勉強には才能が必要か?才能がない場合はどうすれば良い?
こんにちは。
東京大学理学部卒講師のFです。
皆さんは、勉強には才能が必要なのかどうかを考えたことはありますか。
今回は、私自身の東大受験、東大での学生生活、塾講師や家庭教師としての経験を踏まえながら、勉強における才能とはどのようなものであるかについて考えてみたいと思います。
そもそも才能とはなんなのか
スポーツにおける才能というものは誰もが簡単にイメージしやすいですが、勉強における才能というものは、なかなか判断することが難しい概念のように思われます。
スポーツはダメでも、勉強は努力すれば誰でもできるようになるという意見もあります。
しかし、個人的には、運動も勉強も根幹では脳が支配している作業であるため、ある程度は元々の素養に左右されてしまうところがあるのではないかと考えています。
以下にいくつかの例を挙げながら、より詳細にこのことについて見ていきます。
勉強が好きか嫌いか
勉強の才能として一番に重要だと考えられるのは、勉強が好きか嫌いかということです。
家庭教師の広告では「勉強が嫌いな子でも勉強が好きになります!」と書かれているものが散見されますが、残念ながら、必ずしも全員がそのようになるわけではないと思います。
このことは、簡単な例を想像するとよく分かります。
例えば、私はマラソンが大嫌いで、走るという作業のことは苦痛としか思っていません。
仮に優秀なコーチがついて走り方を教えてくれたり、走ることの楽しさを何時間にもわたって話してくれたりしたとしても、絶対に走りたいとは思わないです。
また、私は社会科目が非常に苦手で、なんとか地理で受験を終えることはできましたが、高校の日本史や世界史の授業は、人気のある先生の指導であったにもかかわらず、嫌でしかなかったことを覚えています。
皆さんにも、何かしら絶対にやりたくないというものがあるのではないでしょうか。
そして、人によっては、勉強がこの絶対にやりたくないものに該当してしまう場合があります。
そのような学生は、今までできなかったことができるようになる喜びを感じることもなければ、自分から率先して勉強をしようと考えることもないです。
この例は非常に極端な話であり、ほとんどの学生は、少しでも成長を感じることを楽しいと思うはずなので、それほどこの点における才能については悩む必要はないですが、そのような場合もあるということは知っておいてください。
記憶力
才能に由来すると思い知らされることが多かった能力として、記憶力が挙げられます。
東大に入学すると、本当に傑出した能力を持つ学生は、テキストなら一度見ただけで全てを把握することができ、講義も一度聞いただけで全ての内容を覚えているのだということが分かりました。
私自身は、残念ながら記憶力という点では恵まれたものがなかったため、一つの考え方を理解するために、何時間もテキストを解釈し直したり、問題演習を繰り返したりする必要がありました。
大学受験のことを考えても、私自身は単語帳で単語を覚えることが非常に苦手だったので別の方法を使いましたが、中には単語帳での学習が得意という受験生もいるはずです。
このように程度の差こそあれ、記憶力に関しては、個人間でやはり違いがあるのではないかと言えると思います。
マルチタスク
「一つの課題に取り組んでいるように見えて、頭の中では複数の思考が駆け巡っている状態」のことを、この記事ではマルチタスクと表現することにします。
別の言い方をすれば、頭の回転が早いという表現にもなるかもしれません。
頭の回転が速いかどうかは、講義を受けている際の質問の量や質を見ることで判断することができます。
優秀な学生は、短時間の間に盲点となるような質問を的確に投げかけることができ、逆に頭の回転の遅い学生は、授業や講義をただ聞いているだけで、それに対して頭の中で思考するという作業を怠っている傾向にあるのではないかと考えます。
これは大学生に限った話ではなく、高校生においても、頭を使い続けることを普段から自然にできるかどうかが、受験で成功する一つの鍵になると言えるでしょう。
そして、この頭の回転については、意識してそうしようと考えてもなかなか容易には実践できないと思われるため、才能に分類されると私は考えます。
