「勉強しているのに模試の点数が上がらない」「復習しても、解説に書いてあることは知っていた」。
武田塾大曽根校の受験相談で、毎年いちばん多く聞く悩みです。
内容を理解しているのに点にならないとき、原因の多くはケアレスミスです。
この記事では、ミスを型に分けて記録し、次の試験で同じミスを防ぐ手順を紹介します。
書いているのは、大曽根校で模試の結果を生徒と一緒に見ている校舎長です。
「気をつけます」で終わらせず、記録に残して減らす方法まで持ち帰れる内容にしました。
共通テストのマークで0点になる場合についても、大学入試センターの公式資料をもとに整理します。
ケアレスミスは記録して型に分けると減る
結論を先に書きます。
ケアレスミスは「気をつけよう」では減りません。
自分がどの型のミスを何回したかを記録し、試験の直前にその記録を読み返すと減ります。
理由は単純で、ミスの中身が特定できていないと、試験中に「ここが危ない」と気づけないからです。
ミスをなくすことはできませんが、ミスに気づくことはできます。
「ケアレスミス」という言葉が分析をじゃまする
模試の復習で「これはケアレスミスだな」と一言で片づけていませんか。
この一言が、いちばんもったいない処理です。
ケアレスミスと呼ばれているものの中身は、まったく違うものが混ざっています。
| ミスの型 | 具体例 | 対処の方向 |
|---|---|---|
| 読み取りミス | −3を3と読み違えた、問題文の「誤っているもの」を見落とした | 問題文の条件に印をつける習慣をつくる |
| 手順の抜け | 微分で係数を掛け忘れた、単位を換算し忘れた | 手順を書き出して型どおりに解く |
| 知識のあいまいさ | 公式をうろ覚えで使った、単語のつづりが不正確 | 参考書に戻る(これはミスではなく未定着) |
| 答え方のずれ | sinθを聞かれてcosθを答えた、記号でなく語句で答えた | 最後に設問文をもう一度読む |
| 記入・転記ミス | 解答欄をずらした、マークが薄い | 見直しの手順に組み込む |
この表で大事なのは、3番目の「知識のあいまいさ」がケアレスミスではないという点です。
公式をうろ覚えで使って間違えたのは、単なる未定着です。
参考書に戻る必要があります。
ここを「ケアレスミス」に分類してしまうと、本来やるべき復習が抜け落ちます。
自分のミスを型に分けると、参考書に戻るべきものと、試験中の注意で防げるものが分かれます。
この仕分けが第一歩です。
ミス記録ノートの作り方
武田塾では「黒歴史ノート」と呼んでいます。
問題集・模試・過去問で間違えた問題について、どの問題をどう間違えたのかを書き残すノートです。
書く項目は3つだけにしてください。
- どこで間違えたか(教材名と問題番号、模試名と大問番号)
- どう間違えたか(正解ではなく、自分の誤りの中身を書く)
- どの型か(前の表の5つから選ぶ)
記入例を挙げます。
- 数学:基礎問題精講ⅠA 問題12/代入する数字が−3なのに3を入れた/読み取りミス
- 数学:全統模試 大問2/微分するとき係数を掛け忘れた/手順の抜け
- 英語:名古屋大学の過去問 大問1/単語のつづりを取り違えて逆の意味で読んだ/知識のあいまいさ
正解を写す必要はありません。
正解はすでに解説にあります。
ノートに残す価値があるのは、自分の誤り方のほうです。
書く量は1行で十分です。
1行だから続きます。
模試1回で10行たまれば、それが自分の弱点の一覧になります。
試験の直前に読み返すのが本番
ノートを作る目的は、作ることではなく読み返すことです。
模試・定期テスト・過去問演習を始める前に、必ず1回読んでから解いてください。
たとえば「微分で係数を掛け忘れた」が4回書いてあったら、それは自分がやりがちなミスです。
試験中に三次関数の問題が出た時点で「係数の掛け忘れに注意」と思い出せますし、見直しのときも「微分のところを先に確認しよう」と優先順位をつけられます。
初見の問題を解いている最中に、自分のミスの記憶を引き出せるかどうかが勝負です。
読み返さないノートは、ただの記録で終わります。
見直しの手順を先に決めておく
見直しは「時間が余ったら全部見直す」ではうまくいきません。
何を、どの順で見るかを決めておいてください。
大曽根校で生徒に勧めている順番です。
| 順番 | 見るところ | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 解答欄のずれ、マークの塗り残し | 気づけば全問取り戻せる |
