みなさんこんにちは!
大学受験予備校、武田塾中山校の梅村です!
本日のテーマはこちら!
ドンッ!
データサイエンス学部とは!?
今回のブログではサイエンスってどんなの?というところから、どんな大学に設置されているのかというところまで紹介していこうかと思ってます。
日本はデータサイエンスの分野では海外の後塵を拝しています。
2017年4月にやっと滋賀大学が全国で先駆けてデータサイエンスに特化した学部を設立しました。
それに続いて、2018年4月に「首都圏発」横浜市立大学(通称:横市)に、また翌年2019年4月からは武蔵野大学が同学部を新設しました。
この3つの大学以外にも近年、新設されています。それもこの記事の最後に紹介させていただきます。
それでは今話題のデータサイエンス学部とはどんな学部なのか見ていきましょう(>_<)
就活生も必見の内容です!
データサイエンスとは!?
昨今話題のデータサイエンスとはなんなのか?
まずはこちらを整理しましょう。
データサイエンスを語る上で、ビッグデータについて触れずには語れません。
ビッグデータとは何かというと、「莫大な量のデータ」です。
曖昧ですね笑
そもそも明確な定義のされていないワードなのでフワッとしているのは仕方ありません。
分かりやすい言葉で言うと、「今まで扱いきれなかったぐらい膨大な量のデータ」という感じです。
世界史でも言及されますが、人々の生活を大きく変えた革命として、「農業革命・産業革命・IT革命」があげられます。
ちなみにIT革命の IT とは Information Technology のことです。
今では SNS に代表されるような、 Communication を含めて ICT と言ったりもしますね。
このIT革命によって我々の生活は一変しました。
ドラえもんの秘密道具が現実のものになるなんて、30年前の誰が想像できたでしょうか?
©藤子プロ・小学館「てんとう虫コミックス 『ドラえもん』19巻より」
情報技術( Information Technology )が進歩するとともに、莫大な量のデータを徐々に蓄積できるようになります。
そういったデータを総称してビッグデータと呼んでいます。
ビッグデータというワードが一般的に普及し出したのは10年ほど前からです。
ビッグデータが蓄積されるようになり、次はそれを活用することが求められるようになりました。
これをどう活用していくかという学問を、データサイエンスと呼んでいるんですね。
データサイエンスの必要性
それでは、ビッグデータがどういったところで必要になってきたか見てみましょう。
実は我々の生活に密接に結びついている事例がめちゃくちゃ多いです。
本章ではイメージが湧きやすいものを取り上げます。
SNS ( Social Networking Service )
ここ十年ほどで急激に成長した産業として、 SNS が挙げられます。
Twitter, Facebook, Instagram, LINE などが有名です。
「インスタ映え」が流行語大賞になった年もありましたね。というか近年の流行語大賞ってSNS初の物ばかりですね。
昔は個人が世界とつながることはほとんどありませんでした。
だから個人の消費はほとんどが「モノ」に対してのものでした。
しかし SNS の台頭により、またモノの充足により、消費の傾向は「コト」に対してへ重心を移します。
個人がどんなコトをしたかが容易に発信できる時代になったからです。
俗に言う、「モノからコトへ」というやつです。
Facebook の現在の MAU ( Monthly Active Users :一月当たりの利用者数)は約30億人と言われています。
一人一人のコメントなどを追えば消費の傾向などがわかるので、とても有用なデータとなります。
しかし異常な量のデータなので、活用しきるのは大変です。
これらのデータを一件一件手作業で分析するなんてことができるわけがありません。
ここでデータサイエンスの出番が来るわけですね!
過去にニュースにもなりましたが、トランプ大統領の選挙において、 Facebook のデータが不正に流用されていました。
これがなければトランプ政権は誕生していなかったかもしれません。
アメリカの大統領選挙を左右するぐらいインパクトのあるデータを一企業が扱う時代なんですね。
IT革命ってすごい!
AI( Artificial Intelligence )
AI とは、日本語で人工知能と言います。
コンピュータに知能を持たせる技術ですね。
近年飛躍的にAIの技術が進歩しているのも実はデータサイエンスが一役買っていたりします。
AIがどの程度のレベルまで来ているのかを検証する際、人間との勝負が一番イメージしやすいです。
チェス、囲碁、将棋は「 AI 対 人間 」でよく取り上げられます。
20年前ぐらいにチェスで AI が人間に勝ち、囲碁では2016年に AI が人間に勝ちました。
将棋でももはや AI の方が強いらしいです。
AIの技術の中に、「機械学習」というものがあります。
これは反復してデータを読み込むことで、新しいパターンを発見しながら機械が自律的に学習していくシステムのことらしいです。
専門家ではないので、詳しいことはわかりません笑
これは膨大な量のデータと、それを処理するだけの性能がないと実行できなかったそうです。
テクノロジーの発展によりビッグデータを活用できるようになったので、急激に伸びた分野みたいですね。
人間でも将棋をやろうと思うと、過去の棋譜を読んで研鑽を重ねます。
これを機械ができるようになると、人間を圧倒するスピードで、しかも不眠不休でできるわけです。
あっという間に人間を追い越してしまうのも納得です。
IoT(Internet of Things )
IoT とは、「モノ」のインターネットと呼ばれるものです。
まだそこまで一般的にはなっていませんが、これからは当たり前のことになると目されている分野です。
これからは、あらゆるものがインターネットにつながる時代になります。
既に家電には色々と組み込まれていたりするので、イメージは湧きやすいですね。
スマートスピーカーなんかはまさに IoT です。
自動で快適な温度や湿度を維持してくれる「家」なんかもあるみたいですよ。
あらゆるものにインターネットがつながると、想像もつかないデータ量になります。
それを可能にする通信技術も必要ですが、それを処理することも求められます。
まさにデータサイエンティストの専門分野になるわけです。
データサイエンティストは将来安泰ですね!
