こんにちは、武田塾長岡校です。
さて、今回のテーマは、
「英語のリスニング勉強法とおすすめの教材」
です。
皆さん、英語のリスニングって聞くと、どんなイメージがわきますか?受験生なら、「分からない単語が多すぎて、ムリ」「単語は分かるけど、はっきり聴き取れない」「英文が流れるスピードが速すぎて、前に流れた英文の内容を忘れる」「共通テストの大問5が苦手」など…いろいろあると思います。
そもそも、英語と日本語は発音の面から大きく違いがあります。
例えば、日本語の母音は「あ、い、う、え、お」の5つです。子音は、9種類の清音、5種類の濁音、1種類の半濁音、合わせて14種類あります。母音単独か、母音と子音を組み合わせて言葉を作ります。子音だけの言葉はありません。
英語の母音は、20種類以上あります。例えば、heardはこもった感じの暗い感じで「ハード」と発音します。口を大きく開けで「ハード」と読むと、hardになってしまいます。子音も、例えば、thinkは舌を上と下の歯で少し挟む感じでティンクと発音します。スィンクと読むとsink(沈む)になってしまいます。他にも、日本語にはない母音、子音があります。
これだけでも大きな違いがあるわけですから、英語圏で生活していない私たち日本人が、英語を聴き取れないのは当然です。でも、安心して下さい。英語の発音の特徴を学び、正しい勉強方法でトレーニングし、日ごろから英語の音声に触れる機会を増やしていけば、リスニングの力は向上し、点数も上がります!
英語が聴き取れない原因として、アクセント、イントネーション、強勢などの違いや、音声以外では、語彙や文法の知識もありますが、今日取り上げたいのは、英語のリエゾン(リンキング)です。
1.リエゾンとは
リエゾンとは、2つ以上の単語の「音のつながり」のことで一般的には連結(リンキング)とも呼ばれています。 例えば、日本語でも、「因縁」は、ローマ字で書くと、in,enですが、実際には、inのnと、enのeがつながって、「いんねん」と読まれます。 このように、単語の音と音がつながって発音されるとき、音に変化が加わります。英語にはこの変化が5つあります。連結、脱落、同化、はじき音、弱形です。
それでは、2022年度の共通テストの英語リスニングの第6問のAの英文の一部を例として見ていきます。①~⑤はそれぞれどのように発音されているでしょうか。
Julia: Oh,no. I’m out of ①butter.
Tom: ②What are you making, Julia?
Julia: I was going to make ③an omelet.
~中略~
Tom: Why ④don’t you just change the recipe?
Julia: I don’t like cooking ⑤that way.
①はじき音
母音にはさまれたtとdの音が、日本語の「ラ」の音に変化する。butterは「バラー」と発音されています。
②弱形
意味的に重要でない単語は弱く、あいまいに発音される。What are you は「ワラユー」と、areが弱く発音されています。
③連結
前の単語の最後と、次の単語の最初のアルファベットがくっついて発音される。an omeletは「アノムレッ」と、anのnとomeletのoがくっついて発音されています。
④同化
2つの単語が異なる音で発音される。don’t you は、ここでは「ドンッユー」と脱落が起きていますが、「ドンチュー」と、don’tのtとyouのyがくっついて、「チュー」という音に変わって発音されることもあります。
⑤脱落
重なった子音が1つ省略されて発音されなくなる。that wayは、「ザッウェイ」と、thatの最後のtは発音されていません。また、ask him「アスキム」、tell her「テラー」など、後ろの単語の最初のhも脱落します。
このように、2つの単語がつながって、さまざまな音声現象が起きることを知っていれば、トレーニングによって、英文がより聴き取りやすくなります。
では、どのようにトレーニングすればよいのでしょうか。
ここで、武田塾の共通テスト対策のリスニングの参考書として推奨されている、「大学入試 関正生の英語リスニング プラチナルール」をおすすめの教材として取り上げながら、勉強法を紹介していきたいと思います。
2.リスニングの勉強法
①まずは、英文を見ずに聴いて、問題を解く。
英文を見てから聴くと、自分がどこで聴き取りにくくなるか、原因が分からなくなります。
②聞いた後は、「解説」で、解答、解答の根拠を確認する。
本書には、上述した「リエゾン」や、such as が聞こえたら何かを列挙していくなとか、~,whileが聞こえたら全文と対照的な内容が来るな、などの語句の知識を、「プラチナルール」として、まとめてあります。
③本文を完璧にチェック
採点したら、英文すべてを読み、語句、英文の意味を確認する。これをすることで、自分の聴き取れないクセ が分かって、学習を進めるごとに、聴き取る力が向上していきます。
④シャドーイングで仕上げる
シャドーイングとは、「聞こえた音声をその英文に影のようにくっついて声に出していくことです。難しい場合は、音読や、リピーティング(一文ずつ流し、一時停止して、声に出していくこと)を取り入れてもいいです。
このような手順で、継続的にリスニングの学習を進めていけば、必ず、聴き取れるようになります!
また、本書は、共通テストの傾向に合わせ、パターン別に演習できるようになっています。自分の苦手な分野を集中的に勉強できます。
そして、勉強ペースについては、『進行モデル「1か月」プラン』が掲載されています。じっくり勉強したい人は、曜日や時間を決めて、学習をすすめるとよいと思います。
3.そのほかのおすすめの教材
最後に、受験勉強から少し離れて、英語が好きな人や、もっと勉強したい人におすすめしたい教材を紹介します。
①杉田敏の現代ビジネス英語
NHKの最高峰の英語教材です。外資系企業に勤める日本人が、ニューヨークを舞台に、同僚や上司とさまざまな会話をするという設定です。2022度の共通テストの英語リスニングの第5問で出てきた、Gig Work、第6問Bで出てきた、ecotourism、も、会話で取り上げられたことがあります。難易度は高いですが、知的好奇心を刺激される部分もあり、現役の大学生、高校生も聞いている人がいるようです。
②無料アプリBBC News
BBC(英国放送協会)のニュースを聴くことができます。キャスターのニュース、記者のレポート、インタビューなど、いろいろな形式で、さまざまな分野のニュースを聴くことができます。容赦ないスピードで話されますが、白人、黒人、アジア系など、様々なバックグラウンドのキャスターが話しているので、アメリカ英語、イギリス英語など、いろいろな英語を聴くことができます。中には、「NHKの教材はつまらなかったので、BBCのニュースを聴いている」という高校生もいるようです。
他にも無数の教材があります。大学受験に備えるだけであれば、受験教材を使用するだけでいいと思います。ただ、こういった教材で学習すると、英語をより深く学べることも事実です。受験勉強の進捗に影響を与えない範囲内であれば、使用するのもありです。
今回のまとめ
①英語を聴き取りやすくするために、「リエゾン」を覚える!
②正しいリスニングの勉強法で、受験参考書を仕上げる!
③余裕があれば、受験教材以外のツールも使用してみる!