| 2 | 設問文の条件(「誤っているもの」「小数第2位まで」など) | 読み違いは0点に直結する |
| 3 | ミス記録ノートで回数の多い型に当たる問題 | 自分の再発しやすい箇所 |
| 4 | 手をつけていない問題 | 部分点を拾う |
| 5 | 自信のない問題の解き直し | いちばん時間がかかるので最後 |
順番を決めておくと、残り5分でも1番から順に着手できます。
時間が足りないときほど、この順番が効きます。
共通テストは書き方そのもので0点になる
模試や本番のマークについては、思い込みではなく公式の注意を読んでおいてください。
大学入試センターの「受験上の注意」には、次のように書かれています。
- 解答には必ず黒鉛筆(H、F、HBに限る)とプラスチック製の消しゴムを使う。黒鉛筆以外(シャープペンシルなど)でマークすると、解答が読み取れないことがある
- シャープペンシルはメモや計算に使う場合のみ使える(黒い芯に限る)
- マークが薄い場合、一部分しかマークしていない場合、訂正箇所を消しゴムできれいに消していない(消し跡が残っている)場合は、解答が正しく読み取れないことがある
- 解答用紙に解答科目(または出題範囲)がマークされていない場合、または複数の科目にマークされている場合は、解答科目が特定できないため0点になる
- 選択問題がある科目は、選択した問題番号に対応した解答欄にマークする
最後から2つ目が重い項目です。
中身が全問正解でも、解答科目欄のマークが抜けていれば0点になります。
これはミスではなく、手順を知らないことによる失点です。
模試のうちから、解答用紙を配られたら受験番号と解答科目を先に埋める順番を体に入れておいてください。
シャープペンシルの扱いも見落としがちです。
計算やメモには使えますが、マークには使えません。
模試のときから本番と同じ筆記具で解いておくと、当日に迷いません。
秋以降はミスの少なさが差になる
高3の秋以降、周りの受験生も難しい問題が解けるようになってきます。
そうなると点数の分かれ目は「難問に対応できるか」だけではなくなります。
取れる問題を落とさないかどうかで並びが決まります。
大曽根校で見ていて、成績が伸びる生徒に共通しているのは、自分のミスを軽く扱わないことです。
「たまたま間違えただけ」で流さず、記録に残して次の試験の前に読み返します。
逆に、伸び悩む生徒はミスの分析を飛ばして次の問題集に進みます。
同じ模試を受けても、そのあとの1時間の使い方でここまで差がつきます。
よくある質問
ケアレスミスは意識すれば減らせますか
「気をつける」だけでは減りません。
自分のミスを型に分けて記録し、試験の直前に読み返すと、試験中に危ない箇所で気づけるようになります。
ミスをゼロにすることはできませんが、気づいて直すことはできます。
ミス記録ノートは何を書けばよいですか
3項目だけです。
どこで間違えたか(教材名と問題番号)、どう間違えたか(自分の誤りの中身)、どの型か(読み取り・手順の抜け・知識のあいまいさ・答え方のずれ・記入ミス)。
正解を書き写す必要はありません。
1行で十分です。
公式をうろ覚えで間違えたのもケアレスミスですか
違います。
それは知識が定着していないだけなので、参考書に戻る必要があります。
ここをケアレスミスに分類すると、本来やるべき復習が抜けます。
ノートに型を書くのは、この仕分けをするためです。
まとめ
- ケアレスミスは1種類ではない。5つの型に分けると、参考書に戻るべきものと試験中の注意で防げるものが分かれる
- ミス記録ノートに書くのは「どこで・どう間違えたか・どの型か」の3項目だけ。1行で書く
- 目的は作ることではなく読み返すこと。模試や過去問を解く前に必ず1回読む
- 見直しの順番を先に決めておくと、時間が足りないときほど効く
- 共通テストは解答科目欄が未マークだと0点になる。筆記具とマークの注意は公式資料で確認しておく
武田塾大曽根校の無料受験相談では、直近の模試を持ってきていただければ、その場で間違いを型に分けて、参考書に戻るべき単元と試験中の注意で防げる部分を一緒に切り分けます。
点数だけでは分からない伸びしろが見つかります。
大学受験の勉強法でお悩みなら、武田塾大曽根校の無料受験相談へ
入塾を決めていなくても受けられます。
志望校と今の学力を確認して、その場で次の3つをお渡しします。
- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
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