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【大学院 修士が語る】大学院ってどんなとこ?~体験談編

こんにちは!
群馬県太田市の逆転合格専門個別指導塾「武田塾太田校」のK・Hです。

今回は大学院紹介シリーズ?第2弾です!前回の記事では大学院についての一般的な説明をしましたが、今回はさらに具体的に、より一歩踏み込んだお話をしようと思います!
実際に大学院に通っていた私自身の体験談や周囲の学生の様子など、あくまでも一例として参考にしていただけたらと思います。

また、今回の内容は理系大学院での研究活動に関わるお話がメインになると思いますので、院に行かなくとも研究室には所属するであろう理系大学を目指す方にとってもある程度参考になるかと思います。

研究

 

 

大学院ってなに?って状態の人はぜひ前回の内容もご覧になってくださいね。  
【大学院 修士が語る】大学院ってどんなとこ?~一般説明編

また、必ず理解しておいていただきたいことなのですが、ひとえに大学院と言ってもそこに存在する専門領域は多岐にわたりますし、それぞれの分野、大学、研究室単位で研究内容や学生生活は大きく変わります。
なので今回の内容はある特定の分野の一例にすぎないと前置きしておきます。ですので大学院での生活は必ずこうなる、とは思わないでくださいね。
「ああ、こんな学生生活もあるんだなあ」くらいの感覚で読んでもらえると嬉しいです。

志望校がある程度決まっている人や研究に少しでも興味のある人は夏休み中オープンキャンパスなども利用して先輩の生の声を聞いてみるのもオススメします。
【2019年度】MARCHのオープンキャンパス日程まとめ!

 

どんな大学に通っていたか

私は東北大学理学部化学科を卒業し、同大学院理学研究科化学専攻博士前期(修士)課程へ進みました。
学部と院で微妙に名称が異なりますが、学部(大学)→研究科(大学院)、科(大学)→専攻(大学院) のように基本的には大学と院で名称が機械的に変化しているようなものだと思っていただいて結構です(大学によって様々な名称、体制になっていることもあります)。

キャンパスは宮城県仙台市に位置します。東北大学は「研究第一」を理念の一つに掲げ、仙台市は栄えていながらも落ち着きのある都市なので勉学には良好な環境でした。

 

 

 

仙台市での暮らしや観光、遊ぶ場所など知りたい方はこちらの記事で紹介されていますのでぜひご覧ください。  
【バーチャル大学訪問シリーズ】東北大学周辺スポットを見てみよう

また、院に進む場合、進学先は学部生の時に所属していた学科やその研究室でなければいけない、なんて縛りは全くありません
それぞれの大学院学部学科ごとに入学資格の条件は多少異なりますが、大学受験のように様々な大学院を進学先として選択することは可能です。
僕の周りでも別研究室へ進んだ人、別大学の院に進んだ人、専門分野をがらっと変えた人、様々な人がいました。

もちろん専攻を大きく変えるには勉強量的にも大きな努力が必要ですし内部進学者の方が多い傾向はあるので人間関係の構築などでも苦労はするかもしれません。
ですが、その分新しい学びもあるでしょうし、学部生のうちに興味関心の対象が変わったとしても努力次第で専門分野を変えることはできるので、それは知っておくといいかもしれません。

ガッツ

 

 

キャンパスの場所

私が修士時代に通っていたキャンパスは青葉山キャンパスと呼ばれるところです。
そこは理学部と薬学部が並んでおり、少し離れた場所に工学部が設置されています。
青葉山という名称からもわかるようにキャンパスがあるのはなんと

山の中

通学には坂道を通らないといけないので多くの学生が原付バイクで通っていました。
雪や雨が降ると冬は路面の凍結があり通学はとても大変です;; 
学内バスや市バス、地下鉄の駅もキャンパス近くにありますのでとくに悪天候時には公共交通機関のありがたみを実感します。
私自身は天気がいい日などは徒歩で通学(山登り…!)することもありました。

 

tozan

 

山登りといっても傾斜はきつすぎるほどではないですし、通学路の途中には植物園もあり、緑に囲まれた道を歩くことは研究ばかりの生活の気分転換にちょうど良かったです。

このように市街地から離れた場所にキャンパスがある大学は割とあります(特に理系キャンパス)
大学の立地は生活に強く影響するでしょうから志望校決めの際には気にしてみると良いでしょう。

 

 

学生の雰囲気

当時(数年前)の学生の雰囲気ですが基本的には物静か穏やかな人が多かったと思います。

 

学生イメージ

院進率8割超のためか学部生と修士でそこまで大きく性格が違うということもなかったと思います。
が、当たり前のことかもしれませんが、学部生より修士の方のほうが学問への理解や関心が深いところがあったと思います。
研究生活を続けることで学問への関心はより高まるでしょうしそもそも関心が薄い人は修士まで進まないということもありそうです。
また、博士課程の学生は将来の教授候補とも言える方々だけあって、とてもエネルギッシュで個性豊かな印象がありました。