努力できることも才能の一つ
「才能がない分、努力でカバーする」という考え方はもっとものように聞こえますが、努力を継続できるかどうかも才能であると言えそうです。
以前に有名予備校の講師が「第一志望に合格したい浪人生は毎日15時間勉強すれば良い」とTwitterに書いているのを見たことがあります。
これは私自身も真理だと思いますが、現実的には、これを実行できる浪人生はほぼいないでしょう。
将棋の羽生善治九段は
これだけの努力をすれば成果が確定しているというものに対して努力を続けることは比較的容易だが、成果が確約されていない中で、自分を律して努力を続けられるかどうかというのは、やはり才能に由来する部分が大きい
というようなことをインタビューで語っていました。
先の見えない受験勉強にも、同じようなことが言えるのではないでしょうか。
才能がない場合はどうすれば良いか
ここまでは勉強に関する才能について話を進めましたが、今度は逆に、才能がない場合はどのように考えてそれをカバーすれば良いのかについて考えていきます。
自分の弱点を徹底的に補うことを考える
才能の項目で紹介した記憶力の部分が自分には欠けていると感じるのであれば、その部分の学習には意識して時間をかけるようにすることが一つの対策であると言えます。
1時間かけても暗記が終えられないのであれば、2時間かかっても良いから完璧にするという意識を持つということです。
また、受験勉強において、文章の意味を素早くかつ正しく把握することが苦手な学生は多く、これにもいくらか才能が関係する要素があるように思われますが、もし自分にその才能がないと考えるのであれば、他の人の何倍もの量のテキストをこなすことを考えるなどの工夫が必要です。
普通のやり方をしているだけでは、絶対に才能のある人に追いつくことはできないということを頭に入れて、日々の学習をもう一度見直してみると良いでしょう。
得意な部分でカバーすることを考える
人によっては、暗記は苦手だけれども、計算問題で論理的な思考をすることは得意という場合があるかもしれません。
このような場合は、苦手なものは程々にできれば良いと割り切る代わりに、得意な部分をどんどん伸ばすように考えてみるのも一つの手段です。
苦手なものはなかなか勉強が進まないかもしれませんが、自分が得意だったり好きだったりするものは、集中して取り組みやすいと思われます。
特定の科目で高い点数が必要な場合は難しいですが、多くの受験においては、いくつかの科目の合計点で合否が決まるので、自分の苦手な部分と得意な部分にかける勉強時間をうまく調整することで、合理的に合格に近づくことができる可能性があります。
自分にできる範囲での努力を欠かさない
受験は人と比べることの最終地点のような意味合いがあるので、周りのことを全く意識しないわけにはいかないですが、あまりにも優秀な人と自分を比べ続けると、そのことがモチベーションの低下につながる恐れがあります。
そのような場合には「他人は他人」という考えを持ちつつ、自分にできる最大限の努力は欠かさないようにすることが大切です。
前述した、毎日15時間勉強するという目標は誰もが達成できるものではないですが、土日だけは頑張って15時間勉強するというように、少しハードルを下げれば、いくらか取り組みやすい課題になります。
重要なことは、受験が終わったときに「あの時にこうしていれば良かったのに」というような後悔がないように、日々の勉強に対する姿勢を見直すことです。
【まとめ】才能がなくても努力を継続すれば合格はつかめる
スポーツと同様に、勉強にも才能が関係する部分は多分にあると私は考えます。
しかしながら大学受験においては、全ての才能を発揮してトップ合格した場合でも、地道な努力を続けて最低点でなんとか合格した場合でも、合格という事実には変わりがありません。
自分が才能がないと自覚するのであれば、それを補うためには何をすれば良いのかを考えて、できる限りの努力を続けることが重要だと言えるでしょう。
Youtubeも参考に!受験に才能は必要か!?《一問一答》教えて中森先生!!
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