おはようございます。武田塾佐賀校の出口です。
前回までの5回で、英語リーディングの読み方について扱いました。
(リーディング対策はこちらからどうぞ⇒第1問・第2問・第3問・第4問・第5問・第6問)
前回までで共通テストの英語リーディングの対策が終わりましたので、
今回は英語リスニングの対策を紹介します。
あなたはどのタイプ?共通テストを基に簡単診断
まずは共通テストのリスニング原稿を基に、皆さんのリスニングが苦手な原因を探っていきましょう。
以下の文章を見て、下の問いに答えてください。
The way cultures relate to tea and time is interesting. As an American teacher with experience in both Japan and Nepal, I have noticed similarities and differences concerning tea and time. Both countries have a tea culture. Tea is a part of most meals and a popular drink enjoyed throughout the day. (2021年度 問4A)
Q1. 分からない単語が全体の10%以上(6語以上)ありますか?
Yesなら「タイプ①」、Noなら次の質問へ
Q2. 自分が知っている単語の発音はすべて分かりますか?
(例:throughoutの発音は「スルーアウト」だと知っていましたか?)
Yesなら「タイプ①」、Noなら次の質問へ
Q3. 上の文章の意味を理解するとき、まっすぐ読まずに、既に読んだ内容に戻ることがありましたか?
Yesなら「タイプ②」、Noなら次の質問へ
Q4.上の文章を音読してください。実際のリスニングの速さ(25秒間)と同じ速さで音読できますか?
Yesなら「タイプ②」または「タイプ③」、Noなら次の質問へ
Q5. 音読した際、実際のリスニング原稿のように、単語を接続して読みましたか?
(As an Americanを「アザナメリカン」、a partは「アパート(とつなげて読む)」など)
Yesなら「タイプ③」、Noなら「タイプ④」
タイプ① 本当は聞けていない
リスニングができないのは、リスニング力ではなく、そもそもの単語力が不足していることに原因があります。
このタイプの人は、音を聞いて英単語を思い浮かべることはあるものの、文全体の意味を日本語でとることができません。
こんな人が当てはまる
・知っている単語の量が不足している
・単語の発音を間違えて覚えている
・英単語を見て日本語を思い出す練習が不足している
必要な勉強法
・単語帳を使って、英単語力を増やす
・単語を覚える際に、CDや発音記号を基に、音読して「単語・発音・意味」をセットにする
・「英単語を見て2秒以内に意味を思い出す」訓練を繰り返す
タイプ② 前から処理することに慣れていない
リスニングができないのは、リスニング力が原因ではなく、前から順番に英文を理解することに慣れていないからです。
このタイプの人は、断片的に英文を理解することはできますが、意味を把握する前にリスニング音源が先に行ってしまいます。
こんな人が当てはまる
・単語は一通り勉強したものの、文法や解釈が十分に勉強できていない。
・読解問題で関係代名詞が登場した時、「返り読み(後ろから読む)」が習慣になっている。
・リスニングで関係代名詞が登場すると、とたんに分からなくなる。
必要な勉強法
・文法問題/解釈の練習を一通り終わらせる。
・「スラッシュリーディング」の練習をする
・音読で前から意味を取る練習をする
タイプ③ 音の変化を理解できていない
リスニングができないのは、リスニング特有の音の変化に慣れていないことが原因です。
このタイプの人は、文章を目で見たら理解できるのに、同じ文章を耳で聞いたときに正確なスペリングが浮かんできません。
こんな人が当てはまる
・音読する際に、強弱をつけて読めていない
・”He’s been happy." と"He’s being happy"の2つを高速で読まれると区別がつかない。
・早く読もうとすると、名詞や動詞まで縮めて読もうとする
必要な勉強法
・スクリプトを読みながら音源を聞いて、聞き取れなかった語に印をつける
・音読する際にかかった時間を測って、普段より少し早く読めるよう訓練する
・音読やオーバーラッピング、シャドーイングで、文字⇔音声の処理スピードを上げる
タイプ④ 聞けているが覚えきれない
リスニングができないのは、音源を漠然と聞いている、または全て聞き取ろうと頑張っているからです。
このタイプの人は、文章の全体の意味を理解しようとしているものの、質問文を聞くときには既に忘れてしまっています。
こんな人が当てはまる
・リスニングを聞きながら、メモを取れない
・リスニング音源は聞いているが、肝心なところを覚えていない
・あるテストのリスニング問題は解けるが、別のテストの問題は解けない
必要な勉強法
・「⇔」「→」「○」「×」などの記号で、メモをシンプルにとる練習をする
・「スケジューリングの問題は、変更後のスケジュールを聞かれる」などのお約束を調べて理解する
・実際のリスニング音源を聞いて、重要な場所のメモが取れるよう練習する
リスニングのタイプ別対策
ここからは、上に書いた対策をさらに具体的に説明していきます。
タイプ①「本当は聞こえていない」⇒単語を覚える
リスニングの対策以前に、そもそも単語力が足りていない可能性があります。
その状態でリスニングのテクニックを練習しても「分からないものは分からない」ので、
