1.はじめに
こんにちは。武田塾 大泉学園校です。
高校3年生のみなさんはそろそろ過去問演習に本腰を入れて取り組みはじめた時期なのではないでしょうか。
やり方を正しく理解して取り組めていますか?
生徒さんからの過去問に関するよくある疑問や質問に答えていく形で、過去問の使い方について解説していきます。
2.赤本って買うべき?
最近では東進や河合塾のデータベースがあるので、多くの大学の過去問がネット上で手に入れられる状態にあります。
そんな中で過去問が数年分載っている「赤本」は購入する必要があるのかどうか、疑問に思う人も多いようです。
結論から言いますと、「挑戦校や実力相応校」は赤本を買うべきで、「滑り止め校」の赤本は必要不可欠ではありません。
赤本の最大のメリットは「解説が詳しいこと」です。
過去問演習は答えの正解・不正解を見て終わりでは実力は伸びません。
赤本の詳しい解説を読んで自らの弱点を分析し、やるべきことを洗い出す必要があります。
そのため、挑戦校や実力相応校の過去問は入手してやりこむ必要があるでしょう。
それらのレベルの過去問をやり切れば、滑り止め校に合格できる実力がつくはずですから、滑り止め校においてはデータベースから入手した過去問を解けばよいと思います。
3.過去問演習は週に何年分やればいい?
初見の問題を1年分でよいでしょう。多くても2年分です。
過去問を解くことの目的は「課題を発見して潰すこと」です。
弱点を埋めるための参考書の復習や暗記をやらなければ実力が変わらないので、過去問だけ解き続けても意味がないからです。
週の頭で過去問1年分解いて、課題から復習や追加の教材のやるべきことを決めて取り組むのが良いでしょう。
数年分やっていくと解きなおしもあるので、一週間に取り組む量は初見1年分+解きなおし1年分となってくると思います。
課題が減ってきたら新規2年分でもアリです!
この時期になると、過去問ばかり解いてしまう人がいるかもしれませんが、
毎日過去問やるのは本当に潰す課題がなくなってからです。
それなら100点近く取れているはずなので、普通難しいですよね。
過去問を解くのは1週間に1,2回にして、他の時間は実力アップに使いましょう。
4.全部で何年分解けばいい?
人によって異なります。
安定して合格点を取れるようになるまでです。
目安としては赤本1冊分になります。
受験本番までの時間が余った場合は傾向が似ている他大学・他学部の過去問を解くのも良いでしょう。
過去問演習は挑戦校と実力相応校を中心に取り組み、滑り止め校は合格点に達するのであれば解く量は1,2年分でも問題ありません。
5.解きなおしは必要?
必要です!!! 解きなおしまでが過去問演習です。
過去問演習で課題発見を発見し→参考書で課題を潰し→つぶせたか確認をするために解きなおす
この流れを守りましょう。
解きなおしの際には点数が上がったかどうかは全く関係ありません。
答えを覚えていない状態で、根拠をもって自力で解けるようになったか確認してください。
社会であれば、覚えていなかった事項を覚えられたかどうか
英語長文であれば、読解できなかった部分が読めるようになったかどうか
英作文であれば、自分で書けるようになったかどうか
数学であれば間違えた問題を、根拠をもってとけるようになったかどうか(類題も解けるようになっているか)
国語であれば、解答の根拠をただしくつかむことができたかどうか
以上のようなことをしっかり確認しましょう。
解きなおしても解けなかった問題は再度分析し、弱点をつぶしてからできるようになるまで繰り返し解いてください。
6.志望校の過去問が一通り終わったらどうする?
文系科目なら古い過去問を入手しましょう。
(理系科目は新課程と旧課程があるので、新課程の年度までで問題ありません。)
古い過去問まで終わってしまった場合は以下の3つのことをおすすめしています。
・難関校過去問シリーズの「〇大の過去問 △△年分」があればやりましょう
・似た傾向・同じ偏差値ぐらいの大学の過去問を解きましょう
・理系:「全国大学入試問題正解」シリーズ
ちょうどよさそうな問題を解きましょう
7. 採点ができないパターンはどうする?
パターンが2つあると思うので、それぞれ説明します。
①私立で配点が載っていないから採点ができないパターン
問題数で割りましょう その中でも問題によって点数は異なりますから、
長文が1問〇点で、文法問題は1問□点と目安をつけて計算しましょう
②国公立で記述の採点が難しいパターン
採点基準が書いてある参考書をやってから過去問に取り組みましょう。
現代文であれば
「国公立標準問題集 Canpass 現代文」
「得点奪取現代文記述・論述対策」
英語であれば
「英文和訳演習」
「英作文ハイパートレーニング 和文英訳編」
がおすすめです。
これらの参考書を通じて
だいたい何点取れるか、減点を何か所くらうか分かるようにしたうえで過去問をやりましょう!
そして、できれば周りの塾や高校の先生に添削をしてもらってください。
ただ、どのぐらいの点数になるかを聞く必要はそこまでありません。
採点基準は大学によったりもするので、学校や塾の先生でもなんとなくしかわからない部分もあります。
難点なのかというより、どこを減点されるのかというのを見る練習という意味で記述採点はやってもらった方が良いです。
減点個所を指摘してもらい、復習し、弱点を克服することで、本番で合格点に達する記述力がついていくはずです。
8.目標点は何点に設定すべき?
合格最低点から+5%~10%が良いでしょう。
合格最低点ギリギリに設定すべきではない理由は、得点できた問題が100%完璧に解ける問題ではないためです。
根拠があやふやでなんとなく選んだ問題が正解することはありますよね?
そのようなことがあるため運で左右されてしまったり、
大学によっては点数調整(*)が入ったりするため、最低点ギリギリだと危ないのです。
*点数調整・・・平均点がバラバラの科目がある場合不公平になるので、大学側がそれぞれの科目の平均に合わせて点数を調整すること
9.復習の具体的なやり方は?
①ノートに過去問を解く(右側を空ける)
まずはノートの右側は空けて過去問を解き、答え合わせをしましょう。
②右ページはできなかった問題の原因分析
右ページには間違えた問題の分析と次の対策事項を書き込んでいきましょう。
今までも分析はしている方は多いかもしれませんが、その弱点を対策するために具体的にやることは明確にしていますか?
なんの参考書に戻るか?ということを考え、必ずそれを実行することが大切です。
そのためにやるべきことを文字におこしておきましょう。
ここまではできるだけ過去問を解いた当日に終わらせるようにしましょう。
③赤本ノートを元に参考書に戻る
次の日以降は、そのノートを元に参考書に戻ったり、新たな参考書で弱点を克服することに励みましょう。
9.最後に
いかがでしたでしょうか。
本日紹介したことを参考に、過去問に取り組んでみてくださいね!