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【日本史マニア必見】城の歴史ー戦争の歴史を辿ってー(弥生~南北朝時代)

日本の城の歴史について戦争の歴史と共に・・・(弥生~南北朝時代)

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皆さんこんにちは!

E判定から逆転合格でお馴染みの、武田塾尾張旭校です!!

 

今回は、日本の城の歴史について戦争を辿りながら

弥生時代から南北朝時代まで紹介します。

ぜひ、城や日本史への興味に繋げてください。

                     

日本の城の歴史って?

 皆さんは城と聞いて、どんなものを思い浮かべますか?

恐らく、姫路城や大阪城、名古屋城のような天守がある城を思い浮かべるのではないでしょうか。

しかし、日本にある城はそれだけではなく、「えっ⁉これが城なの⁉」と思われるものも

あります。

城とは本来は塁や柵やお堀などを設けて敵からの攻撃を防ぐために造られたものを言います。

これから、時代ごとの城をその時代にあった戦争・戦いと一緒に見ていきます。

 

弥生時代

 日本の城の中には日本城郭協会が定めた「日本100名城」に数えられているものがあります。

その中にはなんと吉野ケ里遺跡が含まれているんです!!

吉野ケ里遺跡の名前は皆さん一度は耳にしたことがあると思います。

吉野ケ里遺跡は佐賀県にある弥生時代の遺跡です。

皆さんは「吉野ケ里遺跡が城?なに言ってんだ?」と思うかもしれません。

しかし、日本史で環濠集落高地性集落を習ったことがあると思います。

実はこれらは城のルーツになっているんです。

ここで皆さんに思い出してほしいことがあります。

弥生時代は、あることが始まった時代なのです。それは・・・ずばり「戦争」です。

そもそも敵がいなければ、城を作る必要がありません。

弥生時代に戦争が始まり、敵が現れたからこそ、攻撃を防ぐために

環濠集落や高地性集落が造られたのです。

話しは戻りますが吉野ケ里遺跡は日本最大の環濠集落でれっきとした城のルーツである。

故に、日本100名城に含まれていても何ら不思議なことではないんです。

 

飛鳥・奈良・平安時代

 皆さん、飛鳥時代に起きた白村江の戦いをご存じだろうか。

白村江の戦いとは663年に起きた日本初の対外戦争です。

この戦いで日本(当時は倭)は友好関係にあった百済の復興の支援のために

唐・新羅の連合軍と戦い敗北する。

この戦いで百済の復興の可能性が無くなり、その後668年に高句麗が滅ぶ。

これにより、倭国内では、「次は倭国が攻められるかもしれない」と緊張が走る。

そこで、対外防衛のために朝鮮式山城神籠石系山城(こうごいしけいやまじろ)などの「古代山城」水城が造られた。

ちなみに朝鮮式山城と神籠石系山城の違いは特になく、文献に記載されているか否かの違い。

文献に記載されているものを朝鮮式山城、されていないものを神籠石系山城と呼び分けている。

朝鮮式山城で有名なのは大野城。神籠石系山城で有名なのは鬼ノ城(きのじょう)だろう。

これらの城はどちらも「日本100名城」に指定されている城である。

まずは大野城だが、こちらは日本史の教科書にも出てくる城なので知っている人も多いのではないだろうか。

大野城は今の福岡県にあった城である。

この城は新羅・唐の軍の襲来から大宰府地域を防衛するために築かれたしろのひとつ。

次に鬼ノ城だが、こちらは岡山県にあった城である。

この城は岡山県の鬼城山に築かれた古代山城である。

この城については書物などには出てこないことから定かではないが、

この城が造られた地域は陸海と大和地域に至る要所にあった為、大和地域に侵攻する敵に対しての

防衛が目的ではないかと考える。

ここまで代表的な朝鮮式山城と神籠石系山城を紹介してきたが、どちらもやはり戦争に備えた

城であったことが分かる。

 

