学力を測る物差しは、模試だけではありません。
過去問の得点率と、参考書の到達度。
この2つがあれば、模試を受けられない時期でも自分の現在地は分かります。
「模試が自宅受験になったけれど、この判定は信じていいのでしょうか」「次の模試まで2か月あって、それまで自分が伸びているのか分かりません」。
武田塾大曽根校の受験相談で、名古屋市内の高校に通う受験生からよく出る質問です。
この記事では、模試が使えない場面で自分の学力を測る方法を、手順の形で書きます。
書いているのは、大曽根校で受験生を担当している校舎長です。
模試の偏差値が何を測っている数字なのかを確認したうえで、模試以外の物差しを4つ紹介します。
読み終えたときには、次の模試を待たずに今週から使える自己診断の手順が手元に残ります。
模試の偏差値が測っているもの
模試の偏差値は、あなたの学力そのものを表す数字ではありません。
その模試を受けた集団の中での位置を表す数字です。
同じ答案でも、受験者層が変われば偏差値は動きます。
ここから2つのことが言えます。
- 母集団が変わると比較できない。学校で受ける模試と、志望校別の冠模試では、同じ実力でも偏差値の出方が違います
- 監督のない環境では、順位と判定の精度が落ちる。自宅受験では時間管理も採点も自己申告になるため、集団の中での位置を示す数字としては弱くなります
一方で、模試の問題そのものの価値は変わりません。
作問された良質な問題であることに違いはないからです。
自宅受験の模試は「順位を知る道具」としては弱くても、「今の自分がどこまで解けるかを知る道具」としては十分に使えます。
模試以外の4つの物差し
模試が受けられない期間に使える物差しを、精度と手軽さで並べます。
| 物差し | 測れるもの | かかる時間 | 向いている時期 |
|---|---|---|---|
| 志望校の過去問 | 合格ラインまでの距離 | 1科目60〜90分 | 高3の夏以降 |
| 共通テストの過去問・試作問題 | 基礎の抜けと処理速度 | 1科目60〜80分 | 高2の冬以降 |
| 参考書の確認テスト | 覚えた内容の定着度 | 1回15〜30分 | 全学年・毎週 |
| 過去の模試の解き直し | 前回からの伸び | 1科目60分 | いつでも |
この4つは、どれも他人との比較を使いません。
過去の自分と、志望校の要求水準との比較で成り立っています。
だから受験者数や母集団に左右されません。
過去問の得点率で測る手順
いちばん精度が高いのは、志望校の過去問を時間どおりに解くことです。
順番は次のとおりです。
- 志望校の過去問を1年分用意する。赤本でも大学が公開している問題でもかまいません
- 本番と同じ試験時間で解く。途中で辞書や参考書を見ない
- 自己採点する。記述式は部分点の基準が分からないので、厳しめに付ける
- 合格最低点と比べる。赤本や大学の公表資料に載っている場合は、そこからの差を出す
- 落とした問題を「知らなかった」「知っていたが解けなかった」「時間が足りなかった」の3つに分ける
5番目の分類がこの手順の中心です。
「知らなかった」が多ければ参考書の周回が足りていません。
「知っていたが解けなかった」が多ければ演習量が足りていません。
「時間が足りなかった」が多ければ、解く順番と捨て問の判断を練習する段階です。
同じ点数でも、次にやることが変わります。
共通テストを使う場合は、試験時間を守ることがそのまま診断になります。
令和9年度の共通テストは、英語リーディングが80分100点、リスニングが60分(うち解答時間30分)100点、『数学Ⅰ,数学A』が70分100点、『数学Ⅱ,数学B,数学C』が70分100点、国語が90分200点、『情報Ⅰ』が60分100点です(大学入試センター 令和9年度大学入学共通テスト)。
この時間内で解ききれるかどうかは、模試を受けなくても自分で確かめられます。
参考書の到達度で測る
大曽根校で毎週使っているのが、参考書の確認テストです。
1冊の参考書について、範囲を決めて時間を計り、何も見ずに解けるかを確かめます。
確認テストで見ているのは3点です。
- 正答率。8割を超えていなければ、次の範囲に進まず同じ範囲をもう一度回します
