとなるのが前の項のモル質量です。
モル質量の単位はg/molなので以下の関係式が成り立ちます。
モル質量=g/mol
これをmol、gそれぞれについて変形すると以下のようになります。
mol=g×モル質量
g=モル質量/mol
ここでモル質量は原子量・分子量・式量と同じ値を取るので、モル質量の箇所には原子量・分子量・式量を代入できます。
(試験や模試で与えられるのは大概、原子量・分子量・式量です。)
ということで、冒頭で述べた
mol→g 分子量・原子量・式量をかける
g→mol 分子量・原子量・式量でわる
の意味が理解できましたか?
それでも「いざ問題を解くとなるとパニックになってしまう!」という方には次の項で必殺技をお教えします!
必殺技、比の式で考える
ではここで、例題を使ってgとmolの変換を比の式で考えてみましょう。
例題)2 gのNaOHは何molか。(NaOHの式量を40とする)
解説)式量とモル質量は同じ値なので、NaOHは1 molで40gになります。
つまり「1 mol:40 g」です
2 gのNaOHをx molとすると、以下の式が成り立ちます。
1(mol):40(g)=x(mol):2(g)
x=0.05(mol)
となります!
分子量・原子量・式量をかけたり割ったりするよりも、多少手順は多くなりますが、間違いにくいのではないでしょうか。
「比の式で考える」というのはmol⇔gの単位変換以外にも有効です。
ぜひ活用してみてください。
まとめ
まとめです。
molとgの単位変換は「分子量・原子量・式量をかける・割る」
または「比の式で考える」
私個人としては、比の式で考える方をおススメします。
武田塾塾長の著書にもあるように「受験は暗記が10割」。
10割とは言わずとも、暗記がかなり重要になってきます。
ですが正直頭の引き出しには限界があります。全部が全部暗記していてはキャパオーバーしてしまいます。
「受験は暗記が10割」は「全暗記しろ!」ということではなく、「如何に効率よく覚えるか」です。
molとgの単位変換を「分子量・原子量・式量をかける・割る」で考えると、他に応用が利きません。
1つの引き出しに1つしか物が入れられないようなものです。
「比の式で考える」とmolとgの単位変換の他にも、Lとcm³、Lとgなど他のものに応用ができます。
1つの引き出しにいくつもの物が収納できるようなものです。
応用のきく知識を身につけ、
暗記を省スペース化
していきましょう!
おわりに
最後まで読んでいただきありがとうございました。
化学とは少し仲良くなれましたか?
出来ることが増えると、どんどん勉強が楽しくなります。
みなさんの「わかる!」の手助けが出来たら幸いです。
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