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【高校生必見・教科別勉強法】古典(古文・漢文)の勉強法(漢文の解き方)②

 

 こんにちは。武田塾佐賀校です。

 今回の記事は、前回の古典の教科別勉強法の続編です。今回は、古典の勉強法のなかでも、漢文の解き方を中心に取り上げ、そのうえで古典を勉強するうえでのポイントをお伝えします。

  前回の記事を読んでいない方はぜひ読んでから、今回の記事にも目を通してくださいね。

漢文の読解のプロセス

 まずは、こちらの図をご覧ください。

漢文の読み方

 これは、前回の記事の最初にお見せした現代文と古文と漢文の関係を伝える図を再構成したものです。

 (2021年現在の)日本語話者にとっては、(同じ意味内容の文であれば)現代文がもっとも理解しやすく漢文がもっとも理解しづらい文章にあたります。 

 漢文から古文への変換、古文から漢文への変換という2段階の変換によって、日本語話者は漢文を理解することができます。

 漢文から古文への変換は、白文(あるいは送り仮名や返り点をつけた状態の漢文)から書き下し文への変換を意味します。

 ここで必要になるのが、漢文の句法や漢字の正しい知識などです。(狭義の)漢文の読み方にあたるこの部分が、漢文でとくに勉強する箇所です。

 古文から現代文への変換は、書き下し文から現代語訳への変換を意味します。

 ここで必要になるのが、省略の補足などの古文の知識です。古文の読み方にあたるこの部分は、古文の基礎的な知識が身についていれば対応することができます。

 漢文→古文→現代文という過程を経て得られた現代文(現代語訳)は、共通テストなどで課される現代文の問題文などと比較して、質・量ともに易しいです。基礎的な読解能力があれば、十分に理解できます。

 したがって、漢文を理解するためには、古文の基礎的な知識(とりわけ省略の補足)を身につけたうえで、漢文特有の読み方を習得する必要があります。

*(狭義の)漢文の読み方で特に注意すること

 上の図における漢文の読み方にあたる部分(漢文→書き下し文への変換)でとりわけ重要なのは、句法漢字の読み方です。

 (漢文の)句法とは、漢文を訓読する際の基本的構文や文法事項を指します。簡単に言えば、漢文から書き下し文へ変換する時のルールです。

 句法をひとつひとつ覚えていくことが重要なのですが、句法を用いて変換したあとに得られる書き下し文も、(現在の日本語話者は)古典文法の知識を用いて現代語に変換して理解したほうがよいでしょう。

 また、漢字の読み方は、漢字を訓読する際の読みを指します。

 漢文で登場する漢字において特に気をつけてほしいのは、同じ音を示す漢字がたくさんある場合があることと、漢字の意味が現代日本語における意味とは異なる場合が多いことの2点です。

 たとえば、「便」の5種類の漢字は、すべて「すなはチ」(チは送り仮名)と読みます。この「すなはチ」の意味は、

即……すぐに

則……すなわち

便……すぐに

輒……そのたびごといいつも

乃……かえって、そこで

となっており、同じ「すなはチ」でも、それぞれに意味が異なります。また、「乃」の示す「すなわチ」の意味(かえって、そこで)は、現代日本語からは想像しづらいでしょう。

 そのため、①白文に登場する漢字を見たときに適切な送り仮名を補って訓読できるかどうかを試し、②訓読した漢字の意味が理解できているのかどうか、確かめるようにしてみてください。

古典を勉強するうえでのポイント

 ここまで述べてきましたが、授業を受けたり、問題を解いたりするうえで、具体的にはどのようなことに気をつけて勉強すればよいのでしょうか?

 勉強法に関しては、参考になる本やサイト、動画などがたくさんありますし、自分にあったやり方を見つけてほしいため、ここではポイントを3点だけお伝えします。

①敬語、古文常識、句法をまず押さえる

 古文や漢文を「読む」(あらすじを押さえる)段階において必要となるのが、敬語句法です(詳しくは、前回の記事も合わせてみてください)。

 そのため、いろいろと覚える事項があるなかでも、まずは、敬語や句法を覚えることを優先したほうがよいでしょう。

 また、古文の舞台設定となる時代では、人々は現代とは大きく異なった政治システムや慣習のもとで生活していました。当時の背景を知っておくと、どのような話の筋なのかを理解しやすいため、古文常識も覚えておくとよいでしょう。

②古文単語をしっかり覚える

 古文を読んで「解く」うえで、単語の意味を覚えておくことは、とても重要です。

 同じ読みでも現代語とは大きく異なる意味を有する単語も多くあるため、ひとつひとつの単語を用例と併せて覚えておくことが理想的です。

 多義語であるために、言葉の意味をなかなか覚えられない、という悩みもよく聞かれます。

 しかし、英語と比較すると、覚えるべき単語数は圧倒的に少ないです。

参考書名 読んで見て覚える重要古文単語315 システム英単語
必出語数・見出し語数 315語 2000語
総収録語数 608語 2180語

 上の表は、古文単語の代表的な参考書『読んで見て覚える重要古文単語315』の収録語数と、英単語の代表的な参考書『システム英単語』の収録語数を比較したものです。

 必出語数・見出し語数で比較すると約6.3倍、総収録語数で比較しても、約3.6倍、英単語の方が古文単語よりも語数が多いです。そのため、古文単語のほうが英単語よりも、単語の暗記の負担は圧倒的に少ないです。

 ただし、英単語と比べて、古文単語は覚える量が少ない一方で、文章などで出会う確率が低い傾向にあるため、忘れる可能性も高くなると考えられます。覚えた単語を忘れないように定期的にチェックするようにするとよいでしょう。

③志望校の大学・学部の過去問をチェックする

 古文はとりわけ、志望する大学の学部・学科によって、試験問題の難易度の差が大きい科目です。

 加えて、漢文などと比べて、完成させるまでに多くの時間を要する科目です。

 そのため、自分がどのレベルの試験問題を解けるようになるべきなのかを明確にして、戦略的に勉強することが重要です。

 たとえば、二次試験まで古典を用いるのか、二次試験で古典を用いる場合どのレベルの問題まで解けるようになるべきなのかを見極める必要があります。

 まずは自分の志望校を決めたら、志望校合格に必要な古典のレベルを見極めるために、教員や塾講師に相談したり、こちらのサイトを参考にしたりして、必要な勉強量を見積もるようにしてみてください。

おわりに

 2回にもわたって読んでいただきありがとうございます。

 古典は苦手とする受験生が多い科目です。前回と今回の記事が、とくに苦手とする方に届いて、効率のよい勉強をしてくださることを願っています。

 また、武田塾佐賀校では無料受験相談を行っています。

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