こんばんは。武田塾佐賀校の出口です。
共通テストまで、あと4か月を切りました。皆さん、勉強の進み具合はどうでしょうか?
国公立の難関校を目指す場合、この秋の間に共通テストを解ききれるだけの実力を身につけたいところです。
では、共通テストリーディング、最後の問題である「第6問」の対策に入りましょう。
第6問(8問)
この問題は、そもそも語彙力がなければ解けません。
第6問は、使われている単語が非常に難しいのです。
① consciousness (意識) nonetheless (にも関わらず)など、 ② in an attempt to (~の試みで)、very reason (まさに~な理由)など、 ③fine (罰金) weigh (重要さを判断する)など、 |
多くの受験生にとっては、
『システム英単語』などの英単語帳、『速読英熟語』などの英熟語帳、『Next Stage』などの文法問題集のイディオム編をこなす。
これが最強の対策になります。
とはいえ、それで終わらせるのはあんまりですので、
①時間がないときに勘で当てやすくする方法
②じっくり読んで正解しやすくする方法
の2つに分けて紹介します。
時間がないときに勘で当てやすくする方法
受験で避けるべきは、「出来ないことをやろうとすること」です。
日常生活でも、「できないことをやろうとする」人は山ほどいます。
料理店で、食べきれもしない大盛を頼む。勉強計画で、1分刻みのスケジュールを立てる。
その結果どうなるかは、火を見るより明らかです。
しかし、試験問題になると、「出来ないのにやろうとする人」がたくさんいます。
残り5~10分しか残っていないような極限状態では、なおのことです。
普段の数倍のスピードで第6問の長文を読もうとしたり。
問題文の単語だけを見て解答しようとしたり。
重ねて言いますが、「出来ないことをやろうとする」のは避けましょう。
時間が足りないなら、残った時間で自分が確実にこなせることを全うすべきです。
第6問A(4問)
2021年の問題では、第6問Aはスライドの穴埋め問題が出題されました。
攻略法1:問題文を読まず、プレゼンテーション資料を読む
これはよく言われる手法ですが、多くの人が勘違いして実践しています。
プレゼンテーション資料を読むことが大事なのではなく、
問題文を読まないことが大事なのです。
問題文とプレゼンテーション資料を往復すると、普通に解くのとさほど変わりません。
つまり、かかる時間はさほど短縮されません。
プレゼンテーション資料だけを読んでください。
その代わり、「何について書かれた文章なのか」は把握しましょう。特に、タイトルと見出しは正確に。
例えば、上のタイトルだけで言えば、「アイスホッケーについての話だな」(Ice Hockey)では不十分です。
「アイスホッケーが危険なので、それを安全な競技にしようとしている」(Making Ice Hockey Safer)まで、一語一語正確に読み込みましょう。
攻略法2:常識で解く
センター試験時代から、選択肢の中には結構な割合で、
「文章を読まず単語だけを見て解く人向けのひっかけ選択肢」が盛り込まれています。
しかし、本文中の単語を使っているのに、本文に反する内容を作るのは大変です。
引っかけ選択肢は、常識に考えると、明らかにおかしいことがあります。
まずは、引っかけ選択肢を候補から外しましょう。
例えば、上の例では「頭を打った時に短期的に起こることは?」という問いですが、
①まず「Short-term(短期的)」の症状をこたえるので、「一時的に起こって、少し経つと回復する」症状をこたえます。
②その他の症状の例に「Loss of consciousness (意識を失う)」「Difficulty walking streight(まっすぐ歩けない)」とあるので、「そんな症状が出るくらい頭を打ったらどうなるか」ということを考えます。
このような手掛かりを考えると、②「思考することが難しくなる」 ④「視界がはっきりしない」の2つのどちらかが答えになりそうです。
この手法があれば、2~3択まで安全に絞ることができます。
そして問題の文章を読まない場合、あとは運頼みです。
申し訳ありませんが、時間配分ミスを呪いつつ、できる限りの点数を取っていきましょう。
第6問B(4問)
最終問題は実力勝負です。
常識を超えた範囲のものが、さも当然かのように出題されます。
時間が無い場合は、4問すべて1/4の賭けに出るしかないのですが、
固有名詞を並び替える問題だけは、はっきりとした対処法があります。
攻略法:固有名詞の初登場を探す
固有名詞の説明を読んで、順番通りに並べ替える問題です。
第6問Bのような少し硬い文章で固有名詞を登場させるときは、大まかな流れが決まっています。
①関連のある話題をさりげなく振る ②話題の一つの例として、固有名詞を初登場させる ③固有名詞について熱く語る |
したがって、固有名詞が初登場している場所を見つければ、
その下に解答に必要な情報が揃っているわけです。
具体例を見ていきましょう。
例えば、(A)Stevia, (B)Sce-K, Aspartame, (C)Sucraloseの説明は、下のように初登場の後に書かれています。
用語登場の直後に書かれているとは限らないので、数字や比較表現があるところまで飛ばしながら読んでください。
そして、すべての用語が一か所に書かれているとも限らないので、
用語が見つからない場合、視界を広く持って用語を探しましょう。
(固有名詞は大文字で示されているので、探しやすいはずです)
それが分かれば、書かれている情報を比較するだけです。
(A) stevia…300 times sweeter (than sugar)
(B) Aspartame and Ace-K…200 times sweeter than sugar
(C) Sucralose…twice the sweetness of stevia
(D) HFCS…1.2 times sweeter than regular sugar
ここだけ読み取れれば、
HFCS(砂糖の1.2倍)、Aspartame and Ace-K(同200倍)、stevia(同300倍)、Sucralose(steviaの2倍=砂糖の600倍)
の順になることが分かります。
固有名詞の順序並べ替えだけは、単語を探すだけで解けるので、
時間が無い中でも取り組む価値ありです!
