名古屋大学文学部の一般選抜は前期日程だけで、募集人員は110名です。
配点は共通テスト950点に対して個別学力検査1,200点で、二次試験のほうが重い構成になっています。
二次では国語・地歴・外国語に加えて数学が課されます。
「名大の文系を目指したいが、二次で数学があると聞いて迷っている」「文学部はどのくらいの点で受かるのか」。
武田塾大曽根校の受験相談で、名大志望の高校生からよく出る質問です。
この記事では、名古屋大学文学部の入試を、募集人員・配点・実際の合格者得点率という3つの数字から整理します。
大曽根校の校舎長がまとめました。
数字はすべて大学が公表している入学者選抜要項からの引用です。
文学部の入試は前期日程と推薦の2つ
令和9年度の募集人員は次のとおりです。
| 選抜区分 | 募集人員 |
|---|---|
| 一般選抜 前期日程 | 110名 |
| 学校推薦型選抜(大学入学共通テストを課さない) | 15名 |
| 合計 | 125名 |
名古屋大学の後期日程は医学部医学科だけなので、文学部に後期はありません。
一般選抜で受けられるのは前期日程の1回だけです。
また、文学部は学科や専攻を分けずに一括で募集します。
理学部や工学部のように学科ごとの出願にはなりません。
専門分野は入学後に選ぶ形です(名古屋大学 人文学研究科・文学部)。
一般選抜前期の配点
前期日程の配点は次のとおりです。
試験日は2月25日・26日の2日間です。
| 区分 | 国語 | 地歴・公民 | 数学 | 理科 | 外国語 | 情報 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 共通テスト | 200 | 200 | 200 | 100 | 200 | 50 | 950 |
| 個別学力検査 | 400 | 200 | 200 | ― | 400 | ― | 1,200 |
| 計 | 600 | 400 | 400 | 100 | 600 | 50 | 2,150 |
読み取るべき点は3つあります。
- 個別学力検査が1,200点で、共通テスト950点より重い配点です。共通テストで多少崩れても、二次で戻せる構造になっています
- 二次の中では国語400点と外国語400点が主役です。この2科目で二次の3分の2を占めます
- 文学部は2段階選抜(いわゆる足切り)を実施しません。共通テストの点で出願前に切られることはありません
個別学力検査の出題範囲は、国語が「現代の国語・言語文化・論理国語・文学国語・古典探究」、地歴が地理総合・地理探究/歴史総合・日本史探究/歴史総合・世界史探究から1つ、数学が数Ⅰ・数Ⅱ・数A・数B・数C、外国語が英語です。
二次で数学が必要な理由
名古屋大学は、文学部の個別学力検査に数学を課す理由を入学者選抜要項の中で説明しています。
論理的な思考力も人文学分野の研究に必要な基礎的な学力の一部である、という考え方です。
つまり、数学は「文系だから軽くていい科目」ではなく、文学部が意図して残している科目です。
二次の数学は200点で、国語や英語の半分の配点ですが、ここを捨てると2,150点満点のうち200点を最初から失うことになります。
出題範囲は数Ⅲを含みません。
数Ⅰ・数Ⅱ・数A・数B・数Cまでを、標準レベルの問題集で確実に処理できる状態にしておくことが目標になります。
理系のような難問対応より、基礎問題を落とさない精度のほうが得点につながります。
合格に必要な得点率
名古屋大学は合格者の得点率を公表しています。
令和8年度の文学部前期日程は次のとおりでした。
| 区分 | 満点 | 合格者の平均得点率 |
|---|---|---|
| 共通テスト | 950 | 82.25% |
| 個別学力検査 | 1,200 | 62.43% |
| 総合 | 2,150 | 71.19%(最高78.56%・最低67.49%) |
出典:名古屋大学 令和9年度入学者選抜要項(令和8年度入学試験の結果を掲載)
共通テストで8割強、二次で6割強というのが合格者の平均像です。
総合の最低が67.49%なので、2,150点満点でおよそ1,450点が合格ラインの目安になります。
志願状況は、募集人員110名に対して志願者230名、受験者222名、合格者115名でした。
志願倍率は2.1倍です。
