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今回は「大学入試で使う英検は何級を取れば良いのか？」についてお話ししていきます。
英検は大学受験なら何級を取っておけば役に立つ？
共通テストでの英語4技能試験のための大学入試英語成績提供システム導入は延期されましたが、延期後も変わらずに英語4技能試験の結果を入試で求める大学は多いです。福岡県内であれば、西南学院大や福大を始め、九州工業大学や北九州市立大学などの国公立も導入されています。このような状況の中で、「とりあえず受けてみようかな…」という人も多いのではないでしょうか。
福岡県内の英検が使える大学については、
こちらをご覧ください！(クリック)
現役生にとっては学校で受けられるなど、英語4技能試験でなじみ深いのが英検であり、英検には級が存在し、合否があります。また、英検といっても実は解答方法により種類があります。そのため、「自分に合った級や種類は何か」分からない人も多いのではないでしょうか？
したがって、大学受験で使える英検の種類と級について、みなさんに紹介していきます！
そもそも英検って何？
大学受験で使える「英検」が示すものには、大きく分けて2つあります。
〇実用英語技能検定
公益財団法人日本英語検定協会が行っているもので、解答方法などにより従来型英検、英検CBT、英検S-CBTの3種類に分かれています。成績は、合格不合格とCSEスコアの2種類で示されます。様々な大学で採用されている英検は、こちらの実用英語技能検定になります。
〇全国商業高等学校協会英語検定
商業系の学科がある高校で行われている検定になります。全国商業高等学校協会が行っているもので、実用英語検定よりも簡単めの内容になっており、筆記試験、リスニングとなっており、面接などはありません。4級から1級までの級があり、それぞれ合格か不合格かのみが出されます。大学受験では、経済学部や商学部などで、受験時に出願条件や評価対象になる入試もあります。自分が志望する大学がどの英検を採用しているかをしっかり確認しておきましょう。
この記事では、実用英語技能検定＝英検として進めていきます。
英検の級の実力目安
英検には5級～1級までの級があります。気になるのがそれぞれの想定されている実力ですが…
5級：中学1～2年生程度
4級：中学2～3年生程度
3級：中学卒業程度
準2級：高校1～2年程度
2級：高校卒業程度
準1級：大学中級程度
1級：大学卒業程度
となっています。筆記試験、リスニングはどの級も出題されます。他に英検4級までは録音式のスピーキングテストが、3級以上では面接が入ります。（ただし、従来型英検の場合で、英検CBT、英検S-CBTでは異なります。）
英検の種類
前述した従来型英検、英検CBT、英検S-CBTの3種類について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
〇従来型英検
学校で団体で受けられる英検はこちらになります。
4・5級に関しては、リーディング、リスニングを筆記で受けます。筆記試験で合否が出ますが、合否とは別に録音式のスピーキングテストも受験します。スピーキングテストは、学校もしくは自宅のパソコンやスマホから受験できるものです。
3級以上は、リーディング、リスニング、ライティングを筆記で受ける1次試験とスピーキングをはかる面接を行う2次試験があります。3級以上では1次試験で決められた成績を取れないと、2次試験に進むことができません。
成績は絶対評価ではなく、「CSEスコア」というもので決まります。受験に年齢制限などはなく、希望すれば誰でも受験できます。
〇英検CBT
CBTとは「Computer Based Testing」の略で、つまりはコンピューターを使った試験になります。これまでの英検の内容とは変わらずに、出題方法、解答方法がパソコンになります。リーディング、リスニング、ライティングの出題はパソコンの画面、解答はマウスもしくはキーボードで行います。また、スピーキングはヘッドセットを使って吹き込み録音をする形式になっています。ライティングがキーボードでの回答になるため、タイピング（キーボードでの入力）が苦手な人は大変かもしれません。従来型英検との大きな違いは、パソコンで回答することと、1日で試験すべてを受験できることです。一日で試験がすべて受けられるため、従来型のように、「1次試験不合格で2次試験を受けられない」ということはありません。英検CBTでは3級から準1級までを受験することが可能です。
〇英検S-CBT
S-CBTとは、2021年度は延期が決定した「大学入試英語成績提供システム」のために新しく作られた試験になります。こちらは英検CBTと似ていますが、違いは、解答方法です。英検CBTでは、リーディング、リスニング、ライティングを解答をマウスまたはキーボードで行いますが、英検S-CBTは解答は筆記で行います。スピーキングはどちらも変わらずヘッドセットで吹き込み録音式です。