本当に引く手数多で羨ましいです笑
データサイエンスという学問は具体的に何をするのか?
データサイエンス学部では主に何が学べるかと言うと以下のことです。
・コンピューティング系(プログラミング・データベース・ネットワークなど)
・数学系(統計学がメイン)
・ビジネス系
当たり前なんですが、「使うための知識、使うためのツール、どう使うか」を主に学んでいきます。
もちろん最先端分野の AI や IoT についても学べると思いますよ。
ここで、統計学について少し書きます。
統計学とは、読んで字のごとく統計をする学問分野です。
これ、実は相当大事な分野になります。
未来を予測しようと思ったとき、理論を組み合わせて予測することがあります。
これは演繹法と言います。
それに対して、過去に起こった事象を集計することで未来を予測することもあります。
これを帰納法と言います。
わかりにくいので例を出します。
6月が梅雨で、多雨な季節だということはご存知だと思います。
これをどう予測するか?
演繹:オホーツク海気団と小笠原気団が発達して間に停滞前線が発生するから
帰納:過去日本においては毎年6月に雨が降りやすかったから
どうでしょう、違いが見えましたか?
数学的アプローチをするとき、それぞれに強みと弱みがあります。
演繹法
・強み:データを必要としない
・弱み:複合的な要素が絡むものは予測しにくい、誤差を予測できない
帰納法
・強み:誤差まで含めて求められる、複数の要素が絡んでも関係ない
・弱み:多量のサンプルデータがないと正確性を担保できない、確度の高い値は求まらない、因果関係はわからない
高校で学ぶ数学や物理は、演繹的なものばかりです。
理屈を知らないと事象の理解ができないので、まずは骨となる理論を学ぶことが重要だからです。
物事の因果を学ぶことに主眼が置かれています。
しかし、大学より上になると、実務レベルでの活用が必要になります。
そうなったとき、結果にコミットできる帰納法の方が使いやすいことが多いんです。
理屈を知らなくても結果にアプローチできるからです。
ここで登場するのが統計学です。
統計的手法は帰納的な計算の代表格です。
ただし、サンプル数が多くなければ統計学は精度の高い計算はできません。
逆に言えば、サンプルが多いときは統計学は何にでも応用できます。
ビッグデータを活用しようと思ったとき、統計学はとても相性が良いので、学ぶ必要があるんですね。
データサイエンスが学べる大学
ここからは、データサイエンスが学べる大学とその取り組みをざっくり紹介していきます。
滋賀大学 データサイエンス学部
滋賀大学では、冒頭でも紹介させていただきましたが、日本ではじめにデータサイエンス学部を設置した大学です。
2019年にデータサイエンス研究科といういわゆる修士課程を日本で初めて新設したようです。
また、社会との取り組みとして、ガソリンスタンドのタンクを製造する玉田工業(金沢市)との協業をしているようです。
地下タンクの在庫量データが不正確で、ガソリン漏れを検知しにくいことに悩みを抱えていた同社とともに、漏れをいち早く検知できるシステムを作ったそうです。
おそらく下のような仕組みかなと思いました。
①過去データを集計
↓
②統計的に妥当な量を推測
↓
③妥当な範囲からのはずれ値が出たらアラーム
想像なので確かなものではありません。
ご了承ください。
このシステムを作るにあたり、もちろん統計学的な知識がないといけません。
さらに様々な知識が必要だと推測します。
流体力学、応用化学、材料化学といった分野です。
さすがに機械的な部分である「検知→アラーム」の部分までは滋賀大学がやっていないとは思いますが、そっちまで含めるとさらに大変です。
漏れがすぐに検知できるようになると、「ガソリンを失うことによる損失、ガソリンによる環境への負荷」を最小に留められるのでとても助かっているようですね。
横浜市立大学 データサイエンス学部
横浜市立大学は、首都圏で最初にデータサイエンス学部を設置した大学です。
特色としては、「分離融合」を掲げているところでしょうか。
データサイエンスと聞くと数値や数字といったデータのイメージが強く、文系とは少し遠い存在に感じます。
ただ、データは数字だけではなく、ネット上のあらゆる文字情報や音声、画像、動画なども含まれます。文章と聞くと文系に近い感じがするのではないでしょうか。
また、データを応用していく先も経済や経営、マーケティングといった文系領域も存在します。
そのため、文理を分けることなく、融合する。という考え方の元、運営されているようです。
取組としては、こちらでは市消防局との協業をしているようです。
救急車の出動件数を推測する研究を行いました。
救急車の出動頻度を、救急搬送データや人口動態、時間帯や気候条件などによって分析し、出動予測を立てるという研究です。
これにより、稼働していない救急車の配置を適切に流用することができ、稼働率を最大化することができます。
