こんにちは。
武田塾小田原校の亀井です。
今回は『受験知識ゼロから始める大学受験講座』の第7回の記事になります。
このシリーズを企画した背景やこのシリーズを読む上でのルールに関しては第1回の記事に書いてあります。
このシリーズは1ステップずつ確実に読み、行動に起こすことを目的として作成されました。
第1回の記事を読んでいない方は、必ず読んでからこの記事に戻ってきてください。
第7回の内容
第7回となる今回の記事では「毎日の勉強の質を上げる」ことをテーマに解説していきます。
前回の記事で「可処分時間」を計算し、勉強時間を確保する方法をお伝えしました。
まずはそのおさらいをしましょう。
前回のまとめ 必要な勉強時間を計算しよう! →科目ごとに必要な勉強時間の目安を活用しよう! →何か月でどこまで達成したいという目標から逆算しよう! 可処分時間を計算しよう! →「生活に必要な時間と学校の時間を引いた残りの時間」を可処分時間という! →可処分時間内で勉強と休憩をやりくりできるように計画を立てよう! 毎日の勉強時間の記録と反省を繰り返そう! →「記録」と「反省」を繰り返して可処分時間の使い方を洗練していこう! |
さて、ここまでの記事では第一志望のレベルまで勉強を「進める」ためのコツやルールを解説してきました。
しかし、実際の受験勉強では進度が停滞してしまったり、後ろに戻ってやり直したりすることがつきものです。
このような、知識が抜けてしまうことによるペースの停滞・後退の大きな原因は「日々の勉強の完成度が低い」ことです。
理想的な計画に沿って勉強を進めたとしても、毎日の完成度が低ければ、結局のところ当初の計画から大きくずれてしまうということになります。
では、なるべくペースの停滞・後退を防ぐために、日々の完成度を上げるにはどのようなルール・コツを実践する必要があるのでしょうか。
早速内容に入りましょう。
毎日の勉強の完成度を上げる
まずは勉強における「完成」という状態について解説します。
武田塾小田原校では以下の状態を、その日の宿題が「完成」した状態だと決めています。
その日の勉強が「完成」した状態とは ①覚えるべき知識を2秒以内に即答できる状態 ②考え方や解法のプロセスを人に完璧に説明できる状態 を指す。 |
英語を例に解説します。
「英単語の意味」「関係代名詞の語順と形」などの知識は①に分類されます。
「particular」という単語がその日の単語に含まれていたのなら、その日の終わりには2秒意味に意味を答えられる必要があります。
※particular:特定の
「関係代名詞節の文中での働き」という知識は②にあたります。
「節としては形容詞の働きをして、節の中では代名詞の役割をする」と説明できる必要があります。
それではここから①と②のそれぞれの基準を達成するためのルールを紹介します。
①覚えるべき知識を2秒以内に即答できる状態を作る
まずは暗記事項を2秒以内に即答できるようにする手順とルールを紹介します。
1. テストをして覚えていない知識を洗い出す
まずはその日に暗記する知識をテストします。
最初にテストを行うことで、その日に覚えるべき知識の量を把握することができます。
2秒以内に答えることが出来なかった知識にチェックを付けてください。
ここでチェックが付いた知識こそ、その日に暗記するべき知識になります。
この「2秒」という数字に妥協をしないように注意してください。
2. チェックが付いた知識だけを覚えていく
チェックが付いた知識を分割して覚えていきましょう。
覚える上で大切な作業は「音読」です。
自習室などの静かな環境で勉強している場合にも、とても小さい声で音読をしましょう。
覚えるために音読をするときは「ただ読んでいるだけ」にならないように注意が必要です。
そのために、英単語のイメージや時代の流れなどと言った背景知識をイメージしながら音読を行いましょう。
特に理科・社会科目は講義系の参考書を読んで大枠の流れを掴んだ上で暗記に入る必要があります。
3. 再度テストを行う
分割した範囲で再度テストをしましょう。
このとき、分割した範囲のチェックが付いていない知識も一緒にテストしてください。
2秒以内に答えられなかった知識があれば、チェックを増やしてください。
もちろん、最初のテストでチェックが付かなかった知識を再テストで間違えた場合にも、チェックを付けましょう。
再テストで分割した範囲のすべてを2秒以内に答えられるまで、「チェック付け→音読→再テストの流れ」を繰り返してください。
チェックがつかなくなったら次の分割範囲に進みましょう。
4. 範囲を広げてテストをする
最初のテストでチェックが付いた知識の半分まで覚え終わったら、前半部分のすべてでテストを行います。
範囲は広がりますが、このテストでも2秒ルールは妥協せずに徹底しましょう。
2秒以内に答えられなかった知識にはさらにチェックを増やしてください。
ここでついたチェックは「覚えきったと思っていたけどすぐに抜けた知識」になります。
チェックの色やチェックを付ける場所を変えることで、元のチェックと差別化を測ることをおすすめします。
武田塾の『暗記シート』ならチェックを付ける欄が分けられているので、シートに沿ってチェックを付けましょう。
前半部分がすべて2秒以内に答えられるまで、「チェック付け→音読→再テストの流れ」を繰り返してください。
前半部分を覚えきったら、2. のステップに戻って後半部分を覚えていきましょう!
