こんにちは、武田塾佐賀校の出口です。
いよいよ、共通テストまで残り34週間となりました。
前回の記事から1週間経ちましたね。覚えている英単語は1週間でどれほど増えたでしょうか。
「英単語を勉強したはずなのに、なかなか目に見える成果が出ない」
そんな心当たりのある方、ぜひ最後までお読みください。
目次
1.英単語の目的・覚え方を書き出そう
まずは、あなたが英単語を「覚える目的」について整理しましょう。次の3つの質問に答えてください。
Q1. 英単語を使うのは、「読む」「書く」「話す」「聞く」のどの場面ですか? Q2. 英単語を使う時は、「英語→日本語」「日本語→英語」のどちらが多いですか? Q3. 英単語を使って答える場面は、「選択肢から選ぶ」「一から考える」のどちらですか? |
例えば、英検のリーディングのために勉強する時は、それぞれ「読む」「英語→日本語」「選択肢から選ぶ」ですね。
次に、あなたの英単語の「覚え方」もチェックしましょう。次の3つの質問に答えてください。
Q1. 英単語を勉強する時は、「読む」「書く」「話す」「書く」のどの手段を取りますか? Q2. 英単語を覚える時は、「英単語を見て/聞いて、日本語を答える」、「日本語を見て/聞いて、英語を答える」 どちらの方法を取っていますか? Q3. 英単語を覚える際は、「訳を見る」「2~4択で選ぶ」「ノーヒントで思い出す」のどの方法を取っていますか? |
答えましたか?では、最後にもう1つ。
皆さんの英単語の覚え方をチェックします。普段の英単語の覚え方で構いません。次の3つの英単語を覚えてください。
extravaganza(エクストラバガンザ) 【名】派手な祭典 |
kaleidoscope(カレイドスコープ) 【名】万華鏡 |
palaver(パラーヴァ) 【自動】しゃべる 例文:We cannot stop palavering. |
2.英単語を覚える一番の方法
英単語を覚える一番の方法は、覚え方と解き方をそろえることです。
先ほどの質問で「覚える目的」と「覚え方」について、それぞれ3つ答えてもらいました。
この質問の答えが違ったなら、そもそも英単語の覚え方が合っていない可能性があります。
例えば、「英語長文を読むために、英単語を覚える」場合を考えてみましょう。
英語長文を読む時に必要なのは、「英単語を見たら、日本語の意味が浮かんでくる」こと。
それなら「英単語を見て、日本語の意味を思い出す」練習をします。
単語帳を赤シートで隠したり、暗記カードを作って覚えたりするのが最適ですね。
同様に、英単語を覚える目的が「英検の大問1の4択問題を取る」ことに限っているなら、クイズアプリ等での暗記が。「英会話で使う」ことが目的なら、会話文の中に組み入れて、口に出して練習する方法が適しています。
言われてみると当たり前に思えることですが、これが出来ていない人が結構います。
例えば、「英単語帳を開いて、英単語を黙読して、日本語訳を黙読して、終わり」というパターン。
テストで「英単語と日本語訳が横に並んでいる」というケースは、まずありません。
その勉強法では、どれほど時間をかけても、それに見合った成果は出ないでしょう。
3.そうではなくて、全体的に使える英単語力が欲しい(前編)
先ほどの説明を見て、
「読解にも日本語訳にも英作文にも、何にでも使える暗記法はないの!?」
と思った方も多いでしょう。
確かにその通りです。「せっかく英単語を覚えたのに、選択肢の問題しか答えられない!」なんて悲しいですよね。
では、その勉強法を紹介する前に、人間の記憶のメカニズムを少し説明させてください。
人間の記憶のメカニズム 「見たことがある」と「思い出せる」と「使える」は別物
初めの方に、英単語を3つ覚えましたね。ここでテストしてみましょう。
Q1. extravaganzaの意味は、次のa~dのどれでしたか? a. 豪華な食卓 b. 派手な祭典 c. 堅苦しい儀式 d. 華々しい活躍 Q2. 「万華鏡」を意味する英単語のスペリングは何でしたか?
