こんにちは!武田塾太田川校です!
突然ですが皆さん、古文の勉強やっていますか???
数学や英語に比べて、国語教科ってなかなか「勉強しなきゃ!」という焦りが生まれにくいですよね。
その結果、受験生になるまで手つかず→もう手に負えない、古文が必要ない大学を受験します!なんて受験生もチラホラ。
でも「志望校が古文必須なんです!!!」という受験生の方もいらっしゃいますよね。
今回はそんな方向けに、古文で「するべき」こととその勉強方法を解説していきます!
古文で「するべき」こと6つ
さて、皆さんは古文で「勉強すること」と聞いて、何を思い浮かべますか?
大体の人は、英語と同じように
1.単語
2.文法
3.読解
の3つを勉強すればいい、と思うかもしれません。
確かに、単語・文法がわからなかったら文章自体読めませんし、読解の練習をしなくては、本番で太刀打ちできませんよね。
・・・・・・でも実は、それだけじゃ足りないんです。
古文の勉強は、上記の3つに加えて、
4.古文常識
5.文学史
6.和歌読解
が必要になることがあります。
ただ、全員が全員4・5・6が必要かと言われれば、そうではありません。
そのあたりの詳しいことは、次の項目で解説します。
古文にも難易度がある
大学にはそれぞれ「偏差値」や「難易度」といったものがあり、国公立や難関私立になるほど、問題が難しくなります。
「そんなの当たり前じゃないか!」と思った皆さん、それではシンキングタイム。
『英語』の問題の難易度を上げるために、問題の作成者が行っていることは何だと思いますか?
・・・・・・・・・・・・・・・いかがでしょう。
いくつか、「こうじゃないかな?」という意見が出たのではないでしょうか。
ちなみに、私が考えた答えは、
・問題文を長くする。
・あまり見かけない単語が沢山出てくる文章を出題する。
・記述で解答する問題を多くする。
の3つです(ほかにも解答はあると思いますが、ぱっと思いついたのは上記の3つです)。
それでは、次の質問です。
『古文』の問題の難易度を上げるために、問題の作成者が行っていることは何だと思いますか?
・・・・・・・・・・・・・・・いかがでしょう。『英語』のときとは違う答えが出ましたか?
さて、勘の良い方はすでに気付かれているかもしれませんが、ここでのアンサーは、
・古文常識が必要な問題を出す。
・文学史に絡めた問題を出す。
・和歌読解を出題する。
になります。先ほどみた「古文で勉強するべき項目」の4~6のことですね。
古文常識・文学史・和歌読解は、そこまで手が回っていない受験生が多いため、
この分野を出題すると一気に問題の難易度を上げることができます。
実際に早稲田や名古屋大学では、和歌読解の問題が出題されています。
難関大学を目指す人は、「古文常識・文学史・和歌読解」の勉強が欠かせない、ということですね。
裏を返せば、過去問で古文常識・文学史・和歌読解が問われていない大学を目指している人は、
「単語・文法・読解」をマスターすれば良いことになります。
古文常識って・・・何?
「自分は古文常識・文学史・和歌読解の勉強をした方が良さそう~・・・なんだけど、古文常識ってどんなやつ?」
となった方向けに、ここからは具体的に「古文常識・文学史・和歌読解」の解説をしていこうと思います。
まずは古文常識について。これは読んで字のごとく、「古文世界の常識」になります。
例として、2022年度の共通テストを取り上げてみましょう。
2022年度共通テスト・古文『とはずがたり』より
(女房が斎宮のもとから)帰り参りて、このよしを(院に)申す。 (院は)「ただ、寝たまふらむ所へ導け、導け」 と責めさせ給ふもむつかしければ、(後略)
一部抜粋でわかりにくいですが、院が女房をなぜ責め立てているか、説明できますか?
