こんにちは、武田塾佐賀校の出口です。
共通テストまで残り25週間、夏休みが始まりました。
大学受験を目指す多くの人にとって、
夏休みは「何時間も自習時間が取れる」夢のような時間。
これを機に、苦手教科の克服・基礎力の底上げに励む人も多いでしょう。
でも、ちょっと待った!
何時間も自習する場合、自習の効率を上げる「やり方」があります。
それを知らずに、この夏を過ごすのはもったいないです。
そこで、今回は長時間自習するときに重要な考え方を紹介します。
この記事の内容で、皆さんの夏が少しでも良いものになれば、嬉しいです。
目次
1.記憶に残すってどういうこと?
成績を上げるためには、勉強した内容を記憶に残す必要があるのですが、
そもそも記憶に残すってどういうことでしょうか?
3つの記憶 感覚記憶・短期記憶・長期記憶
一般的な認知だと、「記憶」のメカニズムは下のような理解でしょうか。
しかし、現在提唱されている、有力な記憶のメカニズムはこうです。
皆さんが「記憶に残る」という時の記憶とは、長期記憶のこと。
長期記憶に残れば、長くて数十年も覚えていることができます。
しかし、皆さんが勉強した内容は、ただちに長期記憶に入るわけではありません。
勉強した内容は「感覚記憶」に入り、
「感覚記憶」の一部が「短期記憶」に入り、
「短期記憶」の一部が、ようやく長期記憶に入るのです。
私たちが目にした・耳にしたもののほとんどは、記憶に残りません。
長期記憶に残るのはごく一部。
では、勉強した内容を長期記憶に残すにはどうすれば良いのでしょうか?
2.感覚記憶⇒短期記憶
教科書を読んだ時、その情報は「感覚記憶」に入ります。
しかし、感覚記憶は1~5秒で無くなるので、早めに短期記憶に移さなければなりません。
感覚記憶を短期記憶に写す方法、それは「注意を向ける」ことです。
おすすめは、注意を向けたい情報に、色ペンで線を引くこと。
(この方法だけでは、長期記憶に残りづらいので注意!あくまで短期記憶に移すための方法です)
筆者はマーカーペンを使っています。普通のボールペンと比べて見づらくなる(=読む時に注意力が必要となる)利点があります。
欲張り過ぎに注意!マジックナンバー7±2
このステップで大事なのは、覚える量を減らすこと。
人間が一度に覚えられる量は、一般に「7±2」個とされています。
つまり、1度の勉強で、重点的に覚える内容は5~9個まで。
それ以上の内容を覚えたい時は、時間を空けて取り組みましょう。
3.短期記憶⇒短期記憶・長期記憶
頑張って短期記憶に入れた記憶も、15~30秒経てば消えます。
そもそも、色ペンを引いている時間で短期記憶から消えています。
長期記憶として定着させるためには、もう一度色ペンを引いた部分を覚えなおさないといけないわけですが、
どのような方法が効果的なのでしょうか?
長期記憶に入れるための「リハーサル」
記憶の仕組みの説明で使った図をもう一度見てみましょう。
短期記憶から短期記憶・長期記憶に移すには、「リハーサル」という作業が必要です。
耳慣れない単語ですが、「リハーサル」にはどのような方法があるのでしょうか?