Q3. palaverを「しゃべる」という意味で使う時、後ろにはどのような語を置きますか? a. 後ろには、人を表す単語を置く (I palaver him) b. 後ろには、内容を置く (I palaver that ~) c. 後ろには、人+しゃべる内容を置く (I palaver him that ~) d. 後ろには何も置かない (I palaver.) |
ここで確認しておきたいのは、「見たことがある」と「思い出せる」と「使える」は別物であるということです。
Q1は比較的簡単だったと思います。「見たことがある」選択肢は、1つしかありません。
しかし、Q2はどうでしょう?単語の読み方はなんとなく覚えていても、1から思い出すのは難しかったでしょう。
そしてQ3です。Q1と同じ四択問題なのですが、Q1とQ3は難易度が全く違ったはずです。訳を覚えていても、使い方までは覚えていないことはよくあります。
つまり、一口に「英単語を覚える」と言っても、実際には4つの段階があるのです。
多くの場合、「英単語を覚えたのにテストで答えられない」というのは、
ピラミッドの途中のレベルで止まっている状態です。
「勉強したはずなのに、長文で見ると思い出せない」なら、見たことがあるレベル。
「勉強した単語のスペリングを間違えた」なら、選択肢なら分かるレベル。
「英単語を覚えたけれど、使いどころが分からない」なら、思い出せるレベルでストップしています。
4技能5領域で使える英単語の量を増やすためには、覚え方を工夫しなければなりません。
4.そうではなくて、全体的に使える英単語力が欲しい(後編)
それでは実践編です。
①英単語を見て、何も見ずに日本語訳を思い出す
大事なのは、「見たことがあるレベル」「選択肢なら分かるレベル」で英単語力を止めないこと。
そのためには、一足飛びで「思い出せるレベル」へ向かうことが必要です。
そこで紹介したいのが、「英単語を見て、日本語の意味を思い出す」練習。
具体的には、単語帳を赤シートで隠したり、暗記カードを作って覚えたりする方法です。
見て覚える時間を減らし、思い出す練習に時間をかけましょう!
それが、「見たことあるレベル」からの脱出のポイントです。
②「意味・使い方が似ている」英単語と結び付けよう!
「思い出せるレベル」から「使えるレベル」に引き上げるポイント。
それは、自分の知っている英単語と結びつけることです。
例えば、palaverなら。皆さんは「話す」という英単語を恐らく3つ知っています。
speak (話す) ※後ろには何も来ない
say ([内容]を話す) ※後ろには内容が来る
tell ([人]に話す) ※後ろには人が来る
知っている単語のどれに似ているかを、覚える時に考えてください。今回、一番似ているのはspeakですね。
既に使い方をマスターしている単語と結びつける。これが英単語を「使えるレベル」まで引き上げるポイントです。
※これをまとめた集大成が、一般に「語法」と呼ばれるものです。
③マルチモーダルで勉強する
「読む」「書く」「話す」「聞く」。全ての技能で使える英単語が欲しいなら、全ての技能を使って勉強してください。
本付属のCDなど、使えるものはすべて活用しましょう。
・CDを流しながら本を開き、音声が流れてきたらリピートして読み上げる。
・声に出しながらスペリングを書く。
・ジェスチャーをしながら英単語を覚える。
お分かりの通り、大量の英単語を「使えるレベル」にするためには、かなりの時間を必要とします。
だから、「早いうちから受験勉強に取り組んでおけ」と英語の先生が口うるさく言っていたんですね。
とはいえ、現実問題「残り34週間」しかありません。
そうなると、選択肢は2つ。
少数の英単語を全て完璧に使えるようになるか、大量の英単語をレベルの低い状態で覚えておくかです。
5.何を学ぶべきか、答えはもう知っているはず
少数の英単語を全て完璧に使えるようになる、という選択肢は、恐ろしい響きを持っています。
単語選びを間違えて、受験に出ないような英単語を覚えてしまったら?
そんなケース、想像したくもありません。
せめてどこかに、受験に出る英単語だけを集めたリストでもあれば……。
・・・
・・・
ありました。
大量の語句を頭に入れるのは厳しくても、参考書に厳選された量なら、まだ何とかなるはず!
参考書一冊だけでも、完璧に仕上げましょう!
その上で、さらに英単語が必要になったら、その分だけ追加すれば良いのです。
私たちには、あと34週間しかありません。
やるべきことを見失って、あれもこれもと手を出すのは危険です。
一番大切な「志望校」へとまっすぐに進むためにも、
受験に必要な1冊に絞って勉強しましょう!
(ちなみに、この「1冊を完璧に」を実践しているのが「武田塾」です。興味があれば、受験相談へ!)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。