こんにちは。武田塾佐賀校です。
急激な気候の変化により、肌寒いほどになってきましたが、みなさんはいかがおすごしでしょうか?
これから受験勉強を行う予定の方向けに、今回は日本史の勉強法について紹介します。
日本史は安定した点を取りやすいため、得点源となりやすい科目です。
これから日本史を受験科目として用いるひとはもちろん、地歴の科目選択にまよっている方もぜひよんでくださいね。
地歴科目はどれを選択するべきなのか?
科目ごとの特徴
社会科目は現在、地歴科目と公民科目に大きく分けられます。
地歴科目は、日本史、世界史、地理の3科目です。
公民科目は、倫理、政治経済、現代社会の3科目です。
地歴科目と公民科目では、地歴科目のほうがより多くの大学で受験科目として用いられる傾向にあります。
地歴科目の特徴を簡単に紹介します。
日本史は、(基本的には)日本国の歴史をさまざまなテーマで学ぶ科目です。
世界史は、さまざまな世界の国の歴史を学ぶ科目です。
地理は、気候や地形などの系統地理と、国ごとの地誌を学ぶ科目です。
まだあまりイメージがわかない方は、各科目の教科書にぱらぱらと目を通して、大まかなイメージをつかんでみてくださいね。
どの科目を選ぶべきなのか?
それでは、地歴科目のうちどの科目を選択するべきなのでしょうか?
詳しくは、こちらの記事やこの節の末尾に挙げている動画を参考にしていただきたいのですが、ポイントは以下の3点です。
①志望校の受験科目として使えるのかどうか (大学受験パスナビで調べることをおすすめします) ②暗記量が多いか少ないのか ③事項の多面的な理解が求められるのか |
この3点に着目して、各科目の特徴をまとめなおすと、以下のようになります。
日本史 | 世界史 | 地理 | |
使える志望校の数 | 多い | 多い | 多い |
暗記量 | 多い | 一番多い | 少ない |
事項の多面的な理解 | 必要 | あまり必要でない | 必要 |
この表にあらわれているように、日本史は事項の多面的な理解を必要とする暗記量の多い科目です。
暗記量の多さでは世界史に近いのですが、事項の多面的な理解を要する点で、世界史とは異なります。
事項を深く理解しながら多くのことを覚えられる、文系の志望者にはとりわけおすすめです。
東京大学などの一部の大学では、個別学力試験で地歴科目から2科目を課す場合もあるため、大学受験パスナビなどでかならず調べてくださいね。
地歴の科目選択の際には、ぜひ参考にしてください。
*こちらの動画も参考になります。よろしければどうぞ。
日本史はどのような科目か?
勉強するうえでのポイントをお伝えするまえに、日本史がどのような科目なのかをもう少し詳しく見ていきましょう。
「日本史」は、政治・文化・経済などのさまざまな観点から(基本的には)日本国の歴史をとらえる科目です。
現在、高校で学ぶ日本史には日本史Aと日本史Bの2種類があります。
日本史Aでは、江戸末期の開国以降の日本の近現代史を学習します。
日本史Bでは、原始・古代から近現代までの日本の歴史を学習します。
大学入試科目として課されることが多いのは、日本史Bです。
(以降、特に断りなく「日本史」という場合、日本史Bを指すと考えてください)
日本史では、原始・古代から近現代までの日本の歴史を多角的に捉えることが要求されるため、ヨコのつながりを意識することが重要です。
日本史は、現在の日本を相対化してみるうえでのヒントを与えたり、教養を与えてくれたりするという点でも、おすすめですよ。
日本史を勉強するうえでのポイント
日本史は、覚えるべき事項の多角的で深い理解を要する科目です。
ここでは、日本史を勉強するうえでのポイントをいくつかお伝えします。
参考になればうれしいです!
①通史をはやめにつかむ
これはとりわけ日本史に対する苦手意識が強い方、これまであまり日本史の勉強をしてこなかった方におすすめしたいことです。
日本史で要求される暗記量は(地理などと比較して)多いです。
暗記量が多い場合に有効なのは、暗記する上での見取り図を手に入れることです。
日本史では、暗記する上での見取り図は、通史(古代から現代までの歴史)と呼ばれます。
まずは通史を大まかにつかむために、いくつかの参考書に目を通してみることをおすすめします。
ちなみに、武田塾では石川晶康『教科書よりやさしい日本史』を通史の1冊目としておすすめしています。豊富なイラスト・図表と見開きで完結する構成が、特徴的です。
(もし、この参考書が難しいようなら、『日本の歴史(全3巻セット)ドラえもんの社会科おもしろ攻略』などから勉強し始めることをおすすめします)
②出来事・関連する人名・因果関係を整理して暗記する
日本史では、特定の時代についての理解が政治、土地制度、経済、文化、近隣諸国との関係などの多角的な観点から問われます。
問題の出題形式としても、単純に正誤を問うだけでなく、当時の史料や図表、絵画などについての理解を問う問題も出題されます。
以上のような観点から、日本史では特定の時代をさまざまな観点から関連づけて覚えることがとりわけ重要です。
とくに、覚える際に重要になるのは、出来事、人名、因果関係です。
たとえば、平安時代に相次いだ藤原氏が他の有力貴族を政治の世界から追放する事件(他氏排斥)に関連する事項、人名としては以下のものが挙げられます。
承和の変、応天門の変、阿衡の紛議、昌泰の変、安和の変、藤原良房、藤原基経、藤原時平、藤原実頼、伴健岑、橘逸勢、伴善男、宇多天皇、菅原道真、冷泉天皇、源高明…… |
すっかり嫌になってしまったかもしれませんが、これだけの事項を覚える必要があります。
上のような事例で出来事や人名を一問一答的に覚えることは、得策ではありません。関連する人名・事項をむすびつけて覚えることが暗記するうえでのポイントになります。
一問一答的に覚えるときも、歴史の因果関係を意識するように心がけましょう。
(ちなみに、上の事例〔藤原氏の他氏排斥〕のわかりやすい整理が山崎圭一『一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書』p90に載っています。気になる方は読んでみてくださいね)
③登場する人名・語句を漢字で書けるようになる
これはとりわけ、個別試験でも日本史を使う方向けのポイントです。
日本史の人名・語句には漢字として複雑なものも多いですが、漢字で書けるようになりましょう。
蘇我蝦夷、東久邇宮成彦、親鸞、尊王攘夷、など普段はあまり日常で使わない漢字の含まれる用語もありますが、出てきたときに漢字で書けるように訓練してみてくださいね。
(漢字ミスは減点対象になる確率がきわめて高いですよ……)
おわりに
ここまで読んでいただきありがとうございます。
日本史は暗記の仕方にコツがいる科目ですが、上手く暗記すると高得点が狙いやすい科目です。
今回の記事がみなさんの参考に少しでもなればうれしく思います。
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