 

 

研究活動

東北大学理学部化学科では学部3年の後期に研究室に配属されます(一般的には4年生前期に配属という大学が多いようです)。
そこで1年半研究をした後に大学院へ進学し、さらに2年間の研究生活を送るわけですね。

研究室のルールや指導教官の方針、研究テーマの特性などによって研究の進め方は様々です。
典型例でいえば、指導教官がテーマおよび実験内容や研究の進め方を決定し、それに従って学生が実験をおこなうようなトップダウン形式

逆に学生が主体となって研究のアイデアをだして進めていくボトムアップ形式などがあります。
これらの間を取ったような、教官がテーマを決め、その進め方は学生が中心になって決める、というような形式も多いでしょう。

実験作業については本当にもうこれは多岐にわたります。
私の所属していた化学系について言えば、ある新規の物質を作製し、ひたすらその物性や機能性を何度も何度も測定機器を使って測定したり、ある目的の物質をつくるために種々の条件を変えてフラスコ内での反応を検討したり、コンピュータを使って理論計算をし続ける(化学系でも計算系の研究はあります)、、、

などなど、化学系だけでも言い出せばキリがないほどあります。

 

実験

 

では実際の研究生活の様子を私の個人的な経験をもとにざっくりと紹介していきます。

私は研究室に配属され、まずはじめにその研究室で行われる代表的な実験をいくつか体験しました。
そのあとで教授をはじめ複数名の指導教官(研究室には教授の他に准教授や助教など生徒を指導できる立場の先生方がおられます)からその年の研究テーマが発表され、それらのうち自分が何を研究したいのかを教授に伝え、学生の希望と配属人数のバランスを考慮されたのちに正式に自分の指導教官とテーマが決まりました。

そのあとは系(指導教官)ごとの方針に従って研究を進める方式で、私の系の方針としては、教官が大まかな目標や方針を決め、学生はそれを達成するためにどんな実験をすればいいのか考えながら実験する、というものでした。

といってもはじめのうちは考えるための知識や経験が乏しいので、教官に毎回のように何をすべきか質問しながら実験をしていました

 

memo

 

実験操作もはじめはわからないことだらけですし、安全性の面からも、教官や先輩に直に教わりながら作業することが多かったです。
だいたい半年から1年くらいで実験にも慣れ、徐々に自分からアイデアが出せるようになっていったと思います

と言っても結局は大まかな流れは指導教官に頼る部分が大きく、学部生のころは自分のテーマですら深い理解はできておらず四苦八苦しながらなんとかやっていた、という感じでした。
大学で研究をしているとはいえ、研究者としてはスタートラインにすら立てていないような気分でしたね^^;

修士になっても研究室は変えなかったので引き続き同じテーマを進めました。
このころにはだいぶ主体的に研究を進めるようになり、そのためかどんどん実験時間が増えていったように思います。

研究室にいるあいだは実験だけでなく勉強もします。勉強といっても教科書を読むようなものだけではなく、様々な論文を読んで専門知識を養ったり、読んだ論文をセミナーで紹介して学生や指導教官の方々とディスカッションしてさらに理解を深めたり、などです。

基本的に論文は英語で書かれるので慣れないうちは読むだけでも大変です。
文法的に難しい文章は多くないのですが、日本語でさえとっつきづらい専門用語が英語でバンバン出てくるので始めのうちは苦労しました。
専門用語以外の語彙も日常会話では使わないようなお堅い単語が多いので単語力が鍛えられます。

日本の研究が世界的にもトップクラスにいる材料科学などの分野や日本の歴史や文化を扱うような社会科学系の一部の分野であれば日本語論文も多いのですが、一般に研究論文は英語で書かれているものだと思います。
なので高校生の皆さんは今のうちから文系理系問わず英語の基礎はしっかりと身に付けておくことをおススメします。論文が読めないと研究を進めるのはすごく大変ですので。逆に英語が出来るといろいろと物事がスムーズに進む確率が上がるのでそれだけ有利になると思います。

 

英語

 

 

一日のスケジュール例

予定

学会や就活等特殊な用事のない日の例として 

修士1年:主に午前中に1~2コマほど授業 午後は夕方あるいは夜まで研究 

修士2年:授業は基本的にはとる必要はなく、好きなだけ研究 

という感じでした。
研究室によってはコアタイムというものがあり一日のうち〇時~〇時まで研究室にいて活動しなくてはいけないというところもあります。
そのような研究室は厳しくて大変そうに見えるかもしれませんがそれだけ研究実績は多くあげる傾向があると感じるので、研究の分野で確実に成長したい人には良い環境なのでしょう。