それ以外は、短時間で解ける問題ではありません。
人事を尽くして天命を待ちましょう。
じっくり読んで正解しやすくする方法
ここからはじっくり読んで解く場合に、正解を導きやすくするテクニックです。
なお、共通テスト本番では
「じっくり読むのに十分な時間があるか」判断することが重要です。
模試などを活用して、本文を読み切るのに、問題を解くのにそれぞれ何分かかるか記録しておきましょう。
じっくり読むのは、それ以上の時間が残っている場合です。
第6問A
基本戦略は、上で触れた「勘で当てやすくする方法」と同じです。
①ポスターを見て、大まかな内容を把握する。 ②常識的に考えて選択肢を削る。 ③本文を読み、正解選択肢を確定させる。 |
ここでポイントになるのは、本文をすべて読まないということです。
必要な「段落」だけ読む
ポスターを見れば、大体の内容はわかります。
確認すべき点は2つ。
①どの内容がどの段落に書かれているのか
②どの段落を読むべきか
どの段落に何が書かれているかは、段落の最初を読めば分かります。
問題と直接関係のない部分は読まず、時間をどんどん節約していきましょう!
第6問B
第6問Bを読む場合は、「第一文を読んで要旨を把握する」というやり方が使えないので気を付けましょう。
実際に、2021年の問題を見てみます。
段落の初めに「雑談」が挟まれていることがしばしばあり、その段落に何が書かれているか分かりづらくなっています。
読むなら全て読み切る、その覚悟で読み始めましょう。
攻略法1:「最後の段落」の「最後の一文以外」を読む
第6問Bが難しい要因の一つとして、
「第6問Aと違い、全体を俯瞰できるプレゼンテーションが存在しない」
ことが挙げられます。
しかし、代わりになるものは存在します。
それが、最終段落です。
最終段落(特にその前半)では、これまで述べた内容の総まとめが行われます。
つまり、最終段落さえ読めば、その文章全体のテーマや筆者の主張が読み取れるということになります。
ただし、最後の一文だけは疑ってかかるようにしましょう。
文章をキレイに締めるために、筆者がカッコつけた発言を足しているかもしれないからです。
では、実際に2021年の共通テストの最終段落を読んでみましょう。
この段落だけを読むと、次のような内容が分かります。
・高カロリーの砂糖と、LCSsのどちらを使うかは難しい問題である。 ・ガムやキャンディーには、人工甘味料が使われている。 ・飲み物に人工甘味料を使わない人も、人工甘味料入りの食べ物を買うかもしれない。 ・(最後の1文は無視) |
攻略法2 テーマを想像して、雑談部分を読み飛ばす
最終段落を読んだら、
読み取った内容から文章全体のテーマを推測しましょう。
例えば、読み取った内容から以下のような内容が推測できます。
・ガムやキャンディーには、人工甘味料が使われている。 ・高カロリーの砂糖と、LCSsのどちらを使うかは難しい問題である。 ・(最後の1文は無視) |
ここまで読み取れれば、どこが雑談部分で、どこからが本題なのか判別できます。
今回の場合なら、砂糖の代わりに使うもの(LCSs?)、カロリー、人工甘味料の話をしている場所まで読み飛ばせばよいのですね。
では、もう一度第6問Bの冒頭を見てみましょう。
第一段落、雑談の部分は「砂糖」の話をしています。
Scientific discoveries...の部分から「砂糖の代替物」の話をしているので、ここから時間をかけて読み始めましょう。
第二段落は、しょっぱなから「カロリー」の話をしています。第二段落は初めからじっくり読みましょう。
第三段落の第一文は、第2段落と同じ「カロリー」の話をしています。
「一つの内容は一つの段落に書かれる」ので、
前の段落と同じ内容が書かれている場合は、
「その段落で言いたいことの本題ではない(=雑談)」と判断できます。
このように、分析しながら濃淡をつけて読むことで、
雑談に集中力を持っていかれずに済みます。
攻略法3:裏技を使う
第6問Bを読むくらい余裕があれば、次の裏技を使いこなせるはずです。
①問題文の中から1単語を決め、その周りを読んで答えを探す ②問題は、本文の流れに沿って配置されているので、問1の答えは初めの方、問4の答えは最後の方にある。 ③本文と同じ単語が使われている選択肢はおおむね誤りである |
裏技本に書かれている、非常に有名な内容ですが、
第6問Bで実際に使いこなすのは地力がないと難しいです。
問1~問4それぞれの解き方を見てみましょう。
問1
You learn that modern science changed the world of sweeteners by ( 43 )
① discovering new, sweetner white sugar types
② measuring the energy intake of Americans
③ providing a variety of new option
④ using many newly-developed plants from the environment
問1です。先の原則に従えば、
①問題に使われている"science" "change"という語を探す ②第一問なので、答えは初めの方(第一段落)にある |
ということになります。探した結果は次の通り。
(scienceがscientificと形を変えていることに注意!)
