愛知県内で医学部医学科を置いている大学は、国立の名古屋大学、公立の名古屋市立大学、私立の藤田医科大学と愛知医科大学です。
この4校は、共通テストと個別試験の比重も、2次試験で課されるものも大きく違います。
志望校を1校に絞る前に、どの試験で点を取る設計になっているかを比べておく必要があります。
「医学部を目指したいが、県内の4校の違いが分からない」「共通テストと2次試験のどちらに時間を寄せればよいのか」。
武田塾大曽根校の受験相談で、名古屋市北区・東区・守山区の高校生からよく出る質問です。
この記事では、4大学の医学部医学科について、募集人員・配点・2段階選抜・面接や小論文の違いを、各大学が公表している要項から整理します。
大曽根校の校舎長がまとめました。
4大学の入試のかたち
まず全体像です。
数字は各大学の最新の要項によります。
| 大学 | 設置 | 主な選抜 | 共通テスト | 個別試験 | 2次で課すもの |
|---|---|---|---|---|---|
| 名古屋大学 | 国立 | 前期・後期 | 950点 | 1,800点 | 面接 |
| 名古屋市立大学 | 公立 | 前期 | 600点 | 1,200点 | 面接 |
| 藤田医科大学 | 私立 | 一般入試・共通テスト利用ほか | 利用入試のみ | 英語200点・数学200点・理科2科目 | 面接 |
| 愛知医科大学 | 私立 | 一般選抜ほか | 利用選抜あり | 数学150点・理科200点・外国語150点 | 面接・小論文 |
出典:名古屋大学 令和9年度入学者選抜要項/名古屋市立大学 入学者選抜に関する要項/藤田医科大学 入試情報/愛知医科大学 医学部 一般選抜
4校に共通しているのは、学力試験だけでは決まらないことです。
どの大学も面接があり、愛知医科大学は小論文も課します。
学力が届いていても、面接の評価で判断されるのが医学科の入試です。
名古屋大学 医学部医学科
令和9年度の募集人員は、前期日程の一般枠85名、後期日程5名、学校推薦型選抜10名の合計100名です。
医学部定員増の延長を文部科学省に申請中で、認められた場合は前期の一般枠86名・地域枠5名・学校推薦型12名になると要項に示されています。
前期日程の配点は、共通テスト950点に対して個別学力検査1,800点、合計2,750点です。
個別学力検査は数学600点・理科600点・外国語600点で、加えて面接があります。
第1段階選抜は共通テスト950点満点中650点以上が対象です。
後期日程は個別学力検査を課さず、共通テスト950点と、英文の課題に基づいた面接(口頭試問)で判定します。
募集人員5名に対して約12倍までを第1段階選抜の合格者とするため、共通テストの得点が高くなければ土俵に上がれません。
前期で見ると、個別試験が全体の約65%を占めます。
共通テストで多少削られても、2次の数学・理科・英語で挽回できる設計です。
名古屋市立大学 医学部医学科
配点は共通テスト600点に対して個別学力検査1,200点、合計1,800点です。
名古屋大学と同じく個別試験のほうが重い設計になっています。
特徴は第1段階選抜の基準が明示されている点です。
共通テストの成績が総配点600点中の概ね73%以上の者を対象に、募集人員の約3倍を選抜します。
第2段階では個別試験と面接があり、面接で医師・医学研究者としての適性を満たすことが求められます。
共通テストで73%が最低ラインになるため、共通テストを軽く見ることはできません。
ただし合否そのものは個別試験で決まります。
藤田医科大学 医学部医学科
2026年度の募集人員は、ふじた未来入試12名、一般入試(一般枠90名・愛知県地域枠10名以内)、共通テスト利用入試10名で、全体122名です。
一般枠の90名がいちばん大きな入口になります。
一般入試の1次試験は、英語200点(90分)、数学200点(100分)、理科は物理・化学・生物から2科目を選択します。
2次試験は面接40点(5段階評価)で、個人面接ではマルチプル・ミニ・インタビューや過去の具体的な行動事例を通じて評価されると要項に書かれています。
マルチプル・ミニ・インタビューは、短い設問のブースを移動しながら受ける面接方式です。
志望理由を暗記していけば通るものではないため、日ごろから自分の考えを言葉にする練習が要ります。
なお2027年度からは数学の出題範囲が変わり、愛知県地域枠の募集人員も8名以内になると大学が予告しています。
愛知医科大学 医学部医学科