また、決められた時間しっかり努力することができる点や研究実績などは企業への就職にもプラスに働く部分と言えるでしょう。
私の所属していた研究室はコアタイムはなく、学生の自主性を重視する環境でした。

 

サークルやアルバイトなどの課外活動

学部生と比べると研究活動に時間を割くためやはり課外活動の時間は減少傾向にあります。

ただ、全くやっていないわけではなく、サークルなら休日等、アルバイトはTA(Teaching Assistant)と呼ばれる大学の講義の補助(実験準備や学生の質問への対応等)などを行う人はいます。
特にTAのアルバイトは学内ででき、比較的時給もよく、研究に関連するものもあるので院生にはありがたい制度でした。
学部生はサークル活動やバイトに明け暮れる毎日をおくる人も珍しくはないのですが、院生でそうした生活を送る人はほぼいないと思います。
やはり生活の中心は研究になりがちです。

これまでの内容でわかるかもしれませんが、日々の生活は研究室にかなり依存するので人間関係は研究室内でほぼ固定されます。
外部との接触を自分からしていかない限り、毎日同じ人と接する日々が続くので、その分視野は狭くなりがちです。
その点は研究生活の注意点かもしれません。学会など学外の人間と交流できる機会を大切にすべきかもしれません。

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就職活動

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院生は多くの人が修士修了で就職します。
博士後期課程を目指す人もいますがごくわずかです。かくいう私も修士修了で就職しました。
基本的に理系院生の就活は研究職を目指したものが多いですし、一般に研究職に関しては学部卒より修士卒を採用する傾向があると言われています。
実際私の周りも研究開発職に就いた人が多数派です。

ですが研究職以外の就職ができないわけでもありません。
本人が希望して研究とは別分野、研究職以外の就職する人も一定数います。
理系からいわゆる文系職に就かれる方も中にはいます。

なので院に進むからと言って就職の選択肢が大きく狭まるわけではない、とは言えると思います。
テーマが大きいので長くなりすぎる前にこの辺にしておきますが、院進を考える時には避けては通れないテーマだとは思うので、また機会があればまとめてお伝えしたいところですね。

 

 

院進した率直な感想

ここまで長々と書き連ねてしまいましたが、最後に院進した率直な感想を述べて終わりにしたいと思います。

良かった点

・より主体的になれた

・専門性が高まった

・好奇心(知識欲)が強くなった

悪かった点

・経験や知識の幅が狭くなりがち?

・経済的なリスク

 

院進する前と院卒業後で大きく変化したと感じた一番のポイントは主体性です。
私の場合、研究は誰かにやらされるものではなく、自ら課題を見つけそれを解決する方法を考え行動するというものでしたので、研究を続けることで受身な行動よりも能動的な行動が自然と増えていきました。
それに伴い、主体的に行動する楽しさを知ることが出来ましたし、能動的に考え行動することが習慣化したようにも思います。
私は高校生までは他人から与えられた課題をいかに正確に素早く解決するか、という受動的な努力をすることが多かったので研究に携われたことで主体的に努力するように変化したことは一番印象的なポイントです。

他にも専門知識が増えたり、知識が増えるほど他の知識とも有機的に結び付けて考えられるようになっていきますので、より知識を得ることが楽しくなっていく、というようなことも良い点だと思っています。

一方デメリットはさほど感じてはおらず、強いてあげるなら専門性に特化するあまり視野が狭まってしまっている可能性や学費や就職時期が学部生よりも遅くなるという経済的なリスクがあるという点かなあと思います。
私はお金に無頓着な方なのであまりデメリットと思っていないのですが、お金を早くたくさん稼ぎたい!という気持ちのある人には院進は最適とは言えないかもしれません

以上総合して考えると、私は院進してよかったと思っています。

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まとめ

今回は大学院に通っていた私個人の体験や感想をお伝えしてみました。
とりとめなく少し長くなってしまい申し訳ないです。まだまだ書きたいことはあるのですが、それくらい様々な経験が出来る場所だったのだと思います。
上記のお話はあくまでも一例にすぎませんが大学院に少しでも興味のある方の参考になれば幸いです。

また、大学受験後に何をするのか、具体的なイメージをもつのは受験勉強のモチベーションにも繋がる大切なことです。
今回のお話で研究のみならず大学では何をするのか、卒業後はどういった進路があるのかなど、受験のその先を少しでも意識するきっかけにしてもらえたら嬉しく思います。

 

 

ところで、武田塾太田校ってどんな塾なの?

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武田塾太田校は,なんと授業をしない塾です。
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参考記事:群馬県太田市の個別指導塾【武田塾】太田校ってどんな塾なの?

 

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