頭の中で読み上げる(勉強では不十分)
リハーサルで最も単純なのは、覚える内容を頭の中で反復する方法。
覚える内容を短期記憶に維持し続ける働きがあります。
皆さんが電話番号を覚える時に使う方法ですね。例えば、先の15桁の数字の例だと、
「いちはちご、さんろくよん、ごよんさん、ななにいに、きゅうぜろいち。いちはちご、さんろくよん……」と頭の中で音を繰り返します。
単純で、時間をかけずに出来る方法ですが、この方法には問題が1つ。
この方法では、ほとんど長期記憶に定着しないということ。
このやり方だけで、英単語の暗記を乗り切ろうとする人もいますが、それはやめたほうが良いです。
覚える内容を体系化する
覚える内容を反復するだけでは、1分も持たずに忘れてしまいます。
そこで組み合わせたいのが、覚える内容を体系化する方法。
先ほどの15桁の数字ですが、3桁ごとに区切ると、次のような規則があることが分かります。
1→3→5→7→9 (奇数)
8→6→4→2→0 (偶数)
5→4→3→2→1(自然数)
覚える内容がどんな構造を持っているのか説明できるようになると、暗記が途端に楽になります。
筆者が使っているのは、短期記憶に残している単語の「構造」を描いてみる方法。
短期記憶だけでやれるのが理想ですが、はじめは参考書を見返しながらでも構いません。
もちろん、それぞれの用語・つながりは説明できるようにしておきましょう。
用語を説明する例)
ダブルバーレル質問は、「あなたは海や山が好きですか?」のように、1度に2つ以上の内容を聞いてしまう、アンケートで使うべきではない質問のこと。
つながりを説明する例)
『「実験法」は、「実験群」と「統制群」を用意する「統制群法」を使うのが普通なんだけれど、それを使わない方法もあって、それは「準実験」と呼ばれている』
4.長期記憶⇒短期記憶
以上の内容を繰り返せば、長期記憶には入るでしょう。
しかし、記憶の厄介なところは、この矢印の存在です。
せっかく長期記憶に入れたとしても、必要な時に思い出せるかどうかは別問題。
思い出さない(=使う機会の少ない)記憶は、寝ているうちにどんどん思い出しにくくなってしまいます。
勉強をする時は、必ず「思い出す」機会を設けなければなりません。
ここでは、その思い出す機会の作り方を紹介しましょう。
参考)【共通テスト】その勉強法は間違い!?勉強時間の3分の2はアウトプットすべき【残り32週】
赤シートで隠してテスト
赤シートでテストするのが、一番お手軽にできる方法。
自分が覚えようとした内容が、本当に思い出せるレベルに達しているのかを確認することができます。
今回は参考書をテストに使っていますが、ノートに書いた「単語の構造」の図を使っても良いです。
英単語帳など、元々赤シートを使う前提の参考書も発売されています。そちらも活用しましょう。
単語だけのテストを作る
赤シートでは文脈で推測出来てしまうので、次のステップ。
何もない状態で、ランダムで単語を書いてみて、その意味を説明できるかやってみましょう。
暗記カードやExcelのRAND関数を使うとやりやすいです。
文脈無しに「その単語の意味が説明できるか」を問われるので、難易度は高めです。
でも、これを解けるようになったら、あと一息!
アヒルに話しかける
冗談のように聞こえるかもしれませんが、本気です。
自分がその日学習したことを、誰かに説明してみましょう。
誰もいない場合は「おもちゃのアヒル」がおすすめです。
問題を解く
ここまで出来たら、問題を解いてみましょう。
覚えた内容が、必要な時に思い出せるかチェックします。
一問一答→総合問題と進めていって、答えられるようになれればOKです。
5.実はこれって
武田塾が実践している勉強の方法です。
・英単語は1語1訳(感覚記憶→短期記憶、勉強量を絞る) ・覚える際、短い時間で何度も繰り返す(リハーサル;短期記憶を維持) ・覚える際、解説を読んで説明できるようにしておく(知識の体系化) ・学習は、問題を解くのがメイン(思い出す練習) ・覚えた内容のテストを実施する(確認テスト) ・覚えた内容を講師に話す(覚えた内容を説明する) ・基礎的な問題が解けるようになってから、総合問題へ(記憶を定着させてから、必要な時に思い出せるかチェック) |
受験勉強を独学でする時に、辛いのは青地で示した2つ。
単語だけの確認テストを作ろうとすると、とにかく時間がかかります。
Quizletなど既存のリストを使用する方法はありますが、探すのも一苦労。
そもそも著作権の都合上、参考書そのままのリストは存在しないと言ってよいでしょう(公式が販売する有料のもの除く)。
そして、アヒルに話しかけるフェーズ。
アヒルに話しかけた場合、自分の説明が本当に正しいかどうか分かりません。
間違って説明しても、「説明できた」と思い込んでしまう場合があるのです。
効率の良い勉強にとりかかろうとした結果、逆に効率が悪くなってしまうかもしれません。
そんな心配をするあなたに、武田塾。
武田塾では、国数理英社、それぞれの「今週覚えた範囲での」確認テストを作成しています。
テスト作成に時間をかけることなく、皆さんは勉強に専念することができます。
武田塾では、皆さんの説明を聞くのは、アヒルではなく、武田塾の基準をクリアした優秀な「人間」。
皆さんの説明を聞き、「分かったつもり」を指摘してくれます。
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