こんにちは!
武田塾小田原校です。
みなさん、心理学と聞くと、どのようなイメージを思い浮かべるでしょうか?
「心理テスト」や「心理カウンセラー」などをイメージした人も多いのではないでしょうか?
多くの人が、「人の気持ちを読めるようになる学問」といったイメージを持っていることかと思います。
私も大学で心理学を専攻するまでは、心理学に対して、そのようなポップなイメージを持っていました。
しかし、大学に入って心理学を学んでいくと、自分の思っていた「心理学」のイメージとは全然違うことに気づきました。
今回はこのブログで、私が大学で心理学を学んでいる経験を活かして、その実情を受験生のみなさんにお伝えしていこうと思います!
みなさんが思っている「心理学」のイメージとも大きく違ってくると思うので、
このブログを通して大学では「どのような心理学を学ぶのか」ということがわかっていただけたらと思います!
心理学部って何を勉強するの?
大学で学ぶのは、ポップな心理学ではなく、「学問的な心理学」
先ほどもお話したように、世間が考えている心理学のイメージはとてもポップなものだと思います。
しかし、私たちがテレビのバラエティー番組や、心理テストなど出会う心理学は大学で学ぶような心理学ではありません。
実は、心理学はポップなものと、学問的なものとで分かれており、私たちが見かける心理学の多くは「ポップな心理学」にあたります。
この心理学は、「ポピュラー心理学(通俗心理学)」と呼ばれ、学問的に研究された心理学の一部分を切り取って、世間受けがいい様に加工された心理学です。
一応心理学ではあるのですが、大学などで心理学者が研究したことの、ひとつの側面を非常にわかりやすくかみ砕いたものです。
一言でいえば”ゆる~い”心理学です。
つまり、みなさんが日ごろ目にする心理学は「大学で学ぶ心理学」ではありません。
大学で学ぶ心理学は ”学問的な心理学” であり、わかりやすく言えば、”おかたい心理学" になります。
次の章で大学で学ぶ心理学の実情をお伝えしていきます!
では、そもそも「心理学」とは何でしょうか?まずは概要について説明していきます!
「心理学」とは?
「心理学」と辞書で調べると、このように出てきます。
心理学・・・経験的事実としての意識現象と行動を研究する学問 ースーパー大辞林ー
これだけ読んでもイメージが湧かないと思うので、以下でかみ砕いてわかりやすく説明していきます。
心理学とは、わかりやすく一言で説明すると、
「人間の心のはたらきを理解していく学問」
です。
人間の心を研究すると言っても、心というものは目に見えるものではありません。
なので、心をしらべるために、目に見える「行動」や「ことば」、「からだや脳のはたらき」から人の心を理解していきます。
たとえば、先生に怒られて、「嫌なきもちになった」ときの、「嫌なきもち」とは何でしょうか?
「嫌なきもち」というものは目に見えないので、心理学ではこれを言語化したり、その時の脳の働きをみたりして研究します。
具体的には、その「嫌なきもち」に含まれている、
「悲しみ」は10点中何点なのか(どのくらい怒りがあるか)、
「怒り」は10点中何点なのか、
脳の中のストレスホルモンはどの程度でているのか、など
わかりやすい感情の指標で測ったり、どのくらいのホルモンが分泌されているかなど、数値化しながら論理的に分析していきます。
心理学の研究では、「先生に怒られたら嫌なきもちになる」から、「怒られたら嫌なきもちになるんだ!」
みたいに論理的ではない手段で考えていくことは決してありません。
大学では、実験や調査を行い、統計分析をすることで、客観的に見てその心のはたらきが正しいのかを常に考えながら研究をしていきます。
大学ではどのように心理学を学んでいくのか
まず、大学で学ぶ学問的な心理学は、「心理学」ひとまとまりにして学んでいくことは、ほとんどありません!