こちらはダイレクトにデータサイエンス!といった感じですね。
武蔵野大学 データサイエンス学部
武蔵野大学データサイエンス学部では、Youtubeチャンネルだけでなく、Twitterも存在するようです。
武蔵野大学では、
人間のクリエイティビティをA I やデータ活用によって発揮していく
ということを掲げているようです。
ビッグデータの取り扱いとAIの融合をメインとして、取り組んでいるようです。
立正大学 データサイエンス学部
立正大学は、2021年4月に新設さた新しい学部になります。
ホームページで、動画コンテンツとして、「授業動画」と「イベントデータ」が載っていました。
この動画以外にもいくつか載っていましたので、気になる方は覗いてみてください。
授業の様子がイメージできるのではないでしょうか。
また、2023年4月に以下の大学にもデータサイエンス学部、学科が新設されるようです。
名古屋市立大学
大阪成蹊大学
京都女子大学
一橋大学
順天堂大学
北里大学
佐賀大学
データサイエンス学部ではなくても、情報科学部などにもデータサイエンスを学べるコースが用意されていることがあります。なかでも文科省が認定した数理・データサイエンス・AI 教育プログラム(リテラシーレベル)認定校というのがあり、そちらの大学を紹介します。(数理・データサイエンス・AI 教育プログラム認定についてはこちら)
山形大学理学部理学科データサイエンスコース
東京理科大学工学部情報工学科データサイエンス系
日本大学理工学部応用情報工学科
広島大学情報科学部データサイエンスコース
工学院大学情報学部システム数理学科(情報科学科に名前変更予定)
ほかにも情報学部であればデータサイエンスを取り扱っている大学は多くあります。データサイエンス検定というのもありますが情報系の学校で学ぶことも多く出題されています。情報系の知識があれば個人的に勉強をしていくことも十分可能です。
最後に、データサイエンスを学べる大学として、「データサイエンスプログラム(リテラシーレベル)認定校」を載せさせていただきます。
国立
和歌山大学/岡山大学/北海道大学/室蘭工業大学/東北大学/筑波大学/群馬大学/千葉大学/お茶の水女子大学/東京大学/一橋大学/新潟大学/富山大学/金沢大学/静岡大学/名古屋工業大学/滋賀大学/滋賀医科大学/京都大学/大阪大学/神戸大学/島根大学/広島大学/山口大学/香川大学/愛媛大学/九州大学/九州工業大学/長崎大学/琉球大学
公立
公立千歳科学技術大学/福知山公立大学/山陽小野田市立山口東京理科大学
私立
敬愛大学/創価大学/広島工業大学/徳山大学/サイバー大学/北海道医療大学/東日本国際大学/足利大学/尚美学園大学/亜細亜大学/喜悦大学/工学院大学/上智大学/成城大学/玉川大学/東京都市大学/日本女子大学/武蔵野大学/早稲田大学/神奈川工科大学/金沢工業大学/名古屋商科大学/名古屋文理大学/京都ノートルダム女子大学/大阪歯科大学/阪南大学/関西学院大学/畿央大学/九州情報大学/久留米工業大学/崇城大学/別府大学/宮崎国際大学/昭和学院短期大学/別府大学短期大学部
最後に
データサイエンスについて詳しめに書いてみました。
具体的なイメージの持ちにくいジャンルなので、尻込みしていた人もいるかもしれません。
そんな方に興味を持っていただくことができていれば幸いでございます(^^)
米国で主要テクノロジー企業の頭文字をとった造語で、「FAANG」というものがあります。
全部言えますか?笑
答えは、
Facebook, Amazon, Apple, Netflix, Google
です。
全て一度は聞いたことがあると思います。
今世界で猛威を振るっているこの5つの企業は、全て ICT 関連なんですね。
これを見てもわかるように、データサイエンスの分野はめちゃくちゃニーズがあります。
よく安定がほしいから「公務員になりたい」とか、「(日本の)大企業に入りたい」とか聞きます。
しかしこれから間違いなく終身雇用制度は見直されます。
解雇規制も緩和されるでしょう。
そんな中で安定を目指すと言うのであれば、それはきっと公務員になったり大企業に就職することではありません。
自分に技術をつけることだと思います。
データサイエンスのような分野に進んで、企業から欲しいと言われる人材が本当に安定した人なのでしょう。
今の日本には実践レベルのスキルを備えたデータサイエンティストは全然足りていないみたいです。
それにもかかわらず、企業からは数十万人規模の求人があるらしいです。
そりゃ給料も上がるわという話ですよ。
この分野の人材は、新卒でも1000万円クラスの年収も夢ではないとか。
皆には、本当の意味で安定人材に育ってくれることを期待しています(>_<)
以上です!
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