倍率だけ見れば高くありませんが、名古屋大学を受ける層の中での2倍なので、必要な得点率は上の表のとおり高い水準です。
共通テストで必要な科目
共通テストは6教科8科目または7教科8科目です。
内訳は次のとおりです。
- 国語
- 地理歴史(地理総合・地理探究/歴史総合・日本史探究/歴史総合・世界史探究)と公民(公共・倫理/公共・政治経済)から2科目
- 数学(数Ⅰ・数Aと、数Ⅱ・数B・数C)
- 理科(物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎から2つの内容の問題を選択)
- 外国語(英語・ドイツ語・フランス語・中国語・韓国語から1)
- 情報Ⅰ
理科は基礎科目で足ります。
情報Ⅰが50点分あるので、対策の時間を年間計画に入れておいてください。
地歴公民を2科目使う点も、私立文系の3教科型とは大きく違うところです。
共通テストを課さない学校推薦型選抜
名古屋大学の学校推薦型選抜は基本的に共通テストを課しますが、文学部だけは共通テストを課さない方式です。
判定は調査書、志願理由書などの提出書類、小論文、面接で行われます。
出願時には、外国語の能力を示すスコアやIB(国際的な教育プログラム)のスコア、スーパーサイエンスハイスクールでの活動状況に関する書類を提出できます。
令和8年度は募集人員15名に対して志願者41名、第1次選考を通過した受験者31名、合格者15名でした。
出願期間は11月上旬で、一般選抜よりかなり早い時期です。
共通テストを課さないため、文学部への志望がはっきりしている人にとっては早い時期に決着をつけられる選択肢になります。
ただし小論文と面接で判定されるので、書く力と話す力の準備が必要です。
高2のうちから志望理由を文章にしておくと、出願直前に慌てずに済みます。
大曽根校で伝えている名大文学部志望の勉強の順番
| 時期 | やること |
|---|---|
| 高1〜高2前半 | 英単語・英文法・古文単語と文法・数学ⅠAⅡBCの基礎問題集を1冊ずつ終える |
| 高2後半 | 地歴を1科目決めて通史を進める。共通テストで使う2科目目も決める |
| 高3の春 | 二次で使う国語・英語・数学・地歴の標準レベルへ進む |
| 高3の夏 | 二次の過去問を1年分解き、国語と英語の記述量を体感する |
| 高3の秋 | 二次の過去問演習と、情報Ⅰ・理科基礎の共通テスト対策を並行 |
| 高3の冬 | 共通テストの得点率を上げ、終了後は二次の記述演習に戻す |
配点が二次寄りなので、共通テスト後に切り替える時間を確保できるかが鍵になります。
共通テスト対策を秋から始めて二次の記述が止まる、という形がいちばんもったいない使い方です。
よくある質問
名古屋大学文学部の二次試験に数学はありますか
あります。
個別学力検査は国語400点・地歴200点・数学200点・外国語400点の4科目で、数学の範囲は数Ⅰ・数Ⅱ・数A・数B・数Cです。
数Ⅲは含まれません。
大学は、論理的な思考力も人文学分野の研究に必要な学力の一部であることを、数学を課す理由として説明しています。
名古屋大学文学部は何点取れば合格できますか
令和8年度の合格者は、総合2,150点満点で最低67.49%、平均71.19%でした。
得点に直すと、およそ1,450点が合格ラインの目安です。
共通テストで8割強、二次で6割強という配分が合格者の平均像になります。
名古屋大学文学部に後期日程はありますか
ありません。
名古屋大学で後期日程を実施するのは医学部医学科だけです。
文学部を一般選抜で受けられるのは前期日程の1回なので、共通テストを課さない学校推薦型選抜を併せて検討する価値があります。
まとめ
- 名古屋大学文学部の募集人員は前期日程110名と学校推薦型選抜15名の計125名です
- 配点は共通テスト950点・個別学力検査1,200点の合計2,150点で、二次のほうが重い構成です
- 二次は国語400・地歴200・数学200・外国語400の4科目。数学は数Ⅲを含みません
- 令和8年度の合格者は総合で最低67.49%・平均71.19%でした
- 文学部だけが共通テストを課さない学校推薦型選抜を実施しています。小論文と面接で判定されます
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