まず、心理学には「○○心理学」といったように、さまざまな分野についての心理学があります。
大学では基本的に、各分野の心理学ごとに授業を取り、学んでいきます。
一例を挙げると、
「学習心理学」「社会心理学」「神経・生理心理学」「発達心理学」「臨床心理学」「感情心理学」
などといったものがあります。
・学習心理学では学習に関する心理学を学び、
・神経・生理心理学では脳科学的側面から心理学を学び、
・発達心理学では人間の発達に関する心理学を学びます。
このような「○○心理学」といった分野は大学で学ぶ分野だけでも20以上の種類があります!
次の章でそれぞれの分野で何を学ぶのか、3つの分野を挙げて詳しく説明していきます!
心理学部って実際にはどんな内容を勉強するの?
大学ではどのようなことを学ぶのか、その具体例を紹介していきます。
今回は、
①「社会心理学」
②「学習心理学」
③「臨床心理学」
の3つの分野のみに絞って、それぞれ大学でどのようなことを勉強しているのか、ご紹介します!
先ほどもいったように、さまざまな心理学がありますが、その中でもみなさんが興味を湧きやすいものから紹介していきます!
「おもしろい!」と感じやすい心理学の分野は「社会心理学」がそのひとつだと思います。
その社会心理学について、具体的内容をお話していきます!
① 社会心理学とは
社会心理学・・・社会の中で行動する個人または集団の意識や行動を研究対象とする心理学。対人関係、グループ間の関係、制度・慣習・文化などとの関係を個人または集団の心理的反応と関連づけて研究する
社会心理学では、人と人との関わりのなかの心理学を学びます。
具体的には「どのように人は人を好きになるのか」といったことや、「どうやって人は説得されるのか」などといったことなどを学びます。
社会心理学を学んでいくと、
自己開示を増やしたり、人と似ている要素があったりすると人を好きになりやすい
といったことや、
理由を付け加えると人を説得しやすい、専門家が言う事は何でも信じ込みやすい
といったことなども学びます。
社会心理学の研究の中で「吊り橋実験」という有名な実験があるので、それをひとつご紹介していきます!
吊り橋実験とは?
この実験では、不安定な吊り橋、もしくは頑丈な橋の上を渡ってきた男性に対して、女性が声をかけ、アンケートを実施しました。
その後、声をかけた女性は、
「実験の結果が知りたければ、後で連絡してほしい」
と自分の名前と電話番号が書かれたメモを男性に渡しました。
結果は、
頑丈な橋の上を渡ってきた男性が電話をかけてきた割合は9%
だったのに対して、
グラグラと揺れる吊り橋の上で実施した場合は39%もの男性が声をかけてきました。
つまり、普通の橋より、グラグラゆれる吊り橋を渡ってきた男性の方が、女性に電話をかける割合が4倍以上高かったのです!
この実験からわかったことは、
「吊り橋を渡る際の恐怖を、女性への恋心であると男性が勘違いしたため、電話をかけてきた男性が多かった」
ということです。
吊り橋で感じたドキドキを女性へのドキドキと勘違いしてしまったということなんです。
ごく一例に過ぎないですが、社会心理学では、このようなことを学んでいきます。
きっと世間の心理学のイメージに近いのが社会心理学かもしれませんね。
私自身も学んでいて、「おもしろい!」と思える授業のひとつでもあります。
次は学習に関する心理学、学習心理学をご紹介していきます!
② 学習心理学とは
学習心理学・・・経験の蓄積である学習のメカニズムを、主として実験的に解明することを目指した心理学の一領域。
次に学習心理学です。
学習心理学では、人間や動物がどのように学習をするのかということを学びます。
学習というと、学校でする勉強などを思い浮かべると思いますが、心理学でいう「学習」はもっと広い意味で使われます。
どういうことかというと、たとえば、
・パソコンのタイピングが上手くなっていく ・牡蠣を食べて食中毒にあった後、牡蠣を食べなくなる ・授業中におしゃべりしていて、廊下に立たされたという経験をした後、授業中におしゃべりをしなくなった |
といったことも「学習」にあたります。
心理学においては、私たちが経験を通して身に付けたものはすべて「学習」です!
その学習心理学の有名な実験をひとつご紹介します!