5. その日の全範囲でテストを行う
最後に、その日の全範囲でテストを行いましょう。
全範囲のテストでもすべて2秒以内に答えられるまで、同じ流れを繰り返してください。
その日の全範囲のテストがその日の完成度を決めるので、ここでも2秒ルールを妥協せずにやりきりましょう。
②考え方や解法のプロセスを人に完璧に説明できる状態を作る
次に、考え方や解法のプロセスを人に肩癖に説明できる状態を作るための手順とルールを説明します。
1. 自分の解法や考え方とのギャップを把握する
まずは問題を解きましょう。
初見問題であっても「なぜそう解いたのか」「なぜその選択肢を選んだのか」を明確にしてください。
ノートや問題のコピーにこの2点を書き込むことをおすすめします。
解答解説を読み、「自分とのギャップ」を把握してください。
間違えた問題はもちろんのこと、正解した問題であっても自分の考え方とのギャップを探してください。
ギャップがあった部分にはマーカーで印をつけておき、復習の際に目に付くようにしておきましょう。
間違えた問題の問題番号にはチェックを付けておいてください。
2. 足りていない考え方や知識をインプットする
解答解説をひと通り読み、正しい考え方とその考え方に使う基礎知識をインプットしましょう。
このとき、該当する講義のページにも戻るように心がけてください。
解説を読むときにも「音読」を徹底しましょう。
ここでは、「書いてあることにツッコミを入れながら読む」ことがポイントです。
「なんでその式が立つの?」「時制まで確認してなかったな」など、頭の中で会話をしながら読みます。
こうすることで、ただボーっと読んでしまうことを防ぐことができます。
また、考え方だけでなく、「その考え方に必要な暗記事項が抜けていないか」ということに注意して読みましょう。
例えば英文法の参考書であれば、講義のページに暗記事項が表としてまとめられていることが多いです。
類似している暗記知識はセットで覚える方が楽なので、読み飛ばさずにこのタイミングで覚えきりましょう。
覚え方は①で紹介した通りです。
3. 問題を解きなおす
ここまでで習得した考え方や解法のプロセスを真似して解きなおしましょう。
ここで大切なイメージは「その参考書の著者の先生になりきる」ことです。
「関先生ならどう説明するかな?」というように考えることで、参考書に書いてあった解説を思い出しやすくなります。
書いてあった通りに考え方を再現しながら解くことができたら、その1問は完璧とみなしてOKです。
4. チェックが付いた問題すべてをもう一度解きなおす
最後に、チェックが付いた問題すべてをもう一度解きなおします。
つまり、1日に同じ問題を最大3回解きなおすことになります。
ここまで徹底して解きなおしを行う理由は、「正しい考え方は反復するほど定着する」からです。
逆に言えば、間違った考え方を反復してしまうとその考え方が定着してしまいます。
1と2の手順を正しく実践し、必ず正しい考え方を真似して解きなおしましょう。
第7回まとめ
今回の記事では、「毎日の勉強の完成度を上げる」ために2種類の完成度について解説しました。
その内容を以下にまとめます。
毎日の勉強の完成度を上げる 覚えるべき知識を2秒以内に即答できる状態を作ろう! →最初にテストをして覚えていない知識を洗い出す! →2秒ルールは絶対に妥協しない! →ただ音読しているだけにならないように背景知識を活用する! 考え方や解法のプロセスを人に完璧に説明できる状態を作ろう! →自分の考え方と解答解説とのギャップを明確にしよう →正しい考え方を反復するために、解きなおしを徹底しよう! |
今回の記事は参考になったでしょうか?
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また、第8回の記事も既に完成しているので、続きはこちらからどうぞ!
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