こんばんは。武田塾佐賀校です。
いよいよ、共通テストまで残り10週間。
これを読んでいる皆さんの中には、秋も深まった今から勉強を始めるという人もいるでしょう。
10週間を切った直前期から勉強を始める場合、どのような点に気を付ければ良いのでしょうか。
「○ヶ月勉強すれば間に合う」という思い込みを捨てる
大学入試に”間に合う”はない
よく、インターネット上でこんな質問を見かけます。
○○大志望です。今から勉強を始めて間に合いますか?
結論から言えば「いつ勉強を始めたとしても、間に合うかもしれないし、間に合わないかもしれない」。
こんな曖昧な言い方になっているかというと、
大学受験は、多くの資格試験と違って、「相対的な試験」だからです。
全員合格があり得る「資格試験」
多くの資格試験では、「○点取れば合格」という合格ラインが定められています。
英検®準1級なら750点(約7割)、漢検®2級なら約8割のように設定されていて、合格ラインを超えれば合格です。
極端な話、多くの資格試験では、受験者が全員良い成績を取れば、全員合格できる試験になっています。
これを専門用語で「絶対評価」と呼んでいます。
対戦相手不明の「大学入試」
その一方で、大学入試は「受験者のうち上位何名が合格」のように、全員合格とは限らない試験になっています。
これを専門用語で「相対評価」と呼びます。
大学入試の問題点として、「他の受験生が何点取ったか分からない」点が挙げられます。
「何点取ったとしても、自分の順位が分からないので、合格か不合格か分からない」のです。
もしかしたら、3年の4月から頑張っていても、他の受験生がそれ以上に頑張っていて、間に合わないかもしれない。
もしかしたら、今から頑張れば、他の受験生が全然勉強していなくて、間に合うかもしれない。
どうせなら、合格可能性のある方を信じたいですよね。
「間に合うか、間に合わないか」はどれだけ考えても答えは出ません。
「同じ大学を受ける人の中にも、同じ時期に勉強をスタートする人がたくさんいる」と考えて、
今すぐに受験勉強を始め、少しでも多くの受験生にリードを取りましょう。
入試直前期はみんな不安になるもの。
頭の片隅で「今、自分は他の受験生に差をつけている!」と考えながら勉強することが大事です。
志望校は据え置き?変えるべき?
他の受験生に差をつける上で、「志望校選び」は重要です。
結論から言えば、基本的に、第一志望校を決めたら変えてはいけません。
志望校を1つに定める
第一志望校が決まっていない場合は、速やかに決めてください。
みなさんの中には、複数の大学を受験予定の方も多いと思います。
しかし、すべての大学に合格しようとまんべんなく対策を取るのは危険です。
例えば、大学受験対策に8週間かける場合でも、
A大学・B大学・C大学・D大学を2週間ずつ対策するのと、
A大学だけを8週間対策するのなら、
大学に合格する可能性が高いのは、1校に絞って8週間対策した方です。
自分の受験予定の大学から、「絶対に合格したい大学」を1校選び、徹底的に対策しましょう。
時間が無いときほど、時間を効率よく使うことが大事です。
志望校は基本的に変えない
高3後半では、志望校は基本的に変更しません。
以下の3つの理由で、志望校変更はマイナスに働くことが多いです。
①勉強に対するモチベーションが下がる。 ②今まで積み上げた志望校対策がリセットされる。 ③学校の情報を調べなおすためにタイムロスが発生する。 |
志望校を変えるのは、入試ギリギリになって「どうにもならない」と分かってからです。
それまでは、「似たような出題傾向の大学を併願する」などの対策を取りつつ、第一志望校に向けて勉強しましょう。
志望校を変えても良い場合
「モチベーション低下」「労力の無駄」「時間の無駄」……。
これらのデメリットを抱えてもなお、志望校を変更した方が良い場合もあります。
それが、以下のようなパターン。
①第一志望校がそもそも変わった場合 ②出題形式・出題科目数の都合で、対策が間に合わない場合 ③国立志望で、苦手科目があまりにも多い場合 |
①第一志望校がそもそも変わった場合
まず、やりたいことが見つかったなどポジティブな理由で、行きたい大学が変わった場合です。
この場合、行きたくない大学の勉強をする方がストレスがたまるので、
行きたい大学に向けて全力で対策しましょう。
ただし、「過去問が解けなかったので、志望校を変える」という理由での変更はやめてください。
入試問題は、そもそも対策なしでは解けないように作られています。
