こんにちは!
武田塾 小田原校 です。
今回は総合型選抜と学校型選抜についてお話をしていきます。
2020年度入試まで、総合型選抜はAO入試、学校型選抜は公募推薦と呼ばれていました。
総合型選抜というのはざっくり説明すると、書類審査や面接など様々な種類の方式で選抜が行われるものです。
学校型選抜はいわゆる学校推薦のことですが、実は2種類あります。
1つは公募制、もう1つは指定校制です。
といったように、総合型選抜だけでなく、学校型選抜についても知らないことがあるのではないかと思います。
そこでこの記事では総合型選抜と学校型選抜について説明した後、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
少し長くなるかと思いますが、非常に大切なことなのでぜひ最後まで読んでいただけたらと思います。
※この記事は2024/04/27に作成されたものです。最新情報と異なる点があります。
総合型選抜は自分を売り込む入試
総合型選抜ってこんな試験
大学が総合型選抜を行う狙いとしては「本校の求める学生像にマッチした学生を選抜する」ことにあります。
よって、志望する学生はどれだけ自分がその大学に適しているか、熱意があるのかなどをアピールし、自分をどう魅せるかが重要です。
また、大学によって選抜方式は多種多様ですが、書類審査と面接はほどんどの場合であります。
現在はその2つと、プレゼンテーションや小論文、共通テストや資格・検定試験の結果の提出などのいずれかと組み合わせることが多いです。
一般入試と違って、がっつり学力検査を実施する大学は少ないものの、ある程度の学力が共通テストの結果提出などで問われることは注意しましょう。
※2021年度以降、入試方式が多様化しているので必ず大学の募集要項を確認してください。
総合型選抜のメリット
①受験回数を増やすことが可能
試験には総合型選抜・学校型選抜・一般入試など様々な方式があります。
そして多くの場合、一般入試よりも総合型選抜を実施するほうが先になるため、チャンスを増やすことができます。
どうしても行きたい大学に総合型選抜がある場合などは、受験回数を増やすことも可能です。
ただし、回数を増やすということはそれだけ対策しなければなりません。
単に回数を増やしても良いわけでは無いのでご注意下さい。
②受験が早く終わり、進路が早く決まる
AO入試は8月から9月頃に出願し、早ければ10月中にも試験が終了します。
結果も10月中に出るところもあり、共通テストを活用する形式であっても1月には合否が出揃います。
一般入試が基本的に2月中での実施が多いことを考えると、比較的早いです。
残された学生生活を楽しんだり、運転免許の取得を目指せるなどメリットとしては大きな要因です。
③学力に縛られない可能性
入試形式として、基本的には
・書類選考
・面接
・その他小論文やプレゼンテーションなど
を実施する形式が多いです。
これにより、高校での評定や現在の学力に縛られずに受験をすることも可能となります。
可能性を広げるという意味では良いかもしれません。
総合型選抜のデメリット
①簡単、楽、受かりやすい というイメージとの隔離
現在、関東の私大では定員の厳格化を受け、毎年のように浪人生が増え続けて一般入試の難易度が高まり続けています。
そんな中、未だに総合型選抜は「簡単」「楽」「受かりやすい」などの印象を持つ方もいらっしゃいます。
また、早く入試が終わることを目的として、一般入試から逃げるように選択する方もいらっしゃいます。
ただ、一般入試の難易度が高まっている分だけ、入試のチャンスを増やしたい方も多くなってきているのが現実。
志望者は増加傾向にあり、総合型選抜の対策もこれまで以上に行う方が増え、全体的に難易度は上がってきています。
甘くみてかかれば、痛い目をみることになります。
②正しい答えが無い入試形式のため、対策が大変
それぞれの大学毎に合格の基準が違い、一般入試の学力試験のように一律の判定を受けられるわけでもありません。
各大学ごとに対策を行う必用があり、しかもその対策に正解がありません。
入試形式も違うので、「総合型選抜を沢山受ける!」ということも難しい印象です。
③総合型選抜不合格が与える影響が大きすぎる
選抜方式からもわかるように、総合型選抜を受けるための対策は少し特殊です。
「面接」や「小論文」は一般入試で利用できる大学が多くはありません。
そういった対策を行うためには、授業や塾・予備校での勉強時間などの時間と別で行う必要があります。
そのため、もしも不合格となってしまった場合に最初から一般入試を目指す方との差が大きくなりやすい傾向にあります。
しかも、総合型選抜一本で目指して来た人に関しては、「秋以降に本格的に受験勉強を始める」という「超逆転合格」を実現する必要性が出てきたりもします。
こういった方は直ぐに最寄りの武田塾に受験相談に行きましょう。
秋以降の時期になると、一般的な塾・予備校ですと入会を断られることも少なくありません。
④総合型選抜で合格できても、学力差の懸念は残る
一般入試に向けて学力を上げることに注力した生徒さんと同じ大学に通うこととなります。
そういった方達との学力差は合格後でも縮めておくことをオススメします。
例えば、どの大学でもほぼ必ず学ぶことになる英語などは勉強しておいたほうが懸命でしょう。
大学合格はゴールではありません。必ず次を見据えて行動を始めましょう。
学校推薦型選抜は2種類ある
それでは、次に学校推薦型選抜の紹介をしていきます。
学校推薦型選抜ってこんな試験
先述の通り、学校推薦型選抜は大きく分けて2つあります。
1つ目は指定校制推薦であり、推薦といえばこのイメージが強い方は多いです。
大学側がいくつかの特定の高校に対して入学者の枠を設け、高校内で選抜が行われます。
枠には制限があるので、学力や部活などの成績を見て、まずは校内での合格者を決めます。