次に紹介するのは城柵(じょうさく)だ。

城柵とは東北に住んでいた蝦夷という人々に備えた軍事施設(鎮所という)であり、東北の人々を統治する施設であった。

日本の城柵は「『日本書紀』の大化三年是歳条」「造渟足柵、置柵戸」とあるため

大化三年に渟足柵(ぬたりのき)を造り、柵戸(きのへ)を置いたことが初めて城柵だと考えられます。

渟足柵のあとは磐舟柵、出羽柵と続き、このような施設は鎮守府に改称され、

多賀城、秋田城、胆沢城、志波城、徳丹城まで古代城柵は続いた。

 

このように飛鳥時代から平安時代にかけて古代山城や水城、城柵と様々な城が築かれてきた。

そして、古代山城や水城は外国、城柵は蝦夷と戦いに備えていたことが分かる。

 

鎌倉時代

 鎌倉時代において最も有名な城は鎌倉城であろう。

鎌倉城とは想像するような城ではなく、鎌倉全体のことを指す。

鎌倉が城といわれる理由は、鎌倉自体が天然の要害の地にあったことだ。

当時にも藤原兼実の『玉葉』に「頼朝去月五日出鎌倉城」(『玉葉』寿永二年十一月二日条)や

「頼朝起相模鎌倉〔之〕城」(『玉葉』寿永二年十月二十五日条)など鎌倉城と表す記載もあった。

東、北、西は丘陵に囲まれ、南は相模湾に面している。

実際に1333年に新田義貞が鎌倉攻めをするが、その時に鎌倉の丘陵に大苦戦したという。

ただし、『玉葉』以外に鎌倉城という表し方をしている史料は無いため、

鎌倉を城と呼んでよいかは些か疑問である。

 

また、鎌倉時代には蒙古襲来があった。

蒙古襲来とは、日本がモンゴル帝国第五代大ハーンで元朝初代皇帝のフビライ=ハンの

要求に応えなかったことから、

1274年(文永の役)と1281年(弘安の役)の二度に渡って侵攻してきた出来事のことを指す。

その1274年の文永の役後に防塁(石築地)が造られたが、この防塁も

敵からの防衛を目的としているため、城と定義できるのではないか。

 

このように、鎌倉時代にできた城も戦いに備えて造られた。

そして、実際に攻め込まれた際は敵の侵攻をしっかりと防衛していた。

 

南北朝時代

 南北朝時代は動乱の時代である。この時代に、様々な山城が造られた。

この時代の山城は、戦国時代の山城とは違い、尾根筋に展開する多くの砦群の集合体であった。

さらに、自然要害の地にあった密教系山岳寺院を城郭化することもあった。

他にも、南北朝時代の山城は九州から東北へと日本中に分布しているが、

これらは戦乱が日本全国に広がったからである。

 

このように、動乱の時代の南北朝時代には、動乱の大きさ、長さに比例して、

城の数が多くなっていることが分かる。

 

まとめ

 これまで弥生時代から南北朝時代までの城をざっと見ていきました。

そして、城の歴史は日本の戦争の歴史でもある、戦争が無ければ、城は造られなかった

ということが少しでも分かったのではないでしょうか。

南北朝時代までの城は皆さんが想像する城とは違っていたかもしれません。

ですが、城の歴史はまだまだ続きます。

むしろ、次の戦国時代が城の全盛期だと言えるのではないでしょうか。

次回は、戦国時代からの城の歴史について紹介していきたいと思います。

 

参考・出典

加藤理文『よくわかる 日本の城 日本城郭検定公式参考書』、ワン・パブリッシング、2020年11月6日

国立国会図書館デジタルコレクション 藤原兼実『玉葉』第二 https://dl.ndl.go.jp/ja/pid/1920201/1/331

                                                                                     https://dl.ndl.go.jp/ja/pid/1920201/1/334

      

         

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