受験相談の声

名古屋大学の社会選択科目の選び方|大曽根校が解説

「名大志望ですが、社会は何を取ればいいですか」。
武田塾大曽根校で、高1の科目選択の時期にいちばん多く受ける質問です。

社会の選択は、一度決めると高3まで変えにくい判断です。
しかも文系と理系で必要な科目数が違い、選んではいけない組み合わせもあります。
この記事では、名古屋大学が公表している令和9年度の入学者選抜要項をもとに、使える科目・学部別の科目数と配点・選べない組み合わせ・選び方の手順を整理します。
大曽根校の校舎長がまとめました。

結論を先に書きます。
名古屋大学の一般選抜では、共通テストの地理歴史・公民として5つの科目が使えます。
文学部・法学部・経済学部と情報学部人間・社会情報学科は2科目で200点、理学部・工学部・医学部・農学部などは1科目で100点です。
教育学部だけは理科との組み合わせで科目数が変わります。
まず自分の志望学部が何科目必要かを確認してから、科目の中身を比べてください。

名古屋大学で使える地理歴史・公民の科目

令和9年度入学者選抜要項に記載されている科目は次の5つです。

教科 科目名
地理歴史 『地理総合,地理探究』
地理歴史 『歴史総合,日本史探究』
地理歴史 『歴史総合,世界史探究』
公民 『公共,倫理』
公民 『公共,政治・経済』

出典:名古屋大学 令和9年度入学者選抜要項

数年前の情報を載せたサイトでは「倫理、政治・経済」「現代社会」といった科目名が並んでいることがありますが、現在の共通テストにこれらの区分はありません。
公民は『公共,倫理』と『公共,政治・経済』の2つで、どちらにも「公共」が含まれます。
志望校の科目は必ず大学の公式要項で確認してください。

学部別の科目数と配点

要項の「一般選抜の実施教科・科目等」から、地理歴史・公民の扱いを学部ごとにまとめます。
いずれも前期日程です。
共通テストの配点合計は学部によって違うため、あわせて載せます。

学部・学科 地歴・公民の科目数 地歴・公民の配点 共通テストの配点合計
文学部 2科目 200点 950点
法学部 2科目 200点 950点
経済学部 2科目 200点 950点
情報学部 人間・社会情報学科 2科目 200点 950点
教育学部 1科目または2科目 100点または200点 950点
情報学部 自然情報学科 1科目 100点 950点
情報学部 コンピュータ科学科 1科目 100点 950点
理学部 1科目 100点 900点
医学部 医学科 1科目 100点 950点
医学部 保健学科 1科目 100点 950点
工学部 1科目 100点 635点
農学部 1科目 100点 950点

理系学部は100点、文系学部は200点です。
共通テストの合計に対する社会の比率で見ると、文系学部は2割、理系学部は1割前後になります。
工学部だけは共通テストの合計が635点と低く換算されるため、社会1科目の重みが理系のなかでは相対的に大きくなります。
この差が、後で書く「どこまで時間をかけるか」の判断につながります。

選べない組み合わせと第1解答科目のルール

要項の注記に、間違えると出願できなくなるルールが2つ書かれています。

1つ目は組み合わせの制限です。
地歴・公民を2科目受験する場合、『公共,倫理』と『公共,政治・経済』の組み合わせを選択することはできません。
つまり文系で2科目必要な学部では、少なくとも1科目は地理歴史から選ぶ必要があります。
「公民2つで軽く済ませる」という選び方はできません。

2つ目は第1解答科目のルールです。
指定された教科・科目数を超えて受験した場合、第1解答科目の成績が使われます。
そして第1解答科目が指定された科目でない場合は、出願そのものができません。
理系で1科目しか使わないのに2科目受験するなら、使いたいほうの科目を第1解答科目にしなければならないということです。
試験当日の解答順は、出願できるかどうかに直結します。

教育学部だけ扱いが違う

教育学部は、地歴・公民と理科をまとめた選択になっています。
要項には次のように書かれています。

地歴・公民および理科をそれぞれ2科目受験し、いずれも有効な場合は、地歴・公民の第1解答科目、理科の第1解答科目に加えて、地歴・公民と理科の第2解答科目のうちから高得点の1科目を採用します。

また、理科で同一名称を付した内容の組み合わせ(「物理基礎、化学基礎」と「物理」など)は選べません。
この組み合わせで受験した場合は第1解答科目のみが有効になります。

教育学部を志望する場合は、社会を単独で考えず、理科と合わせてどの4科目を受けるかを設計してください。
他の学部より選択の自由度が高いぶん、決め方が複雑です。

個別試験でも社会を使う学部がある

見落とされやすいのですが、名古屋大学には共通テストだけでなく個別学力検査で地理歴史を課す学部があります。

  • 文学部:外国語・地理歴史・数学・国語の4科目。地理歴史は「地総・地探」「歴総・日探」「歴総・世探」から1科目を選び、配点は400点です。試験は2月25日13:45〜15:15に実施されます
  • 情報学部 人間・社会情報学科:個別学力検査で地理歴史と数学の選択になっています
  • 法学部:小論文が「高等学校の地歴、公民の学習を前提とする」問題として出題されます。要項では、課題文を理解するために必要な基礎的な学力を有しているかを評価すると説明されています

