【志望校対策講座】防衛大学校の小論文の傾向&対策と解答例
質問「小論文と国語で勉強する事は違いますか?」
答「そんなに変わりません。」
なぜなら、全く関係ない意見を論述する問題ならまだしも、多くの小論文は基になる問題があるからです。元となる問題文を正確に読解して必要に応じてまとめ直すことが重要になって来ます。
さて、防衛大の小論文は二問あり、第一問が本文のまとめで第二問が本文に関連して自分の意見を述べる問題です。順番に見ていきましょう🔥
第一問のポイント
・文字数に合わせ書くべき内容量を考える
・長い本文で最も重要な部分がどこか考える
たった約200字では字数の関係上、書ける内容が自ずと限られます。何ページもある文章に書かれている内容全てに触れることは不可能です。そこで、その文章の主題や結論の部分に集中してまとめることが必要です。本文を正確に読解することは、根本的な国語力を問われるものですし、短くまとめるには“選択と集中”は鋭い読解力と思い切りの良さを必要とします。
※これは現代文でも重要です!
センター形式でも記述形式でも本文の内容や展開を正確に理解することは欠かせません。どの部分が導入で、どこが主張、具体例になっているかを逐一確認することが、解答要素を発見することができるのです。受験国語では、傍線部の分析方法や選択肢の切り方などを重点的に教えることが多いのですが、それ以前にこのような本質的な読解力を鍛えることも避けては通れないのです。小手先のテクニックで問題を解くことを考える前に、まず自分が正しく本文を読めているのか再考してみましょう。
第二問のポイント
・本文で主張されている事に関連した事を書く
・賛成するor反論するならどの部分をどのように支持or批判するのか
・右翼や左翼に極端に寄った意見を書かない
「あなたは本文を読んで、どのような事を考えたか書きなさい。」と問題文にあっても適当には書けません。まず本文で主題になっていることを見極め、起承転結を守った書き方にすることが大前提です。防衛大学校で出題される文章の多くは、近年の世情や国際情勢に関する評論文で占められています。哲学や社会学というより国際政治や政治論という内容です。この場合、新聞の一面を理解できる程度の予備知識は必要になりますが、あくまで通常の国語の勉強をしておきましょう。
2017年防衛大推薦総合選抜
文章概略
現在の憲法では、「思想・信教の自由」が保証されている。しかし、人間一人一人が違う意見を持つことが社会全体で認められているかと言えば違うだろう。というのも、誰しも他人に「そのような考え方をしている事が悪い」と言うことがあるからである。つまり、一人一人という意味ではなく、政府という公の存在に対して個人という意味もあるのだ。しかし、どちらの場合も日本語では「私」と表現する。この矛盾をどのように考えるか。そこで筆者は、「人権」という概念は西洋から輸入されたものであり、「家」を社会の最小単位としていた日本では完全には根付いていない概念だと主張するのである。(276字)
(1) 筆者の意見を要約せよ。約200字
著作権の関係上、問題文をそのまま掲載することが出来なかったので、上記の文章が既にまとめになっています。上の文章を参考にしてください。著作権め🔥🔥🔥
(2) 私という日本語のこの二重性について、あなた自身はどう考えるか。具体的な事例を挙げつつ、別の言葉で説明しなさい。400字
解答例
自分は筆者の意見に賛成である。なぜなら自分たちは、人権という概念での「私」よりも政府という公に対する「私」という意味を重視していると考えられるからである。そもそも日本人は、西洋の人々との比較において、個人の主張より集団としての和を重視するとされる。これは昨今のSNSにも見受けられる。一般的にSNSは自らの意見を発信する手段として使用されるが、その反面で世の潮流に逆らう意見を発信すると多くの批判を呼ぶ。たとえその意見が社会通念に反していなくとも、常識と異なるという一点で批判を受けるのである。本来ならば思想の自由として認められるべき意見であるのにも関わらず、それを思想の自由としては考えず、修正すべき意見として考える人々が多い。よって自分は、いかに国の伝統として集団の和を重視することがあるとしても、人権の概念は改めて多くの人々に広め、人々の多様性を認めるような行動を取ってもらうことが必要であると考える。(400字)
赤本にも解答例が掲載されておらず、ガチンコで考えて書きました。解答無しの赤本って存在していいんでしょうか……
試験時に役立つコツ5つ
POINT1 文章を批判的に検討する
書かれていることが全て正しいと思って読んでませんか?小論文はあくまで自分で考えることが求められますよ。
POINT2 現状認識
筆者が提示する現状認識が妥当か否かは、否定する場合だけでなく肯定する場合にも検討しなくてはならない部分です。たとえ非の打ち所がない現状認識であれば、それが正しいということを改めて論じることもできます。
今回は、現状認識を認め、それをさらに強調する事例を取り上げました。
POINT3 キーワード
持論を展開する際に、様々なキーワードを使用します。そのキーワードが現状に合っているのか確認し、現状とキーワード本来の意味とを比較検討してみましょう。
今回は、「思想の自由」「人権」「私」「政府」といったキーワードがあるので、思想の自由や人権といった話題には頻出の「多様性」をテーマに論じました。
POINT4 引用への批評
筆者は自論の説得力を上げるために、権威ある人物の言葉を引用することがあります。しかし、もともと文脈の異なる中で述べられた言葉であるために、筆者の主張とズレを生じる場合も多くあります。このズレを指摘することも有効です。
POINT5 筆者の理想
筆者が理想とする状況が本当に理想的なものであるのか、実現可能であるのかという部分に着目すれば、自分の意見を展開しやすいでしょう。
今回は、筆者の理想が本文で取り上げられてはいません。しかし、筆者は日本という人権思想には批判的です。そこで一歩踏み込み、人権が行き渡った社会とは何かを考えて書き進めました。
おすすめの勉強法
防衛大の小論文は比較的、現代文に近い問題が出題されますが、それでも小論文としての勉強法は欠かせません。小論文としての基本を学び、実際に問題に当たってみることは過去問以上に勉強になるでしょう。そこでオススメの参考書が、
新聞を読もう!
また、防衛大で出題される文章は国内、世界情勢に密接に関わるものが多いので、新聞を読むことも役立つと思われます。朝日、毎日、読売、産経、日経などの大手新聞社であればどこでも良いので、一面の記事だけでも読む習慣をつけておきましょう。さらに実力をつけたい人は、新聞記事一面のコラムをノートに書き写すことにも挑戦してみると良いでしょう。天声人語(朝日)、余録(毎日)、編集手帳(読売)、産経抄(産経)、春秋(日経)と色々とありますが、余禄、編集手帳、春秋が勉強用には向いていると思います。
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藤橋さんが防衛大に合格した背景には……
まず(1)の要約がしっかりと解けていた
藤橋さんが武田塾に来たのは、受験まで1ヶ月間というギリギリでした。そこで(2)より(1)を優先して練習させました。この1ヶ月間、彼女はひたすら文章を和訳していました。最初は本文の論理構造を生かせずに雑な書き方になっていたのですが、「現代文読解力の開発講座」を使用してミッチリ指導したところ、最終的には(1)は満点に近い出来に成長していました。
頻繁に添削を出していた
文章を書く以上、単純な〇×はつけられません。そこで小論文では添削をしてもらうことが非常に重要になってきます。自論の展開方法から使う表現、字の丁寧さなどを総合的にチェックすることは独力ではできません。たとえ添削に出す場合の10倍の量を解いたとしても、客観的なアドバイスが無い状態で行った演習では大きく伸びることはまずありません。必ず学校の先生か予備校の講師に出して見てもらうようにしましょう。
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