これを説明するためには、古文常識の一つである「当時の恋愛」を理解しておく必要があります。
古文世界における恋愛は、現代と異なる一連の「流れ」というものがあります。
おおよその流れは以下の通りです。
スタート:覗き見(垣間見)
↓
第1段階:手紙の交換、歌の贈答(懸想文)
↓
第2段階:男性が女性宅に押し掛ける
↓
第3段階:女性宅にて3日連泊(3日目の夜に餅を食べれば結婚成立)
↓
ゴール:定期的に妻宅へお出かけ(妻問い婚)
『とはずがたり』の抜粋部分は、一連の流れの中の「第2段階」に相当する部分です。
院が斎宮の家に押し掛けたいので、女房に手引きを頼んでいるんですね。
古文世界では、当人たちは勿論のこと、その従者たちも巻き込んで恋愛模様を展開していきます。
このあたりの古文常識を理解しておかないと、人物の心情や行動がわからなくなってしまいます。
今回は「恋愛」を例として挙げましたが、ほかにも、
「生活」「出家」「身分」など、知っておかなくてはいけないことは山ほどあります。
文学史って・・・何?
次に、文学史について説明します。
”文学史”と一言でいっても、正確には
・古代~近世(神話の時代から江戸時代まで)
・近現代(明治から現代まで)
の2つに大別されます。古文で必要とされるのは前者です。
文学史の問題としては、
「選択肢から同時代のものを選べ」
「選択肢から同じジャンルのものを選べ」
といった形態のものが出題されることが多いです。
2022年度共通テストでは、出題はなかったものの、問題文の中でジャンルへの言及がありました。
2022年度共通テスト・古文問4より
教師:【文章Ⅰ】は過去の人物や出来事などを後の時代の人が書いたものです。文学史では『歴史物語』と分類されていますね。
入試では、時代・ジャンルといった観点から古典文学を理解しておく必要があります。
和歌読解って・・・何?
最後に、和歌の読解について説明します。
正直、古文の中で一番難しいのが和歌だと思います(個人の感想)が、
基礎知識を身に付けておくだけで周囲との差は十分につきます。
和歌読解の勉強は、「和歌独特の技法」を理解することとイコールになります。
でも、この独特の技法がとにかく多いんです。
どれぐらい多いかというと、
・枕詞(ちはやふる、ひさかたの、など)
・序詞(みかの原わきて流るる泉川、など)
・掛詞(思ひ/火、秋/飽き、など)
・縁語(衣→着る・萎・褄・張る、など)
・歌枕(和歌でよく詠まれる地名)
・本歌取り
などなど。枕詞は例示した2つ以外にもありますし、
序詞は和歌ごとに変わってくるので、丸暗記で立ち向かえるものでもありません。
ただ、深追いしすぎる必要はなく(深く和歌を学ぶのは大学生になってからで十分)、
大学受験向けの参考書に載っているものを覚えておけばOKです。
おススメの参考書
以上、古文常識・文学史・和歌読解についてざっくり説明してみました。
ここまで読んで、「それぞれの内容は理解できたけど、実際どうやってその知識を身に付けるの?」と思った方に、
おススメの参考書をご案内します。
古文常識→『富井の古文読解をはじめからていねいに』
古文読解に必要な古文常識が、イラストを使って説明されています。
説明口調も柔らかく、一つの読みものとして楽しみながら学ぶことができます。
文学史→『SPEED攻略10日間国語文学史』
古代から現代にいたるまでの文学史がコンパクトにまとまっています。
ジャンルごとの章立てになっていますが、成立時期も図式化されているので大変わかりやすい一冊になっています。
和歌読解→『スピードインプット』
文法の参考書なのですが、後半に和歌修辞の技法が掲載されています。
基本事項&暗記事項が簡潔にまとまっているので、和歌初学者にピッタリの内容になっています。
おわりに
いかがだったでしょうか?
共通テストを引用しつつ、古文で「するべき」こと&おすすめの参考書を紹介しました。
ただ、
「参考書に自力で取り組む自信がない」
「古文常識・文学史以前に、単語や読解をどうにかしたい!」
という方もいらっしゃるかと思います。
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