- 所要時間。答えは合っていても時間がかかりすぎている場合は、まだ「使える」状態ではありません
- 説明できるか。なぜその解法を選んだのかを口に出して説明できれば、初見の問題でも同じ判断ができます
この3点は、模試の偏差値より早く動きます。
偏差値は数か月に一度しか出ませんが、確認テストは毎週出ます。
伸びているかどうかを短い間隔で知りたいなら、参考書の到達度のほうが実用的です。
自宅受験の模試を無駄にしない5つのルール
自宅で模試を受けるとき、次の5つを守るだけで診断の精度は上がります。
| ルール | 理由 |
|---|---|
| 試験時間を1分も延ばさない | 時間内に解ける量が本番の得点を決めるため |
| スマートフォンは別の部屋に置く | 中断が入ると処理速度の測定にならないため |
| 自己採点は当日中に終える | 記憶が残っているうちのほうが原因を特定できるため |
| 記述は厳しめに採点する | 甘く付けると本番との差が見えなくなるため |
| 判定より各科目の得点率を見る | 判定は母集団に左右されるが得点率は左右されないため |
判定が信用できないと感じるときほど、判定の欄を見るのをやめて、科目ごとの得点率と失点の内訳を見てください。
志望校の合格最低点との差は、判定に関係なく計算できます。
学年別に見る自己診断の使い方
学年によって、使うべき物差しは変わります。
- 高1:定期テストと参考書の確認テストが中心です。過去問はまだ早いので、英単語と数学の基礎問題集をどこまで固めたかで測ります
- 高2:共通テストの過去問を1年分だけ解いて、時間内にどこまで届くかを確かめます。点数が低くても問題ありません。今の距離を知ることが目的です
- 高3:志望校の過去問を軸にします。夏までは科目ごと、秋以降は年度ごとに通しで解き、合格最低点との差を毎回記録します
どの学年でも、記録を残すことが条件です。
日付・科目・得点率・落とした問題の分類。
この4つを1行で残しておくと、3か月後に自分の伸びを確かめられます。
模試の成績表と同じ役割を、自分のノートが果たします。
よくある質問
模試を受けなくても志望校の合格可能性は分かりますか
判定という形では分かりません。
ただし、志望校の過去問を本番と同じ時間で解いて合格最低点と比べれば、合格ラインまでの距離は点数として出ます。
判定より具体的な情報です。
高3の夏以降は、判定よりこちらを軸に計画を組んでください。
自宅受験の模試の偏差値は信じてよいですか
順位と判定は参考程度に見てください。
時間管理と採点が自己申告になるため、集団の中での位置を示す数字としては精度が落ちます。
一方で、科目ごとの得点率と、どの分野を落としたかという情報は、環境に関係なく使えます。
名古屋の高校生は次の模試まで何をすればよいですか
模試と模試の間は、参考書の確認テストで週単位の伸びを測るのが現実的です。
大曽根校では毎週1回、決めた範囲の確認テストを行い、8割に届かなければ次に進まない形で進度を管理しています。
次の模試の結果を待つ必要はありません。
まとめ
- 模試の偏差値は集団の中での位置を表す数字で、母集団が変われば動きます
- 模試が使えない期間は、志望校の過去問・共通テストの過去問・参考書の確認テスト・過去の模試の解き直しの4つで測れます
- 過去問は「知らなかった」「知っていたが解けなかった」「時間が足りなかった」の3分類まで行うと、次にやることが決まります
- 自宅受験の模試は、判定ではなく科目ごとの得点率と失点の内訳を見てください
武田塾大曽根校の無料受験相談では、今の学力を過去問と参考書のどちらで測るのが適切かを学年と志望校から判断し、次の1か月で何を確かめるかを一緒に決めます。
模試の結果を持ってきていただければ、失点の内訳から原因を分けるところまでその場で行います。
大学受験の勉強法でお悩みなら、武田塾大曽根校の無料受験相談へ
入塾を決めていなくても受けられます。
志望校と今の学力を確認して、その場で次の3つをお渡しします。
- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
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