問題の難易度を理由に志望校を変更すると、
「(対策していないので)過去問が解けない」→「志望校を変える」→「過去問が解けない」→「志望校を変える」→「解けない」→「変える」→……
といった悪循環に陥りかねません。
②出題形式・出題科目数の都合で、対策が間に合わない場合
入試に使う問題形式・科目が多く、「入試本番までに対策が困難な場合」、志望校の変更はアリです。
例えば、同じ「英語・国語」2科目の入試であったとしても、
A大学は「英語リーディング(長文・文法)+国語(近代以降の文章)」
B大学は「英語リーディング(長文・訳出)+英作文+英語リスニング+国語(現代文・古典・漢文)」のように、
対策に必要な日数が明らかに異なる場合があります。
特に私立大学は、科目数が少ない分、「その大学に特化した対策」が要求される傾向にあります。
科目数・出題分野が広すぎて手に負えない場合は、出題範囲の狭い大学に切り替えた方がよいでしょう。
ただし、出題分野が狭くなったからと言って、入試の難易度が低くなったわけではありません。
出題分野が狭いからこそ、他の「まんべんなく対策する受験生」よりも深く対策する必要があります。
浅い対策では他の受験生に負けるので要注意。
③国立志望で、苦手科目があまりにも多い場合
国立大学の多くは、入試で5教科全てを必要とします。
得意な教科はあれど、苦手な科目が2~3教科ある場合は対策が間に合わないかもしれません。
その場合は、得意教科を活かせる公立大学・私立大学に切り替えるのが良いでしょう。
浪人前提であれば、勉強した内容が貯金になるので、国立大を志望校にしたままでよいです。
しかし、どうしても現役で合格したい場合は、志望校の変更を視野に入れてください。
「強みを生かせる場所へ自分を売り込む」、これも社会に出るにあたって必要なスキルの一つです。
志望校変更は常にポジティブな気持ちで行いましょう。
大学入試直前期の勉強
大学入試を短期間で攻略する場合、絶対にやってはいけない勉強法があります。
・教科書や参考書をひたすら読んで、入試本番を迎える ・自分の志望校のレベルに合った参考書を購入し、解く ・わき目も振らず、過去問をひたすら解く |
これらの勉強法では、基本的に成績は伸び悩みます(詳しい理由についてはこちら)。
では、大学受験に短期決戦で挑む場合、どのような勉強法で挑めばいいのでしょうか。
短期攻略の時こそ「基礎」と「復習」!
正解は「練習問題を繰り返して、基礎を固める」です。
入試のような応用問題を解かないのは、次の3つの理由があります。
①基礎を習得する場合と比べて、時間がかかる ②基礎が身についていない場合は習得できないため、時間が無駄になりやすい ③基礎を身につけても得点アップが見込めるため、わざわざ基礎を飛ばして応用にいくメリットが無い。 |
短期間で成績アップを図る場合、「基礎固め」が何より有効です。
時間が無いと、つい難易度の高い参考書に手を出しがちですが、自分にとって難しい参考書を選ぶと、
「理解に時間がかかる」→「入試までに終わらないのを想像してしまう」→「あきらめる」→「成績が上がらない」
という流れになりかねません。
難しい大学の入試問題であったとしても、基礎を使えば解ける問題は結構多いので、まずは基礎を固めることを意識しましょう。
ここからは、時間のかかりやすい英語・数学の2教科について、基礎固めにオススメの参考書を紹介します。
オススメの参考書(英語編)
英語のオススメの参考書は次の4冊です。(具体的な勉強法については、こちらやこちらが参考になります)
システム英単語
「ターゲット」や「LEAP」でも構いません。とにかく大学受験用の単語帳であることが大事です。
使い方は単純で、初めの1200語を覚えます。
ここでのポイントは、「参考書を見る」ではなく「覚える」であること。
赤シートなどでテストを繰り返しながら覚えましょう。
肘井学のゼロから英文法が面白いほどわかる本
かなり簡単な文法書です。学校で配られる「Next Stage」「Bright Stage」「Scramble」といった参考書よりもずっと簡単。
基礎を見直すにはこれ以上ない参考書です。
毎回右側のページに問題がついているので、
問題の解き方を自力で解説できるレベルを目指しましょう。
関正生の英文法ポラリス1
『肘井学のゼロから英文法が面白いほどわかる本』が基礎知識を固める本だとしたら、
『関正生の英文法ポラリス1』は、基礎知識を実際の入試問題で使えるようにする本です。
実践向けの力をつけるには良い本ですが、