一般選抜の募集人員は約70名です。
第1次試験は数学150点(80分)、理科200点(物理・化学・生物から2科目、100分)、外国語150点(80分)の合計500点で、加えて小論文(50分・5段階評価)があります。
小論文は第1次判定には使われず、第2次判定で使われます。
第2次試験は個人面接(5段階評価)です。
学力試験を通過したあとに、小論文と面接をあわせて総合的に判定する流れになります。
理科の配点が200点と全体の4割を占めるのが特徴です。
理科2科目の完成度が、そのまま1次通過の可否に直結します。
4校を比べて決めるときの順番
大曽根校では、次の順番で考えてもらっています。
| 手順 | 見るところ |
|---|---|
| 1 | 共通テストと個別試験の比重。国公立2校はどちらも個別試験が重い設計です |
| 2 | 第1段階選抜の基準。名古屋大学は950点中650点、名古屋市立大学は600点中概ね73%が入口です |
| 3 | 2次で課されるもの。面接だけか、小論文もあるか。藤田医科大学は面接の方式が独特です |
| 4 | 理科2科目の負担。私立2校は理科の配点比率が高く、2科目とも仕上げる必要があります |
| 5 | 併願の組み方。国公立の対策をしていれば私立の科目は概ねカバーできますが、面接と小論文は別に時間が要ります |
医学科の受験で崩れやすいのは、この5番目です。
学力の対策で手一杯になり、面接と小論文の準備を12月まで放置してしまう受験生がいます。
面接は当日の思いつきでは通らないので、高3の夏に一度、志望理由を文章に書き出しておいてください。
医学科を目指す高1・高2生がいまやること
医学科は、どの大学でも英語・数学・理科の完成度が高い水準で求められます。
順番は変わりません。
- 高1:英単語と英文法、数学ⅠAの基礎問題集を1冊ずつ完成させる。定義を自分の言葉で説明できるかを毎回確認する
- 高2:数学ⅡBCまで基礎を終え、理科2科目の選択を決めて基礎問題集に入る。共通テストの情報も年間計画に入れておく
- 高3の前半:英数理の標準レベルを終える。志望校の配点を要項で確認し、重い科目に時間を寄せる
- 高3の後半:過去問演習に入り、面接と小論文の準備を並行する
大曽根校の受験相談でよく分かるのは、「解けるが説明できない」状態のまま先へ進んでいる生徒が多いことです。
英文法なら品詞の定義、物理なら速さと速度の違いを説明できるか。
医学科のように高い完成度が要る志望校ほど、この確認を飛ばすと後で崩れます。
よくある質問
愛知県の医学部医学科は共通テストと2次試験のどちらが重要ですか
国公立2校はどちらも個別試験のほうが重い配点です。
名古屋大学は共通テスト950点に対して個別1,800点、名古屋市立大学は600点に対して1,200点です。
ただし第1段階選抜があるため、共通テストで基準を割ると2次に進めません。
基準を超える共通テストと、勝負できる2次力の両方が必要です。
私立の藤田医科大学と愛知医科大学では入試の何が違いますか
藤田医科大学の一般入試は英語200点・数学200点と理科2科目で、2次は面接40点です。
愛知医科大学は第1次が数学150点・理科200点・外国語150点の500点で、小論文と個人面接が第2次判定に使われます。
理科の比重と、小論文の有無が大きな違いです。
医学部の面接対策はいつから始めればよいですか
高3の夏に志望理由を文章にまとめ、秋以降に声に出して答える練習を始めるのが目安です。
藤田医科大学のマルチプル・ミニ・インタビューのように、その場で考えて答える方式もあるため、暗記ではなく自分の考えを持っておくことが必要になります。
まとめ
- 愛知県内の医学部医学科は名古屋大学・名古屋市立大学・藤田医科大学・愛知医科大学の4校です
- 国公立2校は個別試験が重い配点で、第1段階選抜の基準が要項に明記されています
- 私立2校は理科2科目の比重が高く、藤田医科大学は面接の方式、愛知医科大学は小論文に特徴があります
- 4校とも面接があります。学力の準備と別に、面接と小論文の時間を年間計画へ入れてください
武田塾大曽根校の無料受験相談では、志望する医学科の配点と第1段階選抜の基準を要項で一緒に確認し、英数理をいつまでにどこまで仕上げるかの計画をその場で作ります。
志望校を4校のどれにするか迷っている段階でもご相談ください。
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