パブロフの犬
学習心理学で有名な実験は、「パブロフの犬」と呼ばれる実験です。
この実験では、犬に ”ベルを鳴らしてえさを与える” ということを何度も何度も繰り返すのですが、
この、犬に ”ベルを鳴らしてえさを与える” ということを繰り返していくと、
最終的にベルを鳴らしただけで、犬はエサがもらえると勘違いするようになります。
ふつう、犬はエサがもらえるとわかったらよだれを垂らすようになりますが、
この実験の最後では、ベルが鳴ると犬がよだれを垂らすようになるのです。
これは、犬が、
ベルが鳴るとエサがもらえる
ということを学習したという証拠であり、このような学習のプロセスを心理学部では学びます。
心理学部の授業では、これらのことを専門用語などを使って論理的に理解していきます。
たとえば、ここでの「ベルを鳴らす」といった刺激を「無条件刺激(US)」と呼んだり
「よだれを垂らす」という反応を「無条件反応(UR)」と呼んだりします。
そして、ベルを鳴らすだけで、よだれを垂らすようになることを
「レスポンデント条件付け」と心理学では呼びます。
このように、心理学部では専門用語などを使い、論理的に考えながら学んでいきます。
③ 臨床心理学とは
臨床心理学・・・心理的な問題の解決や適応のため、助言・相談や診断・治療、およびその研究を行う、心理学の応用分野。
最後に、心理学の分野の中では大きい分野である、臨床心理学という分野をご紹介していきます。
臨床心理学の「臨床」とは、
直接クライアント(カウンセリングに来た人)にかかわる
といったような意味になります。
臨床心理学は心理学の応用分野でもあるのですが、心理学を直接使うカウンセリングに大きく関わる分野にもなるので、
この分野に関連した授業は大学の授業の中でも多めの印象です。
誤解を恐れずに言うと、臨床心理学は心理カウンセラーのための心理学ともいえます。
そのため、将来心理カウンセラーになりたくて心理学部に来ている学生も多いです。
臨床心理学はカウンセリングのための心理学
臨床心理学では、心に問題を抱える人に対して、その原因を探り、心を健康な状態に回復させるための知識や技法を学びます。
具体的に、臨床心理学の授業では
うつ病、発達障害、神経症、不登校、ひきこもり、学校・職場でのいじめ、人間関係の悩み、親による虐待
などからくる心の問題に苦しんでいる人を助けるための知識やカウンセリングの方法(心理療法)などを学びます。
同じ心理学でも、社会心理学や学習心理学とはイメージが結構違って見えると思います。
臨床心理学の授業ではどんなことを学ぶか,その具体例をご紹介します。
たとえば、「うつ病」のことであれば
・うつ病になると、睡眠障害、食欲の低下、興味・関心の喪失といった状態になることが多いといったことや、 ・うつ病は脳の病気みたいなもので、ネガティブな感情を抱いてしまう神経伝達物質が過剰に放出されてしまうことによって起こり ・そしてそれは薬で抑制することができたり、運動をすることで改善できたりする |
といったことを学んだりします。
このように、臨床心理学では、
心の問題についての理解をし、身につけた知識、技能を活かして、クライエントの心の問題をどうやって解決していくか
といったことを学んでいきます。
まとめ ~私が心理学を学んでみての感想~
いかがだったでしょうか。
大学で学ぶ心理学についてのイメージは湧きましたか?
最初に抱いていた心理学のイメージとは結構違ったのではないでしょうか?
心理学部ではおおよそこのようなことを学んでいきます。
現在、わたしは心理学部で勉強をしていますが、心理学を学んで良かったと心から思っています。
心理学を学んだことで、上手に勉強ができるようになりましたし、自己コントロール能力も上がったと感じています。
また、なにより人が考えていることがある程度わかってくるので、コミュニケーション能力も上がったと感じます!
心理学を学ぶことで得られることは非常に大きいです!
是非、少しでも心理学に興味を持ってくれたら、心理学部に入ることも視野に入れてみてください!
また、もちろん他の学部の情報も得ることも大切です。
さまざまな学部で何を学ぶのか、まずは情報収集をして、知るところから始めていきましょう。
そして、さまざまな学部をしらべた上で自分は何に興味があるのか検討して学部を選んでいくのがオススメです!
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