文学部を志望するなら、社会の選択は共通テストだけの問題ではありません。
記述で戦える科目を選ぶ必要があります。
共通テストで点が取りやすいかどうかだけで決めると、高3で苦しくなります。

4科目の性格の違い

以下は大曽根校で生徒の相談を受けるなかで見えている傾向です。
得点率などの数値は公表されていないため、性格の違いとして読んでください。

科目 学習の中心 仕上がるまでの時間 向いている人
歴史総合,日本史探究 時代の縦のつながりを追う 長い 社会を得点源にしたい人、細かい知識を覚えるのが苦にならない人
歴史総合,世界史探究 同時代の各地域の横のつながりを追う 長い 地域の位置関係をつかむのが得意な人、地理と併用する人
地理総合,地理探究 資料の読み取りと考察 短い 暗記より考えるほうが得意な人、理系で時間を確保したい人
公共,政治・経済 制度と時事の理解 中くらい 社会科学系の学部を志望する人
公共,倫理 思想の内容と文章の読解 中くらい 国語の読解が得意な人

歴史の2科目は覚える量が多いぶん、仕上げれば安定して得点できます。
地理は覚える量が少なく短い時間で形になりますが、資料読解の比重が高いので、暗記量に比例して点が伸びるタイプの科目ではありません。

文系で2科目必要な学部では、地理歴史から1科目を選んだうえで、もう1科目を地理歴史から選ぶか公民から選ぶかを決めます。
世界史と地理のように地域の知識が重なる組み合わせ、日本史と『公共,政治・経済』のように近現代の知識が重なる組み合わせは、覚える内容の重複があります。

選び方の手順

大曽根校で科目選択の相談を受けるときの順番です。

  1. 志望学部の要項で、地歴・公民が何科目・何点かを確認する
  2. 個別学力検査で地理歴史を使うかどうかを確認する(文学部、情報学部人間・社会情報学科)
  3. 高校で開講されている科目を確認する。学校で習わない科目は独学の負担が増える
  4. 2科目必要なら、地理歴史から1科目を必ず入れたうえで、知識の重なる組み合わせを選ぶ
  5. 理系なら、理科と数学に使う時間を確保できる科目を選ぶ

3の「高校で開講されているか」は、実際にはいちばん効く条件です。
学校の授業と定期テストが受験勉強を兼ねるかどうかで、社会に必要な総時間が変わります。

理系の場合、社会は共通テストのなかで100点です。
理学部なら900点中の100点、工学部なら635点中の100点にあたります。
ここに時間をかけすぎると、配点の大きい数学と理科が削られます。
仕上げるまでの時間が短い科目を選ぶ判断には、それだけの理由があります。

よくある質問

名古屋大学の文系学部は社会が何科目必要ですか

文学部・法学部・経済学部と情報学部人間・社会情報学科は、共通テストの地理歴史・公民から2科目、配点は200点です。
ただし『公共,倫理』と『公共,政治・経済』の組み合わせは選べないため、少なくとも1科目は地理歴史から選ぶことになります。

理系で社会を1科目だけ受ける場合、当日の解答順に注意点はありますか

あります。
要項では、指定した教科・科目数を超えて受験した場合は第1解答科目の成績を用いること、第1解答科目が指定した科目でない場合は出願できないことが定められています。
2科目受験する場合は、使いたい科目を第1解答科目として解答してください。

社会の選択はいつまでに決めればいいですか

高2に進級する前の科目選択の時期です。
高校の時間割で履修する科目が決まるため、後から変えると独学の負担が大きくなります。
志望学部が固まっていない段階でも、文系か理系か、そして志望校の必要科目数だけは先に確認しておいてください。

まとめ

  • 名古屋大学の共通テストで使える地理歴史・公民は5科目。旧課程の「現代社会」「倫理、政治・経済」という区分はない
  • 文系学部と情報学部人間・社会情報学科は2科目200点、理系学部は1科目100点。教育学部だけ理科との組み合わせで変わる
  • 2科目受験では『公共,倫理』と『公共,政治・経済』の組み合わせが選べない。第1解答科目のルールにも注意する
  • 文学部は個別学力検査でも地理歴史400点があり、記述で戦える科目を選ぶ必要がある

武田塾大曽根校の無料受験相談では、志望学部の要項を一緒に開いて必要な科目数と配点を確認し、高校で開講されている科目と残り時間から、あなたに合う社会の組み合わせと仕上げる時期を決めます。
科目選択の前でもご相談ください。

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