解説が少ないので『肘井学のゼロから~』と併用して使っていきましょう。
大学入試英語長文ハイパートレーニング レベル2
共通テストの英文が読めるようになる参考書です。
時間があれば『入門英文解釈の技術70』や『関正生の英語長文ポラリス』なども使っていきたいのですが、
時間が無い場合、英語長文は『ハイパートレーニング』1冊です。
長文を参考書1冊で対処する都合上、なかなかハードな勉強になりますが、
やり終わったころには確実に実力がついています。
オススメの参考書(数学編)
数学のオススメの参考書は次の4冊です。(具体的な勉強法については、こちらやこちらが参考になります)
『やさしい高校数学』シリーズ
非常に厚い参考書ですが、安心してください。ほとんどが解説です。
数学に苦手意識がある場合は、こちらの参考書がおすすめ。
つまづきやすいポイントを取り上げて、対話形式で丁寧に説明してくれます。
この参考書を解く際は、実際に例題を解いてみて、解説と自分の解答を照らし合わせながら読んでみましょう。
「やさしいシリーズを使っているのに、数学が分からない」という場合は、ほとんど「参考書の解説部分をしっかり読んでいないことが原因」です。
せっかく解説のせいで重くなっているのですから、しっかりと読みましょう。
『基礎問題精講』シリーズ
数学の基礎に問題が無い場合は、こちらのシリーズがおすすめ。
「基礎」問題精講という名前の印象に反して、収録されているのは「入試に登場する基礎問題」。
入試の問題で得点するにはオススメの1冊です。
難易度は青チャートに近いですが、青チャートよりも薄く「入試までに終わらせやすい」のがメリット。
それでも終わらないという場合は、必要な単元だけをつまみ食いしましょう。
勉強する際は復習日を忘れないこと!
そして、短期間で勉強するときほど「復習専用の日」を忘れずに設けましょう。
私たちの目標は参考書を終わらせることではなく、参考書のやった部分を覚えていて、解けるようになっていることです。
「参考書をひたすら進める」というやり方は、やる気は出ますが、忘れやすく効率が悪いので要注意。
適当なタイミングで復習して、どこか忘れていないのか見直してください。
復習のタイミングでおすすめなのは、武田塾で採用されている「4日2日ペース」。
慣れないうちは、土曜・日曜を「復習日」にするとよいでしょう。
入試直前で勉強を始めたのに合格する人の特徴
入試直前で急激に偏差値を上げる人がいます。
過去問を活かしている人は合格しやすい!
最低限の基礎を固めたら「過去問」に取り組んでみましょう。
過去問を解く目的は主に2つ。今、自分がどちらを目的にして解いているかを意識することが大切です。
①間違った箇所を使って、急激に得点アップするためには「どの分野を勉強すれば良いか」分析するため ②一通り対策が済んだ後、合格に必要な点数が安定して取れることを確認するため |
模試を「戦略的に復習しない」人は合格しやすい!
模試に関しては「模試の復習で忙しくて、受験勉強できません」のように手段と目的が逆転している人をよく見かけます。
私たちの目標は入試で良い点を取ることであって、模試で良い点を取ることではありません。
模試は大事ですが、「何のために模試を受けているのか」を意識することが大事。
「間違った教科を全教科復習する」のは効率が悪いので、
「得点の大幅増が期待できる科目に絞って勉強する」「2次試験で頻出する分野のみ対策する」のように、
復習しない部分を決めて、必要な部分に時間を集中させましょう。
基礎から・復習中心で……武田塾の勉強法を実践してみる
実はこの記事で紹介した「大学入試直前期の勉強」方法は、武田塾の勉強方法です。
この記事を読んだあなたは、武田塾に通わずして、武田塾の勉強法を実践することが出来ます!
なお、武田塾に通った場合は、追加で次のようなオプションが付きます。
①個別ブースで勉強に集中できる環境
②毎週の確認テスト・理解度に応じたスケジュール作成
③「分からない」「分かったつもり」を解消する個別指導・質問対応
受験で質問したいところ、確認したいところがあるなら
大学受験で不安なのはみんな同じです。
みんな進路に迷いが生じていて、みんな不安で勉強が手につかない。
大事なのは、その迷い・不安を早く解決して受験勉強にいち早く戻ることです。
武田塾佐賀校では、皆さんの受験に関する不安についての相談を無料で行っています。
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