まずは単語を覚える/思い出せることを優先しましょう。
(単語力はこちらからチェックできます⇒【共通テスト】英単語力チェック!覚えるべき語数は?【あと35週】)
具体的な対策
単語の覚え方は、以下の動画を参照してください。
動画では1週間で1000単語としていますが、ペースを半分にして1週間500単語としてもOKです。
記事執筆時点で、共通テストまではあと16週しかありません。
リスニングで耳を鳴らすのに1~2か月、テストごとの対策に2~4週間かかるので、
単語を覚えるのに残された時間は、多くて2か月。
間に合うよう、現実的な対策を取りましょう。
タイプ②「前から処理することに慣れていない」→解釈・長文で前から読む練習
リスニングの対策以前に、一文レベルの理解が不十分、または時間がかかりすぎています。
まずは「書かれている英文を、前から順に読んで、正確に理解する」ことを目標にしましょう。
(使用する参考書についてはこちら→【解釈・長文】英語の勉強ステップとオススメの参考書)
具体的な対策法① 文法・解釈の対策を行う
まずは、文法・解釈の問題集を1冊終わらせましょう。
文字で見て理解できないものは、音声で聞いても理解できません。
リスニングの原稿を読んで、意味が難なく分かるようになれば、次の段階に入ります。
具体的な対策法② スラッシュリーディング
下の動画の1分35秒から、スラッシュリーディングのやり方が説明されています。
ただし、スラッシュリーディングは「文法・解釈」の基礎部分が出来ることが大前提です。
文法解釈が不十分なままスラッシュリーディングをしても
「前から読めるようになったけれど、結局よく分からない……」
となってしまいます。
タイプ③「音の変化を理解できていない」→スクリプトを確認
原稿は読めているものの、リスニング特有の音の変化に慣れていない段階です。
この段階から、本格的なリスニング対策に入ります。
1~2か月ほど費やすつもりで始めてください。
対策法
大まかな対処法は3つ。音読、オーバーラッピング、シャドーイングです。
必要な勉強法① 音読
リスニング対策の第一段階は、音読です。
「読めない英語は聞けない」ので、まずは英語を正しく読めるよう練習しましょう。
必要な勉強法② オーバーラッピング
リスニング対策の第二段階は、オーバーラッピングです。
シャドーイングが安定してできるようになれば問題ないのですが、
リスニング対策を始めたばかりの人にシャドーイングは難しいです。
まずは、オーバーラッピングに取り組んでみましょう。
オーバーラッピング」という言葉を初めて聞いた人のために、
音読・オーバーラッピング・シャドーイングの違いを簡単に説明します。
音読…文章を声に出して読む オーバーラッピング…リスニングの音声を聞きながら、文章を声に出して、同じ速度で読む シャドーイング…リスニングの音声を聞いて、(文章を見ずに)同じ速度で読む |
必要な勉強法③ シャドーイング
上級者向けのリスニング練習として「シャドーイング」があります。
負荷のかかる勉強法なので、オーバーラッピングを無理なくこなせるようになってから取り組みましょう。
時間が無い場合は、シャドーイングに入らずタイプ④の対策に移ってください。
タイプ④「聞けているが覚えきれない」→スクリプトを見比べる
英文全体が聞けるようになったものの、リスニングの内容を覚えきれないケースです。
ここまでくればあと一歩。頑張りましょう。
具体的な対策法① 参考書を使い、出題パターンを理解する
リスニングにはいくつかパターンがあり、「どのパターンか分かれば、どの部分を聞けばわかる」ようになっています。
まずは、そのパターンを頭に入れましょう。
お勧めは『関正生の英語リスニング プラチナルール』と『きめる!共通テスト 英語リスニング』です。
具体的な対策法① スクリプトと照らし合わせる
いよいよ、共通テスト、各大学の個別試験向けの対策に入ります。
原稿と見比べて、どこに注目していけば良いか確認し、聞き直す。
この作業を、共通テストレベルなら「英文がすべて理解できるまで」。
個別試験レベルなら「解答根拠が確実に聞けるまで」繰り返してください。
具体的な対策法② メモを取る練習をする
メモを取る練習をしましょう。
実際に、記事執筆者がリスニングを聞いてメモを取ったのが、以下の画像です。
メモを取らずに聞いた場合に比べて、
「話を整理しながら聞けること」「物事の関係性が分かりやすくなること」という
2つのメリットが非常に大きいです。
計画立てて勉強しよう
ここまで、リスニングを学習する上での主要な考え方を触れていきました。
あとは、実践に移すのみです。
やるべきことリスト ・単語を4000~5000語レベルまで覚えて、 ・文法・解釈・長文の参考書を一通り済ませ、 ・音読やシャドーイングを練習し ・『プラチナルール』などリスニングの参考書に手を出し、 ・共通テストなどの対策にも取り掛かる。 |
しかし、これを実際にやるとしたら、
スケジューリングが結構大変です。
あと16週で本当に終わるのか、
何をどの順番でやったらいいのか、
迷うことがたくさんあります。
そこで、スケジュール作成の供として
「武田塾」を使うことをお勧めします。
武田塾では、1日単位で参考書のスケジュールを作成。
到達度を確かめながら、現在の実力に合わせて毎週スケジュールを調整するので、
皆さんは安心して勉学だけに励むことができます。
受験に向けての相談だけ、大まかなスケジュールの確認だけでも構いません。
まずは受験のプロである校舎長に会って、話を聞いてみましょう。
皆さんが胸に抱いている夢を叶えるお手伝いをさせてください!