皆さんこんにちは、武田塾成田校の講師をさせていただいている加藤と申します。
前回に続き、「脳×○○○」として話していきます。
今回は、「脳×笑顔」です。
皆さんは、笑いますか
皆さんは、笑いますか。
よく言われるのが、子供は1日に400回笑うが大人は15回しか笑わないという悲観混じりの観測結果です。
話が逸れますが、これには気をつけるべき点があります。
一口に子供と言っても、乳児から小学生までいます。乳児は楽しい・面白いから笑うのではありません。
彼らは表情筋を自由に動かすことができません。母乳を吸っている時の笑顔は反射神経によるもので、生得的微笑反射と呼ばれるものです。一概に「楽しくて」笑う回数が減ったとは言えないでしょう。
乳児から戻るとして...
皆さんは、笑いますか。笑顔の多少や理由も含め、それぞれの回答があると思います。
ここでは笑うことで活性化される脳領域をいくつか紹介したいと思います。
活性化される脳領域
１．前頭前野
ひとつ目は、前頭前野です。
前頭前野は記憶、意思決定、注意、実行など、思考や行動の中心となる様々な機能を担っています。
つまりは勉強に超重要な部位ということですね。これが笑いにより活性化します。
ある実験では、漫才の録画を見せる前後で集中力を試す課題や認知機能課題を実施し笑いの効果を測ったところ、録画を見た際に笑っていた被験者の方が、両課題で結果が良かったようです。
これは、笑いと録画の意味把握を同時進行で行うことで、集中力・注意分配能力が向上しただけでなく、入力された視聴覚情報を一時保存し、過去の記憶情報との照合で、刺激の情動的意味を認知的に判断した上で、笑いという表情筋からの出力をします。これはワーキングメモリと呼ばれる非常に高度な機能であり、まさに前頭前野の為す技と言えるでしょう。
しかしこれだけではありません。
言葉の想起という高度機能においても、笑いにより結果は向上したのです。
しかも、作り笑いよりも心からの笑いにより結果の有意差が拡大したそうです。
心からの笑いの方が、前頭前野の活性化には効果的ということでしょう。
２．海馬
ふたつ目が、海馬です。
海馬は、新しいことを記憶するときに使う脳領域です。
またある実験では、同じように録画を見せた前後で、7桁の数字を3秒間で記憶し数分後に答える課題を実施しました。
これは海馬を必要とする瞬時記憶を試す課題です。
ここでもやはり、笑った被験者、特に心から大笑いした被験者の方が結果の有意差が見られ、海馬の活性化には笑いが効果的であることが証明されました。
なぜそうなるかはあまり分かっていません。
人は生まれながらにして社会的動物であるという言説の根拠を増やしていることに、歯痒さを隠しきれませんが、今後の脳科学の進歩に注目しましょう。
笑うことの効用はこれだけに留まりません。
NK細胞の活性化により免疫力がアップするほか、幸せホルモンであるエンドルフィンが分泌され幸福感を得られます。更には、腹式呼吸となることによる血行改善、作り笑いだけでもドーパミン分泌量が増加するという報告もあります。
最後に
さてもう一度。
皆さんは、笑いますか。
これを見てくださる方の多くは受験を控えた方でしょう。
受験という強大な壁を前にして、皆さんはどんな顔でいますか。
真顔ですか。緊張で強張った顔ですか。それとも笑顔でしょうか。
受験は自分との戦いといいます。
確かにそうです。試験中は誰とも話せない。
話し相手は、過去の自分しかいません。
では過去にいたのは、どの顔の自分でしたか。
もしも笑顔のあなたがいたのなら、受験はきっとあなたの味方でいてくれたはずです。
どうか笑顔を絶やさないでください。
未来のあなたはきっと、合格を前にした笑顔を過去に浮かべるはずです。
私たちは、人生を笑顔で彩たいあなたと、本気で笑顔で向き合います。
一緒に笑い、学びましょう！
読んでいただきありがとうございました。
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