東大と京大は何が違う?入試問題(英語・数学・国語)の違いを解説!
こんにちは。
東京大学理学部卒講師のFです。
皆さんは、受験生に求める人物像や能力が、東大と京大では大きく異なっていることはご存知でしょうか。
ともに日本における最難関の大学ですが、それぞれが受験生を選抜する仕組みには随分と違うところがあります。
今回は、東大と京大の主要3科目(英語・数学・国語)の入試問題を例に挙げながら、それぞれの特徴を解説していきます。
東大と京大の特徴
まず初めに、東大と京大の特徴について、大まかな部分を解説します。
東大は処理能力を重視している
東大は、古くは官僚を養成するための位置づけにある大学でした。
現在では、そのような風潮は減ってきて、東大を卒業した後の進路は様々になってきていますが、入学試験においては、いまだに古くからある考え方を踏襲しています。
東大の入学試験の特徴は、厳しい時間制限の中で、的確に問題を処理することができるかどうかを判断するものである点です。
激務として知られる官僚の業務のことを考えると、高い処理能力を有する学生を選抜しておきたいという考え方は自然に思えます。
京大は時間をかけて問題に取り組む研究者タイプ
東大が素早い処理能力のある学生を欲しているのに対し、京大は、難問に対峙しても、怯まずに時間をかけて考察を続けられる人材を選抜しようとしています。
それゆえに京大の入試問題は、時間を惜しみなく使った上で、妥協することのない解答を作成できるかどうかを見るものが多いです。
また京大は、努力だけでは得られないような「素質」「天才」といった要素のある学生を受け入れたいと考えており、その傾向は、テクニックを身に付けるだけでは歯が立たないような入試問題にも現れています。
主要3科目(英語・数学・国語)の相違点
ここからは、英数国の主要3科目について、東大と京大の間にはどのような差異があるのかについて見ていきます。
東大英語と京大英語の違い
英語の入試問題は大学ごとに大きく個性が現れますが、その中でも、東大英語と京大英語はともに独自性が高いと言えるでしょう。
東大英語についてはこちらの記事で詳しく解説していますが、受験生の英語力を様々な観点から総合的に試そうという意図がうかがえる構成になっています。
問題の量に対して、試験時間が非常に短いというのも特徴です。
一方の京大英語は、和文英訳、英文和訳、自由英作文の3つの分野からしか出題されず、問題のバラエティという観点では、日本の大学の中でも簡素な出題の部類に属します。
しかしながら、それぞれの問題の難易度が非常に高く、じっくりと時間をかけないと解答することが難しくなっています。
それぞれの大学の和文英訳の問題を例として紹介します。
東大
問題:下線部を英訳せよ いや、別に嘘をついているわけではない。たしかに、大学に入ってしばらくのあいだ、語学を仕込む期間はこんなふうにやらなければならなかった。だが、語学の習得は自転車に乗る練習のようなもので、練習しているあいだは大変でも、一度乗れるようになってしまえばなんでもない。あとはいつも乗ってさえいればいいのだ。 |
京大
問題:次の文章を英訳しなさい。 お金のなかった学生時代にはやっとの思いで手に入れたレコードをすり切れるまで聴いたものだ。歌のタイトルや歌詞も全部憶えていた。それが今ではネットで買ったきり一度も聴いていないCDやダウンロード作品が山積みになっている。持っているのに気付かず、同じ作品をまた買ってしまうことさえある。モノがないからこそ大切にするというのはまさにその通りだと痛感せずにはいられない。 |
これを見る限り、東大は訳す部分が短いことに加え、いかにも英語に訳しやすいような文体で書かれていることが分かります。
一方で京大の問題は、簡単には英訳が思いつかないような表現が散りばめられているため、受験生は、まずは英訳がしやすい形に自分の言葉で問題文を調整する必要があります。
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東大数学と京大数学の違い
東大数学と京大数学の大きな違いは、誘導の有無です。
東大の数学も決して誘導が多いとは言えないですが、いくつかの小問を含む形で大問が構成されている場合は、解答の筋道を立てやすくなります。
一方で京大は、小問が配置されていることが少なく、また証明問題が出題されやすいという特徴があります。
証明問題においては、論述の正確さが採点に響いてくるため、単に計算によって数値を求める問題と比べると、高得点を狙うことが難しいです。
このあたりにも、処理能力よりも思考力を問うことを重視する京大の傾向が現れていると思います。
問題の形式には違いがありますが、どちらの大学を目指す場合においても、単なる解法の暗記では満足に問題を解くことはできないでしょう。
日頃から時間をかけて問題に取り組むことで、未知の問題に遭遇しても、適切な手法を組み合わせながら解答を構築する能力を体に覚え込ませる必要があります。
東大国語と京大国語の違い
東大と京大は、理系にも国語を課す珍しい大学です。
「高い思考力を持ち、高度な論述のできる学生を選抜したい」という意図がここからは汲み取れます。
国語の入試問題は、東大も京大も記述式の問題形式になっており、棒線部の説明や、現代語訳を書く問題が主となっています。
それぞれの問題の最も大きな違いは、東大の解答欄は非常に小さく、使用する語句を吟味して解答を作成する必要があるのに対し、京大の解答欄は非常に大きなものとなっている点です。
短い文章で的確に説明することも大変ですが、大きな解答欄を満たしつつ、冗長にならないように構成を考えることも難しいため、どちらの方が難易度が高いかは一概には判断できません。
また東大では、理系の場合は、現代文・古文・漢文が1題ずつ(文系は現代文がもう1題加わります)出題されるのに対し、京大は、文理ともに現代文2題・古文1題という構成になっている点も異なる部分です。
問題文自体は、難関私大文系のものと比べると短いですが、書いてある内容は東大京大ともに抽象度の高いものになるため、じっくりと内容を把握しないと得点できないようになっています。
東大と京大の違い まとめ
主要3科目から見えてくる東大と京大の特徴をまとめると、
東大は、厳しい時間制限の中で、要点のみを的確に抽出した簡潔な解答を作る能力を求めているのに対し、
京大は、ある程度のゆとりのある時間の中で、自分の力でしっかりと考えることができる学生を集めたいと考えていることが分かります。
どちらの大学を受験するにせよ、他大の対策を流用できる部分は少ないため、受験勉強の途中で、東大や京大に志望を変更する場合は注意が必要です。
これらの大学を目指す学生は、早めに過去問に触れて、問題の傾向を掴んでおくようにすると良いでしょう。
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