英文は段落の初めの方は抽象的に、終わりの方は具体的に書かれているので、
「単語が入っている文の1~2文あと」まで読むのがポイントです。
ここでは、「科学が甘味料の世界を変えた。具体的には、砂糖をほかの植物から採れるようにした」が読み取るべき内容となります。
読み取った内容をもとに選択肢を選んでいくわけですが、その際、次の裏技を忘れないこと。
③本文と同じ単語が使われている選択肢はおおむね誤りである |
つまり、
”sugar”が使われている①の選択肢(discovering new...sugar types)と、
”plants"が使われている④の選択肢 (using many newly-developed plants...)。
この2つは間違っていると考えて良さそうです。
残りの2つから、読み取った内容から近いものを選びましょう。
②の選択肢は「アメリカ人のエネルギー摂取量を測定する」、
③の選択肢は「新しい選択肢をいくつか提供する」。
どちらが読み取った内容に近いでしょうか?
問2
上の方で触れたとおり。固有名詞を探す作業です。
問3
...which of the following is true?...
①alternative sweeteners have been proven to cause weight gain.
②Americans get 14.6% of their energy from alternative sweeteners.
③It is possible to get alternative sweeteners from plants.
④Most artificial sweeteners are easy to cook with.
⑤Sweeteners like xylitol and sorbitol are not digested quickly.
第6問B最大の難所です。選択肢も順序がシャッフルされていて、②の裏技が使えません。
ただ、残りの2つの裏技は使用できます。
①問題文の中から1単語を決め、その周りを読んで答えを探す ③本文と同じ単語が使われている選択肢はおおむね誤りである |
特に、特徴的な「探しやすい」単語が使われているものは誤答選択肢であることが多いです。
上の例でいえば、14.6%のような数字、xylitolのような見慣れない名詞を含んだものは、おそらく誤りです。
正しい選択肢を探すよりも、間違っている選択肢を探すのが圧倒的に楽です。
迅速に解いていきましょう。
問4
筆者の意見の集大成は、最終段落、特に最後の一文にまとめられています。
Individuals need to weigh the options and then choose the sweeteners that best suit their needs and circumstances. (私たち1人1人が、選択肢1つ1つの価値を判断し、自身のニーズと状況に最適な甘味料を選ぶべきである)
攻略法1で読み取った内容を参考にしながら、
「最終段落と同じ内容を言っている選択肢」を選びましょう。
以下に本試験の選択肢を示します。ここまで読んだ皆さんなら正解は一目瞭然でしょう。
① The author argues against the use of artificial sweeteners in drinks and desserts.
②The author believes artificial sweeteners have successfully replaced traditional ones.
③The author states that it is important to invent much sweeter products for future use.
④The author suggests people focus on choosing sweeteners that make sense for them.
楽しみはまだまだこれから!
これで、共通テスト第1問~第6問すべてのコツの解説が終了しました。
このブログを読んだ皆さんは、解き方を知って、
「これで少しは点数が上がるかも!」という思いを抱いているはず。
でも、本当に楽しいのはここから!
今すぐに、共通テストの過去問や模試を開いて、
学んだテクニックを使って問題を解いてみましょう。
実践を重ねていくうちに、テクニックの使い方が身に着いてきて、
成績がどんどん上がるはずです。
勉強は、実践して成果を実感した瞬間が一番楽しい!
皆さんは、共通テストまで4か月を残しています。
だから、
皆さんはこれから4か月間、(共通テストの英語に関しては)成績が上がり続ける楽しい日々が待っています。
ところで、皆さん。
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