また、英検CBTと同様、1日で試験が終了します。そのため、従来型英検と英検CBTが合体したようなものになります。受験できる人は、現状高校2年生、高校3年生に限られていますが、将来的には受験資格を広げるようです。英検S-CBTでは3級から準1級までを受験することができます。
英検利用入試の種類
次に、実際英検を利用した入試を受ける場合、英検がどのように使われるか見ていきましょう！
〇出願資格
英検の結果が出願資格として問われているパターンです。この場合、結果的に後述する英語の試験免除が組み合わさっていることが多いです。たとえば、北九州市立大学では、英語を受験する人は英語外部試験の受験が必須とされています。英検が出願資格になることのメリットとしては、
・英語の受験勉強をしなくて良い
・他の科目が少なくて済む場合がある
・求められる級・スコアが高い場合、その入試の倍率が低くなる可能性がある
などが挙げられるでしょう。
〇英語の試験免除
求められる英検の級・スコアを提出することで英語の大学独自の試験を受けなくてよくなるパターンです。大学によっては、後述するように英検の級・スコアが英語の得点となるところもあります。たとえば、西南学院大学では、全学部で求められるスコアを満たしていれば、他に2科目だけで受けられる英語4技能試験併用型入試があります。英語の試験免除のメリットとしては、
・英語にかける勉強時間を他の科目にかけられる
・科目が減る場合、得意なものだけで受けられる
などが挙げられるでしょう。
〇英語の試験に得点換算
この場合、決められた級・スコアを取ると、大学の英語の試験で点を取ったことにしてくれます。なお、実際に英語を受験した際は、実際の得点と英検で換算された得点を比較して、より良い方の点数を採用できるシステムになっています。たとえば、福岡大学では英検2級取得者で80点、英検準1級以上取得者で100点満点に換算されます。英語の試験に得点換算のメリットとしては、
・英語にかける勉強時間を他の科目にかけられる
・大学の独自試験を受けられる場合、点数の保険になる
・準1級を取ってしまえば、英語が満点扱いになり優位
などがあります。
英検結果の使われ方
英検の結果の使い方も、大学によって異なります。自分が志望する大学で英検がどのように使われるのかをしっかり調べておきましょう。
〇合格していればOK
求められる級に合格していればよいタイプです。「合格」が必要なので、例えば2級合格が求められている場面で、準1級不合格だがスコアが1980（2級合格スコア）がある、という場合は出願できません。受験級を考えるときに必要なのは、2級”以上”合格なのか、2級合格なのかを志望校ごとに確認しておきましょう。
〇合格していなくてもスコアがあればOK
求められるスコアさえ満たせば、合格しているかは関係ないパターンです。ただし、受験級は制限される場合があるので、気を付けましょう。
たとえば、西南学院大学の場合ですと、英検に合格していなくてもスコアによっては可能性が有るので、あきらめないようにしましょう。
〇合格したうえで、スコアもあればOK
こちらは、指定された級の合格と合わせてスコアも求められるものです。そのため、合格スコアよりも、求められるスコアは高くなります。
大学受験で受けるべき英検の種類、級は…
大学受験で英検を使おうと思っているが、まずはどれを受けるか迷っているという方はまず「2級」をおすすめします。福岡県内の大学では、2級以上が最低基準とされている大学が多いです。勢いで準1級を受けたは良いけど、合格できなかったでは惜しいので、まずは2級を確実に取れるように頑張ってみましょう。
また、英検のスコアによって英語の得点換算をする場合、一度2級に受かっている人がさらにハイスコアを狙う方法として、難易度が高い準1級を受けずにあえてもう一度、難易度が低い2級を受けてハイスコアを取りに行くという作戦もありです。
また、英検を受ける場合その種類ですが、英検CBT、もしくは英検S-CBTがおすすめです。理由は、一日で4技能すべての試験を受けられるために1次試験で落とされることがないからです。従来型ですと、1次試験で落とされた場合スピーキングのスコアを取ることが不可能になるため、「合格でなくてもスコアがあればOK」なタイプの入試すら受験が難しくなります。英検利用入試の場合、多くは出願からさかのぼって2年以内の成績しか使えないことが多いです。そのため、もし高校1年生の場合には、大学受験のみを考えるなら、好きな級を受けて問題ありません。
大学受験以外に就職のときも役立つ？
高校生には少し先ですが、就職の時に英検の結果は使えるのかというと…英検2級以上から、履歴書に書くことができます。ただし、自分の英語の実力が仕事でも使えるとアピールすることが目的の場合は英検よりもビジネス英語に寄ったTOEIC・TOEFLなど他の試験の点数の方がよいと思います。「将来英語が使って仕事がしたい！」という場合にはビジネス向けの資格を、大学生になってからチャレンジしてみましょう。
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