「小学生のころ、毎日プリントで計算をやらせていました。あれは大学受験に役立ちますか」。
武田塾大曽根校の受験相談で、保護者の方からよく聞かれます。
答えは「土台としては大きな資産になる。ただし、そのままの形では受験勉強にならない」です。
計算の速さと毎日続ける習慣は、高校生になってから身につけようとすると相当な時間がかかります。
それをすでに持っているのは有利です。
一方で、プリントを解く形式のままでは、大学入試で問われる力には届きません。
この記事では、幼少期の反復学習で何が身についているのか、大学受験で何を足す必要があるのかを、順番に整理します。
大曽根校で高校生の学習計画を作っている校舎長がまとめました。
反復学習で身についている3つの力
プリント型の反復学習を続けた生徒には、共通する強みがあります。
| 身についている力 | 受験で効く場面 |
|---|---|
| 計算の速さと正確さ | 数学の途中計算、理科の計算問題、共通テストの時間配分 |
| 手を動かして解く習慣 | 参考書を「読むだけ」で終わらせない |
| 毎日机に向かう習慣 | 高3の1年間、量を落とさずに続けられる |
3つ目が実はいちばん大きい強みです。
受験勉強で最後に差がつくのは、才能ではなく「毎日続けられるかどうか」です。
小学生のうちに「今日の分をやってから寝る」という感覚が身についている生徒は、高3で急に勉強量を増やしても崩れません。
計算の速さも軽く見ないでください。
共通テストの数学は数学①・数学②とも70分・100点、『情報Ⅰ』は60分・100点で実施されます(令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト 出題教科・科目の出題方法等/大学入試センター)。
解法が分かっていても、計算に時間がかかると最後の設問までたどり着けません。
反復学習だけでは足りない理由
一方で、プリントを解く形式のままでは大学入試に届きません。
理由は3つあります。
- 例題を見て真似る形式は、「なぜその手順になるのか」を飛ばしても先に進めてしまいます。数字が変わっただけで解けなくなる状態は、ここから生まれます
- 定期テストや入試は、範囲を横断して出題されます。単元ごとに進む形式では、単元をまたいだ問題に対応する練習が足りません
- 記述や説明を求められる問題、初めて見る設定の問題は、答えを出す手順だけを覚えていても解けません
小学生の段階ではこれで問題ありません。
計算の土台を作る時期だからです。
ただし中学・高校では、求められるものが変わります。
ここで学習の形を切り替えられないまま進むと、「勉強しているのに点が上がらない」状態になります。
中学以降でつまずくのはどこか
大曽根校の受験相談で聞く、典型的なつまずき方です。
- 数学:計算は速いのに、文章題と証明で手が止まる。式を立てるところが練習されていない
- 英語:単語は覚えているのに長文が読めない。文法を「解ける」だけで「説明できない」状態のまま進んでいる
- 理科:公式は言えるが、どの場面でどの公式を使うか判断できない
共通しているのは、「手順の暗記」で押し切ってきたことです。
速く正確に処理する力があるぶん、理解が浅いまま先に進めてしまい、途中で急に通用しなくなります。
裏を返せば、理解の部分だけを補えばよいということです。
手を動かす習慣と処理の速さは、ゼロから作る必要がありません。
反復学習の経験を受験勉強に移し替える3ステップ
やることは次の3つです。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 参考書を1冊決め、解説を読んで「なぜその式になるか」を自分の言葉で言えるようにする |
| 2 | 同じ問題を、答えを見ずに解けるまで繰り返す。回数ではなく「全問正解できるか」を基準にする |
| 3 | 1冊が終わってから次に進む。複数冊を並行して進めない |
このやり方は、幼少期の反復学習とやっていることの構造が同じです。
1つの教材を、できるようになるまで繰り返す。
違いは、繰り返す前に「理解する」工程が1つ入ることだけです。
だから、プリント型の学習に慣れている生徒はこの形に入りやすい傾向があります。
新しい習慣を作るのではなく、すでにある習慣に工程を1つ足すだけだからです。
保護者の方に伝えていること
小学生のうちの反復学習をやめたほうがよい、という話ではありません。
計算力と学習習慣は、高校生になってから作るのが難しい力です。
続けてきたなら、それは確実に生きます。
大事なのは、中学・高校に上がったタイミングで学習の形を切り替えることです。
処理の速さで乗り切れる範囲は中学の途中までで、そこから先は理解の深さが点数を決めます。
「小学生のころは成績がよかったのに」という相談の多くは、この切り替えが起きていないことが原因です。
お子さんが手を動かす習慣を持っているなら、伸ばす余地は大きいと考えてください。
足りないのは工程であって、姿勢ではありません。
よくある質問
小学生のころの計算練習は大学受験で役に立ちますか
役に立ちます。
共通テストの数学は2科目とも70分で解き切る必要があり、途中計算に時間がかかると最後まで届きません。
計算の速さと正確さは、高校生から鍛え直すには時間のかかる力です。
すでに持っているなら大きな強みです。
反復学習だけを続けていれば大学受験に対応できますか
対応できません。
同じ形式の問題を速く処理する力と、初めて見る問題を読み解く力は別です。
参考書の解説を読んで「なぜその手順になるか」を説明できる状態を作る工程を、繰り返しの前に足す必要があります。
中学生のときに成績が伸び悩んだ子でも立て直せますか
立て直せます。
多くの場合、原因は理解の工程が抜けていることで、勉強量や姿勢の問題ではありません。
参考書を1冊決めて、解説を自分の言葉で説明できるようにしてから繰り返す形に変えると、同じ勉強時間でも定着が変わります。
まとめ
- プリント型の反復学習で身につくのは、計算の速さ・手を動かす習慣・毎日続ける力の3つ
- そのままの形では、範囲を横断する問題や初見の問題には対応できない
- 足すべき工程は1つ。「なぜその手順になるか」を自分の言葉で言えるようにしてから繰り返す
- 中学・高校での伸び悩みは、学習の形を切り替えていないことが原因のことが多い
武田塾大曽根校の無料受験相談では、いまの学力と勉強のしかたを聞いたうえで、どの参考書をどの順番で進めるか、1週間にどれだけ進めるかを一緒に決めます。
小学生のころの学習習慣をどう受験勉強につなげるかも、その場でお話しします。
保護者の方だけのご相談も受け付けています。
大学受験の勉強法でお悩みなら、武田塾大曽根校の無料受験相談へ
入塾を決めていなくても受けられます。
志望校と今の学力を確認して、その場で次の3つをお渡しします。
- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
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