その後、大学でも選抜しますが、高校内での選抜を勝ち抜いた時点で合格できる可能性は非常に高いです。
2つ目は公募制推薦であり、少し聞きなじみのない人もいるかもしれません。
こちらは大学の出願条件を満たす&自分の通う高校の校長から推薦を受けることで出願できるようになります。
この公募制は厳密にいえば2種類あります。
1つは学校の成績が一定の基準を超えることで推薦を受けられる「公募制一般推薦」、もう1つはスポーツや文化活動で実績があると推薦を受けられる「公募制特別推薦」です。
公募制は指定校制と違って、推薦を受けられても本格的に戦うのは全国の推薦を受けたライバルになります。
学校推薦型選抜のメリット
①総合型選抜と同じメリット
こちらも総合型選抜と同じく、
・受験回数を増やすことができる
・受験が早く終わり、早く進路が決まる
ことがメリットとしてあげられます。
②一発勝負のリスクが少ない
一般受験や総合型選抜は本番の力の出し切り方によって、合否が左右されやすいです。
特に一般受験はほぼ本番だけで決まってしまいます。
今まで勉強をしていても本番で力が出し切れないと落ちてしまうリスクが非常に高くなります。
しかし、学校推薦型選抜は日ごろの授業や定期試験の成績など、積み重ねが大切になってきます。
そのため、一般受験や総合型選抜よりも一発勝負の要素が少なく、本番のコンディションに左右されずに済みます。
③実力以上の大学を狙える
学校推薦をもらうには、高校の成績が必要になるため、定期試験が重要になります。
定期試験は1年間に約4回ある分、一般受験での試験と比べてかなり1回の試験範囲は狭くなります。
よって、短い範囲の完成度を高められれば良いので、一般受験よりも試験の難易度はやはり簡単になります。
さらに学年全員が定期試験の勉強をまじめにやるわけではないのではありません。
そのため、その中で頑張れば相対的に高い成績が取りやすいです。
一般受験と比べて易しい試験の勉強を繰り返して、高い成績をとったら学校推薦をもらうことができます。
すなわち、試験の難易度は大学のレベル(難しさ)に寄与せず、ライバルの人数は一般受験よりも圧倒的に少ないです。
したがって、自分の実力以上の大学を狙いやすくなっているのです。
学校推薦型選抜のデメリット
①総合型選抜と同じデメリット
総合型選抜と同じく、
・推薦の不合格後、一般受験への準備時間が不足する
・一般受験で入学してきた人の学力差への懸念が残る
ことがあげられます。
②そもそも推薦をもらうハードルは高い
指定校制推薦は特に簡単なイメージがあると思います。
確かに、学校推薦をもらうことができれば、ほとんどの場合で合格できるでしょう。
しかし、そもそも同じ大学の学部における指定校制推薦枠は1~4つほどです。
ここが狭き門なため、選ぶ大学が人気であればあるほど、ハードルは高くなっていきます。
③コツコツやる必要がある
もちろん一般受験の人の中にも、高校入学時から受験に向かって勉強する方もたくさんいらっしゃいます。
ただ、一般受験は高校入学時から頑張らずとも、2~3年で本気モードに切り替えて勉強を行えば逆転合格を狙うことはできます。
一方、学校推薦型選抜は成績が重視されるため、日々の授業にまじめに取り組み、1年生の最初の定期試験からしっかりと勉強をしなければなりません。
よって、長い時間をかけてコツコツ積み重ねるのが苦手な人は学校型選抜が向いていないといえるでしょう。
総合型選抜との違い
大きな違いは2つです。
①出願基準がある
総合型選抜では、基本的に特別な基準があって出願するわけではありません。
ですが、学校推薦型選抜では大学ごとの基準を満たさないと出願自体が出来ない場合があります。
・評定基準
・指定資格の合格者であること
・部活動で一定以上の成績を収めている
など、大学や学部ごとに基準は異なりますのでよくご確認下さい。
②評定などが試験結果に影響する
総合型選抜では、評定は試験結果に考慮されません。
ですが、学校推薦型選抜、とくに指定校推薦の場合では評定なども大きく試験結果に影響を及ぼします。
出願基準こそあれど、評定が高いほうが高く評価されるのは当然です。
ちなみに評定平均4.3以上だとAという判定になりますので、評定平均が4.3以上の方は特に有利です。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
今回この話をした理由は、小田原周辺では【AO入試や公募推薦などでの受験しか考えていない】学生の方々が多くいらっしゃるからです。
毎年徐々に増えてきている受験相談の内容が
「総合型選抜で全落ちでした。今から間に合いますか?」 「学校推薦型選抜が駄目でした。今から一般に切り替えてなんとしても現役合格したいんです」 |
というものです。
なぜこうしたことが起こるのか不思議に感じるくらいでしたが、受験相談で話す中で見えてきた大きな原因は2つ
①総合型選抜や学校推薦型選抜についてメリットやデメリットを理解していない ②進路指導がしっかりと行われていない |
受験相談での多くの場合、
「総合型選抜や学校推薦型選抜のみで受かると思っていた。特に先生達にも何も言われていない。塾・予備校でも一緒」
というお話が出てきます。
ここまでそれぞれの試験方式のメリット・デメリットを紹介してきました。
読んで頂いた方は既によくお分かりだと思いますが、
総合型選抜や学校推薦型選抜のみで受験を考えていくことは非常に危険です。
総合型選抜や学校推薦型選抜は、特別簡単なものでは無いです。
一般受験の可能性も見据えて受験をしましょう。
長くなりましたが、お読みいただきありがとうございました。
武田塾小田原校では一般受験も見据えながら、総合型選抜や学校推薦型選抜のサポートも行っています。
気になる方はぜひ一度無料相談を受けていただければ幸いです!
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